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大聖女オーロラ
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オーロラの第2の人生は、すこぶる順調である。生まれた時から、生まれる直前まで大聖女としての仕事をこなしていたから、生まれてすぐからも、まだ眼も開けないうちから、魂だけは、神界へ戻り、また大聖女の仕事をこなす。
肉体は寝たままである。そして、魂だけは、時折、マクセル様の様子を見に行くと、すやすやと眠っていらっしゃる。
オーロラとマクセルは生まれた時からの婚約者である。実際には、親同士とオーロラ自身が決めた生まれる前からの婚約者であるのだが、魂としてのマクセル様にはいまだに会えずにいる。
すっかり忘れ去られている?らしいわ。
それからあっという間に3年が過ぎ、いまではマブダチになったようである。おもちゃの取り合いをしているが、いつも大人なオーロラが譲ってしまうから、喧嘩にもならない。生まれる直前まで21歳で、今も時折、神界へ戻り大聖女の仕事をしているから、精神年齢24歳、3歳の子供相手に喧嘩になるわけがない。どちらかと言えば、マクセル様をあやしているようなもの。
それから2年後、本来ならお妃選定会があるのだが、今回はパス。最初からオーロラがお妃になることが決まっているのである。
それから10年が瞬く間に経つ。そろそろ、学園に入る頃にマクセル様の立太子の礼が行われる。
ドメイン国には、女神のゴールデニアも大聖女のオーロラもいるので、安泰である。
そして、相変わらずゴールデニアは、カンブリア公爵夫人の仕事だけして、神界で女神としての役割を果たしていないが、オーロラは、しょっちゅう神界へ行き、大聖女としての仕事をこなす。母娘でもこれだけの違いがある。
たとえ、マクセル様と婚姻後も、この神界での大聖女の仕事は続けるつもりでいる。
そんなオーロラに対して、神界の若い独身の神様はいろいろ言い寄ってくるが、全部無視。
「オーロラ嬢。今度お茶しない?」
「美しいオーロラ嬢、君の美しさは美の女神だ。」
「大聖女オーロラ様、どうか私の愛を受け止めてほしい。」
そんな中で、転生の神だけが難しい顔をしている。転生の神も独身で、ひそかにオーロラに恋心を抱いているのだが、
「どうやら、マクセルは、浮気をしているようだが、辛抱できるか?」
「ええ?真でございますか?それは……、いえ、信じます。」
「そうか。でも辛くなれば、言ってくれ。きっと君の力になれるようにするから。」
「ありがとうございます。」
オーロラは、転生の神の言葉に驚くものの、マクセルを信じたい。
それから3年後、いよいよ学園の卒業式である。
因縁のオープンカフェ形式のパーティである。ここで21年前の事件が起きた同じ場所。
オーロラははやる気持ちを抑え、明日、マクセルとの結婚式を控えているのである。
そこへマクセルが見知らぬ女性を伴いながら、オーロラのほうへと近づき
「公爵令嬢オーロラ・カンブリア、貴様との婚約は今をもって、破棄するものとする。」
高らかに宣言されたマクセル様、その隣では見知らぬ女性が震えながら佇んでいる。
「な、なぜでございますか?」
「ほぅ。よくもぬけぬけと白々しいことを!貴様は、このリリアーヌを学園内でさんざん虐めぬいてきたではないか?」
「は?その女性をですか?その方とは、今日が初対面でございますれば、初対面の方をどのようにして虐めることなどできましょうか?」
「ひどいっ!ひどいですわっ!オーロラ様は、学園で私の教科書を破ってゴミ箱にお捨てになられたり、階段からすれ違いざまに突き落とそうとされたり、皇帝の中にある噴水につきとばされたではありませんか?」
「は?それはいったい、いつのことでしょう?わたくし授業が終われば、仕事がありますので、さっさと帰っているのですが。証人もたくさんいます。」
「お前はいつだって、公爵家の身分を笠に着て、男爵令嬢を見下しているのだろう。かわいそうに、リリアーヌはこんなに震えているではないか?」
