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5.試合
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「わかりましたわ。では、わたくしが勝ったら、アナタ様は何を下さいますか?」
俺は、腕力には自信がある。それに今は魔法も使える。こんなひ弱な男に負けるとは思えない。
なんといっても俺の腹は6パッキンだぜ。コルセットなしでドレスが着られる腹だ。それを見た目がか弱いから、ともう自分が勝った気でいるところが許せない。
両親は、そんなシャルロットを見て、気が気ではないという顔をしている。
「もっと他の殿方と逢ってからでも遅くはないわ!」
エスペランサ両親は、シャルロットの方が、分が有利なところは何もないと本気で思っている。なんとか、その場を収めようと必死になっているものの、どうすればいいか全くわかっていない。
そもそも、この話を持ってきたのは、両親なのだから、両親がまだ早いと断ってくれればよかったものを、さっさと家から追い出すようなことをしかけといて、黙って見過ごせるわけがない!
「よし。それでは、シャルロット嬢が好きなものを何でも、くれてやることに同意しよう。そのかわり、私が勝ったら、今夜は寝させないよ」
げー!気持ち悪い。今の出、寒イボが一気に全身にまで広がった感覚に襲われる。
「では、それを書面にしていただきましょうか?わたくしが勝てば、アナタ様の一番大切なアレを頂戴することにいたしますわ」
「は?アレとは……?」
「アレとは、キンタマですわ!」
エスペランサ夫人は、シャルロットの思いがけない発言に目を白黒させ、そのまま失神する。
「っ!?本当に?いやいや、でもどうやって?」
「お任せくださいませ!」
突拍子もないシャルロットの提案に、お相手の男性は一瞬ひるむが、あっというまに書面で契約は完成する。
こういう時に魔法使いの家は実に便利だ、それぞれの紋章印がどうのこうのと面倒な話は、すべて魔法で解決してくれる。
一応、書面になっているが、それは第3社の眼から、ハッキリわかるようにするためで、実際は魔法で契約を結び、その対価が得られないときは、魔法で相手男性のタマタマが消滅する仕組みになっている。
浅はかにも、この見合い相手の男は、そういう契約を結んでしまったのだから、どうしようもない。
だいたい約束をしていないにもかかわらず、方便でシャルロットをモノにしたいと欲張ったがために一生女を愛せないカラダに進んでなろうとした男がバカとしかいいようがない。
レフリー役は公爵家の護衛長のアラミスが務めることになったのだ。アラミスは、この試合にお嬢様の操がかかっていると知り、お相手の男性を鋭く睨みつけている。
ちなみにお相手の男性は、アメジスト公爵家の嫡男ヘンリー。シャルロットよりも1歳年上の今年、学園を卒業したばかりの青二才だ。
ルールはいたってシンプル、魔法でも剣でもどちらを使ってもいいし、両方を使ってもいい。急所は狙ってはいけない。剣技も魔法も最上級のものは、使ってはいけない。どちらかが1本とった方が勝ちとなる。
よくわかった。学園でも同じルールだったので、それでいいと頷く。
一応、プロテクターは着けることが自由で、シャルロットはどうでもいいが、両親が着けなさい!というから、渋々着ける。お相手男性も着けるようだ。
お相手の男性の得物は、フェンシングに使うような剣であったので、シャルロットの得物は木刀にする。
シャルロットは自身のカラダに身体強化魔法と回復魔法をかけ、万全に備える。それに加え、木刀にも魔法をまとわりつかせるいわゆる自家製の魔法剣の出来上がり。
両親はオロオロを通り越して、やきもきし始める。
「なあ、アメジスト公爵よ。もういいだろう?シャルロットは嫁にやると約束するから、どうかあの娘を傷つけるようなことはやめてくれ!」
「あはは。エスペランサ、そうはいかないよ。こんな面白い趣向があるなんて、思ってもみなかったことさ。これでシャルロット嬢も、クリストファー殿下に婚約破棄された傷も癒えるだろうし、ヘンリーは、ああは見えても紳士なところがある。だから、これでいいと思うよ」
俺は、腕力には自信がある。それに今は魔法も使える。こんなひ弱な男に負けるとは思えない。
なんといっても俺の腹は6パッキンだぜ。コルセットなしでドレスが着られる腹だ。それを見た目がか弱いから、ともう自分が勝った気でいるところが許せない。
両親は、そんなシャルロットを見て、気が気ではないという顔をしている。
「もっと他の殿方と逢ってからでも遅くはないわ!」
エスペランサ両親は、シャルロットの方が、分が有利なところは何もないと本気で思っている。なんとか、その場を収めようと必死になっているものの、どうすればいいか全くわかっていない。
そもそも、この話を持ってきたのは、両親なのだから、両親がまだ早いと断ってくれればよかったものを、さっさと家から追い出すようなことをしかけといて、黙って見過ごせるわけがない!
「よし。それでは、シャルロット嬢が好きなものを何でも、くれてやることに同意しよう。そのかわり、私が勝ったら、今夜は寝させないよ」
げー!気持ち悪い。今の出、寒イボが一気に全身にまで広がった感覚に襲われる。
「では、それを書面にしていただきましょうか?わたくしが勝てば、アナタ様の一番大切なアレを頂戴することにいたしますわ」
「は?アレとは……?」
「アレとは、キンタマですわ!」
エスペランサ夫人は、シャルロットの思いがけない発言に目を白黒させ、そのまま失神する。
「っ!?本当に?いやいや、でもどうやって?」
「お任せくださいませ!」
突拍子もないシャルロットの提案に、お相手の男性は一瞬ひるむが、あっというまに書面で契約は完成する。
こういう時に魔法使いの家は実に便利だ、それぞれの紋章印がどうのこうのと面倒な話は、すべて魔法で解決してくれる。
一応、書面になっているが、それは第3社の眼から、ハッキリわかるようにするためで、実際は魔法で契約を結び、その対価が得られないときは、魔法で相手男性のタマタマが消滅する仕組みになっている。
浅はかにも、この見合い相手の男は、そういう契約を結んでしまったのだから、どうしようもない。
だいたい約束をしていないにもかかわらず、方便でシャルロットをモノにしたいと欲張ったがために一生女を愛せないカラダに進んでなろうとした男がバカとしかいいようがない。
レフリー役は公爵家の護衛長のアラミスが務めることになったのだ。アラミスは、この試合にお嬢様の操がかかっていると知り、お相手の男性を鋭く睨みつけている。
ちなみにお相手の男性は、アメジスト公爵家の嫡男ヘンリー。シャルロットよりも1歳年上の今年、学園を卒業したばかりの青二才だ。
ルールはいたってシンプル、魔法でも剣でもどちらを使ってもいいし、両方を使ってもいい。急所は狙ってはいけない。剣技も魔法も最上級のものは、使ってはいけない。どちらかが1本とった方が勝ちとなる。
よくわかった。学園でも同じルールだったので、それでいいと頷く。
一応、プロテクターは着けることが自由で、シャルロットはどうでもいいが、両親が着けなさい!というから、渋々着ける。お相手男性も着けるようだ。
お相手の男性の得物は、フェンシングに使うような剣であったので、シャルロットの得物は木刀にする。
シャルロットは自身のカラダに身体強化魔法と回復魔法をかけ、万全に備える。それに加え、木刀にも魔法をまとわりつかせるいわゆる自家製の魔法剣の出来上がり。
両親はオロオロを通り越して、やきもきし始める。
「なあ、アメジスト公爵よ。もういいだろう?シャルロットは嫁にやると約束するから、どうかあの娘を傷つけるようなことはやめてくれ!」
「あはは。エスペランサ、そうはいかないよ。こんな面白い趣向があるなんて、思ってもみなかったことさ。これでシャルロット嬢も、クリストファー殿下に婚約破棄された傷も癒えるだろうし、ヘンリーは、ああは見えても紳士なところがある。だから、これでいいと思うよ」
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