転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀

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来世:サザビー王女として

61.十三参り

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 サザビー国の王女として憑依してから10年が経過した。瘴気も、周辺国を含めすべて浄化したので、そろそろ神界へ戻ろうかと思っている。

 今日は13参りの日なのだけど、アイリーンとアフロディーテは女神さまだから、行けば必ず何らかの反応が出ることは間違いない。それで、どうやってごまかそうかと思っていたところ、前の列に並んでいた平民の女の子が突如として、聖女様認定されてしまう場面に出くわした。

 でも、どう見ても、その娘は聖女様ではない。その娘のカラダから黒い靄が出ているのが見える。無論、他の人間たちからは見えるはずがないものだけど、アイリーンとアフロディーテからは、はっきりと見える

「どうする?」

 あの娘は、聖女様ではない。むしろ魔女に近いと言っても過言ではないと思うが、どうやら幻影魔法を使い、教会を騙しているようにも見える。

「いったん、石になってもらいましょう」

 アフロディーテは、その娘の前に進み出ると、明らかに娘は動揺していることがわかる。自分の幻影魔法が効かないことを察知したようで、身構えているが、アフロディーテは何も言わずに、その娘を石に変えた。

 そして、何食わぬ顔で、その石の塊を異空間に収納する。

 知らない人間達から見れば、一瞬にして、聖女様がお隠れになったとしか見えない。

「とりあえず、無限空間に入れたわ。後は専門家に任せるしかない」

 聖女と魔女は一対になっている場合が多く、もし、さっきの娘が魔女なら近々、本物の聖女様が現れるはずだけど、神界を出るときに、そんな話は聞いていない。

 アイリーンの瘴気を浄化する仕事は、聖女様でもできるため、聖女様が誕生する地域での瘴気は浄化しない決まりになっているのだが……今回、何の連絡もなしに、いきなり聖女様が出現されるということは今まで、前例がない。

 いや、待てよ?前世のスザンヌの例もあるから、ひょっとすれば誰かがアイリーンの影響を受けて、聖女様に覚醒するのかもしれない。

 でもあの時は、人間として転生してしまったので、今回は連絡がないというのも変だ。

 まあ、とにかくアフロディーテの言うように、専門家に任せた方がいいに決まっている事案であることは確かなこと。

 考え事をしている間に、あっという間にアイリーンの順番が来てしまい、何の気なしに水晶玉に手をかざしてしまったら、案の定、ピカ、ドーン。

 同じように横の列に並んでいたアフロディーテも……しかり。

 二人そろって、聖女認定されてしまったけど、わたくしたちは、聖女様ではなく女神様なのよ。といくら申し開きをしても信じてもらえない。

 13参りの時に、誰かひとりでも、聖女様が誕生すれば、国民に公表することになっているが、それだけは必死になって食い止めに成功するが、アイリーンとアフロディーテは、教会関係者と両家の人間の前で、女神さまの姿を顕現させ、説明をすることになってしまったのだ。

 すべては、あの偽聖女のおかげで、こうなったわけだが、不思議と両家の親は、自分の娘が女神さまだということを知り、皆、喜んだ。

 聖女様より格上で、パワーも相当なものだから、だけではない。サザビー王家は、王国として、末永い繁栄を保証されたようなものだから、まだ喜ぶことは理解できる。

 そういう意味では、教会も国教会としての地位を盤石なものにできるし、未来永劫、本物の女神さまが降臨された国、教会として安泰になる。

 わからないのが、ソノベ公爵家だ。なぜ娘が本物の女神さまだったからといって、何か得することがある?ないと言った方が早いと思う。それは、死んだ最初の妻の名誉を回復することができるので、ソノベ公爵は喜んだということ。次の後妻も、そして、その次の後妻も皆、老人症という奇妙な病気で亡くなってしまったが、それらすべては、初代亡き妻の呪いであると噂されるから。いや、あれは、アフロディーテが呪詛したから、と言いたいところをグっとこらえる。

 そのほかにも、婚約者が決まっても、不思議とその婚約者とその母親が早死にしてしまうことから、ソノベ夫人の呪い説が有力だったことも加えられる。

 二人の女神さまが降臨されたことを亡き夫人が知れば、どんなに喜ぶかとソノベ侯爵は目頭を押さえる。
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