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乙女ゲームの世界
40.卒業式
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正彦と美織は二人で、女神様の提案を受けるかどうか話し合いをする。
「朱里が来ると信じていたから、……なんとなく張り合いが亡くなったというか、なんというか。」
「それは、俺も同じだよ。でも、詳しくは聞いていないが、どうせまた異世界だろ?俺はニッポンへ帰れないのなら、このままこの乙女ゲームの世界で生きてもいいと思う。」
「わたくしも同意見ですわ。どうせ、また異世界でイチから苦労しなければならないのでしたら、後60年ほどは、このまま、この世界で生き続けてもいいと思いますわ。それに、明日の卒業式も楽しみですしね。男爵令嬢のリリアーヌ様から、どのような言いがかりをつけられるかにも、寄りますわね。」
「まさか、それはないだろう。だって、今日、初めてぁ尾を合わせたばかりだからね。いくら何でも昨日の今日では、話は作れないと思うが……?」
「それなら、いいですけど、なんといっても、わたくしはリリアーヌ様から見れば、悪役令嬢そのものでございますから。」
「それをいうなら、悪役令夫人の間違いでは?」
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
篤実、卒業式で、久しぶりにまともな格好で出かけられる。いつも王城の中ばかりだから、ほとんどマタニティドレスで過ごしていたから、ちょっとおめかしするのは久しぶりで嬉しい。
学園の制服にも久方ぶりに袖を通すが、少し太ったみたいで、かなり窮屈、卒業式が終わるとダイエットをしようと思っているから、それに、もう学園の制服を着る機会もないから、別に構わないと言えば、構わない。
マタニティの時は、2人分食べなければ、と自分に言い聞かせていたから、それで太ってしまったのだろうと思う。
つづけさまに3人の男児ばかりを産んだので、国としてはもう安泰で、後は、夫婦として、楽しむ為のセックスをするのみ。
だから、今日こそを乗り切れば、後は、ラブラブに専念すればいいこと。だから、女神さまの提案を断るつもりでいるのだが、男爵令嬢のリリアーヌ様がどういう態度で出てくるかがわからないので、その点だけが不安材料になっている。
午前中は学園内の講堂で、卒業式が行荒れ、夕刻には、記念祝賀パーティが開かれるので、本来なら、マホガニーとミルフィーユは、パーティだけを出てもいい所なのだが、学園から派遣されてこられた家庭教師の先生方がぜひとも、卒業式にご臨席を賜りたいということだったので、卒業式にも参列させていただくことになったのだ。
当初の予想通り、首席での卒業者は、正彦でマホガニー殿下が壇上に呼ばれる。
試験の出る範囲は、家庭教師の先生がみっちり教えてくださっているので、そこだけ勉強すれば、誰でも満点が取れるようになっている。
ほとんどカンニングみたいなもので、他の生徒が知れば、暴動が起きるのではないかと思うけど、黙っていることにしよう。
そして、いったん馬車で王城に引き上げ、お風呂に入り、豪華な衣装を身にまとう。
マホガニーにエスコートされ、パーティの会場へ出向くと、やはりリリアーヌ様の周りには、攻略対象者かどうかわからないけれど、数人の男子生徒に取り囲まれていらっしゃるご様子。
このまま、何事もなく無事、終わってくれればいいのだけど……。
リリアーヌ様は、あの攻略対象者全員と、もう寝たのかしらね?でも、不感症のカラダでは、よくなかったはず。
お気の毒に。と思いつつも、学園長の挨拶と義父の国王陛下の挨拶が終わり、歓談タイムに入る。
中盤に差し掛かり、そろそろ、王太子ご夫妻は退場をしようと話していると、怖い顔をしたロゼッタ伯爵令息が、わたくしたち夫婦の前に躍り出てくる。
「あら、ロゼッタ様、ごきげんよう。」
「ちょっとミルフィーユ様にお話ししたいことがあります。」
「うむ。俺が代わりに聞こう。」
「朱里が来ると信じていたから、……なんとなく張り合いが亡くなったというか、なんというか。」
「それは、俺も同じだよ。でも、詳しくは聞いていないが、どうせまた異世界だろ?俺はニッポンへ帰れないのなら、このままこの乙女ゲームの世界で生きてもいいと思う。」
「わたくしも同意見ですわ。どうせ、また異世界でイチから苦労しなければならないのでしたら、後60年ほどは、このまま、この世界で生き続けてもいいと思いますわ。それに、明日の卒業式も楽しみですしね。男爵令嬢のリリアーヌ様から、どのような言いがかりをつけられるかにも、寄りますわね。」
「まさか、それはないだろう。だって、今日、初めてぁ尾を合わせたばかりだからね。いくら何でも昨日の今日では、話は作れないと思うが……?」
「それなら、いいですけど、なんといっても、わたくしはリリアーヌ様から見れば、悪役令嬢そのものでございますから。」
「それをいうなら、悪役令夫人の間違いでは?」
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篤実、卒業式で、久しぶりにまともな格好で出かけられる。いつも王城の中ばかりだから、ほとんどマタニティドレスで過ごしていたから、ちょっとおめかしするのは久しぶりで嬉しい。
学園の制服にも久方ぶりに袖を通すが、少し太ったみたいで、かなり窮屈、卒業式が終わるとダイエットをしようと思っているから、それに、もう学園の制服を着る機会もないから、別に構わないと言えば、構わない。
マタニティの時は、2人分食べなければ、と自分に言い聞かせていたから、それで太ってしまったのだろうと思う。
つづけさまに3人の男児ばかりを産んだので、国としてはもう安泰で、後は、夫婦として、楽しむ為のセックスをするのみ。
だから、今日こそを乗り切れば、後は、ラブラブに専念すればいいこと。だから、女神さまの提案を断るつもりでいるのだが、男爵令嬢のリリアーヌ様がどういう態度で出てくるかがわからないので、その点だけが不安材料になっている。
午前中は学園内の講堂で、卒業式が行荒れ、夕刻には、記念祝賀パーティが開かれるので、本来なら、マホガニーとミルフィーユは、パーティだけを出てもいい所なのだが、学園から派遣されてこられた家庭教師の先生方がぜひとも、卒業式にご臨席を賜りたいということだったので、卒業式にも参列させていただくことになったのだ。
当初の予想通り、首席での卒業者は、正彦でマホガニー殿下が壇上に呼ばれる。
試験の出る範囲は、家庭教師の先生がみっちり教えてくださっているので、そこだけ勉強すれば、誰でも満点が取れるようになっている。
ほとんどカンニングみたいなもので、他の生徒が知れば、暴動が起きるのではないかと思うけど、黙っていることにしよう。
そして、いったん馬車で王城に引き上げ、お風呂に入り、豪華な衣装を身にまとう。
マホガニーにエスコートされ、パーティの会場へ出向くと、やはりリリアーヌ様の周りには、攻略対象者かどうかわからないけれど、数人の男子生徒に取り囲まれていらっしゃるご様子。
このまま、何事もなく無事、終わってくれればいいのだけど……。
リリアーヌ様は、あの攻略対象者全員と、もう寝たのかしらね?でも、不感症のカラダでは、よくなかったはず。
お気の毒に。と思いつつも、学園長の挨拶と義父の国王陛下の挨拶が終わり、歓談タイムに入る。
中盤に差し掛かり、そろそろ、王太子ご夫妻は退場をしようと話していると、怖い顔をしたロゼッタ伯爵令息が、わたくしたち夫婦の前に躍り出てくる。
「あら、ロゼッタ様、ごきげんよう。」
「ちょっとミルフィーユ様にお話ししたいことがあります。」
「うむ。俺が代わりに聞こう。」
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