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マリーベルに、エスメラルダはループする人生を送っていることを打ち明ける。その何度目かの人生で、エレベスト修道院にいたことがあり、その時にマリーベルと知り合いになったことを言うと。
「私もエスメラルダ様と最初に会ったとき、不思議と初対面だとは思えませんでした。なぜかしらと思っていたら、前世か前々世の記憶がそうさせていたのだとわかりましたわ。エスメラルダ様、私のことを覚えていてくださって、こうして修道院から出られる自由をくださって、心より感謝申し上げます。」
4度目の人生と同じように、エスメラルダは、マリーベルにレース編みや刺繍を教える。マリーベルは筋がいいのだ。すぐに上達して、ベッドカバーやテーブルセンターなど次々に作品を編み出す。
マリーベルは自分もエスメラルダの諜報の役に立ちたいと申し出てきたが、修道院の外の世界のことをまず、覚えてもらいたくて、今は何もする必要がないと伝える。
翌日からは、諜報活動のため動く、まず弟をこちら側に取り込み、リリアーヌに盗聴器の魔道具を仕掛ける。4度目の人生でリリアーヌが魅了魔法の使い手のスパイであることは、わかっていても、それを防ぐ手立てはない。
留学中から、なんとなく魅了魔法を解除する何らかの方法はないかと探ってみるものの、今一つ完成には至らなかったのである。ラファエル様と一緒にいたいことを優先させたから、これが大学院の研究室にでもいていたら、また違った結果になったかもしれないと、少しばかり後悔する。
マリーベルが言うには、魅了魔法は聖なる魔法で解けるらしい。エスメラルダは、3歳の頃より一日も欠かさず、教会へお祈りに行っているから、ひょっとして、教会にヒントがあるかもしれないと、出かけることにしたのである。
教会へ着くと、今までとは違い、何か視線を感じるようになっていたのである。留学先から、帰国したからか?誰かに見られているような?でも、きっと気のせいよね?
今は、誰の婚約者でもないから、注目されることはないはず。
一心不乱に、神様にお祈りをする、これこそ神頼みである。
「あともう少しでリリアーヌの魅了魔法を解けそうで解けない、何が足りないでしょうかお教えくださいませ。」
一生懸命祈っていたら、手のひらから水が湧いてきた。
「え?」それは、聖水であった。この聖水と何かを合わせるのね。その何かってなんだ?何でもいいから、この水をぶっかけて念じたらできるのかもしれない。
魔道具の盗聴器に、聖水をかけてみたら、一瞬、光っただけで、何も変わらなかったけど。この光ったということが、何かミソがあるに違いない。
盗聴器を弟に好きな人(リリアーヌのこと)ができたのだから、彼女にプレゼントしなさいと渡す。わざと不思議な魔力を感じさせるが、なにも効果がない。それよりは、そのプレゼントがある場所1m四方の音声を拾うもの。
プレゼントはアクセサリー型にしてイヤリングとネックレス、どちらか一方だけでも機能するようにした。豪華な宝石(ダイヤモンド)の中に仕込んだもので、きっとうまくいくと思う。リアルタイムに聞かなくても録音機能があるが、最初はテストと思って、身構えて待ち受けた。
弟グレメンテに渡したら、喜んで彼女(リリアーヌ)にプレゼントしたみたいだった。だけど、渡すとき、なぜかもったいない?と思ったそうで、なぜそう思ったのかわからない。でもエスメラルダ姉さんが、彼女に。と言って用意してくれたものだから、と思い渡したらしい。
早速、効果が表れて、弟にかかっている魅了魔法が解け始めたのかもしれない。手渡すときに、弟の手に聖水がかかったのかもしれないが。
盗聴しようとしたら、いきなり喘ぎ声が聞こえたので、焦ったけど、ジュリアンを嵌めたことを白状していたから、良しとしますか。
ついで、マンドール国の諜報員にも抱かれていたみたいで、ベルナルドとの睦事の不満を漏らしていたから、笑ったわ。
「ベルナルドったら、自分だけ満足すればいいという勝手な男よ。仕事じゃなかったら、絶対に抱かれたくないタイプの男だわ。」
「引き続き、調査せよ。」
「今度は、いつ来てくださるの?」
「新しい情報を入手次第、連絡せよ。くれぐれも悟られるなよ。」
それからまた、ベルナルドの閨で、ベルナルドが陣の配置や結界、砦の守備について、軍の機密情報などを自慢たらしく言っているのが盗れた。
弟が一瞬、プレゼントとして盗聴器を持っただけでも、魅了魔法の効果が薄れたというのに、ベルナルド殿下はなぜ、薄れないのだろう?
まぁ、盗聴器として機能しているのだから、問題はない。
ラファエル様は、自分の信頼できる部下に、リリアーヌの家を見張らせ、家出の出入りの日時をチェックさせる。そして、マンドール国の諜報部員の後をつけさせ、いつ、どこで誰と出会ったかなどを調べ上げていくことにしたのである。
マンドール国内には、密かにブランタン国の間者を入り込ませる。場合によっては、マンドール国での首謀者を暗殺して、侵略を未然に防ぐことができるかもしれない。
リリアーヌの音や声を、ラファエル様と聞いていたら、こちらまでおかしな気分になり、何度となく愛を交わして、おかげで腰痛になるとは……。
ベルナルドとリリアーヌの婚約が決まり、披露パーティが行われることになって、我が家にも招待状が届けられた。披露パーティで、お祝いに例の暴露を始めることにした。さぞかし感激なさるでしょう?
前世の自分の婚約披露パーティよりも華やかで盛大な催しが開かれた。
最初に国王陛下が挨拶され、その隣には側妃の妃殿下、そして反対側の隣にはベルナルドとリリアーヌが立っていた。
ベルナルド殿下がどうも浮かない顔をしていらっしゃる。ここへ来て、ようやくリリアーヌの魅了魔法が薄らいできたのかどうかは、わからない。
続いて、若い二人の挨拶をするところで、BGMのかわりに録音した音声を流した。
「ん…ん、ジュリアンに虐められたのなんて、うそ……ん。あ…ベル様はげ…しい。目障りだったから、…ああん。」
二人は、ギョッとしている。
「不敬だ!音を止めろ!」
その後も音声は続き、びちゃびちゃの水音のほかにマンドール国との諜報部員の話やベルナルドが軍の機密情報を喋っていることまで、会場は騒然となる。
ベルナルドの命令は誰も聞かず、みなBGM代わりの音声に聞き入っている。相当、恥ずかしい出歯亀のような内容だが、それでも神経を集中させ聞き入る。
「違う!俺は関係ない!俺はリリアーヌに騙されていただけだ!」
その場でベルナルドとリリアーヌは拘束され、リリアーヌは公開処刑、ベルナルドは国家反逆罪で捕らわれの身となる。謹慎の上、おそらく死罪となろう。
思えば、4度目の人生でマリーベルとの出会いがすべてを変えてくれた瞬間だったのである。マリーベルが幼い時より教会で祈るように勧めてくれたこと、マリーベルが魅了魔法を解くためには、聖なる魔力が必要だと言ってくれたことなどを考えれば、マリーベルこそが聖女様であったのではないかと思えるようになったのである。
ジュリアン様も無事、名誉を回復され、修道院から解放。すぐにラミレス公爵家へ戻られ、今は、静養されている。
フランツ殿下の元へ、ジュリアン様が釈放になられたことを話すと、ラミレス公爵家に挨拶に行きたいので、案内してほしいと。エスメラルダのところに依頼が来る。
友人関係だから、仕方なく転移魔法を使い、ラファエル様とフランツを迎えに行って、そのままジュリアン様のところへ。送り届けたのであるが、ラミレス公爵から、大変に感謝され、少々複雑な心境である。だって、そもそもエスメラルダの身代わりとして、ベルナルドと婚約していただいたのだから。
此度のことで、国王陛下は心労で塞ぎがちになられ、第2王子ベルナルド殿下の御母堂様も王宮での地位が危ぶまれ、そろそろ引退をされる気配です。そして、国王陛下がついにお亡くなりになられ、ラファエル様が王位に就かれることになりました。
そして、約束通り、エスメラルダとラファエル様、フランツ様とジュリアン様の合同結婚式が華々しく執り行われることになりました。
「愛している。エスメラルダ。」人目もはばからず、チュッチュされるのが気恥ずかしい。
負けずにフランツ様もジュリアン様にちゅっちゅされ、熱々ラブラブムードに拍車がかかります。
両国は、今後も平和と友好の国となります。
「私もエスメラルダ様と最初に会ったとき、不思議と初対面だとは思えませんでした。なぜかしらと思っていたら、前世か前々世の記憶がそうさせていたのだとわかりましたわ。エスメラルダ様、私のことを覚えていてくださって、こうして修道院から出られる自由をくださって、心より感謝申し上げます。」
4度目の人生と同じように、エスメラルダは、マリーベルにレース編みや刺繍を教える。マリーベルは筋がいいのだ。すぐに上達して、ベッドカバーやテーブルセンターなど次々に作品を編み出す。
マリーベルは自分もエスメラルダの諜報の役に立ちたいと申し出てきたが、修道院の外の世界のことをまず、覚えてもらいたくて、今は何もする必要がないと伝える。
翌日からは、諜報活動のため動く、まず弟をこちら側に取り込み、リリアーヌに盗聴器の魔道具を仕掛ける。4度目の人生でリリアーヌが魅了魔法の使い手のスパイであることは、わかっていても、それを防ぐ手立てはない。
留学中から、なんとなく魅了魔法を解除する何らかの方法はないかと探ってみるものの、今一つ完成には至らなかったのである。ラファエル様と一緒にいたいことを優先させたから、これが大学院の研究室にでもいていたら、また違った結果になったかもしれないと、少しばかり後悔する。
マリーベルが言うには、魅了魔法は聖なる魔法で解けるらしい。エスメラルダは、3歳の頃より一日も欠かさず、教会へお祈りに行っているから、ひょっとして、教会にヒントがあるかもしれないと、出かけることにしたのである。
教会へ着くと、今までとは違い、何か視線を感じるようになっていたのである。留学先から、帰国したからか?誰かに見られているような?でも、きっと気のせいよね?
今は、誰の婚約者でもないから、注目されることはないはず。
一心不乱に、神様にお祈りをする、これこそ神頼みである。
「あともう少しでリリアーヌの魅了魔法を解けそうで解けない、何が足りないでしょうかお教えくださいませ。」
一生懸命祈っていたら、手のひらから水が湧いてきた。
「え?」それは、聖水であった。この聖水と何かを合わせるのね。その何かってなんだ?何でもいいから、この水をぶっかけて念じたらできるのかもしれない。
魔道具の盗聴器に、聖水をかけてみたら、一瞬、光っただけで、何も変わらなかったけど。この光ったということが、何かミソがあるに違いない。
盗聴器を弟に好きな人(リリアーヌのこと)ができたのだから、彼女にプレゼントしなさいと渡す。わざと不思議な魔力を感じさせるが、なにも効果がない。それよりは、そのプレゼントがある場所1m四方の音声を拾うもの。
プレゼントはアクセサリー型にしてイヤリングとネックレス、どちらか一方だけでも機能するようにした。豪華な宝石(ダイヤモンド)の中に仕込んだもので、きっとうまくいくと思う。リアルタイムに聞かなくても録音機能があるが、最初はテストと思って、身構えて待ち受けた。
弟グレメンテに渡したら、喜んで彼女(リリアーヌ)にプレゼントしたみたいだった。だけど、渡すとき、なぜかもったいない?と思ったそうで、なぜそう思ったのかわからない。でもエスメラルダ姉さんが、彼女に。と言って用意してくれたものだから、と思い渡したらしい。
早速、効果が表れて、弟にかかっている魅了魔法が解け始めたのかもしれない。手渡すときに、弟の手に聖水がかかったのかもしれないが。
盗聴しようとしたら、いきなり喘ぎ声が聞こえたので、焦ったけど、ジュリアンを嵌めたことを白状していたから、良しとしますか。
ついで、マンドール国の諜報員にも抱かれていたみたいで、ベルナルドとの睦事の不満を漏らしていたから、笑ったわ。
「ベルナルドったら、自分だけ満足すればいいという勝手な男よ。仕事じゃなかったら、絶対に抱かれたくないタイプの男だわ。」
「引き続き、調査せよ。」
「今度は、いつ来てくださるの?」
「新しい情報を入手次第、連絡せよ。くれぐれも悟られるなよ。」
それからまた、ベルナルドの閨で、ベルナルドが陣の配置や結界、砦の守備について、軍の機密情報などを自慢たらしく言っているのが盗れた。
弟が一瞬、プレゼントとして盗聴器を持っただけでも、魅了魔法の効果が薄れたというのに、ベルナルド殿下はなぜ、薄れないのだろう?