「お言葉ですが、いつわたくしが公爵家であることを笠に着ましたか?」
「俺との婚約だってそうじゃないか?本来なら、5歳の時にお妃選定会が行われるのに、お前とは生まれる前からの約束で決まっていたではないか?それに、お前は俺のお袋より、口うるさくてかなわない。物心ついた時から、いつもそばにずっといられて、鬱陶しくて仕方がなかったんだよ。これでお前とやっと離れられるかと思うと、せいせいするわ!お前は、将来の国母となるリリアーヌを虐めぬいたのだから……」
「「なりません!」」
王太子マクセルの言葉をさえぎって、国王夫妻が前に出る。
「「それ以上の無礼を言うなら、儂らはマクセルよ。お前を廃嫡せねばならん。」」
「父上も母上も、そんなにカンブリアが怖いのですか?私は、リリアーヌと結婚します。」
「バカ者!結婚したければ、勝手にしろ!しかし、その前にお前とお前を誑かした女は死罪とする。衛兵、この馬鹿どもを牢に放り込め!貴族用の牢ではない。地下牢へ放り込め!」
「ええ?なんでよぉ!死罪になるのは、オーロラのほうだって、マクセルが言ってたじゃないのぉ!なんで、私まで死罪になるのよぉ!私たちは、愛し合っているのよ。愛し合っているものがどうして、死罪になるのよ?」
「バカ者が!この女の舌を抜け!大聖女様に冤罪をかぶせるなど、もってのほかだ。」
「「へ?だ、い……聖女、さま?」」
「マクセル、貴様を見損なったぞ。もう、儂らの子供でも何でもない。とっとと失せろ!さもなくば、そこのバカ女とともに死ね!」
「そうですよ、神様に頼んで、大聖女様に頼んで、もう一度私たちの子として生まれてきてもらったけど、こんなバカ息子に育つなんて、何かの祟りよ。オーロラちゃん、ごめんなさいね。あなたにまた辛い目に遭わせてしまって。」
「いいんですよ。お義母様、転生の神からそれとなく聞いておりましたから、覚悟はできています。」
そして、オーロラは大聖女の証である、金色の翼を生やした姿になって、マクセルのほっぺたを一発殴る。
「さようなら。もう二度とあなた様と会いたいとは、欲しません。」
「甘い!オーロラ、それでは、この男の魂は救われない!」
気づけば、ゴールデニアに神界の神々がそこにいたのだ。
「お母様!では、どうすれば……?」
「こういう時は、これに限る。」
そう言って、地面を一蹴りすると。たちまちあたり一面が凍っていく。
最初に凍り付いたのは、汚い心の持ち主、神に対して不敬心しかないリリアーヌから、ついでバカ王子のマクセル、マクセルが凍り付く前に、転生の神がオーロラの前に歩み出て跪き
「大聖女オーロラ様、あなたの気高き心に惚れましてございます。どうか私の妻になっていただきたい。」
そう言って、オーロラの着ているドレスの裾にキスを落とす。最敬礼のプロポーズである。
その様子を凍りながら、悔しそうに見るマクセル、本来は自分の妻にできたのに、ほんの浮気心からリリアーヌにちょっかいを出してしまった自分のことを情けなく振り返る。今までの人生、いつもオーロラが母のように姉のように自分の味方をし続けてくれた。そのオーロラが今まさに他人の妻になろうとしていることに、無性に腹が立ち、それでいてひどく悲しい。凍り付くときに初めてオーロラへの愛を自覚したのだ。
側にいてくれて、当たり前の存在に慣れてしまっていた自分がいた。そのオーロラに鬱陶しいなど酷い言葉を浴びせた先ほどの自分を殴ってやりたいと思ったが、もう首まで凍り付いて、どうしようも身動きが取れない。
「さようなら。マクセル様」
見ると、オーロラが涙を流して自分のほうを見ていてくれている。
「あの神様と幸せになってくれ。」
なんとか、最後の力を振り絞って、それだけ言えた。
そこで、俺の意識は飛んだ。真っ暗の寒いところへ放り出された感覚。周りには誰もいない。
誰かの泣き声が聞こえる。誰だ?
見るとオーロラによく似た女性。オーロラにも見えるが少し今まで見知っていたオーロラとは、違うような?
誰かの死体に抱きついて泣いている。よく見ると俺だった。え?何?遠い昔の記憶か?
