16 / 150
悪役令嬢
今回は、いつもと違うパターンで書いてみました。
―*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
「公爵令嬢コンスタンス、私には、心から愛する女性に出会えた。だからコンスタンス嬢との婚約は破棄しようと思う。すでに陛下と公爵には内密に伝えてある。だが、自分の口から伝えたかった。幼き頃よりの婚約、妃教育大儀であった。」
第2王子殿下ルイズは、側に控えている平民上がりの女ミレディを抱き寄せながら、高らかに宣言される。
「本当にそれでよろしいのですね、第2王子殿下。」
コンスタンス嬢は、上座に目を移した。
人垣をかき分けたのは、この国の第1王子、隣国の姫との婚約が決まったばかりのアラミス王太子殿下だ。
アラミス王太子殿下は、コンスタンス嬢の腰に手を回し抱き寄せながら、
「ようやく婚約破棄できたか?これで正式にコンスタンス嬢を王妃にできるな。」
「兄上!いったいどういう?」
第1王子と第2王子は、腹違いの兄弟で、第1王子殿下は側妃の子で第2王子殿下は正妃(現王妃)の子である。二人とも、子供の頃はそれなりに仲が良かったが、長じてからは、王位継承権が絡み仲は、それほどよくない。
第2王子にあざ笑うかの視線を投げかけた王太子は
「気づかなかったのか?王子の妃として、コンスタンス嬢以上の存在はない。これ以上、公爵に権力を持たせるのは、忍びないという判断で、第2王子ルイズの婚約者になったのだ。それをルイズから婚約破棄したのだから、陛下も文句は言われまい。」
「殿下…。」
コンスタンス公爵令嬢は、頬を染め、アラミス王太子殿下を見つめている。
「子供の頃に約束しただろう。コンスタンス嬢がルイズの横に並び立っている姿を見るたびに、どれだけ私が身を焦がしてきたのかわかるまい。」
「殿下、それは幼き日の戯れ言だったのではないのですか?」
「コンスタンス嬢以外は、娶る気などないと言っていただろう。」
「嬉しいですわ。アラミス殿下。」
人目をはばからず、イチャイチャしだす2人。もう、すっかり2人の世界に浸っているのだが、それを許さないのは、第2王子殿下のルイズ。
「兄上…。」
アラミスとコンスタンスはルイズに憐みの目を向けながら、
「ルイズは、平民の女ごときに踊らされたのだ。ルイズは、王族の何たるかを理解していない、そのような無能な者を私の王宮に置いておけない。」
コンスタンスは、振り返って、勝ち誇ったように
「残念でしたわね。」
「まさか公爵令嬢ともあろう御方が、王太子殿下と浮気なさっていて、わたくしに第2王子殿下をけしかけていらっしゃるとは、夢にも思いませんでしたわ。」
平民女のミレディがブチ切れた。
平民女と雖も、ミレディの家は王都でも有名な立派な商家である。金ならそこらの貴族と比べ物にならないほどあるから、いじめ対策を充分にできた。
虐められないように、物は、できるだけ持ち帰り、学園の制服は何枚もストックした。なくなったものがあっても、さっさと新品を買い換えた。
第2王子殿下の友人で宰相の息子や、騎士団長の息子を取り巻きにして、危害を加えられないように、防衛した。
涙ぐましい努力をして、やっと第2王子との婚約までこぎつけたのだ。
コンスタンス嬢は公爵令嬢の地位に甘んじて、ミレディをいじめ、自分は王太子と結婚するなんて、許せない!それどころか、ルイズがミレディに気持ちを移すように、自分は、誕生日の贈り物をされても知らんぷりして、礼も言わない。ルイズを蔑ろにして無視し続ける。
ミレディは、自分の家が王家と商売上のつながりがあり、王妃様とも懇意にしていただいていることから、王妃様に直訴する。
その結果、王太子の正妃としては、隣国の姫様、コンスタンス嬢は、側妃という条件が付けられた。一極集中だった公爵の権力を弱らせるためでもある。
これにやけを起こしたコンスタンス嬢は、それなら好きな男と結婚してやる、と言い出して幼馴染の貴族の息子と駆け落ちし、子供まで生し、公爵家は勘当に。
なんなのよ。結局、公爵令嬢は王太子に惚れてなどいなかった。ただ、その地位に惚れていただけだったのだ。
王太子は王太子で、正妃にする筈の公爵令嬢に逃げられ、渋々、隣国の姫様と結婚したものの、夫婦仲は最悪で隣国の姫様に愛想を尽かされ、離婚した挙句、廃嫡になり、追放。
最終的にお鉢が回ってきた、第2王子が王太子となり、ミレディは、どこかの侯爵の養女となり、王太子と結婚することになった。
―*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
「公爵令嬢コンスタンス、私には、心から愛する女性に出会えた。だからコンスタンス嬢との婚約は破棄しようと思う。すでに陛下と公爵には内密に伝えてある。だが、自分の口から伝えたかった。幼き頃よりの婚約、妃教育大儀であった。」
第2王子殿下ルイズは、側に控えている平民上がりの女ミレディを抱き寄せながら、高らかに宣言される。
「本当にそれでよろしいのですね、第2王子殿下。」
コンスタンス嬢は、上座に目を移した。
人垣をかき分けたのは、この国の第1王子、隣国の姫との婚約が決まったばかりのアラミス王太子殿下だ。
アラミス王太子殿下は、コンスタンス嬢の腰に手を回し抱き寄せながら、
「ようやく婚約破棄できたか?これで正式にコンスタンス嬢を王妃にできるな。」
「兄上!いったいどういう?」
第1王子と第2王子は、腹違いの兄弟で、第1王子殿下は側妃の子で第2王子殿下は正妃(現王妃)の子である。二人とも、子供の頃はそれなりに仲が良かったが、長じてからは、王位継承権が絡み仲は、それほどよくない。
第2王子にあざ笑うかの視線を投げかけた王太子は
「気づかなかったのか?王子の妃として、コンスタンス嬢以上の存在はない。これ以上、公爵に権力を持たせるのは、忍びないという判断で、第2王子ルイズの婚約者になったのだ。それをルイズから婚約破棄したのだから、陛下も文句は言われまい。」
「殿下…。」
コンスタンス公爵令嬢は、頬を染め、アラミス王太子殿下を見つめている。
「子供の頃に約束しただろう。コンスタンス嬢がルイズの横に並び立っている姿を見るたびに、どれだけ私が身を焦がしてきたのかわかるまい。」
「殿下、それは幼き日の戯れ言だったのではないのですか?」
「コンスタンス嬢以外は、娶る気などないと言っていただろう。」
「嬉しいですわ。アラミス殿下。」
人目をはばからず、イチャイチャしだす2人。もう、すっかり2人の世界に浸っているのだが、それを許さないのは、第2王子殿下のルイズ。
「兄上…。」
アラミスとコンスタンスはルイズに憐みの目を向けながら、
「ルイズは、平民の女ごときに踊らされたのだ。ルイズは、王族の何たるかを理解していない、そのような無能な者を私の王宮に置いておけない。」
コンスタンスは、振り返って、勝ち誇ったように
「残念でしたわね。」
「まさか公爵令嬢ともあろう御方が、王太子殿下と浮気なさっていて、わたくしに第2王子殿下をけしかけていらっしゃるとは、夢にも思いませんでしたわ。」
平民女のミレディがブチ切れた。
平民女と雖も、ミレディの家は王都でも有名な立派な商家である。金ならそこらの貴族と比べ物にならないほどあるから、いじめ対策を充分にできた。
虐められないように、物は、できるだけ持ち帰り、学園の制服は何枚もストックした。なくなったものがあっても、さっさと新品を買い換えた。
第2王子殿下の友人で宰相の息子や、騎士団長の息子を取り巻きにして、危害を加えられないように、防衛した。
涙ぐましい努力をして、やっと第2王子との婚約までこぎつけたのだ。
コンスタンス嬢は公爵令嬢の地位に甘んじて、ミレディをいじめ、自分は王太子と結婚するなんて、許せない!それどころか、ルイズがミレディに気持ちを移すように、自分は、誕生日の贈り物をされても知らんぷりして、礼も言わない。ルイズを蔑ろにして無視し続ける。
ミレディは、自分の家が王家と商売上のつながりがあり、王妃様とも懇意にしていただいていることから、王妃様に直訴する。
その結果、王太子の正妃としては、隣国の姫様、コンスタンス嬢は、側妃という条件が付けられた。一極集中だった公爵の権力を弱らせるためでもある。
これにやけを起こしたコンスタンス嬢は、それなら好きな男と結婚してやる、と言い出して幼馴染の貴族の息子と駆け落ちし、子供まで生し、公爵家は勘当に。
なんなのよ。結局、公爵令嬢は王太子に惚れてなどいなかった。ただ、その地位に惚れていただけだったのだ。
王太子は王太子で、正妃にする筈の公爵令嬢に逃げられ、渋々、隣国の姫様と結婚したものの、夫婦仲は最悪で隣国の姫様に愛想を尽かされ、離婚した挙句、廃嫡になり、追放。
最終的にお鉢が回ってきた、第2王子が王太子となり、ミレディは、どこかの侯爵の養女となり、王太子と結婚することになった。
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
『お前の針仕事など誰でもできる』——なら社交界のドレスの裏地を、めくってごらんなさい
歩人
ファンタジー
「地味な針仕事しかできない令嬢は要らない」——公爵家の嫡男にそう言い渡された伯爵令嬢ティナは、
裁縫道具だけを持って屋敷を出た。その翌週、社交界が凍りつく。王妃の夜会服も、公爵令嬢の舞踏会
ドレスも、第一王女の外交用ローブも——仕立てた職人が消えたのだ。しかもティナが十年かけて縫った
全てのドレスの裏地には、二重縫いで隠された署名が残されていて——。
辺境の小さな仕立て屋で穏やかに暮らすティナの元に、王都から使者がやってくる。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
姉の方を所望していたと言った婚約者に、突然連れ帰られて気づいたら溺愛されています
もちもちほっぺ
恋愛
侯爵家の地下室に住み、姉の食べかけで飢えをしのぎ、婚約者には初対面で「老婆のようだ、姉の方がよかった」と言われた令嬢リリアーナ。
ある日その婚約者に問答無用で公爵邸に連れ帰られた。
庭の恵みを口にするたびに肌が輝き、髪が艶めき、体に力が満ちていく。首に巻いたお守りの秘密、十数年続く国の不作の真実、虐げられ続けた令嬢の出生の謎。
全てが明かされる時、地下室令嬢の逆転劇が始まる。
なお婚約者は今日も庭でグルメリポートを最後まで聞いている。