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第12楽章
第78話 囚われの未亡人 3時
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僕達は遊戯室を出て玄関の方へ足を向けた。
車椅子の千雪に合わせて僕は歩調を緩めた。
窓がなく人工の灯りに照らされた廊下は
ここに来た時とまったく同じ様相を呈していた。
今が昼なのか夜なのか、
その判断は困難と言わざるを得なかった。
僕はポケットから腕時計を取り出した。
『オーデマ・ピゲ』のロイヤルオークの針は
丁度3時を示していた。
玄関を過ぎると正面にドアが見えてきた。
「あの部屋が私の部屋です。
隣が菅野さんで、
その隣の部屋に
六条さんが拘束されているはずです」
千雪の言葉に従い
僕は3番目のドアの前で立ち止まった。
ノブに手を掛けてから一瞬、逡巡した。
中の音は当然外には漏れてこない。
防音設備が施された室内で何が起ころうと
外の人間には知られることはない。
僕は千雪の方を見た。
少女は唇をギュッと結んで
両手を胸の前で握り締めていた。
僕の視線に気付いた千雪が
不安そうに僕の方を見上げた。
僕は力強く頷いてからドアを引いた。
室内は明るかった。
「・・六条さん?」
僕は部屋の奥に向かって呼びかけた。
返事はなかった。
悪い予感がした。
僕は深呼吸をしてから中へ足を踏み入れた。
少し進むと奥のベッドに
だらりと垂れた黒いジャージの手が見えた。
その手はベッドの足に手錠で繋がれていた。
僕は足をとめた。
この位置からではユニットバスの壁が
邪魔をしてそれ以上確認できなかった。
僕の手が無意識のうちに腰の辺りを探った。
キッチンバサミを持ってこなかったことを
悔やんだが後の祭りだった。
僕は右手で拳銃を抜いた。
その時。
ふと思った。
果たして弾は入っているのだろうか。
そんな疑問を抱えたまま僕は拳銃を構えた。
「六条さん・・?」
僕はもう一度呼びかけた。
しかしまたしても返事はなかった。
手錠に繋がれた手はピクリとも動いてなかった。
僕はゆっくりと前に出た。
ベッドの上で
仰向けに横たわった六条の胸に
包丁が突き立っていた。
車椅子の千雪に合わせて僕は歩調を緩めた。
窓がなく人工の灯りに照らされた廊下は
ここに来た時とまったく同じ様相を呈していた。
今が昼なのか夜なのか、
その判断は困難と言わざるを得なかった。
僕はポケットから腕時計を取り出した。
『オーデマ・ピゲ』のロイヤルオークの針は
丁度3時を示していた。
玄関を過ぎると正面にドアが見えてきた。
「あの部屋が私の部屋です。
隣が菅野さんで、
その隣の部屋に
六条さんが拘束されているはずです」
千雪の言葉に従い
僕は3番目のドアの前で立ち止まった。
ノブに手を掛けてから一瞬、逡巡した。
中の音は当然外には漏れてこない。
防音設備が施された室内で何が起ころうと
外の人間には知られることはない。
僕は千雪の方を見た。
少女は唇をギュッと結んで
両手を胸の前で握り締めていた。
僕の視線に気付いた千雪が
不安そうに僕の方を見上げた。
僕は力強く頷いてからドアを引いた。
室内は明るかった。
「・・六条さん?」
僕は部屋の奥に向かって呼びかけた。
返事はなかった。
悪い予感がした。
僕は深呼吸をしてから中へ足を踏み入れた。
少し進むと奥のベッドに
だらりと垂れた黒いジャージの手が見えた。
その手はベッドの足に手錠で繋がれていた。
僕は足をとめた。
この位置からではユニットバスの壁が
邪魔をしてそれ以上確認できなかった。
僕の手が無意識のうちに腰の辺りを探った。
キッチンバサミを持ってこなかったことを
悔やんだが後の祭りだった。
僕は右手で拳銃を抜いた。
その時。
ふと思った。
果たして弾は入っているのだろうか。
そんな疑問を抱えたまま僕は拳銃を構えた。
「六条さん・・?」
僕はもう一度呼びかけた。
しかしまたしても返事はなかった。
手錠に繋がれた手はピクリとも動いてなかった。
僕はゆっくりと前に出た。
ベッドの上で
仰向けに横たわった六条の胸に
包丁が突き立っていた。
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