ポイ活聖女様~結婚に慎重になり過ぎて💦今世はやりたいように生きる

青の雀

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第3章

35.入籍

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 真理子と太郎は、年明け早々に入籍を済ませる。パスポートのために、新婚旅行も兼ねているので、同じ名前にした方が、新婚さんとしてのサービスを受けられる。

 そしてパスポート取得後、晴れて、結婚発表をして、記者会見する。結婚式は行わない予定で、留学後、ひょっとすれば、結婚式を行うかもしれないということを補足するだけにした。

 その記者会見の席上で、真理子は初めて、太郎が真理子に在学中に一目ぼれして、卒業後すぐにハーバードに留学する予定を3年遅らせたことを知り、感無量になる。

 なぜなら、その3年間、広告マンとして下積みをし、その間、他社の営業担当者からバカにされ、見下されてきても、じっと辛抱し続けていたのだから。

 白鳳堂の時は、氷山の一角だったと言い切るところからも、あれぐらいのバカにされていたことも日常茶飯事だったと明かされる。

「辛かったね」

「でも下積みができたことは感謝している。それがなかったら、俺は一生お山の大将のままで人生を終わっていたと思うよ」

 真理子は、太郎のそういう謙虚なところも好きだ。社長の御曹司でありながら、誰にでも分け隔てなく接し、下の人を見下さない態度、誰に対しても平等に接するところ、なんか本当に尊敬している。

 太郎が今世の配偶者であって、よかったと心から思っている。

 最初は、健彦ともう一度人生を送りたいと思っていたけど、条件が合わないというか、大学時代に合コンで会っていながら、真理子と話そうともしなかった。真理子も悪いかもしれないけど、会社に入った時は、積極的に面倒を見てくれたのに、なぜかそっけなかったことがどうも気になる。

 それよりも、今は太郎との生活で、いっぱい、いっぱいなのだ。入籍したので、早速一緒に住むことになったのだが、

 学生の真理子と社会人の太郎との時差が……、生活リズムが違うというか……、そこは、二人で強直して、できる方がやるということになったのだが、真理子の時間が全然足りていない。

 そこで、思い出したのが、異世界での料理スキル。以前、食べたもの、作ったことがある者なら、なんでも食材がなくてもできてしまうという便利スキル。これをフルに発動することにした。

 タレントとしての仕事をまだ続けているので、スーパーへ買い物に行っているヒマがない!それでも、美味しいものが食べたいと思う真理子は、太郎とデートで行ったレストランのメニューを必死に思い出しながら、「えいっ!」の掛け声とともに、まったく同じものを作り出すことに成功したのだ。

 その日、たまたま山吹のご両親が、様子見がてら、いらしたのだけど、その要領でお皿を並べ、その上に、再現料理を出していく。

「すごいですな!まるでプロの料理人並みの手際の良さだ!」

 感心されるものの、いえいえ、これはズルですから。とは言わない。いいお嫁さんアピールができて、よかったと思っている。

 太郎も帰宅して、この前のでーとのメニューと同じものが並んでいるのを見て、

「嫁さんを料理上手にしたければ、どんどん外食に連れて行けって言っていた親父の言葉が染みるよ。これ、まさしくクリスマスに行ったときのメニューを再現したものだね?」

「ええ。あの時、美味しかったから、いろいろ研究してみようと思って」

 ハイ。これはウソです。

 とっさに思いついたのが、クリスマスデートの時のメニューだったわけで、次は、何が出るか未定なのだ。

「お前、いい嫁さん貰ったな。美人だわ、料理がうまいわ、それに賢いと来ている。こんな嫁さん、世界中探してもお目にかからないのだから、大事にしないと罰が当たるぞ」

「はいはい。親父のその話は耳タコものだよ。言われなくったって、大事にしていますよ。なんてったって、世界一愛しているのだから」

「お前、そういうの二人きりでいるときにやってくれよな。こっちまで恥ずかしくて、居心地が悪い」

「アハハ。バレたか、真理子と二人で、早くイチャイチャしたいから、親父もおふくろも、そろそろ帰ってくれないか?」

「あらら、まだデザートが残っておりますわ。もう少し、ごゆっくりして行ってください」

「ほれ、真理子さんは優しいだろ?せっかくだから、デザートを食ってから帰るとするわ」

 お義母様は、後片付けを手伝ってくださったけど、怪訝な顔はされていないようだ。だって、調理に使ったはずの鍋やフライパンは、きれいに片付いたままの名ですもの。それでも、お皿だけは、我が家のお皿で間違いがないものだから、仕出しを取ったにしては、移し替える前のお皿があるはず。それもないから、やっぱり、自分で調理したと思っているのかしら。

 お料理上手な人は、作りながら、いらなくなったものを洗って片付けていき、出来上がった時の台所は使用前のようにきれいに片付いているのが当たり前になっているので、そんな風に思われたのかもしれない。

「それにしても真理子さん、見事ですわ。こんな新婚さんの奥さんで、ここまでお料理上手な人、初めて見たから、これならもう安心して、太郎のことを任せられるわ」

「コラ。お前がそんな風に言うと、姑がイビっているように見えるだろ?俺たちはもう帰るぞ。お前も、ここへ来るときは遠慮しながら来なさい。若い人には若い人の都合ややり方があるものだよ。くれぐれも、コイツに合鍵など渡さないようにな」

「失礼ね!太郎は、マザコンではありませんよ。合鍵なんて、頼んでも、くれませんわ」

「さあ、早く帰った。帰った」
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