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学園
11バーナード国
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バーナードの国王陛下御夫妻が突如として消えてから、異変が続いている。
脱獄などできるわけがない。一番高い塔の東と西にそれぞれ幽閉したのだから、一緒の部屋にすると相談されかねないから、敢えて別々の部屋にしたのだ。
窓には、鉄格子が嵌ってあり、その外側には何重にも金網と有刺鉄線が張り巡らされている。辛うじて、風だけが通るぐらいで、昼か夜かの区別がつかないほど暗いのである。
出入口は、重い鉄の扉の1か所だけで、一応、部屋には、トイレと洗面所とシャワールームは付いている。食事は、簡単に湯などは沸かせる設備は付いているが、衛兵が長い階段を上がって、届けさせている。
今朝の食事はもう、済んでいて食器が鉄扉の下側に高さ10センチほどの穴が開いており、猫ならかろうじて通り抜けられるかなという程度のところに置かれていたのである。
朝食といっても、パンとスープだけ。貴族用の牢には、暖房設備がないから、温かいスープだけでもありがたいのだ。
第2王子ダニエルが、国王夫妻が脱獄したことを告げ、内密に衛兵に捕らえるように命じ、王の間に戻ろうとしたら、なぜか弾き飛ばされて入れないのだ。王の私室に入ろうとしても同様。衛兵に聞いても、誰もこの部屋に近づいていないと言う。
「え?なぜだ?この城でいったい何が起きている?」
ある兵士は、トイレへ行こうとしたら、弾き飛ばされ、そこでお漏らししてしまったと聞く。
料理人が厨房へ入ろうとしても、食糧庫で今日の献立を考えようとしても、その場所に近づくことさえできない。
お城の宝物庫に金庫も前までは行けるが扉に手をかけようとしたら、弾き飛ばされ近づけない。
元より政治の中心としての機能はおろか、お城は住居としての機能を失ってしまったのだ。ダニエルが王都を制圧してから、王の仕事は滞っている。お金が回らないのである。人々は困窮し、税だけは容赦なく取り立てられる。
少しでも新しい王にたてを吐くことなどを言うと、すぐその場で切り殺されてしまう恐怖政治が続いている。
このうえ、国王陛下御夫妻が脱獄したと知られれば、国王派からの巻き返しが起こるかもしれない。
だから、内密に探させてはいるが、衛兵どもは、普通の民家へ押し入り、王城で食事がとれないから、そこで、食事を摂ったり、用を足したりしているものだから、あっという間に前国王脱出の噂が王都に広がる。
前国王の帰還を人々は待ち望むようになる。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
その頃、前バーナード国王夫妻は、ベルソ村の別宮の中で休んでいる。
40歳とも思えないような老け込みようで、バーナード様は病気を患っていらっしゃるよう。奥方様のほうも、芳しくない。人間は、日光に当たらないとビタミンB1が形成されず、骨がもろくなり、様々な病気の原因となる。3年近くもの間、暗い部屋で幽閉されていたから、肌は白すぎるほど白く、頬はこけ、目はくぼみ、老人のようにやせ細っている姿になられたのである。
ジャッキーは、結婚後すぐに、バーナード国へ結界を拡大しながら、進み、そこから先は、レオンハルト様の瞼の裏にある父王のイメージを頼りに転移魔法を使ってみたのである。
他人のイメージで転移魔法が使えると魔法書にあったが、どうもジャッキーは今まで一度も使ったことがなく、不安があったのだが、結婚して、もうレオンハルト様と他人ではなくなったから、行けるのでは?との思いから思い切って、飛んで見たのだ。
そしてお二方を無事救出したのち、お二方のイメージで、再び王の間へと転移する。たまたま誰もいなかったので、そこに結界を張る。王の私室にも誰もいなく、同様の結界を張る。
レオンハルト様は別宮での経験からか、トイレにも張ろうと言い出されたので、トイレにも誰も入っていないことを確認してから、男性用と女性用にそれぞれ張っていく。
だれかが使用中なら、糞尿をまき散らすことになりかねないから、誰も入っていないことを確認して、結界を張ったのである。
続いて、結界を張ったところは、水回り。人間は水回りがダメになると生きていけないから、次いで、財産。金庫や宝物庫に張り、後は食糧庫にも張る。
王城にいる人、全部が全部、反前国王派ではないだろうから、第2王子派の人間だけを排除する目的でしたのだが、これが案外、第2王子派がほとんどを占めていたようだ。
口だけ服従ということもあるだろうと想定していたジャッキーやレオンハルト様にとっては、少々ショックな出来事であったのだ。
二人には隠蔽魔法をかけ、城のあちらこちらをレオンハルト様の案内で、結界を張っていく。当然、ジャッキーの影も一緒である。影たちは、隠蔽魔法が嬉しいらしく。城の廊下に飾っている騎士の鎧の中に入って、廊下を通る人たちを驚かせている。
第2王子の母、側妃のキャサリン妃は優雅にエステを楽しみながら、爪を磨いてらっしゃるご様子。旦那様の前国王陛下を自分の息子が幽閉しときながら、いったいどなたのために磨いていらっしゃるのかしらね?
意地悪をしてやろうと、その部屋ごとに結界を張ってやったら、
女官共々、城の外へ放り出され、頭を強く打って、お亡くなりになられましたわ。すっぽんぽんで、頭から血を流され、爪は全部剥がれ、爪からも血が出ている状態で見つかったのである。衣装を着ていなかったので、どこの誰かはしばらくわからなかったそうです。ただ、近くに女官らしき服装をした若い女性が何人も倒れて一緒に亡くなっていたことから、キャサリン妃だと判明する。
即死状態で良かったですわね。爪が剥がれたら、絶叫どころですまない激痛ですものね。
王城の結界張りにも、飽きてきたので、いったんコーネリアルの別宮へ帰り、昼休憩をとる。
相変わらず、レオンハルト様のご両親の具合は悪そう。治癒魔法をかけて、少しは元気になられたみたいだが、落ちてしまった体力までは、そう簡単には回復できない。
ランチを取り、お茶をして休憩してから、再び、バーナードへ出向く。
バーナード城では、朝から起きている異変について、祟りだと思われているようで、お祓いの真っただ中についてしまったのである。
ダニエルは、前の国王夫妻が脱獄したことを隠しているつもりでも、みんなが知っている事実なのだ。ダニエルの母が素っ裸で、城外で亡くなり、トイレも食堂も使用禁止になったことは、王家の呪いかはたまた祟りかと噂が噂を呼び、今、祈祷師が来て拝んでいる。
「祓えたまえ、清めたまえ!この城には、悪霊が棲んでいる。今すぐこの城を焼き払え!」
などとインチキ臭いことを言っているが、お城の中には豪華なドレスに調度品、宝石、美術品などを残したまま、火はかけられない。お城は王国の全財産が入っているのである。
城の中にある財産を運び出さなければ、と衛兵に命ずるが、衛兵は悪霊に祟りと聞いて、ビビって動こうとしない。
躊躇しているダニエルに、祈祷師はせっつく。
ジャッキーの影は、祈祷師に忍び寄り、首筋を舐める。
「きゃぁっ!」
女の子のような悲鳴を上げ、祈祷師は逃げ出そうとするが、ダニエルは訳が分からず、祈祷師の服を掴んで離さないでいる。
「なんだ?大声を出して、何事だ?」
「いえ、何でもありません。」
今度は濡れ雑巾で顔を触ると
「きゃぁっー!」
周りにいる衛兵たちは、祈祷師が怖がる様を見て、さらに恐怖のどん底にいる。
そこでジャッキーは、城ごとに結界を張ることにしたのである。
こんなものを燃やされたら、再建するのに莫大な民の税金が使われるからだ。
地下室から塔の一番高いところまで巡って、結界を張り巡らす。どうせだから最後の結界を張り発動させるのに、レオンハルト様のお姿を出し、驚きのうちに発動させるという演出にしたのだ。
祈祷師や、ダニエルがいる玄関ホールで、レオンハルト様に出てきてもらおう。案の定、ダニエル派は、レオンハルト様のお姿を見て驚き、捕えようと動こうとすると、その時、結界が発動したのである。
兵に祈祷師、ダニエルが城の外へ放り出され、中には頭を強く打つ者、全身を強く打ち付けている者、即死している者もあれば、ほとんどの者は重症で動けずに倒れ込んでいる。
ジャッキーはさらにとどめを刺すべく、動く。王都全体に結界を張り巡らし、後にはこの国全土に結界を張る予定である。コーネリアル側の結界はほとんど張り終えているが、王都とローランドに通じる結界はまだなのである。
とりあえず、王都の結界は張り終える。王都内にいたダニエルの一味は全員、死亡した。もちろん、ダニエルを含めて全員である。
レオンハルト様の側近でベルソ村に入れなかった宰相の息子の妻子は無事であったが、ダニエルの側近に犯され、気がふれていたのだ。
いっそのこと、旦那様とともに行く?という選択もあったが、そのことをレオンハルト様は良しとせず、ベルソ村に連れ帰り、国王夫妻の世話係に任じる。
気の毒な宰相の息子、レオンハルト様を裏切り、スパイになったものの、ダニエルは信用していなかったのだ。それで、その者の妻を慰めものにして、鬱憤を晴らしていたというわけ。
誰も信用しないから、誰からも信用されない。ということがわかっていないのである。
ダニエルの残党は、王都に近づくこともままならず、散り散りになり、いずれ野たれ死ぬ運命なのである。
バーナード国王夫妻は、元気を取り戻し、しばらくの後、バーナード王国に帰って行かれることになったのである。
そうなると微妙になるのが、レオンハルト様とジャッキーの立場である。
一応、婿養子としてコーネリアル国に入ったものの、再び、バーナード国が復活すると、バーナードの王太子としては生きているということになる。
将来、コーネリアルの女王となるジャクリーン、と将来バーナード国の王となるレオンハルト様、夫婦で二つの国を統治することになるのか!?
それは今後の課題として、残る。
ジャッキーがうまくお世継ぎとなる男児を二人産めば、うまく解決するのだが……。
脱獄などできるわけがない。一番高い塔の東と西にそれぞれ幽閉したのだから、一緒の部屋にすると相談されかねないから、敢えて別々の部屋にしたのだ。
窓には、鉄格子が嵌ってあり、その外側には何重にも金網と有刺鉄線が張り巡らされている。辛うじて、風だけが通るぐらいで、昼か夜かの区別がつかないほど暗いのである。
出入口は、重い鉄の扉の1か所だけで、一応、部屋には、トイレと洗面所とシャワールームは付いている。食事は、簡単に湯などは沸かせる設備は付いているが、衛兵が長い階段を上がって、届けさせている。
今朝の食事はもう、済んでいて食器が鉄扉の下側に高さ10センチほどの穴が開いており、猫ならかろうじて通り抜けられるかなという程度のところに置かれていたのである。
朝食といっても、パンとスープだけ。貴族用の牢には、暖房設備がないから、温かいスープだけでもありがたいのだ。
第2王子ダニエルが、国王夫妻が脱獄したことを告げ、内密に衛兵に捕らえるように命じ、王の間に戻ろうとしたら、なぜか弾き飛ばされて入れないのだ。王の私室に入ろうとしても同様。衛兵に聞いても、誰もこの部屋に近づいていないと言う。
「え?なぜだ?この城でいったい何が起きている?」
ある兵士は、トイレへ行こうとしたら、弾き飛ばされ、そこでお漏らししてしまったと聞く。
料理人が厨房へ入ろうとしても、食糧庫で今日の献立を考えようとしても、その場所に近づくことさえできない。
お城の宝物庫に金庫も前までは行けるが扉に手をかけようとしたら、弾き飛ばされ近づけない。
