ポイ活聖女様~結婚に慎重になり過ぎて💦今世はやりたいように生きる

青の雀

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第2章

24.絶望

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 聖騎士アシュレイを伴って、王城へ戻ると、明らかに様子が変。殺伐とした空気の中、ローランドの執務室に向かう。

 執務室の前まで来た時、明らかに様子が違う。恐る恐る中を覗くと、剣をぶつけ合うような音が聞こえてくる!

「ローランド!」

「入って来るな!」

 ルミアマリーゼが声をかけたことで、一瞬のスキができ、ローランドは敵に打ち込まれてしまう。

 ルミアマリーゼは、咄嗟に聖女の結界を発動するも、間に合わず、ローランドは膝をついてしまう。

 ローランドの側近に護衛騎士は、部屋の中ですでに、こと切れている。多勢に無勢で、なぶり殺しにあったような惨状に目のやり場に困る。

 ルミアマリーゼとアシュレイは、ローランドを背に庇うように立ち、捕縛の魔法と攻撃魔法を打ち続ける。人間に対して、この攻撃魔法を使うのははじめてのこと、でも、傷ついたローランドをこのままにしておくことはできない。

 ローランドを結界の中に入れ、治癒魔法を発動していくが、いくら「ヒール」を唱えても、刃先に毒を塗った剣でつら抜かれたようなので、毒がリンパ腺をめぐって、全身に回る。

 診立てた時は、すでに肝臓が壊死し始めていたので、手遅れ感は半端がない。

「いやぁぁぁ~!ローランド死なないでぇ!」

「ルミア。愛している。今世も君に出会えて、よかったと感謝している。子供たちのことを頼む。俺はもう……」

「ダメ、だめ。死なせない!今、助けるから、もう少しの辛抱だから……いやぁぁぁ」

 敵はアレキサンダー国王陛下が放った刺客で、ローランドを討ち取るのに手段は択ばないという密命を帯びていた。

 さらには、聖女様を無傷で連れてこいとの密命もあり、死角は、ルミアマリーゼを傷つけないように慎重になりながら、結界に近づいてくる。

 その時、アシュレイもついに刺客の凶刃の前に倒れる……。ローランドに次いで、アシュレイまで、愛するオトコを2人も奪われたルミアマリーゼは怒りに打ち震える。

 ルミアマリーゼは、拡声魔法を駆使し、全王国民に聞こえるように、アレキサンダーの非道を訴えかける。

 切々と窮状を訴えかける聖女様の声は、人々の心を動かし、ある者は涙し、ある者は怒り、ある者は強い心を持とうと決意する。

 そしてルミアマリーゼは、そのまま王城に火を放つ。と言っても、あくまで怒りの炎で、実際に燃えてしまうわけではない。幻影が作り出した炎なのだから。

 何とはなしに王都民は、王城を見て、王城が真っ赤に染まっているのを見て、慌てて火消しに走るものまで出だしたのだ。

 国王軍は、王都民の圧力に押され、あっという間に制圧されてしまう。

 後宮にいる子供たちは、何が起こっているのか皆目見当がつかないでいる。そして、ここにもまだ鈍いアレキサンダー陛下が、ルミアマリーゼに迫っている。

「どうしてだ?ルミアマリーゼのために、と思って……ルミアを側室ではなく、王妃に死体と願って何がいけない?」

「わたくしは、ローランド殿下の妻です。ローランドが即位すれば、おのずと王妃になります。それをわざわざ、ローランドを亡き者とする陛下のお気持ちがわかりかねます。なぜそれを、わたくしのためとおっしゃるのかも」

「ローランドのような頼りない男の妻で満足していると申すのか?フン、笑わせるな!それならなぜ儂に抱かれた?ローランドに満足できなかったからなのであろう?」

「あれは、ひとときの夢でございます。でも、その夢を見るのももうあきらめました。そのせいで最愛の夫を失くしてしまったのでございます。それに子供たちの父親も同時に……ですから、陛下とは、二度と関わりたくございません!」

「フッ。いつまで、そんな強がりを言っておられるか、楽しみだな?」

「ならば、こういたしましょう」

 ルミアマリーゼは、勃起している陛下のアレを凍らせてしまう。

「な、な、なんだ!何をした?今まで熱く滾っていた俺自身が、急に熱が冷えて……」

「もう、これで二度と陛下と関係を持てませんわ。では、ごきげんよう」

「待て、待ってくれ。頼む。……つまり、俺の……二度とできないということか?そんな……」

「ローランド様をはじめとした側近の方々、騎士の方々は、もう二度とできないカラダになってしまわれたのです。その責任を取るのは陛下の務めなのではございませんか?」

「なぜ……俺だけなのだ?実行犯である刺客には、お咎めなしか?」

帰りかけたルミアマリーゼは口元に笑みを浮かべ、

「そうでしたわね。ついでにアイツらも同じように天罰を与えるべきですわね」

 ルミアマリーゼは、さも楽しいことがあったかのように、王城の廊下をスキップしながら地下牢へと急ぐ。

 地下牢の階段を降り切った後、努めて明るい口調で

「陛下がね、自分だけが罰を受けるのはおかしいとおっしゃって……。言われてみれば、その通りですわよね。わたくしの夫であり子供たちの親でもある次期国王を亡き者にされた実行犯が、死罪ごときとは、罪の深さが違いすぎますものね」

 今からどんな断罪が待ち受けているのか、気になる様子の刺客たちに手をかざしていく。

「死ぬ前に、少し寒い思いをしてもらいましょうか?」

 直後、絶望が刺客たちを襲う。
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