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獅子獣人さんにマッサージ※Rシーン無し
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「申し訳ございませんでした」
「教師のお前に責任取ってもらおうか」
大きな獅子獣人に上から見下される。
これまで何人もの花嫁を排出してきた名門教師として ここで引く訳にはいかない。
✾
この世には2種類の人種がいる。
獣型人間、通称獣人と、人型人間、通称純人だ。
獣人は純人よりも、何かしらと能力が高い。
そのために、この世の全ては彼らに支配されていると言っても良いくらい。
容姿端麗、お金持ち。そして何より愛したものを一生離さないという執着。
「純人の男よりも獣人の男に嫁ぎたい」そう考えた娘は自分を磨くために花嫁育成女学院に入学する。
そして、花嫁育成女学院、奉仕術科、マッサージ担当の講師こそ、この私だ。
獣人には、女性にマッサージ…毛づくろいをしてもらうという文化があり、私の担当しているマッサージは獣人と結婚するにはかなり重要な技術だ。
ここでいかに獣人を惚れさせるか、それが鍵になる。私は、実家の猫を撫でて得た「リラックスメゾット」を掲げ教材も一から作成して教鞭をとっている。
これが中々に好評であり、実際に何人もの卒業生が獣人に嫁いでいっているのだから、これほど嬉しいことはないだろう。
一応、教師として働く前お客を取ったことはある、もちろん気持ちよくなっていただいたし、そのおかげで私はこの学園に就職できたわけだが…、そのだれもは年寄りばかりだった…
年若く屈強な獣人の毛づくろいをするのは初めてで、正直緊張が止まらない。しかし、そんなことは言えるはずない。
「その話、お受けしますわ。貴方様を満足させて差し上げます。」
「そうか。…気の強い女は嫌いじゃない。この女を一晩借りよう。」
私の腕を掴んで、獣人は私を車に乗せた。女の扱いに慣れているのか、掴む力の強さは意外にも優しく、シートベルトまでつけてくれた。
一体この獣人は…。
そう思ううちに、運転手が慣れたかのように、高級ホテルへと入っていく。
部屋は予約しても取れないと噂のスイートルームだ。
こんな仕事でも無ければ、ゆっくりと見回したいところだがそうはいかない。
「早速、始めさせていただきますわね。」
ベッドの上に寝転がった獅子獣人の背中を触る。
ベッドは流石スイートで大きく、自分もベッドに乗らせていただいていた。
毛の流れにそうように、優しく指の腹で撫であげる。
両手を使いこの獅子獣人が気持ちよく感じてくれるように。
彼の体はもふもふで、ふかふか。暖かくて、毛づくろいしているこちらも気持ちが良い。
しかし、ほぼ初めてと言える客取りで、心臓の拍動は速さをどんどん増していく。
その気持ちよさを上手く感じ取る余裕はなかった。
背中にあるツボを的確に抑えながら、毛づくろいを行う。
一種のマッサージのようなものだ。
…随分と、肩が凝っている。
すこしだけ力を入れて、筋肉を緩める。
首元から肩にかけて集中的に。リンパ腺を解して、リンパを流していく。
…先程私と会うまでは、私の教え子とのお見合いだったはず。しかし、この獣人はそのお見合いの前まで狂ったように仕事をしていたのではなかろうか。お見合いのための4時間を拈出するために、そして、あわよくば、相性の良かったお見合い相手と食事の後出掛けるために。
妄想癖が激しいという自覚はある。しかし、本当に、想像通りだったとしたら、私はこの人を解してあげたい。
それこそ、この人が一生わすれられぬほどに。
ゴロゴロゴロ…
「んっ…」
猫が気持ちが良いときに喉を鳴らすのは有名だ。
…気持ち良いと感じてくれている…!
嬉しいというより安心感が勝るのは御愛嬌。
「カドー様、次は仰向けになって頂けますか?」
眠たくなってきてしまったのだろう、目をぱちぱちとしている姿は、この屈強な肉体からは想像がつかない。
…ちょっと可愛いかもしれない、
そう思いながらもクールなポーカーフェイスは崩さない。
「心地よく感じてくださっているようで良かったですわ。」
わざと生意気そうに唇を曲げてみる。
ふっ、と鼻でわらう獅子獣人だが、喉が鳴るのを誤魔化しきれていない。
「…確かに、流石教師という訳もある。」
「ふふふ。」
余裕が無いとバレないように。
今ご奉仕しているのは、色気ムンムンの大人の女。
自分に言い聞かせるように。
背中よりもふかふかな前の毛。
柔らかくて暖かく、少しだけ長さが短い。
指で地肌に触れて、その体温を感じる。
ゴロゴロ…
目がとろんと溶けている。
目を閉じたり開いたり…もう寝てしまうと見た。
しかし、ここで手を緩める訳にはいかない。
この半分夢の中で、緩められてしまうとその気持ちよさは一気に散ってしまうのだ。
✾
気がつけば、獣人は瞳を閉じて、眠っていた。
「あ…」
いつから寝ていたのだろうか、施術に夢中で気が付かなかった。
ベッドから降りようとして腰を上げると、痺れてしまった足がもつれ、獣人の顔近くに倒れる。
「せ、施術はこれで終わらして頂きますわ…」
眠たそうに目を開けた獣人と目があってしまったために、気まずさを隠しながら挨拶をする。
…今日は踏んだり蹴ったりだ…早く帰って寝よう……
そう思っていると、獣人のもふもふな腕が私を抱きしめてきた…
「今日は、泊まっていけ」
「でも…!」
「いいから。」
有無も言わさずにとんとんされてしまう。
え…?
もしかして、このままお泊りの流れ?
しかし、全くといっていいほど眠くならない…
寝れてしまえば楽なのに……緊張と、仕事中だという意識がそうさせてくれないのだ…
気がつけばもう0:00を回ってしまっていた…
16:00頃から施術は始めたと思うんだけど…
眠い……寝れない……眠い…寝れない
そうこうしているうちに、朝が来てしまった。
相変わらず獅子の彼は私を話さないままに眠り続けてるようだったり
自然に彼が目を覚ましたとき、その大きな目は二三度パチパチと見開き、私のことをぎゅうっと抱き込む。
「おはよう」
寝不足での疲れと、接客での緊張が、暖かいもふもふに力強くぎゅうっとされたことで、プツッと切れてしまった。私は、その後獣人さんの腕の中でぐっすり寝てしまうことになる。
私が寝ている間私の髪をずーっと撫で撫でして、鼻ですんすんしていたことは誰も、知る由もないのである。
「教師のお前に責任取ってもらおうか」
大きな獅子獣人に上から見下される。
これまで何人もの花嫁を排出してきた名門教師として ここで引く訳にはいかない。
✾
この世には2種類の人種がいる。
獣型人間、通称獣人と、人型人間、通称純人だ。
獣人は純人よりも、何かしらと能力が高い。
そのために、この世の全ては彼らに支配されていると言っても良いくらい。
容姿端麗、お金持ち。そして何より愛したものを一生離さないという執着。
「純人の男よりも獣人の男に嫁ぎたい」そう考えた娘は自分を磨くために花嫁育成女学院に入学する。
そして、花嫁育成女学院、奉仕術科、マッサージ担当の講師こそ、この私だ。
獣人には、女性にマッサージ…毛づくろいをしてもらうという文化があり、私の担当しているマッサージは獣人と結婚するにはかなり重要な技術だ。
ここでいかに獣人を惚れさせるか、それが鍵になる。私は、実家の猫を撫でて得た「リラックスメゾット」を掲げ教材も一から作成して教鞭をとっている。
これが中々に好評であり、実際に何人もの卒業生が獣人に嫁いでいっているのだから、これほど嬉しいことはないだろう。
一応、教師として働く前お客を取ったことはある、もちろん気持ちよくなっていただいたし、そのおかげで私はこの学園に就職できたわけだが…、そのだれもは年寄りばかりだった…
年若く屈強な獣人の毛づくろいをするのは初めてで、正直緊張が止まらない。しかし、そんなことは言えるはずない。
「その話、お受けしますわ。貴方様を満足させて差し上げます。」
「そうか。…気の強い女は嫌いじゃない。この女を一晩借りよう。」
私の腕を掴んで、獣人は私を車に乗せた。女の扱いに慣れているのか、掴む力の強さは意外にも優しく、シートベルトまでつけてくれた。