元より政治の中心としての機能はおろか、お城は住居としての機能を失ってしまったのだ。ダニエルが王都を制圧してから、王の仕事は滞っている。お金が回らないのである。人々は困窮し、税だけは容赦なく取り立てられる。
少しでも新しい王にたてを吐くことなどを言うと、すぐその場で切り殺されてしまう恐怖政治が続いている。
このうえ、国王陛下御夫妻が脱獄したと知られれば、国王派からの巻き返しが起こるかもしれない。
だから、内密に探させてはいるが、衛兵どもは、普通の民家へ押し入り、王城で食事がとれないから、そこで、食事を摂ったり、用を足したりしているものだから、あっという間に前国王脱出の噂が王都に広がる。
前国王の帰還を人々は待ち望むようになる。
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その頃、前バーナード国王夫妻は、ベルソ村の別宮の中で休んでいる。
40歳とも思えないような老け込みようで、バーナード様は病気を患っていらっしゃるよう。奥方様のほうも、芳しくない。人間は、日光に当たらないとビタミンB1が形成されず、骨がもろくなり、様々な病気の原因となる。3年近くもの間、暗い部屋で幽閉されていたから、肌は白すぎるほど白く、頬はこけ、目はくぼみ、老人のようにやせ細っている姿になられたのである。
ジャッキーは、結婚後すぐに、バーナード国へ結界を拡大しながら、進み、そこから先は、レオンハルト様の瞼の裏にある父王のイメージを頼りに転移魔法を使ってみたのである。
他人のイメージで転移魔法が使えると魔法書にあったが、どうもジャッキーは今まで一度も使ったことがなく、不安があったのだが、結婚して、もうレオンハルト様と他人ではなくなったから、行けるのでは?との思いから思い切って、飛んで見たのだ。
そしてお二方を無事救出したのち、お二方のイメージで、再び王の間へと転移する。たまたま誰もいなかったので、そこに結界を張る。王の私室にも誰もいなく、同様の結界を張る。
レオンハルト様は別宮での経験からか、トイレにも張ろうと言い出されたので、トイレにも誰も入っていないことを確認してから、男性用と女性用にそれぞれ張っていく。
だれかが使用中なら、糞尿をまき散らすことになりかねないから、誰も入っていないことを確認して、結界を張ったのである。
続いて、結界を張ったところは、水回り。人間は水回りがダメになると生きていけないから、次いで、財産。金庫や宝物庫に張り、後は食糧庫にも張る。
王城にいる人、全部が全部、反前国王派ではないだろうから、第2王子派の人間だけを排除する目的でしたのだが、これが案外、第2王子派がほとんどを占めていたようだ。
口だけ服従ということもあるだろうと想定していたジャッキーやレオンハルト様にとっては、少々ショックな出来事であったのだ。
二人には隠蔽魔法をかけ、城のあちらこちらをレオンハルト様の案内で、結界を張っていく。当然、ジャッキーの影も一緒である。影たちは、隠蔽魔法が嬉しいらしく。城の廊下に飾っている騎士の鎧の中に入って、廊下を通る人たちを驚かせている。
第2王子の母、側妃のキャサリン妃は優雅にエステを楽しみながら、爪を磨いてらっしゃるご様子。旦那様の前国王陛下を自分の息子が幽閉しときながら、いったいどなたのために磨いていらっしゃるのかしらね?
