1 / 9
プロローグ オッドアイと恋の色
しおりを挟む
俺はいつもどおり、寂れた駅のホームで一人電車を待っていた。
俺の通っている高校は俺の住んでいる所から少しばかり遠く、電車を何回か乗り換えしなければならないのだ。
おかげで中学校からの友達はみんな近場の違う高校に行ってしまい、二年生になった今でも俺に友達と呼べる存在少なかった。
俺は電車がつくまでの待ち時間、スマホでも弄ろうとポケットを探る。
が、ポケットの中には財布しか入っておらず、スマホが見当たらない。
鞄の中に入れたのかと探したが入っていない。
完全に落とした。
ここから学校までの電車の中で落としているとしたら、一旦家に帰って各駅に電話すれば見つかるかもしれない。
だが電車の中で落としたとは限らない。となると、ここは一回学校まで引き返して道中で落として無いか探すしかない。
俺はくるっと身を翻し、来た道を確認しながら歩いていると、向かえの方から全力疾走してくる人影が見えた。
その人影は俺の前で減速して止まった。
その人影、いや女子高生らしき少女はハァハァと息を切らしながら俺の前に黒いスマホを差し出してきた。
俺のスマホだ。
何故この子が?と疑問に思ったがその疑問は彼女の言葉によって解決した。
「これ、お、落としてた」
俺が落としたのを見つけて追いかけて来てくれたのだろう。
「ありがとう。ちょうど探し、て」
俺は彼女の目を見た瞬間、声が途切れ途切れになってしまった。
何故なら彼女の目は左右で色が違ったからだ。世に言うオッドアイというやつだ。
彼女は左目だけが碧色になって、右目は俺たちと同じ黒色をしていた。
カラコンと言う説もあるが、流石にこんな田舎にカラコンつけて歩きまわる人はいないと思う。多分。
ていうかこの子、俺と同じ制服を着ているので同じ学校の子なのだろうか。オッドアイの子なんて見たことも聞いたこともない。
「ど、どうしたの?」
「い、いや、何でもない」
触れて良いのかダメなのか分からないので、見て見ぬふりをする。
「そ、そう。それじゃあ私は」
「え、あ、ああ」
情けない返事をした俺に見向きもせず、彼女は俺スマホを渡すと、来た道を戻って行ってしまった。
不思議な子だなと思いつつも、俺は渡されたスマホを今度こそ落とさないように鞄の中に入れ、電車に乗り込み帰路につくのだった。
俺の通っている高校は俺の住んでいる所から少しばかり遠く、電車を何回か乗り換えしなければならないのだ。
おかげで中学校からの友達はみんな近場の違う高校に行ってしまい、二年生になった今でも俺に友達と呼べる存在少なかった。
俺は電車がつくまでの待ち時間、スマホでも弄ろうとポケットを探る。
が、ポケットの中には財布しか入っておらず、スマホが見当たらない。
鞄の中に入れたのかと探したが入っていない。
完全に落とした。
ここから学校までの電車の中で落としているとしたら、一旦家に帰って各駅に電話すれば見つかるかもしれない。
だが電車の中で落としたとは限らない。となると、ここは一回学校まで引き返して道中で落として無いか探すしかない。
俺はくるっと身を翻し、来た道を確認しながら歩いていると、向かえの方から全力疾走してくる人影が見えた。
その人影は俺の前で減速して止まった。
その人影、いや女子高生らしき少女はハァハァと息を切らしながら俺の前に黒いスマホを差し出してきた。
俺のスマホだ。
何故この子が?と疑問に思ったがその疑問は彼女の言葉によって解決した。
「これ、お、落としてた」
俺が落としたのを見つけて追いかけて来てくれたのだろう。
「ありがとう。ちょうど探し、て」
俺は彼女の目を見た瞬間、声が途切れ途切れになってしまった。
何故なら彼女の目は左右で色が違ったからだ。世に言うオッドアイというやつだ。
彼女は左目だけが碧色になって、右目は俺たちと同じ黒色をしていた。
カラコンと言う説もあるが、流石にこんな田舎にカラコンつけて歩きまわる人はいないと思う。多分。
ていうかこの子、俺と同じ制服を着ているので同じ学校の子なのだろうか。オッドアイの子なんて見たことも聞いたこともない。
「ど、どうしたの?」
「い、いや、何でもない」
触れて良いのかダメなのか分からないので、見て見ぬふりをする。
「そ、そう。それじゃあ私は」
「え、あ、ああ」
情けない返事をした俺に見向きもせず、彼女は俺スマホを渡すと、来た道を戻って行ってしまった。
不思議な子だなと思いつつも、俺は渡されたスマホを今度こそ落とさないように鞄の中に入れ、電車に乗り込み帰路につくのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる