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12.襲撃
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フェリシアン殿下とセレスティーヌ嬢のファーストダンスが始まる。
それと同じ動きで、マクシミリアンとシャルロットもホールの中央に進み出て、デュエットダンスを披露する。
遊びではない。こちらは警護のため、周囲へ警戒の視線を飛ばしながらの緊張したダンスである。
マクシミリアンが掴んでいる情報によると、廃嫡になったクリストファー第1王子を担いでいた一派が第2王子のフェリシアンを狙っているというもの。よくある話だが、何かあれば、マクシミリアンのクビが飛ぶ。だから、ここはなんとしても、その企みを抑えたい。
そのことを事前にシャルロットに言うべきかどうか迷ったが、シャルロットは元とはいえクリストファー殿下の婚約者だったわけで、いわば関係者の一人に当たるから、滅多なことは口外できない。
踊り始めて中盤に曲がチェンジし始めた時に、エスペランサと同時にフェリシアン殿下を狙う一味が見えた!
お互いに目配せをして、エスペランサは、胸の谷間から短剣を取り出し、吹き抜けホールの2階部分にいた男が矢をつがえているところの手元目がけて、正確に投げ刺す。
さすがと感心している間に、マクシミリアンは、壁の花と化している部下に合図を送り、フェリシアン殿下をホールからお部屋に誘導する。
後は、エスペランサを回収して、引き上げれば任務完了。と思い、後ろを振り向くと、エスペランサ一人に大勢の男が寄って集って襲撃している姿に唖然とすると同時にふつふつと怒りがこみあげてくる。
そうだ。クリストファー殿下の一派は、エスペランサをも狙っているのだった。今更ながらに気づく。
廃嫡の原因を作った女だったから。それは逆恨みだとしても、許せないのだろう。うっかりそのことを失念していたマクシミリアンは、後悔する。
急いでマクシミリアンはシャルロット嬢の元へ駆けつけ、その背中合わせに立つ。お互いがお互いを守る位置は、信頼関係の高さを物語る。
俗に言う背中を預けられる関係にあたる。
シャルロットは、両手を高く揚げ、マクシミリアンと二人に結界を張る。こうすれば、もう怖いものはない。相手が何十人だろうが、何百人、何千人の兵を相手にしても無傷で戦い抜く自信はある。
二人に弓矢を射かけられるも、結界が手前ですべて弾き飛ばしてくれる。
マクシミリアンは疑問に思うも、これはシャルロット聖女様が何かしらの魔法を使って、自分を助けてくださっているものと理解する。
それで、ますますシャルロット聖女様のことが愛おしくて堪らなくなる。絶対、生き抜いて、この後二人きりで祝勝会を上げると、心に誓う。
そのうち、二人の帰還が遅いことに懸念した部下たちがホールへ戻ってきて、二人を見つけ救出に向かう。
クリストファー一派は、一網打尽にされ、獄門台に送られることになった。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
「あっ。ああん。……いい……んふ……っっ……はぁ」
ぐちゅぐちゅと淫猥な水音が響きながら、二人の影は、重なりながら息をはあはあ言わせている。
部下たちが救出に来てくれ、ものの数分で戦闘は解除されたのだが、その時のシャルロット嬢のカラダは小刻みに震えていて、とても一人にはさせられない状態だったのだ。
実はコレ、シャルロットがマクシミリアン様を手に入れたいがための一芝居で、念願かなって、シャルロットはマクシミリアン様の味見に夢中になっているというところ。
マクシミリアンは危険な任務に新人を同行させ、心を痛めていたので、シャルロットの術中にハマってしまったというところなのだが、本人は、慰めているうちに、後戻りができなくなってしまったと思っていることだろう。
それと同じ動きで、マクシミリアンとシャルロットもホールの中央に進み出て、デュエットダンスを披露する。
遊びではない。こちらは警護のため、周囲へ警戒の視線を飛ばしながらの緊張したダンスである。
マクシミリアンが掴んでいる情報によると、廃嫡になったクリストファー第1王子を担いでいた一派が第2王子のフェリシアンを狙っているというもの。よくある話だが、何かあれば、マクシミリアンのクビが飛ぶ。だから、ここはなんとしても、その企みを抑えたい。
そのことを事前にシャルロットに言うべきかどうか迷ったが、シャルロットは元とはいえクリストファー殿下の婚約者だったわけで、いわば関係者の一人に当たるから、滅多なことは口外できない。
踊り始めて中盤に曲がチェンジし始めた時に、エスペランサと同時にフェリシアン殿下を狙う一味が見えた!
お互いに目配せをして、エスペランサは、胸の谷間から短剣を取り出し、吹き抜けホールの2階部分にいた男が矢をつがえているところの手元目がけて、正確に投げ刺す。
さすがと感心している間に、マクシミリアンは、壁の花と化している部下に合図を送り、フェリシアン殿下をホールからお部屋に誘導する。
後は、エスペランサを回収して、引き上げれば任務完了。と思い、後ろを振り向くと、エスペランサ一人に大勢の男が寄って集って襲撃している姿に唖然とすると同時にふつふつと怒りがこみあげてくる。
そうだ。クリストファー殿下の一派は、エスペランサをも狙っているのだった。今更ながらに気づく。
廃嫡の原因を作った女だったから。それは逆恨みだとしても、許せないのだろう。うっかりそのことを失念していたマクシミリアンは、後悔する。
急いでマクシミリアンはシャルロット嬢の元へ駆けつけ、その背中合わせに立つ。お互いがお互いを守る位置は、信頼関係の高さを物語る。
俗に言う背中を預けられる関係にあたる。
シャルロットは、両手を高く揚げ、マクシミリアンと二人に結界を張る。こうすれば、もう怖いものはない。相手が何十人だろうが、何百人、何千人の兵を相手にしても無傷で戦い抜く自信はある。
二人に弓矢を射かけられるも、結界が手前ですべて弾き飛ばしてくれる。
マクシミリアンは疑問に思うも、これはシャルロット聖女様が何かしらの魔法を使って、自分を助けてくださっているものと理解する。
それで、ますますシャルロット聖女様のことが愛おしくて堪らなくなる。絶対、生き抜いて、この後二人きりで祝勝会を上げると、心に誓う。
そのうち、二人の帰還が遅いことに懸念した部下たちがホールへ戻ってきて、二人を見つけ救出に向かう。
クリストファー一派は、一網打尽にされ、獄門台に送られることになった。
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「あっ。ああん。……いい……んふ……っっ……はぁ」
ぐちゅぐちゅと淫猥な水音が響きながら、二人の影は、重なりながら息をはあはあ言わせている。
部下たちが救出に来てくれ、ものの数分で戦闘は解除されたのだが、その時のシャルロット嬢のカラダは小刻みに震えていて、とても一人にはさせられない状態だったのだ。
実はコレ、シャルロットがマクシミリアン様を手に入れたいがための一芝居で、念願かなって、シャルロットはマクシミリアン様の味見に夢中になっているというところ。
マクシミリアンは危険な任務に新人を同行させ、心を痛めていたので、シャルロットの術中にハマってしまったというところなのだが、本人は、慰めているうちに、後戻りができなくなってしまったと思っていることだろう。
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