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乙女ゲームの世界
39.徒労
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乙女ゲームの世界に夫の産休や育休を取り入れ、貴族社会に新たな価値観を生み出したマホガニーとミルフィーユ夫妻は、3人目の子供を妊娠中で、そろそろ二人にとっての孫娘世田谷朱里がゲームに参戦してくる時期となる。
「どうする?そろそろ朱里がこっちへ転入してくるわよ?」
「学園に戻るのもなぁ?」
「そうね。朱里から見れば、わたくしは悪役令嬢その者だろうけど、お腹の子供に障ってもいけないから、わたくしは、今年も家庭教師から抗議を受けることにするわ。でも、あなたは、学園に顔を出されてはどう?せっかくの乙女ゲームなのに、攻略対象者がいないというのは、少しかわいそうな気もするけど?」
「うーん。俺も、家庭教師でいいわ。ゲームの強制力がどれほどのものかも確かめたいし。君子、危うきに近寄らずってこともあるだろ?朱里には悪いが、今は美織のことの方が心配で大切なんだ。それに、せっかく俺のマイホームパパぶりが定着してきたのに、浮気疑惑でも出て、台無しにしたくはない。」
「ヒロインは、あの手この手を使って、殿下を狙いに来るから、まずは、学園に行かないことが賢明かもしれないわね。それにこのゲームを失敗してくれたら、現実社会はもっと厳しいものだとわかるから、却って、あの娘にとってはいいことになるかもしれないわね。」
だいたい乙女ゲームのヒロインだか何だか知らないけど、他人が幸せに暮らしているところへやってきて、貴族社会の掟もルールも礼儀も知らない田舎者が高位貴族の令嬢を悪役令嬢と呼び、いじめられたなどの難癖を着けられればいい迷惑になることは甚だしい。悪役令嬢からすれば、たまったものではない。
それで、断罪され、糾弾され、婚約破棄の上、国外追放や死罪になるなど道理ではない。
乙女ゲームで遊ぶ子供って、しょせん世間知らずのわがまま娘なのよ。だから、こんな理不尽でもまかり通るなどと思ってもらったら困る。
ここは、朱里にも世間の厳しさを知ってもらういいのかもしれない。
いわゆる教育上の配慮というやつで、誰かの不幸の上には、自分の幸せなど絶体にあってはいけない。
他人を不幸にすれば、因果応報でいずれ、自分にすべて跳ね返ってくることを学んでほしい。
神様の石臼は、ゆっくりと回る。
ということで、王太子夫妻は、3年生も在宅教育に切り替えることにした。
3人目の子供を無事、出産して、ほとんど2年半ぶりぐらいに学園の門をくぐることにしたのだ。
朱里がどれほど成長していることを確認するために。ところが、転入生として紹介された娘は朱里ではなかった。名前も男爵令嬢のリリアーヌ法と言われる。
朱里が転入してくるとばかり思っていただけにショックを隠せない。
朱里のジュリエットはどうなってしまったのだろう?明日が、卒業式だというのに、気が気でない。
美織は、思い切ってまた、ブティックの女神さまを訪ねることを決心する。
孫の安否が気がかりで仕方がないから、正彦にも、そのことを打ち明けると、正彦も一緒に行ってくれることを同意してくれたのだ。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
「いらっしゃいませ。ようこそ、肉体ブティックへ。あら?珍しい。お二人そろって、どうしたの>」
「実が、朱里の安否が知りたくて、……来ました。」
「ああ。朱里ちゃんね、元気よ。」
「「え!」」
「なんかね、形見分けみたいになってしまったでしょ?あの「ラブパラダイス」が、それで朱里ちゃんのご両親があのゲームを取り上げて、封印されたらしいのよ。朱里ちゃんの祖父母の最後のプレゼントだけど、不謹慎だって理由で。あのゲームがもとで、夫婦げんかに発展したのでしょ?だから、これは没収だって。あのフライト、実は時間通りの出発ではなかったのよね。少し、遅れが出たわけで、本来なら、先に赤い国の上空を飛んでいた某国の旅客機が狙われるところを、その旅客機には、用心が登場していたらしいので、その暗殺を狙っていたものだったらしいけど、手違いで、美織ちゃんたちが載った飛行機を撃墜されてしまったということが真相なの。」
「なんですって……!」
今まで乙女ゲームの世界で必死に生きていたことが、すべて取ろうに終わった気分でガックリしてしまう。
「もし、よkれば、だけど、また別の世界を紹介してあげられるけど、どうする?」
「ちょっと、二人で話し合う時間をください。返事はそれからでもいいですか?」
「もちろんよ。待っているわ。」
「どうする?そろそろ朱里がこっちへ転入してくるわよ?」
「学園に戻るのもなぁ?」
「そうね。朱里から見れば、わたくしは悪役令嬢その者だろうけど、お腹の子供に障ってもいけないから、わたくしは、今年も家庭教師から抗議を受けることにするわ。でも、あなたは、学園に顔を出されてはどう?せっかくの乙女ゲームなのに、攻略対象者がいないというのは、少しかわいそうな気もするけど?」
「うーん。俺も、家庭教師でいいわ。ゲームの強制力がどれほどのものかも確かめたいし。君子、危うきに近寄らずってこともあるだろ?朱里には悪いが、今は美織のことの方が心配で大切なんだ。それに、せっかく俺のマイホームパパぶりが定着してきたのに、浮気疑惑でも出て、台無しにしたくはない。」
「ヒロインは、あの手この手を使って、殿下を狙いに来るから、まずは、学園に行かないことが賢明かもしれないわね。それにこのゲームを失敗してくれたら、現実社会はもっと厳しいものだとわかるから、却って、あの娘にとってはいいことになるかもしれないわね。」
だいたい乙女ゲームのヒロインだか何だか知らないけど、他人が幸せに暮らしているところへやってきて、貴族社会の掟もルールも礼儀も知らない田舎者が高位貴族の令嬢を悪役令嬢と呼び、いじめられたなどの難癖を着けられればいい迷惑になることは甚だしい。悪役令嬢からすれば、たまったものではない。
それで、断罪され、糾弾され、婚約破棄の上、国外追放や死罪になるなど道理ではない。
乙女ゲームで遊ぶ子供って、しょせん世間知らずのわがまま娘なのよ。だから、こんな理不尽でもまかり通るなどと思ってもらったら困る。
ここは、朱里にも世間の厳しさを知ってもらういいのかもしれない。
いわゆる教育上の配慮というやつで、誰かの不幸の上には、自分の幸せなど絶体にあってはいけない。
他人を不幸にすれば、因果応報でいずれ、自分にすべて跳ね返ってくることを学んでほしい。
神様の石臼は、ゆっくりと回る。
ということで、王太子夫妻は、3年生も在宅教育に切り替えることにした。
3人目の子供を無事、出産して、ほとんど2年半ぶりぐらいに学園の門をくぐることにしたのだ。
朱里がどれほど成長していることを確認するために。ところが、転入生として紹介された娘は朱里ではなかった。名前も男爵令嬢のリリアーヌ法と言われる。
朱里が転入してくるとばかり思っていただけにショックを隠せない。
朱里のジュリエットはどうなってしまったのだろう?明日が、卒業式だというのに、気が気でない。
美織は、思い切ってまた、ブティックの女神さまを訪ねることを決心する。
孫の安否が気がかりで仕方がないから、正彦にも、そのことを打ち明けると、正彦も一緒に行ってくれることを同意してくれたのだ。
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「いらっしゃいませ。ようこそ、肉体ブティックへ。あら?珍しい。お二人そろって、どうしたの>」
「実が、朱里の安否が知りたくて、……来ました。」
「ああ。朱里ちゃんね、元気よ。」
「「え!」」
「なんかね、形見分けみたいになってしまったでしょ?あの「ラブパラダイス」が、それで朱里ちゃんのご両親があのゲームを取り上げて、封印されたらしいのよ。朱里ちゃんの祖父母の最後のプレゼントだけど、不謹慎だって理由で。あのゲームがもとで、夫婦げんかに発展したのでしょ?だから、これは没収だって。あのフライト、実は時間通りの出発ではなかったのよね。少し、遅れが出たわけで、本来なら、先に赤い国の上空を飛んでいた某国の旅客機が狙われるところを、その旅客機には、用心が登場していたらしいので、その暗殺を狙っていたものだったらしいけど、手違いで、美織ちゃんたちが載った飛行機を撃墜されてしまったということが真相なの。」
「なんですって……!」
今まで乙女ゲームの世界で必死に生きていたことが、すべて取ろうに終わった気分でガックリしてしまう。
「もし、よkれば、だけど、また別の世界を紹介してあげられるけど、どうする?」
「ちょっと、二人で話し合う時間をください。返事はそれからでもいいですか?」
「もちろんよ。待っているわ。」
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