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悲しい夢
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目の前には、五人ほど覆えるような円形の渦巻く黒い霧。
黒色の長髪は、強烈な風にはためいて。
滑らかで白い額に一滴を浮き上がらせ、それは琥珀色の瞳の目尻のすぐそこを伝う。
芸術的なまでに精巧な目鼻立ちは、男であるのか女であるのか判断ができない。
そんな美しい人は、膝から崩れ落ちた。
唇を戦慄かせ、美しい人は青年の声で呟く。
「そう、か……そうか………」
何かを確信し、絶望に染まった瞳を瞼で隠す。
――――惨禍至らしめ、終焉導く禍根に断罪を。
男女の声が幾重にも重なり合い、大気を揺らし謳う。
世界を滅ぼそうとする禍をお前が始末しろ。と。
美しい人は、長く繊細な睫毛を伏せ力なく首を横に振る。
「……ない…………」
全てを拒絶するかのように、両手で顔を覆う。
だが、慈悲は無い。
――――裁断、永劫の業火を。
つまり、永遠に罰を与えよ。と。
目を見開き美しい人は、天を仰ぎ助けをこう。
「ぁっ……ない! 僕にはできない!!」
できるものか! と咆哮を上げた。
夢の中で直也は、慟哭を聞いた。
そして、無力に嘆き悲しむ美しい人を見た。
この夢は、なんだろうか。
何が起きているのかわからない。
見覚えも、記憶にもない夢。
だけれど、悲しみが心の底から湧きあがる。
見ているだけのこちらまで、涙が出てきた。
全知全能の精霊王よ! 慈悲深き女神よ!
何故、僕なのですか!!
辛い。
苦しい。
悲しい。
僕……僕が………クレムを何故!!
直接、脳内に響く声。
それに、直也が感じたこと。
――――この夢は悲しい。
黒色の長髪は、強烈な風にはためいて。
滑らかで白い額に一滴を浮き上がらせ、それは琥珀色の瞳の目尻のすぐそこを伝う。
芸術的なまでに精巧な目鼻立ちは、男であるのか女であるのか判断ができない。
そんな美しい人は、膝から崩れ落ちた。
唇を戦慄かせ、美しい人は青年の声で呟く。
「そう、か……そうか………」
何かを確信し、絶望に染まった瞳を瞼で隠す。
――――惨禍至らしめ、終焉導く禍根に断罪を。
男女の声が幾重にも重なり合い、大気を揺らし謳う。
世界を滅ぼそうとする禍をお前が始末しろ。と。
美しい人は、長く繊細な睫毛を伏せ力なく首を横に振る。
「……ない…………」
全てを拒絶するかのように、両手で顔を覆う。
だが、慈悲は無い。
――――裁断、永劫の業火を。
つまり、永遠に罰を与えよ。と。
目を見開き美しい人は、天を仰ぎ助けをこう。
「ぁっ……ない! 僕にはできない!!」
できるものか! と咆哮を上げた。
夢の中で直也は、慟哭を聞いた。
そして、無力に嘆き悲しむ美しい人を見た。
この夢は、なんだろうか。
何が起きているのかわからない。
見覚えも、記憶にもない夢。
だけれど、悲しみが心の底から湧きあがる。
見ているだけのこちらまで、涙が出てきた。
全知全能の精霊王よ! 慈悲深き女神よ!
何故、僕なのですか!!
辛い。
苦しい。
悲しい。
僕……僕が………クレムを何故!!
直接、脳内に響く声。
それに、直也が感じたこと。
――――この夢は悲しい。
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