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オフィスラブ
28.愛欲
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「大丈夫か?怪我はないか?どこか傷むか?」
「助けに来てくれて、ありがとうございます。」
「詩sごとの都有だったが、たまたま通りかかって、美織が襲われていると思って、駆け付けたんだ。家まで送っていくから、乗って。」
「ありがとう。正彦さん。」
「あれ、それは週刊誌?」
手にしていたレジ袋の中身は、週刊誌で、あの事件のことが書いてあるみたいなので、コンビニで買ってきたもの。
「ああ、銀行で待っているときに、事件のことが書いてあったので、買いました。」
「そうか。あることないこと書いてあるから、俺は読まないが、美織が気になるなら、呼んでもいいが、そこに書いてあることは100%出鱈目だ。会社に取材にも来ていない話を事実であるかのように書いているだけだよ。」
だったら、買わない方がよかったのかもしれない。出版社の売り上げに貢献してしまった自分が情けなく思い、だんだんとうつむいてしまう。
「いいよ。気にしなくて。それより、名義変更はうまくいった?」
「ええ。やっと、奥さんの実感が湧いてきた。」
「それは、よかった。愛しているよ。」
「今日は、早く帰ってきて。」
「ん?どうした?なるべく早く帰ってくるよ。」
「なんか、怖い。」
「え……、さっきの男のことか?」
美織は黙って、頷く。
「わかった。今日の仕事はおしまいだ。これから、ずっと一緒にいる。」
「ダメよ。社長が仕事をほったらかしにしては。」
「美織の方が大事なんだ。」
「ありがとう。でも、仕事はちゃんとして。失業したくないもの。ふふ。」
「わかった。なるべく早く帰る。というか、一緒に来るか?」
「え……、でも、ご飯の支度が……。」
「いいよ。外食という手もある。秘書の仕事も覚えておいて、損はないだろ。」
「はい。わかりました。」
美織が承諾したことで、マンションの前を通り過ぎて、取引先まで車を走らせる。
取引先の駐車場に車を置き、社長と共に、取引先へ出向き、初期のような?秘書のような?仕事をして、一緒に帰宅してから、晩御飯を食べに行くことにする。
「有り合わせのものなら、すぐ作れますが……?」
「いいよ。美織も疲れているだろうから、無理しなくても大丈夫だから。それより今から、温泉に行かないか?美味しいものを食べて、温泉にゆっくり浸かれば、イヤなこともすぐ忘れられる。」
「思い出さなきゃいけないのに、忘れるのですか?うふふ。ありがとうございます。そこまで気を遣ってもらわなくても、大丈夫です。これからは強く生きると決めましたので。」
「いや、そういうのは口実で、実は美織と二人きりになりたいだけなのだ。」
なんとなく意図がわかり、顔を赤らめる。
「私も正彦さんと二人きりになりたいです。」
「本当に?記憶を失っても、俺のことを好いてくれるのか?」
「はい。愛しています。」
「美織。俺も美織のことがずっと好きだった。今も昔もこれからも。」
正彦は、美織を抱きしめ手のひらにキスを、そして唇に深いキスを繰り返す。
やがて、どんどんエスカレートしていき、気が付けば、リビングで二人とも全裸になって、
「もっと消毒して。」
「どこを触られた?ここか?」
温泉行の話は、どこかに消えてしまう。それも食事もしないで、夢中にお互いを貪りあい、淫らな声をあげ、明るいリビングで、前から後ろから、横から、斜めから、立ったままでと様々な体位を試しながら、ただひたすらに愛欲に耽っている。
「美織、子作りしてもいいか?」
「いいよ。正彦さんの子供が欲しい。本当の家族になりたいわ。」
「ありがとう。大好きだよ。美織。愛している。」
パン。パン。パン。パン。パン。パン。パン。パン。パン。パン。パン。パン。
「美織、美織。美織、美織。……美織、美織。」
「正彦、もっと、もっと、奥まで突いて、イク、イクー。」
美織に記憶が戻った瞬間だった。
「助けに来てくれて、ありがとうございます。」
「詩sごとの都有だったが、たまたま通りかかって、美織が襲われていると思って、駆け付けたんだ。家まで送っていくから、乗って。」
「ありがとう。正彦さん。」
「あれ、それは週刊誌?」
手にしていたレジ袋の中身は、週刊誌で、あの事件のことが書いてあるみたいなので、コンビニで買ってきたもの。
「ああ、銀行で待っているときに、事件のことが書いてあったので、買いました。」
「そうか。あることないこと書いてあるから、俺は読まないが、美織が気になるなら、呼んでもいいが、そこに書いてあることは100%出鱈目だ。会社に取材にも来ていない話を事実であるかのように書いているだけだよ。」
だったら、買わない方がよかったのかもしれない。出版社の売り上げに貢献してしまった自分が情けなく思い、だんだんとうつむいてしまう。
「いいよ。気にしなくて。それより、名義変更はうまくいった?」
「ええ。やっと、奥さんの実感が湧いてきた。」
「それは、よかった。愛しているよ。」
「今日は、早く帰ってきて。」
「ん?どうした?なるべく早く帰ってくるよ。」
「なんか、怖い。」
「え……、さっきの男のことか?」
美織は黙って、頷く。
「わかった。今日の仕事はおしまいだ。これから、ずっと一緒にいる。」
「ダメよ。社長が仕事をほったらかしにしては。」
「美織の方が大事なんだ。」
「ありがとう。でも、仕事はちゃんとして。失業したくないもの。ふふ。」
「わかった。なるべく早く帰る。というか、一緒に来るか?」
「え……、でも、ご飯の支度が……。」
「いいよ。外食という手もある。秘書の仕事も覚えておいて、損はないだろ。」
「はい。わかりました。」
美織が承諾したことで、マンションの前を通り過ぎて、取引先まで車を走らせる。
取引先の駐車場に車を置き、社長と共に、取引先へ出向き、初期のような?秘書のような?仕事をして、一緒に帰宅してから、晩御飯を食べに行くことにする。
「有り合わせのものなら、すぐ作れますが……?」
「いいよ。美織も疲れているだろうから、無理しなくても大丈夫だから。それより今から、温泉に行かないか?美味しいものを食べて、温泉にゆっくり浸かれば、イヤなこともすぐ忘れられる。」
「思い出さなきゃいけないのに、忘れるのですか?うふふ。ありがとうございます。そこまで気を遣ってもらわなくても、大丈夫です。これからは強く生きると決めましたので。」
「いや、そういうのは口実で、実は美織と二人きりになりたいだけなのだ。」
なんとなく意図がわかり、顔を赤らめる。
「私も正彦さんと二人きりになりたいです。」
「本当に?記憶を失っても、俺のことを好いてくれるのか?」
「はい。愛しています。」
「美織。俺も美織のことがずっと好きだった。今も昔もこれからも。」
正彦は、美織を抱きしめ手のひらにキスを、そして唇に深いキスを繰り返す。
やがて、どんどんエスカレートしていき、気が付けば、リビングで二人とも全裸になって、
「もっと消毒して。」
「どこを触られた?ここか?」
温泉行の話は、どこかに消えてしまう。それも食事もしないで、夢中にお互いを貪りあい、淫らな声をあげ、明るいリビングで、前から後ろから、横から、斜めから、立ったままでと様々な体位を試しながら、ただひたすらに愛欲に耽っている。
「美織、子作りしてもいいか?」
「いいよ。正彦さんの子供が欲しい。本当の家族になりたいわ。」
「ありがとう。大好きだよ。美織。愛している。」
パン。パン。パン。パン。パン。パン。パン。パン。パン。パン。パン。パン。
「美織、美織。美織、美織。……美織、美織。」
「正彦、もっと、もっと、奥まで突いて、イク、イクー。」
美織に記憶が戻った瞬間だった。
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