プリマヴェーラ・ストラトス―転生したらヒロイン全員病んでいて修羅場な件―

浜風ざくろ

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第二章 穏やかな涅槃

第二十三話 会合

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 メリアデスの内部は、樹木の中とは思えないほどに広く、まるで城と思しき装飾が施されていて豪奢の一言につきた。塔のような構造となっていて、壁に沿うように設けられた螺旋階段は凄まじい長大さを誇った。見上げると首が痛くなるほどで、それでもなお頂上は見えない。

「……これを上るのですか」

 椿が呆気に取られながら、口を開いた。

 まあ、こんなものを見たら気後れするよな。山奥の神社の参道かよって思うくらい長いし。

「大丈夫だよ。ちゃんとエレベーターがあるから」

「そうなんですね。……ならこの階段は何のためにあるのですか?」

 尤もな質問だ。

「メリアデスはかなり昔から要塞や宗教施設として利用されてきたんだ。この階段はそのときの名残だな」

「へえ……。これを上っていた人たちは大変だったでしょうね。よかったです、エレベーターがあって」

「ははは。三海みかい大将の部屋はかなり上にあるからな。階段で上がったら、着いた頃には疲労困憊で諮問どころではなくなりそうだ」

「いい足腰の訓練にはなりそうです」

 冗談を交えた雑談をかわしながらエレベーターへと向かう。メリアデス内は多くの職員が行き来しており、露木稔の顔見知りも何人か見受けられた。護衛のアンサスもいる。
 
 エレベーターにたどり着いた。中には人がすし詰めになっていて、俺たちはどうにか掻き分けて入り、八十六階のボタンを押した。

 エレベーターが上へと向かう。

 息苦しさを感じながら、同時に緊張を強く感じ始めた。

 久しぶりに三海大将と会うのだ。さっきまでは軽口を叩いて気持ちを誤魔化していたけど、脇汗が止まらない。会社員時代も役員に呼び出されたときは似たような緊張を感じたが、その比ではないくらいのプレッシャーがある。

 相手はなにしろこの軍の最高幹部の一人にして、世界最高の指揮官と呼ばれる大物。俺が所属する「三海派」のボスだ。

 今回の件、三海大将も当然注視しているだろう。厳しい追及があってもおかしくはない。
 
「……」

 俺は手のひらをズボンに擦り付けると、椿に気取られないように唾を飲んだ。







 三海大将の部屋の前についた。

 メリアデスの素材で作られたダークブラウンの扉は重厚かつ冷厳で、この先にいる人物の威厳を無言のうちに代弁してくるかのようですらあった。
 
「……」

 俺は息を大きく吸って、扉をノックする。

「露木です。入室許可願います」

「入れ」

「はっ! 失礼いたします」

 やけに重たい扉を開けると、俺の視線は真正面にいる人物に奪われた。世界最高級のメリアデス製の机に肘をつき、蛇を思わせる鋭い瞳でこちらを睥睨する老人――。

 齢七十を超えるはずのその男は、老いを感じさせない凄まじい覇気を放ちながらそこに座していて。この部屋の空気すらも支配しているような圧力に、俺は一瞬で気圧された。

 三海蓮二郎みかいれんじろう陸軍大将。

 プリマヴェーラ合衆国軍最高の軍人にして最高の指揮官。俺は、この世界で最も偉大な軍人と相対している。

 手汗がさらに滲んだ。

 緊張が一気に膨らんだが、なんとか気を取り直して敬礼した。

「露木稔少佐、召集に応じ参上仕りました」

「ああ。久しいな露木よ」

 淡々としているのに、重たく冷たい声。

 発するだけですべてを萎縮させるような、修羅にしか出せない声。

「……はい。お久しぶりでございます。その節は」

「堅苦しい挨拶はいい。そこへ座れ」

 三海大将は、メリアデスの机の前にある応接スペースを指して言った。俺は短く返答し、足の震えを感じながらソファに腰掛けた。椿が緊張した面持ちで俺の後ろに回る。

 三海大将も対面に腰掛け、俺を真っ直ぐに見つめてきた。

「……さて、用件はわかっているな?」

「ええ」

 俺は唾を飲み込み、ゆっくりと頷く。

 何も悪いことをしていないはずなのだが、断罪されているような居心地の悪さを感じる。ズボンの裾を握りしめていると、クスクスと笑う声がした。

 まるで鈴が転がるような、清涼で色気のある声調――。

 声の主は、三海大将の後ろにいた。

「そんなに緊張しなくていいのよ、露木少佐」

 彫像を思わせるほどに、美しいアルカイックスマイルを浮かべる女性。

 絵から飛び出してきた天女だといわれても信じそうなほど、彼女は神々しくて華やかな雰囲気を放っていた。白を基調とした着物には桜の意匠が花開き、桜色の長髪には極限まで洗われた絹のような高貴さが宿っている。

 あまりにも美しく、あまりにも透明で。だからこそ人は、彼女を前にするとかならず畏敬の念に囚われるだろう。

 彼女は、さくら

 「原初の花」と呼ばれるすべてのアンサスたちの頂点であり、三海大将の補佐官を務める世界最強のアンサス。
 
「……あら、聞こえなかったかしら?」

「……あ、いえ。聞こえておりました。反応が鈍く、申し訳ないです」

「あらあら。やっぱり緊張していたのね。心拍数も高いし、声も少しかすれていたからそうなんじゃないかと思ったけど。……ねぇ、先生、露木少佐は今どんな顔をしているの? 真っ赤になっているかしら?」

「入ってきたときは青かったが、今はお前に見惚れて鼻の下を伸ばしているぞ」

「まぁ……」

「いやいや、鼻の下なんて伸ばしていませんよ!」

 俺は慌てて訂正する。後ろの気配が張り詰めたのは、きっと気の所為ではない。自然と背筋が伸びてしまう。

 桜がこてんと首をかしげた。

「……露木少佐の後ろにいるのは椿かしら?」

「は、はい。お久しぶりです桜様」

 椿は怒りを忘失したかのように、一瞬で恐縮した。

「久しいわね。あなたがアスピスに異動させられて以来、一度も会っていなかったから。一年ぶりくらいかしら。元気にしていた?」

「……ええ。桜様もお元気そうで何よりです」

 桜の目尻がゆるりと下りる。霞がかかっているかのごとく白い彼女の瞳は、俺たちに向けられているようで向けられていない。言ってしまえばその焦点は虚空を常に捉えていた。

 彼女には俺たちが視えていない。

 咳払い。

「挨拶はその辺でいいだろう。そろそろ本題に戻るぞ」

「ああ、ごめんなさい。二人の雰囲気があまりにも可愛いものだから、つい口を挟んでしまったわ。どうぞ続けて」

「ああ。……単刀直入に言うが、貴様が遭遇した『無限増殖』について訊きたい。まず、当時の状況をできる限り仔細に報告しろ」

「は、はい。あれは――」

 俺は強制出撃から無限増殖に遭遇したときの状況を、一部を除いて事細かく説明した。さすがにサルベージした「シオン」については口を滑らせるわけにはいかないので、細心の注意を払いつつ、厳選した報告事項だけを告げていく。脇汗が止まらない。こういう報告はただでさえ苦手だというのに、慎重な対応を強いられるのだから――。

 ときおり早口になったり言葉に詰まったりしたが、三海大将は何も言わず耳を傾けてくれていた。相槌すらなく、ひたすらにガンを飛ばしてくるから怖くてしかなかったが、なんとか一通りの説明を終わらせることはできた。

 言い終わり、ほっとしたのも束の間。

 三海大将が口を切った。

「事前に送られていた報告通りだな」

「……ええ」

 三海大将の瞳が鋭い光を放った。

「違和感がある」

 心臓が跳ねた。

「……。……違和感とは?」

「貴様の報告には肝心なところで不足がある。無限増殖に遭遇した直後、スノードロップが体調を崩した理由はなんだ?」

「それは――」

 言葉に詰まってしまった。急速に頭を回して言い訳を思案したが、それよりも早く三海大将が切り込んできた。

「表向きは『蛭女《リーチ》』の毒液を受けたことが理由になっているがな。フローラ様の理から外れたあのじゃじゃ馬が、あの程度の雑魚の攻撃を受けるとはどうしても考えにくい。あれは、クセはあっても戦場で油断をするような半端者ではないしな」

「――」
 
「申請された栄養剤の数もそうだ。負傷者の報告リストに対して、若干だが使用された数が多い。他のものたちならとくに問題にはしないだろうが、俺の目は誤魔化せない」

 三海大将は言葉を切って、俺の心の内をえぐり出すような鋭い眼光を飛ばしてきた。

「俺が会議の場を設けず、個人的にお前を呼び出した理由もそれだ。俺はお前が隠していることを訊きたい。一体なにを隠している? お前のような誠実な男が、虚偽を働いてまで隠したい事実とはなんだ?」

 俺はズボンを掴んで、押し黙ることしかできなかった。唇の震えが止まらない。

 三海大将。この男は、間違いなく傑物だ。俺とは比べものにならないほどに物事に対する真贋を見抜く目を持っていて、頭の回転も凄まじく早く、考察も鋭い。俺ごときでは到底太刀打ちできる相手ではなかった。
 
 ――半端な嘘や誤魔化しは、この男には通用しない。

「……メンター」

 不安げに声をかけてきた椿に顔を向け、首を横に振った。

 隠しておくことは、もう不可能だ。



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