凍り付いた俺に女性が抱きついて、自分の体温で氷を溶かそうとしてくれている。
俺は「ごめんよぉ。オーロラ、愛している。」
場面が変わり、オーロラが崖下に飛び降り自殺しようとしている。必死になって後を追いかけるも、オーロラは崖から消える。ものすごい後悔の念を感じる。
しばらくすると、さっき見た黄金の翼を生やしたオーロラが宙に浮かんでいる。
城の一室で、催眠術をかけられている。オーロラと婚約破棄するなど断じて嫌だ。と抵抗している俺。
オーロラとの数々の楽しい思い出、一緒に野山を駆け巡ったり、花を摘んだり、馬で遠出したり、一緒に星を眺め、愛を囁き合った日々。
場面が変わり、俺が誰かに毒殺されたことを知って、母がひどく気鬱になったところ、母はまだ若かったのだなぁ。そこそこキレイだったのだ。若い頃の母は。父も今よりずいぶん若く、まだ髪の毛がふさふさある。
さっきの女神様とオーロラに頭を下げて、頼み込んでいる。
そして二組のカップルは同時に懐妊して、ほぼ同時に出産した。
それが俺とオーロラだったのか。今さら思い出しても仕方がないけど、これを思い出さなければ魂が救われないということか。
俺は、再び暗く寒い場所に戻ってきたのだが、なんとなく、さっきよりも明るいような気がする。誰かの話し声が聞こえるような?また、違う記憶か?
ゴンっ!
誰かに後ろから頭を叩かれたような衝撃!
「まだ気が付かないのか!このバカたれが!」
見ると親父の顔だった。ん?
今度もまた、オーロラが俺に抱きついて、生き返らせてくれたことがわかったのだ。
「オーロラ、ありがとう。愛している。」
「やっとマクセル様が帰ってきてくださったのですね。嬉しいですわ。」
俺はオーロラを抱きしめたが、チラリと転生の神様を見るとやはり悔しそうな表情で、申し訳ないと頭を下げる。
俺の記憶を取り戻すため、一芝居を打ったと後で聞いたが、あれは芝居ではないと俺は信じている。
転生の神様の分まで、俺はオーロラを幸せにすると心に誓ったのは言うまでもないこと。
肉体は寝たままである。そして、魂だけは、時折、マクセル様の様子を見に行くと、すやすやと眠っていらっしゃる。
オーロラとマクセルは生まれた時からの婚約者である。実際には、親同士とオーロラ自身が決めた生まれる前からの婚約者であるのだが、魂としてのマクセル様にはいまだに会えずにいる。
すっかり忘れ去られている?らしいわ。
それからあっという間に3年が過ぎ、いまではマブダチになったようである。おもちゃの取り合いをしているが、いつも大人なオーロラが譲ってしまうから、喧嘩にもならない。生まれる直前まで21歳で、今も時折、神界へ戻り大聖女の仕事をしているから、精神年齢24歳、3歳の子供相手に喧嘩になるわけがない。どちらかと言えば、マクセル様をあやしているようなもの。
それから2年後、本来ならお妃選定会があるのだが、今回はパス。最初からオーロラがお妃になることが決まっているのである。
それから10年が瞬く間に経つ。そろそろ、学園に入る頃にマクセル様の立太子の礼が行われる。
ドメイン国には、女神のゴールデニアも大聖女のオーロラもいるので、安泰である。
そして、相変わらずゴールデニアは、カンブリア公爵夫人の仕事だけして、神界で女神としての役割を果たしていないが、オーロラは、しょっちゅう神界へ行き、大聖女としての仕事をこなす。母娘でもこれだけの違いがある。
たとえ、マクセル様と婚姻後も、この神界での大聖女の仕事は続けるつもりでいる。
そんなオーロラに対して、神界の若い独身の神様はいろいろ言い寄ってくるが、全部無視。
「オーロラ嬢。今度お茶しない?」
「美しいオーロラ嬢、君の美しさは美の女神だ。」
「大聖女オーロラ様、どうか私の愛を受け止めてほしい。」
そんな中で、転生の神だけが難しい顔をしている。転生の神も独身で、ひそかにオーロラに恋心を抱いているのだが、
「どうやら、マクセルは、浮気をしているようだが、辛抱できるか?」
「ええ?真でございますか?それは……、いえ、信じます。」
「そうか。でも辛くなれば、言ってくれ。きっと君の力になれるようにするから。」
「ありがとうございます。」
オーロラは、転生の神の言葉に驚くものの、マクセルを信じたい。
それから3年後、いよいよ学園の卒業式である。
因縁のオープンカフェ形式のパーティである。ここで21年前の事件が起きた同じ場所。
オーロラははやる気持ちを抑え、明日、マクセルとの結婚式を控えているのである。
そこへマクセルが見知らぬ女性を伴いながら、オーロラのほうへと近づき
「公爵令嬢オーロラ・カンブリア、貴様との婚約は今をもって、破棄するものとする。」
高らかに宣言されたマクセル様、その隣では見知らぬ女性が震えながら佇んでいる。
「な、なぜでございますか?」
「ほぅ。よくもぬけぬけと白々しいことを!貴様は、このリリアーヌを学園内でさんざん虐めぬいてきたではないか?」
「は?その女性をですか?その方とは、今日が初対面でございますれば、初対面の方をどのようにして虐めることなどできましょうか?」
「ひどいっ!ひどいですわっ!オーロラ様は、学園で私の教科書を破ってゴミ箱にお捨てになられたり、階段からすれ違いざまに突き落とそうとされたり、皇帝の中にある噴水につきとばされたではありませんか?」
「は?それはいったい、いつのことでしょう?わたくし授業が終われば、仕事がありますので、さっさと帰っているのですが。証人もたくさんいます。」
「お前はいつだって、公爵家の身分を笠に着て、男爵令嬢を見下しているのだろう。かわいそうに、リリアーヌはこんなに震えているではないか?」
「お言葉ですが、いつわたくしが公爵家であることを笠に着ましたか?」
「俺との婚約だってそうじゃないか?本来なら、5歳の時にお妃選定会が行われるのに、お前とは生まれる前からの約束で決まっていたではないか?それに、お前は俺のお袋より、口うるさくてかなわない。物心ついた時から、いつもそばにずっといられて、鬱陶しくて仕方がなかったんだよ。これでお前とやっと離れられるかと思うと、せいせいするわ!お前は、将来の国母となるリリアーヌを虐めぬいたのだから……」
「「なりません!」」
王太子マクセルの言葉をさえぎって、国王夫妻が前に出る。
「「それ以上の無礼を言うなら、儂らはマクセルよ。お前を廃嫡せねばならん。」」
「父上も母上も、そんなにカンブリアが怖いのですか?私は、リリアーヌと結婚します。」
「バカ者!結婚したければ、勝手にしろ!しかし、その前にお前とお前を誑かした女は死罪とする。衛兵、この馬鹿どもを牢に放り込め!貴族用の牢ではない。地下牢へ放り込め!」
「ええ?なんでよぉ!死罪になるのは、オーロラのほうだって、マクセルが言ってたじゃないのぉ!なんで、私まで死罪になるのよぉ!私たちは、愛し合っているのよ。愛し合っているものがどうして、死罪になるのよ?」
「バカ者が!この女の舌を抜け!大聖女様に冤罪をかぶせるなど、もってのほかだ。」
「「へ?だ、い……聖女、さま?」」
「マクセル、貴様を見損なったぞ。もう、儂らの子供でも何でもない。とっとと失せろ!さもなくば、そこのバカ女とともに死ね!」
「そうですよ、神様に頼んで、大聖女様に頼んで、もう一度私たちの子として生まれてきてもらったけど、こんなバカ息子に育つなんて、何かの祟りよ。オーロラちゃん、ごめんなさいね。あなたにまた辛い目に遭わせてしまって。」
「いいんですよ。お義母様、転生の神からそれとなく聞いておりましたから、覚悟はできています。」
そして、オーロラは大聖女の証である、金色の翼を生やした姿になって、マクセルのほっぺたを一発殴る。
「さようなら。もう二度とあなた様と会いたいとは、欲しません。」
「甘い!オーロラ、それでは、この男の魂は救われない!」
気づけば、ゴールデニアに神界の神々がそこにいたのだ。