意地悪をしてやろうと、その部屋ごとに結界を張ってやったら、
女官共々、城の外へ放り出され、頭を強く打って、お亡くなりになられましたわ。すっぽんぽんで、頭から血を流され、爪は全部剥がれ、爪からも血が出ている状態で見つかったのである。衣装を着ていなかったので、どこの誰かはしばらくわからなかったそうです。ただ、近くに女官らしき服装をした若い女性が何人も倒れて一緒に亡くなっていたことから、キャサリン妃だと判明する。
即死状態で良かったですわね。爪が剥がれたら、絶叫どころですまない激痛ですものね。
王城の結界張りにも、飽きてきたので、いったんコーネリアルの別宮へ帰り、昼休憩をとる。
相変わらず、レオンハルト様のご両親の具合は悪そう。治癒魔法をかけて、少しは元気になられたみたいだが、落ちてしまった体力までは、そう簡単には回復できない。
ランチを取り、お茶をして休憩してから、再び、バーナードへ出向く。
バーナード城では、朝から起きている異変について、祟りだと思われているようで、お祓いの真っただ中についてしまったのである。
ダニエルは、前の国王夫妻が脱獄したことを隠しているつもりでも、みんなが知っている事実なのだ。ダニエルの母が素っ裸で、城外で亡くなり、トイレも食堂も使用禁止になったことは、王家の呪いかはたまた祟りかと噂が噂を呼び、今、祈祷師が来て拝んでいる。
「祓えたまえ、清めたまえ!この城には、悪霊が棲んでいる。今すぐこの城を焼き払え!」
などとインチキ臭いことを言っているが、お城の中には豪華なドレスに調度品、宝石、美術品などを残したまま、火はかけられない。お城は王国の全財産が入っているのである。
城の中にある財産を運び出さなければ、と衛兵に命ずるが、衛兵は悪霊に祟りと聞いて、ビビって動こうとしない。
躊躇しているダニエルに、祈祷師はせっつく。
ジャッキーの影は、祈祷師に忍び寄り、首筋を舐める。
「きゃぁっ!」
女の子のような悲鳴を上げ、祈祷師は逃げ出そうとするが、ダニエルは訳が分からず、祈祷師の服を掴んで離さないでいる。
「なんだ?大声を出して、何事だ?」
「いえ、何でもありません。」
今度は濡れ雑巾で顔を触ると
「きゃぁっー!」
周りにいる衛兵たちは、祈祷師が怖がる様を見て、さらに恐怖のどん底にいる。
そこでジャッキーは、城ごとに結界を張ることにしたのである。
こんなものを燃やされたら、再建するのに莫大な民の税金が使われるからだ。
地下室から塔の一番高いところまで巡って、結界を張り巡らす。どうせだから最後の結界を張り発動させるのに、レオンハルト様のお姿を出し、驚きのうちに発動させるという演出にしたのだ。
祈祷師や、ダニエルがいる玄関ホールで、レオンハルト様に出てきてもらおう。案の定、ダニエル派は、レオンハルト様のお姿を見て驚き、捕えようと動こうとすると、その時、結界が発動したのである。
兵に祈祷師、ダニエルが城の外へ放り出され、中には頭を強く打つ者、全身を強く打ち付けている者、即死している者もあれば、ほとんどの者は重症で動けずに倒れ込んでいる。
ジャッキーはさらにとどめを刺すべく、動く。王都全体に結界を張り巡らし、後にはこの国全土に結界を張る予定である。コーネリアル側の結界はほとんど張り終えているが、王都とローランドに通じる結界はまだなのである。
とりあえず、王都の結界は張り終える。王都内にいたダニエルの一味は全員、死亡した。もちろん、ダニエルを含めて全員である。
レオンハルト様の側近でベルソ村に入れなかった宰相の息子の妻子は無事であったが、ダニエルの側近に犯され、気がふれていたのだ。
いっそのこと、旦那様とともに行く?という選択もあったが、そのことをレオンハルト様は良しとせず、ベルソ村に連れ帰り、国王夫妻の世話係に任じる。
気の毒な宰相の息子、レオンハルト様を裏切り、スパイになったものの、ダニエルは信用していなかったのだ。それで、その者の妻を慰めものにして、鬱憤を晴らしていたというわけ。
誰も信用しないから、誰からも信用されない。ということがわかっていないのである。
ダニエルの残党は、王都に近づくこともままならず、散り散りになり、いずれ野たれ死ぬ運命なのである。
バーナード国王夫妻は、元気を取り戻し、しばらくの後、バーナード王国に帰って行かれることになったのである。
そうなると微妙になるのが、レオンハルト様とジャッキーの立場である。
一応、婿養子としてコーネリアル国に入ったものの、再び、バーナード国が復活すると、バーナードの王太子としては生きているということになる。
将来、コーネリアルの女王となるジャクリーン、と将来バーナード国の王となるレオンハルト様、夫婦で二つの国を統治することになるのか!?
それは今後の課題として、残る。
ジャッキーがうまくお世継ぎとなる男児を二人産めば、うまく解決するのだが……。
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