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第3章

28.東大生

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 大手芸能事務所は、枕営業をすることもなく、平穏に学業との両立ができる。だいたいクイズ番組の回答者が主な仕事で、次回の出題範囲を事前に教えてもらえるので、勉強して来ればいいだけの話。

 それに聖女魔法があるので、一度、目を通した内容はすべて頭に入る仕掛けがある。

 だから毎回、美人女子大生枠で全問正解をしているというもの。すっかりインテリモデル?インテリタレントとして、人気者になり、タクシーの乗っても食堂に入っても、どこへ行ってもサービスをしてもらえるようになったことは嬉しいこと。

 これも前世、聖女様として頑張ってきたこそ、ご褒美としてもらえているのではないかと考えるようにすると、またもやチャリンという音がする。

 もう、いちいちポイント数を数えることはしていない。なぜなら天文学的な数字になっているので、これなら月であろうが火星であろうが、銀河惑星のどこへでも行けるぐらいのお金になっているので。ただ、スキルを買うようにしているけれど、これも、たいていのスキルは聖女様魔法の中に組み込まれていて、新たに買うべきスキルが見当たらないというところも現実なのだ。

 そんなある日のこと、真理子は合コンに誘われる、相手の大学生は、東大生。何を隠そう赤薔薇女子大は、東大生と結婚できるということで人気ナンバーワンの女子大なのだ。ただ、お嬢様大学で美人が多いというだけでなく、いわゆるつり合いとして、東大生が好む女子大生なのである。

 真理子はインテリ美女として、テレビで活躍しているので、真理子見たさに合コンが開かれたと言っても過言ではない。

 その合コンの中に、真理子は健彦の姿を見つけるが、健彦は真理子のことなど眼中にない様子で、一度も目を合わせようとしなかった。

 なんか感じ悪いの。真理子は何年もの時を経ても、ずっと健彦のことを忘れられずにいたのに……、まあ、実際の出会いは、大学を卒業してから就職先で出会うから、まだ眼中になくてもいいのかも?とも思うが、何とも釈然としない気分に苛立つ。

 一方、健彦の方は、麻里子のことを一瞥していたが、あまりにも真理子が美しすぎて、まぶしすぎて。ちょっと手を出しにくい雰囲気を感じ取る。

 そして二次会が過ぎ、お持ち帰りされなかった娘は、真理子一人だけになってしまう。

 翌日、大学でそのことを知った真理子は、やっぱり、前世の強制力というものがあるのかもしれないと思ってしまう。

 今世で、真理子がモテたのは中学校の時だけ、公立中学校に行ったので、男女共学だった。アンキンがマネージャーをしてくれても、アンキンの眼を盗んでアプローチをしてくる男子が後を絶たなかった。

 もう人生、詰んだのかもしれない。あの時に、相手を見つけなかったから、この先も見つけられそうにないと悲観的になる。

 同じことを、次の日、大学に行き、誰もインテリ美女を持ち帰らなかったことを合コン仲間から聞いた健彦は愕然となる。もう二度と同じ相手と合コンはしないという不文律があり、二度と真理子と接触する機会を失ってしまったからだ。

 ああ、見えて、インテリ美女は身持ちが堅いのかもしれない。もったいないことをしたな。後悔してもしきれない。

 それは他の東大生も同じ感想を持っていて、なんとかもう一度、インテリ美女に会うチャンスはないものかと模索しだす。

 男は最初のオトコになりたがり、女は最後のオンナになりたがる

 昨夜の合コンで、東大生側は、インテリ美女の最初のオトコになることに怖気づき、今更後悔しても遅いというもの。

 生物学的には、男は妊娠していない健康な女性に自分の遺伝子を託したいという思いがあり、女性の免疫が反応しないという説がある。相手が処女の場合、自分の子供を妊娠しやすいので、子孫を残す意味から、生娘がもてはやされるということ。

 女は最後のオンナとは、自分が選んだ一番強い遺伝子を他に取られないようにするため?という説が今のところ有力かな?

 なるほど……、お母さんが言っていたこともまんざら、的外れではなかったということ。それはわかったけど、それでは、一発勝負で、男を選ばなければならない女の方は、なかなか大変じゃない?だから、男の最後の女になりたがるって言うわけね。

 やっぱり、異世界と同じように何人ものオトコを体験してからでないと、一人に絞ることは難しい。

 真理子自身の手で避妊がバッチリできるのだから、ここは手当たり次第にヤりまくるとするか?
 
 クイズ番組の収録で、テレビ局に行くと、楽屋に東大生のクイズ王が先に到着していたのが見える。

「おはようございます」

 真理子は、声をかけ、そのまま自分の楽屋に入る。すると、すぐ、真理子がいる楽屋のドアがノックされる。開けて見ると、さっきの東大クイズ王が立っていた。
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