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乙女ゲームの世界
32.美形
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「ん……、ここはどこ?」
美織のベッドの周りに外国人と思しき男女が顔を覗き込んでいる。
そうだ!女神さまがおっしゃっていた乙女ゲーム「ラブパラダイス」の中に転生したんだっけ?今回は、口止めがなかったけど、前世の記憶をそのまま持って行ったみたいで、よかったというべきか悪かったというべきか、たぶんこの乙女ゲームの世界で前世の常識から見たら浮きまくるのだろうな。と思う。
その分、正彦と一緒だから心強い?正彦はパラダイス王国の第1王子様で、マホガニー王太子殿下で、15歳、今度学園に入学予定の同い年の設定で、正彦ったら、やっと美織と同い年になれるとはしゃいでいたわ。
美織は、マホガニーの婚約者で、公爵令嬢のミルフィーユ・トランスポート。いわゆる悪役令嬢でヒロインは、私たち夫婦の孫娘、世田谷朱里が扮するジュリエット。
女神さまは、孫娘だから、顔見たらわかるとおっしゃっていたけど、本当にわかるものかしら?孫ひいき目で見ても、外国人の中に入れば、見劣りするのでは?と思ってしまうが、ゲームの強制力から正彦は夢中になってしまうのかもしれない。
でも、血を分けた孫娘を抱くとなれば、近親相姦もいい所だから、決して朱里ちゃんを正彦に近づけてはいけない。それが悪役令嬢たる美織の役目だと思っている。
もともとあるミルフィーユ自身の記憶もあるから、ここはトランスポート公爵邸のタウンハウスのミルフィーユの部屋だということがわかる。
よかった。前世の火傷みたいに、記憶を失っていなくて、そう思うと、ガバっと起き上がり、周囲を驚かせる。
だって、いつまで寝ていたって、しょうがないもの時は金なりよ。前世、公認会計士だった頃の癖で、何事もタイムテーブルごとにやらないと気が済まない。
ええ……と、それで今日の予定は……?いくら思い出さそうとしても、何も思い浮かばない。
え?ひょっとして、何も予定がないわけ?うっそー!公爵令嬢ってこんな怠け者でいいの?
「ミルフィーユ、そんなに慌てて起きなくてもいいんだよ。」
「そうですわ。さっきは、ここはどこ?と聞いたときには、ビックリしちゃって、腰を抜かすかと思いましたわ。ミルフィーユちゃんは、ゆっくりしていて大丈夫よ。」
「ええ。もう、わたくしは大丈夫ですわ。着替えますので、出て行ってもらえるとありがたいのですが……。」
「まあ!熱を出して、起きたかと思えば、ミルフィーユちゃんとは、思えないぐらい丈夫になって、少し大人びたようになったわね。もうすぐ、学園が始まるからかしら。」
「そうだな。一時は心配したが、もう顔色もよくなったようだし、大丈夫だろう。何かあれば、すぐ言いなさい。」
あの美男美女が両親というところか……。
これは、前世と違って、かなりレベル高いわ。
その日の昼過ぎ、マホガニー殿下が公爵邸に見えられた。きっと、対策会議に違いない。
美織は、ちょっとまともなドレスを着て、応接間に行く。
年頃の令嬢姿が、応接間に来たので、正彦はア思わず立ち上がり
「美織か?」
ミルフィーユは、黙って頷くと、
「すっごい美人になったな。まあ、前世でも美人だったが。俺も、なかなかこの姿に慣れなくてな。腰に剣をぶら下げると、バランスがとりにくい。」
「それより、これからどうするの?このまま朱里が出てくるまで待っているというの?」
「予定では、朱里はいつ頃来るのかわかるか?」
「女神さまの話によれば、学園の3年生になってからだと思うわ。」
「では、この2年間が無駄になるな。2年間、何もすることがないのは、時間がもったいなくないか?」
「何が言いたいの?」
「つまり、あれだ。その……、早く結婚したい。」
「は?学園を卒業したら、結婚式があるはずよ。」
「だからあ、女神さまも言ってたろ?15歳からヤればいいって。」
「そういうことだけは、覚えているのね。」
美織のベッドの周りに外国人と思しき男女が顔を覗き込んでいる。
そうだ!女神さまがおっしゃっていた乙女ゲーム「ラブパラダイス」の中に転生したんだっけ?今回は、口止めがなかったけど、前世の記憶をそのまま持って行ったみたいで、よかったというべきか悪かったというべきか、たぶんこの乙女ゲームの世界で前世の常識から見たら浮きまくるのだろうな。と思う。
その分、正彦と一緒だから心強い?正彦はパラダイス王国の第1王子様で、マホガニー王太子殿下で、15歳、今度学園に入学予定の同い年の設定で、正彦ったら、やっと美織と同い年になれるとはしゃいでいたわ。
美織は、マホガニーの婚約者で、公爵令嬢のミルフィーユ・トランスポート。いわゆる悪役令嬢でヒロインは、私たち夫婦の孫娘、世田谷朱里が扮するジュリエット。
女神さまは、孫娘だから、顔見たらわかるとおっしゃっていたけど、本当にわかるものかしら?孫ひいき目で見ても、外国人の中に入れば、見劣りするのでは?と思ってしまうが、ゲームの強制力から正彦は夢中になってしまうのかもしれない。
でも、血を分けた孫娘を抱くとなれば、近親相姦もいい所だから、決して朱里ちゃんを正彦に近づけてはいけない。それが悪役令嬢たる美織の役目だと思っている。
もともとあるミルフィーユ自身の記憶もあるから、ここはトランスポート公爵邸のタウンハウスのミルフィーユの部屋だということがわかる。
よかった。前世の火傷みたいに、記憶を失っていなくて、そう思うと、ガバっと起き上がり、周囲を驚かせる。
だって、いつまで寝ていたって、しょうがないもの時は金なりよ。前世、公認会計士だった頃の癖で、何事もタイムテーブルごとにやらないと気が済まない。
ええ……と、それで今日の予定は……?いくら思い出さそうとしても、何も思い浮かばない。
え?ひょっとして、何も予定がないわけ?うっそー!公爵令嬢ってこんな怠け者でいいの?
「ミルフィーユ、そんなに慌てて起きなくてもいいんだよ。」
「そうですわ。さっきは、ここはどこ?と聞いたときには、ビックリしちゃって、腰を抜かすかと思いましたわ。ミルフィーユちゃんは、ゆっくりしていて大丈夫よ。」
「ええ。もう、わたくしは大丈夫ですわ。着替えますので、出て行ってもらえるとありがたいのですが……。」
「まあ!熱を出して、起きたかと思えば、ミルフィーユちゃんとは、思えないぐらい丈夫になって、少し大人びたようになったわね。もうすぐ、学園が始まるからかしら。」
「そうだな。一時は心配したが、もう顔色もよくなったようだし、大丈夫だろう。何かあれば、すぐ言いなさい。」
あの美男美女が両親というところか……。
これは、前世と違って、かなりレベル高いわ。
その日の昼過ぎ、マホガニー殿下が公爵邸に見えられた。きっと、対策会議に違いない。
美織は、ちょっとまともなドレスを着て、応接間に行く。
年頃の令嬢姿が、応接間に来たので、正彦はア思わず立ち上がり
「美織か?」
ミルフィーユは、黙って頷くと、
「すっごい美人になったな。まあ、前世でも美人だったが。俺も、なかなかこの姿に慣れなくてな。腰に剣をぶら下げると、バランスがとりにくい。」
「それより、これからどうするの?このまま朱里が出てくるまで待っているというの?」
「予定では、朱里はいつ頃来るのかわかるか?」
「女神さまの話によれば、学園の3年生になってからだと思うわ。」
「では、この2年間が無駄になるな。2年間、何もすることがないのは、時間がもったいなくないか?」
「何が言いたいの?」
「つまり、あれだ。その……、早く結婚したい。」
「は?学園を卒業したら、結婚式があるはずよ。」
「だからあ、女神さまも言ってたろ?15歳からヤればいいって。」
「そういうことだけは、覚えているのね。」
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