まぁ、盗聴器として機能しているのだから、問題はない。
ラファエル様は、自分の信頼できる部下に、リリアーヌの家を見張らせ、家出の出入りの日時をチェックさせる。そして、マンドール国の諜報部員の後をつけさせ、いつ、どこで誰と出会ったかなどを調べ上げていくことにしたのである。
マンドール国内には、密かにブランタン国の間者を入り込ませる。場合によっては、マンドール国での首謀者を暗殺して、侵略を未然に防ぐことができるかもしれない。
リリアーヌの音や声を、ラファエル様と聞いていたら、こちらまでおかしな気分になり、何度となく愛を交わして、おかげで腰痛になるとは……。
ベルナルドとリリアーヌの婚約が決まり、披露パーティが行われることになって、我が家にも招待状が届けられた。披露パーティで、お祝いに例の暴露を始めることにした。さぞかし感激なさるでしょう?
前世の自分の婚約披露パーティよりも華やかで盛大な催しが開かれた。
最初に国王陛下が挨拶され、その隣には側妃の妃殿下、そして反対側の隣にはベルナルドとリリアーヌが立っていた。
ベルナルド殿下がどうも浮かない顔をしていらっしゃる。ここへ来て、ようやくリリアーヌの魅了魔法が薄らいできたのかどうかは、わからない。
続いて、若い二人の挨拶をするところで、BGMのかわりに録音した音声を流した。
「ん…ん、ジュリアンに虐められたのなんて、うそ……ん。あ…ベル様はげ…しい。目障りだったから、…ああん。」
二人は、ギョッとしている。
「不敬だ!音を止めろ!」
その後も音声は続き、びちゃびちゃの水音のほかにマンドール国との諜報部員の話やベルナルドが軍の機密情報を喋っていることまで、会場は騒然となる。
ベルナルドの命令は誰も聞かず、みなBGM代わりの音声に聞き入っている。相当、恥ずかしい出歯亀のような内容だが、それでも神経を集中させ聞き入る。
「違う!俺は関係ない!俺はリリアーヌに騙されていただけだ!」
その場でベルナルドとリリアーヌは拘束され、リリアーヌは公開処刑、ベルナルドは国家反逆罪で捕らわれの身となる。謹慎の上、おそらく死罪となろう。
思えば、4度目の人生でマリーベルとの出会いがすべてを変えてくれた瞬間だったのである。マリーベルが幼い時より教会で祈るように勧めてくれたこと、マリーベルが魅了魔法を解くためには、聖なる魔力が必要だと言ってくれたことなどを考えれば、マリーベルこそが聖女様であったのではないかと思えるようになったのである。
ジュリアン様も無事、名誉を回復され、修道院から解放。すぐにラミレス公爵家へ戻られ、今は、静養されている。
フランツ殿下の元へ、ジュリアン様が釈放になられたことを話すと、ラミレス公爵家に挨拶に行きたいので、案内してほしいと。エスメラルダのところに依頼が来る。
友人関係だから、仕方なく転移魔法を使い、ラファエル様とフランツを迎えに行って、そのままジュリアン様のところへ。送り届けたのであるが、ラミレス公爵から、大変に感謝され、少々複雑な心境である。だって、そもそもエスメラルダの身代わりとして、ベルナルドと婚約していただいたのだから。
此度のことで、国王陛下は心労で塞ぎがちになられ、第2王子ベルナルド殿下の御母堂様も王宮での地位が危ぶまれ、そろそろ引退をされる気配です。そして、国王陛下がついにお亡くなりになられ、ラファエル様が王位に就かれることになりました。
そして、約束通り、エスメラルダとラファエル様、フランツ様とジュリアン様の合同結婚式が華々しく執り行われることになりました。
「愛している。エスメラルダ。」人目もはばからず、チュッチュされるのが気恥ずかしい。
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