7 / 8
7
しおりを挟む
そして、断罪が行われる18歳。フランツとラファエルとエスメラルダは、奇妙な三角関係が続いている。
ラファエルとエスメラルダは愛を囁き合う仲になっていたのだが、どういうわけかいつもいいところでフランツが二人の仲に入ってくるので、なかなか進展しない。
それでも幸せ過ぎて、すっかり忘れていたのだが、ブランタン王国では、やはり、ジュリアン・ラミレス公爵令嬢は修道院へ送られたのだ。
「ラファエル様、フランツ様これからお話しする内容を信じてくださらないかもしれませんが。」
「エスメラルダが言うことなら、なんでも信じるよ。どんなことでも。」
「実は、わたくし……、6度目の人生で……1度目は、……2度目は……。」
今までの6度の人生がループしていること、男爵令嬢のリリアーヌのことベルナルドのこと、マンドール国のこと、ジュリアン・ラミレスのことなどをすべて、話した。話し終わった後、フランツ様とラファエル様は難しい顔をされていて、
「それで小さい時から、武術に知識に魔力と勉強に励んできたんだね。」
「エスメラルダはどうしたい?確かに、我がブランタン王国は、肥沃な大地が広がっているので、マンドールのような荒れ地中心の国から見れば、手に入れたいと思うだろう。」
「とりあえず、ジュリアン様がいらっしゃるエレベスト修道院へ行き、情報確認をしようかと思いまして。」
「わかった。一緒に行くよ。」
「え?」
「国家の大事だ。もしかしたら、相手が何か仕出かすかもしれないし、危険なことは君一人に任せられない。どうせ転移魔法で行くのだろう?ならば、一緒に。」
「俺も一緒に行くよ。俺たちは友人だろ、友人の難儀を黙って見過ごせないよ。」
「ありがとうございます。でもフランツ様はいいのでございますか?他国間の争いになるやもしれません。」
「もしも巻き込まれそうになったとしても、強いエスメラルダがいるから大丈夫だ。何かあれば、俺に隠蔽をかけてくれ。」
クスリと笑いながら、おっしゃる。
こうして、ラファエル様とフランツ様、エスメラルダは、転移の魔法でエレベスト修道院の前まで、飛んだ。修道院の受付でジュリアン様に面会申し込みをして、待つこと10分足らずで、面会室に通された。手土産にクッキーなどを差し入れする。ここの食事は、世界一粗食で有名だから。
それともう一人会いたい人がいたのである。マリーベルだ。マリーベルはナゼ自分に面会者がいるのか?理解していないらしく、戸惑いを隠さず、面会室に来たのだ。マリーベルにもクッキーの差し入れを持ってきている。
マリーベルが面会室に入ってきた途端、懐かしさのあまり、抱きついて
「もしもマリーベルさえよろしければ、わたくしと今すぐここを出ませんか?そしてマリーベルには、わたくしの侍女として、これから行動を共にしていただきたいのです。」
「お嬢様は、私のことをご存知なのですか?」
「詳しくは今は話せないの。時間がないからね。でもマリーベルにとって、悪い話にはならないわ。どう?わたくしを信じて出てくれる?」
「わかりました。お願いします。」
マリーベルの出所の手続きを護衛の騎士に任せ、ジュリアン様を待つことにする。
ジュリアン様とは、学園の初等科以来であったが、相変わらずお美しく、気品に溢れていらっしゃいます。
「お久しぶりにございます。こちらは、第1王子のラファエル様でございます。そして、そちらは、隣国エルミーニ国のフランツ皇太子殿下であらせられます。」
かんたんな挨拶と二人の王子様の紹介をして、本題に入る。
ジュリアン様の話から、だいたい前世やそれ以前のわたくしの記憶とそう変わらなかったが、取り巻きの顔ぶれが異なっていた。わたくしの前世では、宰相の息子で従兄弟のカルロス、騎士団長の息子でセシリオ、教皇の息子でクリストバルだったのが、エスメラルダの2歳年下の弟グレメンテと文武両道な懐刀と呼ばれるロランドの二人がベルナルドとリリアーヌともにジュリアン様を攻め立てたそうだった。すぐさま、弟の仕出かしたことを謝るエスメラルダをジュリアン様は許してくださいます。
その代わり、従兄弟のカルロス、騎士団長の息子でセシリオ、教皇の息子でクリストバルがジュリアン様の無実を訴えてくれて、庇ってくれたが、ベルナルドの逆鱗に触れ、謹慎処分に遭ったそうです。
やっぱり、前世で目の前でエスメラルダが殺されたことが影響しているのだろうか?