一体この獣人は…。
そう思ううちに、運転手が慣れたかのように、高級ホテルへと入っていく。
部屋は予約しても取れないと噂のスイートルームだ。
こんな仕事でも無ければ、ゆっくりと見回したいところだがそうはいかない。
「早速、始めさせていただきますわね。」
ベッドの上に寝転がった獅子獣人の背中を触る。
ベッドは流石スイートで大きく、自分もベッドに乗らせていただいていた。
毛の流れにそうように、優しく指の腹で撫であげる。
両手を使いこの獅子獣人が気持ちよく感じてくれるように。
彼の体はもふもふで、ふかふか。暖かくて、毛づくろいしているこちらも気持ちが良い。
しかし、ほぼ初めてと言える客取りで、心臓の拍動は速さをどんどん増していく。
その気持ちよさを上手く感じ取る余裕はなかった。
背中にあるツボを的確に抑えながら、毛づくろいを行う。
一種のマッサージのようなものだ。
…随分と、肩が凝っている。
すこしだけ力を入れて、筋肉を緩める。
首元から肩にかけて集中的に。リンパ腺を解して、リンパを流していく。
…先程私と会うまでは、私の教え子とのお見合いだったはず。しかし、この獣人はそのお見合いの前まで狂ったように仕事をしていたのではなかろうか。お見合いのための4時間を拈出するために、そして、あわよくば、相性の良かったお見合い相手と食事の後出掛けるために。
妄想癖が激しいという自覚はある。しかし、本当に、想像通りだったとしたら、私はこの人を解してあげたい。
それこそ、この人が一生わすれられぬほどに。
ゴロゴロゴロ…
「んっ…」
猫が気持ちが良いときに喉を鳴らすのは有名だ。
…気持ち良いと感じてくれている…!
嬉しいというより安心感が勝るのは御愛嬌。
「カドー様、次は仰向けになって頂けますか?」
眠たくなってきてしまったのだろう、目をぱちぱちとしている姿は、この屈強な肉体からは想像がつかない。
…ちょっと可愛いかもしれない、
そう思いながらもクールなポーカーフェイスは崩さない。
「心地よく感じてくださっているようで良かったですわ。」
わざと生意気そうに唇を曲げてみる。
ふっ、と鼻でわらう獅子獣人だが、喉が鳴るのを誤魔化しきれていない。
「…確かに、流石教師という訳もある。」
「ふふふ。」
余裕が無いとバレないように。
今ご奉仕しているのは、色気ムンムンの大人の女。
自分に言い聞かせるように。
背中よりもふかふかな前の毛。
柔らかくて暖かく、少しだけ長さが短い。
指で地肌に触れて、その体温を感じる。
ゴロゴロ…
目がとろんと溶けている。
目を閉じたり開いたり…もう寝てしまうと見た。
しかし、ここで手を緩める訳にはいかない。
この半分夢の中で、緩められてしまうとその気持ちよさは一気に散ってしまうのだ。
✾
気がつけば、獣人は瞳を閉じて、眠っていた。
「あ…」
いつから寝ていたのだろうか、施術に夢中で気が付かなかった。
ベッドから降りようとして腰を上げると、痺れてしまった足がもつれ、獣人の顔近くに倒れる。
「せ、施術はこれで終わらして頂きますわ…」
眠たそうに目を開けた獣人と目があってしまったために、気まずさを隠しながら挨拶をする。
…今日は踏んだり蹴ったりだ…早く帰って寝よう……
そう思っていると、獣人のもふもふな腕が私を抱きしめてきた…
「今日は、泊まっていけ」
「でも…!」
「いいから。」
有無も言わさずにとんとんされてしまう。
え…?
もしかして、このままお泊りの流れ?
しかし、全くといっていいほど眠くならない…
寝れてしまえば楽なのに……緊張と、仕事中だという意識がそうさせてくれないのだ…
気がつけばもう0:00を回ってしまっていた…
16:00頃から施術は始めたと思うんだけど…
眠い……寝れない……眠い…寝れない
そうこうしているうちに、朝が来てしまった。
相変わらず獅子の彼は私を話さないままに眠り続けてるようだったり
自然に彼が目を覚ましたとき、その大きな目は二三度パチパチと見開き、私のことをぎゅうっと抱き込む。
「おはよう」
寝不足での疲れと、接客での緊張が、暖かいもふもふに力強くぎゅうっとされたことで、プツッと切れてしまった。私は、その後獣人さんの腕の中でぐっすり寝てしまうことになる。
私が寝ている間私の髪をずーっと撫で撫でして、鼻ですんすんしていたことは誰も、知る由もないのである。
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