「お母様!では、どうすれば……?」
「こういう時は、これに限る。」
そう言って、地面を一蹴りすると。たちまちあたり一面が凍っていく。
最初に凍り付いたのは、汚い心の持ち主、神に対して不敬心しかないリリアーヌから、ついでバカ王子のマクセル、マクセルが凍り付く前に、転生の神がオーロラの前に歩み出て跪き
「大聖女オーロラ様、あなたの気高き心に惚れましてございます。どうか私の妻になっていただきたい。」
そう言って、オーロラの着ているドレスの裾にキスを落とす。最敬礼のプロポーズである。
その様子を凍りながら、悔しそうに見るマクセル、本来は自分の妻にできたのに、ほんの浮気心からリリアーヌにちょっかいを出してしまった自分のことを情けなく振り返る。今までの人生、いつもオーロラが母のように姉のように自分の味方をし続けてくれた。そのオーロラが今まさに他人の妻になろうとしていることに、無性に腹が立ち、それでいてひどく悲しい。凍り付くときに初めてオーロラへの愛を自覚したのだ。
側にいてくれて、当たり前の存在に慣れてしまっていた自分がいた。そのオーロラに鬱陶しいなど酷い言葉を浴びせた先ほどの自分を殴ってやりたいと思ったが、もう首まで凍り付いて、どうしようも身動きが取れない。
「さようなら。マクセル様」
見ると、オーロラが涙を流して自分のほうを見ていてくれている。
「あの神様と幸せになってくれ。」
なんとか、最後の力を振り絞って、それだけ言えた。
そこで、俺の意識は飛んだ。真っ暗の寒いところへ放り出された感覚。周りには誰もいない。
誰かの泣き声が聞こえる。誰だ?
見るとオーロラによく似た女性。オーロラにも見えるが少し今まで見知っていたオーロラとは、違うような?
誰かの死体に抱きついて泣いている。よく見ると俺だった。え?何?遠い昔の記憶か?
凍り付いた俺に女性が抱きついて、自分の体温で氷を溶かそうとしてくれている。
俺は「ごめんよぉ。オーロラ、愛している。」
場面が変わり、オーロラが崖下に飛び降り自殺しようとしている。必死になって後を追いかけるも、オーロラは崖から消える。ものすごい後悔の念を感じる。
しばらくすると、さっき見た黄金の翼を生やしたオーロラが宙に浮かんでいる。
城の一室で、催眠術をかけられている。オーロラと婚約破棄するなど断じて嫌だ。と抵抗している俺。
オーロラとの数々の楽しい思い出、一緒に野山を駆け巡ったり、花を摘んだり、馬で遠出したり、一緒に星を眺め、愛を囁き合った日々。
場面が変わり、俺が誰かに毒殺されたことを知って、母がひどく気鬱になったところ、母はまだ若かったのだなぁ。そこそこキレイだったのだ。若い頃の母は。父も今よりずいぶん若く、まだ髪の毛がふさふさある。
さっきの女神様とオーロラに頭を下げて、頼み込んでいる。
そして二組のカップルは同時に懐妊して、ほぼ同時に出産した。
それが俺とオーロラだったのか。今さら思い出しても仕方がないけど、これを思い出さなければ魂が救われないということか。
俺は、再び暗く寒い場所に戻ってきたのだが、なんとなく、さっきよりも明るいような気がする。誰かの話し声が聞こえるような?また、違う記憶か?
ゴンっ!
誰かに後ろから頭を叩かれたような衝撃!
「まだ気が付かないのか!このバカたれが!」
見ると親父の顔だった。ん?
今度もまた、オーロラが俺に抱きついて、生き返らせてくれたことがわかったのだ。
「オーロラ、ありがとう。愛している。」
「やっとマクセル様が帰ってきてくださったのですね。嬉しいですわ。」
俺はオーロラを抱きしめたが、チラリと転生の神様を見るとやはり悔しそうな表情で、申し訳ないと頭を下げる。
俺の記憶を取り戻すため、一芝居を打ったと後で聞いたが、あれは芝居ではないと俺は信じている。
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