今後の対策を話し合うべく、四人で話を進め、ラファエル様の権力とエスメラルダの魔力があれば、今すぐジュリアン様をここからお出しできるけど、時が満までジュリアン様は出ないとおっしゃるから、今日のところは、このまま帰ることにしたが、魔道具を渡して、何かあれば、いつでも連絡が取れる。
フランツ様は、なぜかぼーっとしていらっしゃる。
「ジュリアン嬢は美しい。」どうやら、ひとめぼれされてしまわれたようです。
「公爵令嬢ジュリアン・ラミレス嬢、どうか私の妻になっていただけないだろうか?もちろん、あなた様のことは、エルミーニ国を上げて、お救い申し上げます。ここを出られてから、お返事いただいても構いません。どうか私とのことを前向きに考えてもらいたいです。」
まさかエレベスト修道院の中で、プロポーズするとは、誰も想像していなかったことで、皆、驚いて固まってしまったのである。でも、それぐらいフランツ様にとっては、運命の出会いだったのであろう。
ジュリアン様も驚かれたものの、快く承知なされました。ジュリアン様の無実の証明ができた時、合同の結婚式をしよう。とラファエル様が提案されて、エスメラルダは、まだ一度もプロポーズをされていないということが不安であったのだ。ラファエル様は誰と結婚なさるおつもりなのかしら?
ジュリアン様との話し合いで、今後の方針は3点に絞られた。
1.男爵令嬢リリアーヌをどうすべきか、だがおそらくマンドール国の単なる使い捨ての駒だろうから、トカゲのしっぽをどうするか?
2.マンドール国の情勢
3.ベルナルドの処遇。このままいくと国家反逆罪で処刑されるか、戦死
話し合いの結果、とりあえず1と3は、死んでもらうことにする。1を排除すると、ひょっとすれば2と3の可能性は、なくなるかもしれない。
でもジュリアン様の名誉の回復のため、どうしても1と3の断罪は必要で、そのために何をすべきか?
男爵令嬢リリアーヌの悪事をリアルタイムで流してやろうか?出歯亀の趣味はないが、リリアーヌとベルナルドのやり取りを王都?王宮でばらまいてやろうかと考える。うちのバカ弟の処分も必要になるから、一度、公爵邸に戻り、両親に洗いざらい、ぶちまけることにして相談してみる。
マリーベルを連れ、公爵邸にいったん戻ろうとしたら、ラファエル様も来てくださることになったのだが、フランツ様は、ジュリアン様との婚儀の準備があるからと、さっさと帰ってしまわれたのだ。
「一体何なのよ?意味不明だわ。」
「最初はエスメラルダに粉をかけていたのだが、諦めてくれたみたいだね。」
「え?そうなの?言ってくれたらいいのに。」
心なしかラファエル様が慌てられたように見えたが、気のせいよね?
公爵邸にもラファエル様が同行してくださることになり、屋敷の使用人から「お嬢様の恋人」扱いに、照れる。両親からもいっそのこと、婚約してしまえば?といわれるが、またループするかもしれない不安があるためおいそれとは、婚約できない。それにラファエル様がどう思っていらっしゃるかもわからないから。
ベルナルドとリリアーヌは、いずれ婚約する。問題はどのタイミングで暴露することか?リリアーヌを婚約者としてからのタイミングは、ベルナルドに打撃を与えるが、ブランタン国としてはどうだろうか?それまでに国家の機密がある程度、漏れる。
ラファエル様が王位に就いたときに、その機密情報を作り変えてしまえば、たいして問題にならないだろう。ということになる。
「ラファエル様、娘がいつもお世話になっておるようですが、マンドールとの問題が片付いた暁には、娘をどのようにされるつもりかお聞かせ願いたい。」
真剣な表情で父が聞くので、エスメラルダは驚く。
「もちろん、妻にと願っています。」
ラファエル様も真剣に答えてくれたので、うれしい。
「うむ、ならば、今日ここで仮の祝言を挙げてもらいたい。」
「はい。わかりました。エスメラルダもそれでいいかい?」
「は、はい。」
私たちは、7歳の頃よりお互いに意識し合う関係であったので、婚約とか結婚とか書類上では、表わせられないような濃い仲である。
その夜、かりそめの結婚式をしてから、初夜を迎えた。父はエスメラルダが心配なのだろう。いいようにラファエル様に使われて、遊ばれて、死んでいくか捨てられるのを。
最悪、弟のグレメンテを廃嫡した場合、ラファエル様を婿にできるかもしれない、と踏んだかどうかは、わかりません。
ラファエルとエスメラルダは愛を囁き合う仲になっていたのだが、どういうわけかいつもいいところでフランツが二人の仲に入ってくるので、なかなか進展しない。
それでも幸せ過ぎて、すっかり忘れていたのだが、ブランタン王国では、やはり、ジュリアン・ラミレス公爵令嬢は修道院へ送られたのだ。
「ラファエル様、フランツ様これからお話しする内容を信じてくださらないかもしれませんが。」
「エスメラルダが言うことなら、なんでも信じるよ。どんなことでも。」
「実は、わたくし……、6度目の人生で……1度目は、……2度目は……。」
今までの6度の人生がループしていること、男爵令嬢のリリアーヌのことベルナルドのこと、マンドール国のこと、ジュリアン・ラミレスのことなどをすべて、話した。話し終わった後、フランツ様とラファエル様は難しい顔をされていて、
「それで小さい時から、武術に知識に魔力と勉強に励んできたんだね。」
「エスメラルダはどうしたい?確かに、我がブランタン王国は、肥沃な大地が広がっているので、マンドールのような荒れ地中心の国から見れば、手に入れたいと思うだろう。」
「とりあえず、ジュリアン様がいらっしゃるエレベスト修道院へ行き、情報確認をしようかと思いまして。」
「わかった。一緒に行くよ。」
「え?」
「国家の大事だ。もしかしたら、相手が何か仕出かすかもしれないし、危険なことは君一人に任せられない。どうせ転移魔法で行くのだろう?ならば、一緒に。」
「俺も一緒に行くよ。俺たちは友人だろ、友人の難儀を黙って見過ごせないよ。」
「ありがとうございます。でもフランツ様はいいのでございますか?他国間の争いになるやもしれません。」
「もしも巻き込まれそうになったとしても、強いエスメラルダがいるから大丈夫だ。何かあれば、俺に隠蔽をかけてくれ。」
クスリと笑いながら、おっしゃる。
こうして、ラファエル様とフランツ様、エスメラルダは、転移の魔法でエレベスト修道院の前まで、飛んだ。修道院の受付でジュリアン様に面会申し込みをして、待つこと10分足らずで、面会室に通された。手土産にクッキーなどを差し入れする。ここの食事は、世界一粗食で有名だから。
それともう一人会いたい人がいたのである。マリーベルだ。マリーベルはナゼ自分に面会者がいるのか?理解していないらしく、戸惑いを隠さず、面会室に来たのだ。マリーベルにもクッキーの差し入れを持ってきている。
マリーベルが面会室に入ってきた途端、懐かしさのあまり、抱きついて
「もしもマリーベルさえよろしければ、わたくしと今すぐここを出ませんか?そしてマリーベルには、わたくしの侍女として、これから行動を共にしていただきたいのです。」
「お嬢様は、私のことをご存知なのですか?」
「詳しくは今は話せないの。時間がないからね。でもマリーベルにとって、悪い話にはならないわ。どう?わたくしを信じて出てくれる?」
「わかりました。お願いします。」
マリーベルの出所の手続きを護衛の騎士に任せ、ジュリアン様を待つことにする。
ジュリアン様とは、学園の初等科以来であったが、相変わらずお美しく、気品に溢れていらっしゃいます。
「お久しぶりにございます。こちらは、第1王子のラファエル様でございます。そして、そちらは、隣国エルミーニ国のフランツ皇太子殿下であらせられます。」
かんたんな挨拶と二人の王子様の紹介をして、本題に入る。
ジュリアン様の話から、だいたい前世やそれ以前のわたくしの記憶とそう変わらなかったが、取り巻きの顔ぶれが異なっていた。わたくしの前世では、宰相の息子で従兄弟のカルロス、騎士団長の息子でセシリオ、教皇の息子でクリストバルだったのが、エスメラルダの2歳年下の弟グレメンテと文武両道な懐刀と呼ばれるロランドの二人がベルナルドとリリアーヌともにジュリアン様を攻め立てたそうだった。すぐさま、弟の仕出かしたことを謝るエスメラルダをジュリアン様は許してくださいます。
その代わり、従兄弟のカルロス、騎士団長の息子でセシリオ、教皇の息子でクリストバルがジュリアン様の無実を訴えてくれて、庇ってくれたが、ベルナルドの逆鱗に触れ、謹慎処分に遭ったそうです。
やっぱり、前世で目の前でエスメラルダが殺されたことが影響しているのだろうか?
今後の対策を話し合うべく、四人で話を進め、ラファエル様の権力とエスメラルダの魔力があれば、今すぐジュリアン様をここからお出しできるけど、時が満までジュリアン様は出ないとおっしゃるから、今日のところは、このまま帰ることにしたが、魔道具を渡して、何かあれば、いつでも連絡が取れる。
フランツ様は、なぜかぼーっとしていらっしゃる。
「ジュリアン嬢は美しい。」どうやら、ひとめぼれされてしまわれたようです。
「公爵令嬢ジュリアン・ラミレス嬢、どうか私の妻になっていただけないだろうか?もちろん、あなた様のことは、エルミーニ国を上げて、お救い申し上げます。ここを出られてから、お返事いただいても構いません。どうか私とのことを前向きに考えてもらいたいです。」
まさかエレベスト修道院の中で、プロポーズするとは、誰も想像していなかったことで、皆、驚いて固まってしまったのである。でも、それぐらいフランツ様にとっては、運命の出会いだったのであろう。
ジュリアン様も驚かれたものの、快く承知なされました。ジュリアン様の無実の証明ができた時、合同の結婚式をしよう。とラファエル様が提案されて、エスメラルダは、まだ一度もプロポーズをされていないということが不安であったのだ。ラファエル様は誰と結婚なさるおつもりなのかしら?
ジュリアン様との話し合いで、今後の方針は3点に絞られた。
1.男爵令嬢リリアーヌをどうすべきか、だがおそらくマンドール国の単なる使い捨ての駒だろうから、トカゲのしっぽをどうするか?
2.マンドール国の情勢
3.ベルナルドの処遇。このままいくと国家反逆罪で処刑されるか、戦死
話し合いの結果、とりあえず1と3は、死んでもらうことにする。1を排除すると、ひょっとすれば2と3の可能性は、なくなるかもしれない。
でもジュリアン様の名誉の回復のため、どうしても1と3の断罪は必要で、そのために何をすべきか?
男爵令嬢リリアーヌの悪事をリアルタイムで流してやろうか?出歯亀の趣味はないが、リリアーヌとベルナルドのやり取りを王都?王宮でばらまいてやろうかと考える。うちのバカ弟の処分も必要になるから、一度、公爵邸に戻り、両親に洗いざらい、ぶちまけることにして相談してみる。
マリーベルを連れ、公爵邸にいったん戻ろうとしたら、ラファエル様も来てくださることになったのだが、フランツ様は、ジュリアン様との婚儀の準備があるからと、さっさと帰ってしまわれたのだ。
「一体何なのよ?意味不明だわ。」
「最初はエスメラルダに粉をかけていたのだが、諦めてくれたみたいだね。」
「え?そうなの?言ってくれたらいいのに。」
心なしかラファエル様が慌てられたように見えたが、気のせいよね?
公爵邸にもラファエル様が同行してくださることになり、屋敷の使用人から「お嬢様の恋人」扱いに、照れる。両親からもいっそのこと、婚約してしまえば?といわれるが、またループするかもしれない不安があるためおいそれとは、婚約できない。それにラファエル様がどう思っていらっしゃるかもわからないから。
ベルナルドとリリアーヌは、いずれ婚約する。問題はどのタイミングで暴露することか?リリアーヌを婚約者としてからのタイミングは、ベルナルドに打撃を与えるが、ブランタン国としてはどうだろうか?それまでに国家の機密がある程度、漏れる。
ラファエル様が王位に就いたときに、その機密情報を作り変えてしまえば、たいして問題にならないだろう。ということになる。
「ラファエル様、娘がいつもお世話になっておるようですが、マンドールとの問題が片付いた暁には、娘をどのようにされるつもりかお聞かせ願いたい。」
真剣な表情で父が聞くので、エスメラルダは驚く。
「もちろん、妻にと願っています。」
ラファエル様も真剣に答えてくれたので、うれしい。
「うむ、ならば、今日ここで仮の祝言を挙げてもらいたい。」
「はい。わかりました。エスメラルダもそれでいいかい?」
「は、はい。」
私たちは、7歳の頃よりお互いに意識し合う関係であったので、婚約とか結婚とか書類上では、表わせられないような濃い仲である。
その夜、かりそめの結婚式をしてから、初夜を迎えた。父はエスメラルダが心配なのだろう。いいようにラファエル様に使われて、遊ばれて、死んでいくか捨てられるのを。
最悪、弟のグレメンテを廃嫡した場合、ラファエル様を婿にできるかもしれない、と踏んだかどうかは、わかりません。
10
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
「君は悪役令嬢だ」と離婚されたけど、追放先で伝説の力をゲット!最強の女王になって国を建てたら、後悔した元夫が求婚してきました
黒崎隼人
ファンタジー
「君は悪役令嬢だ」――冷酷な皇太子だった夫から一方的に離婚を告げられ、すべての地位と財産を奪われたアリシア。悪役の汚名を着せられ、魔物がはびこる辺境の地へ追放された彼女が見つけたのは、古代文明の遺跡と自らが「失われた王家の末裔」であるという衝撃の真実だった。
古代魔法の力に覚醒し、心優しき領民たちと共に荒れ地を切り拓くアリシア。
一方、彼女を陥れた偽りの聖女の陰謀に気づき始めた元夫は、後悔と焦燥に駆られていく。
追放された令嬢が運命に抗い、最強の女王へと成り上がる。
愛と裏切り、そして再生の痛快逆転ファンタジー、ここに開幕!
『選ばれし乙女』ではありませんが、私で良いのでしょうか?私、地味で目立たない風属性ですよ?
ミミリン
恋愛
没落寸前の貴族令嬢セレナ。
領地と家族を守るために裕福な伯爵令息ピーターと婚約することを決意。自分が立派な婚約者になれば伯爵家からの援助を受けられる、そう思い努力を重ねるセレナ。
けれど何故か、努力すればするほど婚約者となったピーターには毛嫌いされてしまう。
そこに『選ばれし乙女』候補の美少女が現れて…。
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
『お前とは結婚できない』と婚約破棄されたので、隣国の王に嫁ぎます
ほーみ
恋愛
春の宮廷は、いつもより少しだけざわめいていた。
けれどその理由が、わたし——エリシア・リンドールの婚約破棄であることを、わたし自身が一番よく理解していた。
「エリシア、君とは結婚できない」
王太子ユリウス殿下のその一言は、まるで氷の刃のように冷たかった。
——ああ、この人は本当に言ってしまったのね。
婚約破棄された令嬢、冷酷と噂の王に拾われて溺愛される
ほーみ
恋愛
白い花びらが散る中、私は婚約者に手を振り払われた。
「もうお前とは終わりだ、リリアーナ。俺はセリーヌと結婚する」
――ああ、やっぱり。
そうなるとは思っていた。けれど、実際に言葉にされると胸が締め付けられる。
「そう……ですか。お幸せに」
「お前みたいな地味な令嬢といても退屈なんだよ。セリーヌのほうが愛らしいし、社交界でも人気だ」
予言姫は最後に微笑む
あんど もあ
ファンタジー
ラズロ伯爵家の娘リリアは、幼い頃に伯爵家の危機を次々と予言し『ラズロの予言姫』と呼ばれているが、実は一度殺されて死に戻りをしていた。
二度目の人生では無事に家の危機を避けて、リリアも16歳。今宵はデビュタントなのだが、そこには……。
当て馬令嬢は自由を謳歌したい〜冷酷王子への愛をゴミ箱に捨てて隣国へ脱走したら、なぜか奈落の底まで追いかけられそうです〜
平山和人
恋愛
公爵令嬢エルナは、熱烈に追いかけていた第一王子シオンに冷たくあしらわれ、挙句の果てに「婚約者候補の中で、お前が一番あり得ない」と吐き捨てられた衝撃で前世の記憶を取り戻す。 そこは乙女ゲームの世界で、エルナは婚約者選別会でヒロインに嫌がらせをした末に処刑される悪役令嬢だった。
「死ぬのも王子も、もう真っ平ご免です!」
エルナは即座に婚約者候補を辞退。目立たぬよう、地味な領地でひっそり暮らす準備を始める。しかし、今までエルナを蔑んでいたはずのシオンが、なぜか彼女を執拗に追い回し始め……? 「逃げられると思うなよ。お前を俺の隣以外に置くつもりはない」 「いや、記憶にあるキャラ変が激しすぎませんか!?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる