上 下
16 / 37
第2章

16.ポイントの使い道

しおりを挟む
 それから瞬く間に5年の歳月が過ぎ、ルミアマリーゼは3男1女の母になり母としても女としても王妃様をしのぐほどのイイ女っぷりになっていく。

 2年前に教会で聖女判定を受けるも、すでにその時は、3人の王子を出産していったのに、まだ聖力が衰えず、教会も王子夫妻を認めざるを得ない。

 そしてローランドは、晴れて13歳にして立太子の礼を行い、史上初の子だくさんの王太子となる。

 ルミアマリーゼのポイント残高は5兆ポイントにまで、膨れ上がり、学園に入る前に、さらなる美女ぶりを増すため、美女改造にポイントを投じようと久しぶりにアクリル板を開くが、なぜか「購入済み」と表示されてしまう。

 え……?いつ、買った?

 確か、あれはもうお飾り王妃が決定事項となった時に、ヤケクソで買ったような気がしてくる……?

 え!まさか!?これって、1回かったら、何度、転生しても、転生前の機能が付いてくるの?

 ひゃぁっ!めっちゃ、お得じゃん!

 とすると……いや、まてよ……?

 あの後、死んで白い部屋へ行って、その後、ローランド様とあんなこと、こんなことができたのも、この美女改造のおかげだったということ?

 美女改造には、付属品として、美女フェロモンも備えついている。だから、ローランドは、前世、結婚してから、いや、ルミアマリーゼが美女改造を手にしたときから、ルミアマリーゼ一筋の一穴主義に陥ってしまい、死を前にしても、まだなおルミアマリーゼのことを愛してやまない存在だったということなのだが、そのことにまだ気づいていないルミアマリーゼとローランド。

 それに今世、3歳の頃からローランド様がやたら絶倫だったことも影響を与えている?ぅわぁっ!ちょっとヤバイようなシステムかも?

 まあ、もっていて不都合になるようなカラダの特徴でもないし……好きな男性を満足させられるのであれば、むしろメリットしかないようにも思える。

 だから気にせず、普段通り過ごすように努める。

 近衛騎士のほかに、教会からは聖騎士なるものも3名付けられ、そのあたりは前世と全く同じなのだけど、聖騎士はなかなかイケメンぞろいなのだ。それで、今、内緒で、この聖騎士を順番に味見することを企んでいるのだが、これはローランドに絶対知られてはいけない秘め事。

 さすがに立て続けに4人も子供を産んだので、少し出産休暇を貰いたいと思って、ローランド様にお願いしたら、快く承諾してくださり、その間に学園に行くこともあって、この3人の騎士を日替わりで味見する計画を立てているところ。

 でも、ローランド様との夜のお務めは変わらずするから、あまり負担になるような相手はイヤだな。

 だって、イマイチの相手だったら、その記憶を操作して忘れさせてしまえるのだから、これは使わなきゃ、もったいないって話でしょ?

 だから、相手がとてもよくても、1回ごとに記憶を消してしまえば、誰にもバレ梅市、子種を殺す処理をするつもりでいるから、100%セックスを愉しめるというもの。もちろん、出産休暇の間は、ローランド様にも子種を殺す魔法を処置するということを言っているから、ローランド様も「一晩中、くっついていられる」と無邪気に喜んでいられたことは複雑な気分になったもの。



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-



「学園に通うようになられてから、聖女様は妊娠されなくなったな?」

「ルミアマリーゼから、出産休暇を貰いたいと申し出があったので、快諾したよ。女性はアレでなかなか重労働みたいで、大変らしい」

 朝食時、食堂でバッタリ父である陛下とローランド王太子があった時の会話。

「それでは、その……側室の準備をしなくても、大丈夫なのか?」

「ああ。大丈夫です。ルミアマリーゼとは、変わらず抱いているので、父上も母上との時はクスリを遣っていらっしゃったのですか?ルミアマリーゼは聖女様なので、子種を殺してしまう魔法を遣えるのです。それで今までよりも激しく抱いても、子供はできないということですよ」

 ローランドは、どうだ!と言わんばかりに胸を張ってみせる。

「聖女様というものは、素晴らしいのだな?そんな便利な魔法まで使えるということなのか……?」

 アレキサンダー陛下は、ローランドと話しているとき、何かが閃いた。でも、そのことを口にするのも、おこがましく、そっと胸の内にしまい込むことにした。

 学園に行くようになってからルミアマリーゼの美しさは、拍車をかけている。

 同年代に仲良くしてくれるお友達ができたこと、それに同じクラスの中の男の子も、案外、ステキだなと思えるような子もいて、長く忘れかけていたときめき……、前々世の時に置いてきた忘れ物を取りに帰るような感覚が甦ってきて、毎日がとても充実している。

 まだ聖騎士の誰とも関係を持っていないせいか、いつも物色するような視線で聖騎士を見つめるも、見られた聖騎士は不快感を持たれることはなく、むしろ頬を赤く染めてしまわれる。

 それは、同級生の男子生徒も同様の反応で、この中のどの子に狙いを定めようかしら?といつも舌なめずりをしながら、学園生活を過ごしている。
しおりを挟む

処理中です...