61 / 79
来世:サザビー王女として
61.十三参り
しおりを挟む
サザビー国の王女として憑依してから10年が経過した。瘴気も、周辺国を含めすべて浄化したので、そろそろ神界へ戻ろうかと思っている。
今日は13参りの日なのだけど、アイリーンとアフロディーテは女神さまだから、行けば必ず何らかの反応が出ることは間違いない。それで、どうやってごまかそうかと思っていたところ、前の列に並んでいた平民の女の子が突如として、聖女様認定されてしまう場面に出くわした。
でも、どう見ても、その娘は聖女様ではない。その娘のカラダから黒い靄が出ているのが見える。無論、他の人間たちからは見えるはずがないものだけど、アイリーンとアフロディーテからは、はっきりと見える
「どうする?」
あの娘は、聖女様ではない。むしろ魔女に近いと言っても過言ではないと思うが、どうやら幻影魔法を使い、教会を騙しているようにも見える。
「いったん、石になってもらいましょう」
アフロディーテは、その娘の前に進み出ると、明らかに娘は動揺していることがわかる。自分の幻影魔法が効かないことを察知したようで、身構えているが、アフロディーテは何も言わずに、その娘を石に変えた。
そして、何食わぬ顔で、その石の塊を異空間に収納する。
知らない人間達から見れば、一瞬にして、聖女様がお隠れになったとしか見えない。
「とりあえず、無限空間に入れたわ。後は専門家に任せるしかない」
聖女と魔女は一対になっている場合が多く、もし、さっきの娘が魔女なら近々、本物の聖女様が現れるはずだけど、神界を出るときに、そんな話は聞いていない。
アイリーンの瘴気を浄化する仕事は、聖女様でもできるため、聖女様が誕生する地域での瘴気は浄化しない決まりになっているのだが……今回、何の連絡もなしに、いきなり聖女様が出現されるということは今まで、前例がない。
いや、待てよ?前世のスザンヌの例もあるから、ひょっとすれば誰かがアイリーンの影響を受けて、聖女様に覚醒するのかもしれない。
でもあの時は、人間として転生してしまったので、今回は連絡がないというのも変だ。
まあ、とにかくアフロディーテの言うように、専門家に任せた方がいいに決まっている事案であることは確かなこと。
考え事をしている間に、あっという間にアイリーンの順番が来てしまい、何の気なしに水晶玉に手をかざしてしまったら、案の定、ピカ、ドーン。
同じように横の列に並んでいたアフロディーテも……しかり。
二人そろって、聖女認定されてしまったけど、わたくしたちは、聖女様ではなく女神様なのよ。といくら申し開きをしても信じてもらえない。
13参りの時に、誰かひとりでも、聖女様が誕生すれば、国民に公表することになっているが、それだけは必死になって食い止めに成功するが、アイリーンとアフロディーテは、教会関係者と両家の人間の前で、女神さまの姿を顕現させ、説明をすることになってしまったのだ。
すべては、あの偽聖女のおかげで、こうなったわけだが、不思議と両家の親は、自分の娘が女神さまだということを知り、皆、喜んだ。
聖女様より格上で、パワーも相当なものだから、だけではない。サザビー王家は、王国として、末永い繁栄を保証されたようなものだから、まだ喜ぶことは理解できる。
そういう意味では、教会も国教会としての地位を盤石なものにできるし、未来永劫、本物の女神さまが降臨された国、教会として安泰になる。
わからないのが、ソノベ公爵家だ。なぜ娘が本物の女神さまだったからといって、何か得することがある?ないと言った方が早いと思う。それは、死んだ最初の妻の名誉を回復することができるので、ソノベ公爵は喜んだということ。次の後妻も、そして、その次の後妻も皆、老人症という奇妙な病気で亡くなってしまったが、それらすべては、初代亡き妻の呪いであると噂されるから。いや、あれは、アフロディーテが呪詛したから、と言いたいところをグっとこらえる。
そのほかにも、婚約者が決まっても、不思議とその婚約者とその母親が早死にしてしまうことから、ソノベ夫人の呪い説が有力だったことも加えられる。
二人の女神さまが降臨されたことを亡き夫人が知れば、どんなに喜ぶかとソノベ侯爵は目頭を押さえる。
今日は13参りの日なのだけど、アイリーンとアフロディーテは女神さまだから、行けば必ず何らかの反応が出ることは間違いない。それで、どうやってごまかそうかと思っていたところ、前の列に並んでいた平民の女の子が突如として、聖女様認定されてしまう場面に出くわした。
でも、どう見ても、その娘は聖女様ではない。その娘のカラダから黒い靄が出ているのが見える。無論、他の人間たちからは見えるはずがないものだけど、アイリーンとアフロディーテからは、はっきりと見える
「どうする?」
あの娘は、聖女様ではない。むしろ魔女に近いと言っても過言ではないと思うが、どうやら幻影魔法を使い、教会を騙しているようにも見える。
「いったん、石になってもらいましょう」
アフロディーテは、その娘の前に進み出ると、明らかに娘は動揺していることがわかる。自分の幻影魔法が効かないことを察知したようで、身構えているが、アフロディーテは何も言わずに、その娘を石に変えた。
そして、何食わぬ顔で、その石の塊を異空間に収納する。
知らない人間達から見れば、一瞬にして、聖女様がお隠れになったとしか見えない。
「とりあえず、無限空間に入れたわ。後は専門家に任せるしかない」
聖女と魔女は一対になっている場合が多く、もし、さっきの娘が魔女なら近々、本物の聖女様が現れるはずだけど、神界を出るときに、そんな話は聞いていない。
アイリーンの瘴気を浄化する仕事は、聖女様でもできるため、聖女様が誕生する地域での瘴気は浄化しない決まりになっているのだが……今回、何の連絡もなしに、いきなり聖女様が出現されるということは今まで、前例がない。
いや、待てよ?前世のスザンヌの例もあるから、ひょっとすれば誰かがアイリーンの影響を受けて、聖女様に覚醒するのかもしれない。
でもあの時は、人間として転生してしまったので、今回は連絡がないというのも変だ。
まあ、とにかくアフロディーテの言うように、専門家に任せた方がいいに決まっている事案であることは確かなこと。
考え事をしている間に、あっという間にアイリーンの順番が来てしまい、何の気なしに水晶玉に手をかざしてしまったら、案の定、ピカ、ドーン。
同じように横の列に並んでいたアフロディーテも……しかり。
二人そろって、聖女認定されてしまったけど、わたくしたちは、聖女様ではなく女神様なのよ。といくら申し開きをしても信じてもらえない。
13参りの時に、誰かひとりでも、聖女様が誕生すれば、国民に公表することになっているが、それだけは必死になって食い止めに成功するが、アイリーンとアフロディーテは、教会関係者と両家の人間の前で、女神さまの姿を顕現させ、説明をすることになってしまったのだ。
すべては、あの偽聖女のおかげで、こうなったわけだが、不思議と両家の親は、自分の娘が女神さまだということを知り、皆、喜んだ。
聖女様より格上で、パワーも相当なものだから、だけではない。サザビー王家は、王国として、末永い繁栄を保証されたようなものだから、まだ喜ぶことは理解できる。
そういう意味では、教会も国教会としての地位を盤石なものにできるし、未来永劫、本物の女神さまが降臨された国、教会として安泰になる。
わからないのが、ソノベ公爵家だ。なぜ娘が本物の女神さまだったからといって、何か得することがある?ないと言った方が早いと思う。それは、死んだ最初の妻の名誉を回復することができるので、ソノベ公爵は喜んだということ。次の後妻も、そして、その次の後妻も皆、老人症という奇妙な病気で亡くなってしまったが、それらすべては、初代亡き妻の呪いであると噂されるから。いや、あれは、アフロディーテが呪詛したから、と言いたいところをグっとこらえる。
そのほかにも、婚約者が決まっても、不思議とその婚約者とその母親が早死にしてしまうことから、ソノベ夫人の呪い説が有力だったことも加えられる。
二人の女神さまが降臨されたことを亡き夫人が知れば、どんなに喜ぶかとソノベ侯爵は目頭を押さえる。
116
あなたにおすすめの小説
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます
なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。
過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。
魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。
そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。
これはシナリオなのかバグなのか?
その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
巻き込まれて異世界召喚? よくわからないけど頑張ります。 〜JKヒロインにおばさん呼ばわりされたけど、28才はお姉さんです〜
トイダノリコ
ファンタジー
会社帰りにJKと一緒に異世界へ――!?
婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。
気がつけばそこは、海と神殿の国〈アズーリア王国〉。
美咲は「聖乙女」として大歓迎される一方、亜子は「予定外に混ざった人」として放置されてしまう。
けれど世界意識(※神?)からのお詫びとして特殊能力を授かった。
食材や魔物の食用可否、毒の有無、調理法までわかるスキル――〈料理眼〉!
「よし、こうなったら食堂でも開いて生きていくしかない!」
港町の小さな店〈潮風亭〉を拠点に、亜子は料理修行と新生活をスタート。
気のいい夫婦、誠実な騎士、皮肉屋の魔法使い、王子様や留学生、眼帯の怪しい男……そして、彼女を慕う男爵令嬢など個性豊かな仲間たちに囲まれて、"聖乙女イベントの裏側”で、静かに、そしてたくましく人生を切り拓く異世界スローライフ開幕。
――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談)
*AIと一緒に書いています*
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
その転生幼女、取り扱い注意〜稀代の魔術師は魔王の娘になりました〜
みおな
ファンタジー
かつて、稀代の魔術師と呼ばれた魔女がいた。
魔王をも単独で滅ぼせるほどの力を持った彼女は、周囲に畏怖され、罠にかけて殺されてしまう。
目覚めたら、三歳の幼子に生まれ変わっていた?
国のため、民のために魔法を使っていた彼女は、今度の生は自分のために生きることを決意する。
わたしにしか懐かない龍神の子供(?)を拾いました~可愛いんで育てたいと思います
あきた
ファンタジー
明治大正風味のファンタジー恋愛もの。
化物みたいな能力を持ったせいでいじめられていたキイロは、強引に知らない家へ嫁入りすることに。
所が嫁入り先は火事だし、なんか子供を拾ってしまうしで、友人宅へ一旦避難。
親もいなさそうだし子供は私が育てようかな、どうせすぐに離縁されるだろうし。
そう呑気に考えていたキイロ、ところが嫁ぎ先の夫はキイロが行方不明で発狂寸前。
実は夫になる『薄氷の君』と呼ばれる銀髪の軍人、やんごとなき御家柄のしかも軍でも出世頭。
おまけに超美形。その彼はキイロに夢中。どうやら過去になにかあったようなのだが。
そしてその彼は、怒ったらとんでもない存在になってしまって。
【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる