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16.失踪
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「いや、やめて!」
「おとなしくしろ!」
ああ、この人に犯される。絶望感がさくらを支配しかけた時、CEOのグレゴリーを思い浮かべる。
急に、空気感が変わったような気がしたのだ。なんだかニオイまで変わったような気がする。
「what are you doing to my lover.(俺の女に何している?)」
「へ?あれ?どこ?奥さん、何、ここ?」
「don't be kidding.(ふざけんじゃねえ)」
若い開業医は、あっという間に群衆に取り囲まれ、ボコボコにされている。
「thank you. I was saved.(ありがとう。助かったわ。)」
「Saint cherry.I love you.」
どういうわけか、いつもさくらが貞操の危機を迎えるとき、ヴァイキングのグレゴリーが助けてくれる。
前回のユノもそうだった。そういえば、ユノはどこへ行ったの?
「He's on the Caribbean Sea now.(あいつは今、カリブ海さ。)He became a very good Viking.(すっかりいい海賊になったよ。)」
そう。喜んでいいのか、どうか……微妙な気分。商社マンより、海賊が性に合っていたのかしらね。
せっかくゲームの世界に来たのだから、帰りにユノを連れて帰ってあげようかと思ったけど、カリブ海の上じゃ、どうしようもない。それに。ユノも帰りたがるかどうかは、わからないから。
あの先生もこの世界での生活になじんでくれればいいのだけど、医者なんだから、なんとかなるでしょ?
その日は、朝までイチャイチャして、目が覚めたら、隣のベッドで、大がいびきをかいて寝ていた。
いつの間に、この世界に戻ってきたか覚えていない。
いつもそう、転移魔法を意識して使わなくても、知らない間にこちらへ戻っている。もしかすれば、こちらにも、さくらがいて、さくらが夢の世界に行くときだけ、代わりをしていてくれるのではないかと思う。
夢の中でグレゴリーにあったので、なんだかCEOのグレゴリーに急に会いたくなって、大が出かけた後、こっそりと転移してみる。
世界時間では夜の11時。
グレゴリーは、ベッドサイドのソファでスコッチを呑んでいる。
暗闇から急に現れたcherryを見て、驚いて抱き寄せる。
「I missed cherry. I love you.(会いたかったよ)」
わざわざ会いに来たのだから、私も会いたかったという意味を込めて、ハグする。すぐさま、グレゴリーに唇を奪われると、ほろ苦いスコッチの味がする。
その夜は、グレゴリーの腕の中で眠りにつく。といっても、さくらにとっては、まだ朝なんですけど!さっき起きたばかりで、眠れない。
でもカラダをまさぐられていると、だんだんその気になってくる。グレゴリーが満足すると、そっとベッドから抜け出して、ニッポンへ帰る。
日本では、甲斐康夫が突然行方不明になり、その恋人が浅見麻美だと報じられている。甲斐康夫って誰?名前も知らない人と思っていたら、あの日、さくらをレイプしようとした人だとわかる。
困ったことになったと思う。甲斐康夫の足取りを調べたら、このマンションに入ったことまではわかると思う。
またユノの時のように、さくらが疑われるかもしれない。
今回は、アリバイらしきものがない。どうしよう。
でも、警察の捜査は、さくらに及ばなかった。なぜか、甲斐康夫は、さくらのマンション前までは行ったが、中に入らずにすぐ引き返したと報じられている。
友人が住むマンションまで行ったが、その友人が不在だったために、すぐ引き返し、別の場所に向かっている最中に行方が分からなくなったということになっているらしい。
へ?異世界に言ったから、そういう辻褄合わせになるのかと思ったが、本当にそれでいいのか?
それよりも麻美さんが憔悴しきった顔をしているから、心配だわ。
せっかくできた恋人に逃げられ?行方不明だなんて、かわいそう。といっても、この失踪には、さくらが関わっている。
だから、変な慰めなどできない。
こうなれば、時が解決してくれるのを待つしかない。
あの日、さくらをレイプしようとしなければ、今頃、仲睦まじい姿を報道陣の前に見せてくれていたかもしれない。
もう一度、あの世界へ飛んで連れ帰ってくることはできるかもしれないけど、口止めはどうするかなど、問題は山積している。
1000年前を舞台とするゲームの世界に行けることなど、誰が信じようか?それにそのゲームの世界で得たチートスキルの聖女様で、聖魔法が使えるなどということは、死んでも口にできないこと。
言えば、確実に精神病院行きになる。
だから絶対、人には言えない秘密。本当のことを言えば、大と別れて、子供を連れて、ロンドンで暮らすつもりだった。
それが麻美さんのせいで、すべてぶち壊しにされ、何を同情することがある?と言いたくなるほど、予定が狂わされてしまったというのに。
大さんも心配しているだろうと思っていたら、
「どうせ、女のところだと思うよ。あんまり騒ぎ立てたら、出てこられなくなるんじゃないかな?」
心配はしていなさそう。
いつもの遊び仲間の開業医たちも、皆、同意見で警察にも、そのことを証言したという。
「いくら麻美ちゃんが良くても、毎日、豪華料理ばかりだと飽きるだろ?男って生き物は、そんなもんなのさ。」
「おとなしくしろ!」
ああ、この人に犯される。絶望感がさくらを支配しかけた時、CEOのグレゴリーを思い浮かべる。
急に、空気感が変わったような気がしたのだ。なんだかニオイまで変わったような気がする。
「what are you doing to my lover.(俺の女に何している?)」
「へ?あれ?どこ?奥さん、何、ここ?」
「don't be kidding.(ふざけんじゃねえ)」
若い開業医は、あっという間に群衆に取り囲まれ、ボコボコにされている。
「thank you. I was saved.(ありがとう。助かったわ。)」
「Saint cherry.I love you.」
どういうわけか、いつもさくらが貞操の危機を迎えるとき、ヴァイキングのグレゴリーが助けてくれる。
前回のユノもそうだった。そういえば、ユノはどこへ行ったの?
「He's on the Caribbean Sea now.(あいつは今、カリブ海さ。)He became a very good Viking.(すっかりいい海賊になったよ。)」
そう。喜んでいいのか、どうか……微妙な気分。商社マンより、海賊が性に合っていたのかしらね。
せっかくゲームの世界に来たのだから、帰りにユノを連れて帰ってあげようかと思ったけど、カリブ海の上じゃ、どうしようもない。それに。ユノも帰りたがるかどうかは、わからないから。
あの先生もこの世界での生活になじんでくれればいいのだけど、医者なんだから、なんとかなるでしょ?
その日は、朝までイチャイチャして、目が覚めたら、隣のベッドで、大がいびきをかいて寝ていた。
いつの間に、この世界に戻ってきたか覚えていない。
いつもそう、転移魔法を意識して使わなくても、知らない間にこちらへ戻っている。もしかすれば、こちらにも、さくらがいて、さくらが夢の世界に行くときだけ、代わりをしていてくれるのではないかと思う。
夢の中でグレゴリーにあったので、なんだかCEOのグレゴリーに急に会いたくなって、大が出かけた後、こっそりと転移してみる。
世界時間では夜の11時。
グレゴリーは、ベッドサイドのソファでスコッチを呑んでいる。
暗闇から急に現れたcherryを見て、驚いて抱き寄せる。
「I missed cherry. I love you.(会いたかったよ)」
わざわざ会いに来たのだから、私も会いたかったという意味を込めて、ハグする。すぐさま、グレゴリーに唇を奪われると、ほろ苦いスコッチの味がする。
その夜は、グレゴリーの腕の中で眠りにつく。といっても、さくらにとっては、まだ朝なんですけど!さっき起きたばかりで、眠れない。
でもカラダをまさぐられていると、だんだんその気になってくる。グレゴリーが満足すると、そっとベッドから抜け出して、ニッポンへ帰る。
日本では、甲斐康夫が突然行方不明になり、その恋人が浅見麻美だと報じられている。甲斐康夫って誰?名前も知らない人と思っていたら、あの日、さくらをレイプしようとした人だとわかる。
困ったことになったと思う。甲斐康夫の足取りを調べたら、このマンションに入ったことまではわかると思う。
またユノの時のように、さくらが疑われるかもしれない。
今回は、アリバイらしきものがない。どうしよう。
でも、警察の捜査は、さくらに及ばなかった。なぜか、甲斐康夫は、さくらのマンション前までは行ったが、中に入らずにすぐ引き返したと報じられている。
友人が住むマンションまで行ったが、その友人が不在だったために、すぐ引き返し、別の場所に向かっている最中に行方が分からなくなったということになっているらしい。
へ?異世界に言ったから、そういう辻褄合わせになるのかと思ったが、本当にそれでいいのか?
それよりも麻美さんが憔悴しきった顔をしているから、心配だわ。
せっかくできた恋人に逃げられ?行方不明だなんて、かわいそう。といっても、この失踪には、さくらが関わっている。
だから、変な慰めなどできない。
こうなれば、時が解決してくれるのを待つしかない。
あの日、さくらをレイプしようとしなければ、今頃、仲睦まじい姿を報道陣の前に見せてくれていたかもしれない。
もう一度、あの世界へ飛んで連れ帰ってくることはできるかもしれないけど、口止めはどうするかなど、問題は山積している。
1000年前を舞台とするゲームの世界に行けることなど、誰が信じようか?それにそのゲームの世界で得たチートスキルの聖女様で、聖魔法が使えるなどということは、死んでも口にできないこと。
言えば、確実に精神病院行きになる。
だから絶対、人には言えない秘密。本当のことを言えば、大と別れて、子供を連れて、ロンドンで暮らすつもりだった。
それが麻美さんのせいで、すべてぶち壊しにされ、何を同情することがある?と言いたくなるほど、予定が狂わされてしまったというのに。
大さんも心配しているだろうと思っていたら、
「どうせ、女のところだと思うよ。あんまり騒ぎ立てたら、出てこられなくなるんじゃないかな?」
心配はしていなさそう。
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