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ジルが王都を出発して半月が過ぎ、その間に俺は新しい習慣が出来た。
絡まれるのがうっとうしいし、新しい相手が欲しいとも思ってないから酒場には行かず、家と職場の往復だけだったが、教会に通うようになった。
仕事帰りだけでなく休みの日まで毎日。
ジルの無事と一日でも早い帰還を祈っている。
それ以外に、ジルのために出来ることがないからだ。
王都には大きいのから小さいのまで、あちこちに教会がある。うちの国は主な神様が三柱いて、正直なところどの教会に誰が祀られてるのかよく知らない。
だから、家と職場のちょうど中間にある小さな教会を選んで通っている。
木造の少しだけ大きい民家のような佇まいで、正面の両開きの扉を開けると礼拝室になっている。室内には長椅子が規則正しく並び、扉から真っすぐ最奥の祭壇には女神の石像がある。
三柱で女神といえば豊穣の神メルディナーサかな。それくらいなら分かる。
祈る内容と神様の役割が合ってない気がするけど、それはどうでもいい。
俺はただ、祈りたいだけなんだ。
神様にすがりたい気持ちも、もちろんある。けどそれ以上に、俺が何かしたかった。
騎士ではない俺は戦えない。前線へ物資を届けることもできない。帰ってくるのをひたすら待つしかない。
俺は開き直ることにした。
どうしたって、ジルのことは好きだ。忘れようとすればするほど苦しい。今みたいに戦いに行っていると余計に。
自分の心には嘘がつけないから。ジルを好きなままでいようと思う。
よりを戻さないまま、遠くからジルのことを好きでいようと決めた。
だから今日も、仕事が終わったそのままで教会に直行した。
傾き始めた太陽の光が窓から斜めに入ってきて、空気中の小さな埃の姿を浮き上がらせている。
部屋全体で見れば中央辺りの、少し左寄りに座ってぼんやりと女神像を眺めていた。
ちなみにこの教会はいつ来ても参拝者が少なく、俺はいつも同じ席に座るため、ここは定位置のようになっている。
つい先日。ジルから手紙が届いた。
なんの変哲もない生成り色の封筒。それからも香ってくるジルの香り。
もしかして紙にまで香水ふったのかな。貴族のやることって、ずごいな。
手紙の内容はいたって普通だった。知人に送るような、そんなやつ。
国境近くは思っていたよりも湿気が少なくて過ごしやすいこと。食事は王都より味付けが濃くて、なかなかに美味しいこと。現地の人達も協力的で、恵まれた環境にること。
それから俺の体調を気遣うのと、この手紙への返信は必要ないことが書かれていた。
たった一枚だけの手紙。
それだけでも俺はとても嬉しかった。
自分から別れといて勝手だけれど、こうやってジルに忘れられてないことに幸せを感じる。
手紙が届いたその日は興奮してしまってなかなか寝付けなかった。おかげで翌日の仕事は眠い目をこすりながらの作業になった。
ジルに会えなくてもいい。
無事に帰ってきてくれれば、それで充分だ。
俺は目を閉じ指を組んで、そう祈る。
無事を祈る気持ちが見えない力となって、ジルを守ってくれるのではと、心ひそかに期待しながら。
外が少し暗くなる頃に建物を出た。
ちょうど教会の敷地を出る門のところで、ここの管理を住み込みでしている神官のオルロさんと会ったので立ち話をする。
毎日来てるから常連だ。今日もご苦労様ですとか言われる。
柔らかい雰囲気のオルロさんはくすんだ金髪にオレンジ色の瞳で、背が俺よりも高くて痩せているのでヒョロヒョロしてる。三十歳だと聞いたけど見た目はもっと若い。
神官とはいえここの管理を一人でしているらしく、今はつなぎの作業着に麦わら帽子をかぶっている。どうやら庭の手入れをしていたようだ。広くはない庭だけど様々な樹木や花があって、いつ来ても気持ちの良い空間になっている。
「いつも一人で大変じゃないですか? 今度の休みに手伝いますよ」
「本当ですか? それは助かります」
休日は教会に行く以外の用事がなくて暇だった。特に趣味もないから時間があまって仕方がない。家にいるとおかしな妄想(ジルが怪我するとか)で、自分で自分の精神を痛めつけてしまうから、どうにかしたいと思っていた。
何も考えずに体を動かしたい。
「あ、でも庭仕事は経験ないので教えてくださいね。掃除なら問題なく出来ますよ」
「ふふ。本当だったら掃除や手入れも勤めのうちですって断らないといけないのですが、私は楽が出来るときは遠慮しない主義なので、ご厚意に甘えさせてもらいます」
「大丈夫ですよ。オルロさんがそういう人だって分かって言ってますから」
いつもふんわりと微笑んでいるオルロさんの休憩姿は何度も見かけている。庭のベンチに寝っ転がっていたり、歩きながら何か食べてたり、入り込んできた野良犬を手なずけようと格闘してみたり。
まあ、そういう人だ。神官なのにその辺の庶民と変わらないことをする憎めない人柄で、俺はとても好感を持っている。
神官は平民でも貴族でも、決まった時間修行すればなれるらしい。けれど上の役職にはやはり貴族しかなれないようだ。
オルロさんの位を聞いたことがあったけど、はぐらかされてしまった。どことなく品のある雰囲気を持ってる人だから、貴族なんだろうなと思う。
何となくまったりしたところで別れの挨拶をしようとしたとき、けたたましい音が響いてきた。
「ん?」
音がする方に首をひねる。
この教会は大通りから二本くらい中に入った、それほど大きくない通りに面している。石畳で舗装されたその路を、一台の幌馬車がものすごい勢いで駆け抜けて行った。
一瞬だったけれど、御者台に座っている人が中腰になって必死で馬を走らせているのが見えた。
理由は分からないが、嫌な感じが胸の辺りに広がっていく。
嫌な予感というか、どことなく不吉な感じ。
「ずいぶんと急いでましたねえ」
「そう、ですね」
のんびりした口調のオルロさんに答える俺の声は、なぜかちょっとかすれていた。
駄目だ。じっとしてると、この重たいなにかに引きずられる。
「じゃあ、オルロさん。また明日」
「――ええ。また」
軽く挨拶をして立ち去る。
正体の分からない不安が胸に居座っていて落ち着かない。
しばらく散歩することにした。
嫌な予感や考えを振り払うように、あてもなく歩き回る。
ずいぶんと暗くなってから帰宅した。
歩きすぎて痛くなった足では、階段を上るのが結構しんどかった。
絡まれるのがうっとうしいし、新しい相手が欲しいとも思ってないから酒場には行かず、家と職場の往復だけだったが、教会に通うようになった。
仕事帰りだけでなく休みの日まで毎日。
ジルの無事と一日でも早い帰還を祈っている。
それ以外に、ジルのために出来ることがないからだ。
王都には大きいのから小さいのまで、あちこちに教会がある。うちの国は主な神様が三柱いて、正直なところどの教会に誰が祀られてるのかよく知らない。
だから、家と職場のちょうど中間にある小さな教会を選んで通っている。
木造の少しだけ大きい民家のような佇まいで、正面の両開きの扉を開けると礼拝室になっている。室内には長椅子が規則正しく並び、扉から真っすぐ最奥の祭壇には女神の石像がある。
三柱で女神といえば豊穣の神メルディナーサかな。それくらいなら分かる。
祈る内容と神様の役割が合ってない気がするけど、それはどうでもいい。
俺はただ、祈りたいだけなんだ。
神様にすがりたい気持ちも、もちろんある。けどそれ以上に、俺が何かしたかった。
騎士ではない俺は戦えない。前線へ物資を届けることもできない。帰ってくるのをひたすら待つしかない。
俺は開き直ることにした。
どうしたって、ジルのことは好きだ。忘れようとすればするほど苦しい。今みたいに戦いに行っていると余計に。
自分の心には嘘がつけないから。ジルを好きなままでいようと思う。
よりを戻さないまま、遠くからジルのことを好きでいようと決めた。
だから今日も、仕事が終わったそのままで教会に直行した。
傾き始めた太陽の光が窓から斜めに入ってきて、空気中の小さな埃の姿を浮き上がらせている。
部屋全体で見れば中央辺りの、少し左寄りに座ってぼんやりと女神像を眺めていた。
ちなみにこの教会はいつ来ても参拝者が少なく、俺はいつも同じ席に座るため、ここは定位置のようになっている。
つい先日。ジルから手紙が届いた。
なんの変哲もない生成り色の封筒。それからも香ってくるジルの香り。
もしかして紙にまで香水ふったのかな。貴族のやることって、ずごいな。
手紙の内容はいたって普通だった。知人に送るような、そんなやつ。
国境近くは思っていたよりも湿気が少なくて過ごしやすいこと。食事は王都より味付けが濃くて、なかなかに美味しいこと。現地の人達も協力的で、恵まれた環境にること。
それから俺の体調を気遣うのと、この手紙への返信は必要ないことが書かれていた。
たった一枚だけの手紙。
それだけでも俺はとても嬉しかった。
自分から別れといて勝手だけれど、こうやってジルに忘れられてないことに幸せを感じる。
手紙が届いたその日は興奮してしまってなかなか寝付けなかった。おかげで翌日の仕事は眠い目をこすりながらの作業になった。
ジルに会えなくてもいい。
無事に帰ってきてくれれば、それで充分だ。
俺は目を閉じ指を組んで、そう祈る。
無事を祈る気持ちが見えない力となって、ジルを守ってくれるのではと、心ひそかに期待しながら。
外が少し暗くなる頃に建物を出た。
ちょうど教会の敷地を出る門のところで、ここの管理を住み込みでしている神官のオルロさんと会ったので立ち話をする。
毎日来てるから常連だ。今日もご苦労様ですとか言われる。
柔らかい雰囲気のオルロさんはくすんだ金髪にオレンジ色の瞳で、背が俺よりも高くて痩せているのでヒョロヒョロしてる。三十歳だと聞いたけど見た目はもっと若い。
神官とはいえここの管理を一人でしているらしく、今はつなぎの作業着に麦わら帽子をかぶっている。どうやら庭の手入れをしていたようだ。広くはない庭だけど様々な樹木や花があって、いつ来ても気持ちの良い空間になっている。
「いつも一人で大変じゃないですか? 今度の休みに手伝いますよ」
「本当ですか? それは助かります」
休日は教会に行く以外の用事がなくて暇だった。特に趣味もないから時間があまって仕方がない。家にいるとおかしな妄想(ジルが怪我するとか)で、自分で自分の精神を痛めつけてしまうから、どうにかしたいと思っていた。
何も考えずに体を動かしたい。
「あ、でも庭仕事は経験ないので教えてくださいね。掃除なら問題なく出来ますよ」
「ふふ。本当だったら掃除や手入れも勤めのうちですって断らないといけないのですが、私は楽が出来るときは遠慮しない主義なので、ご厚意に甘えさせてもらいます」
「大丈夫ですよ。オルロさんがそういう人だって分かって言ってますから」
いつもふんわりと微笑んでいるオルロさんの休憩姿は何度も見かけている。庭のベンチに寝っ転がっていたり、歩きながら何か食べてたり、入り込んできた野良犬を手なずけようと格闘してみたり。
まあ、そういう人だ。神官なのにその辺の庶民と変わらないことをする憎めない人柄で、俺はとても好感を持っている。
神官は平民でも貴族でも、決まった時間修行すればなれるらしい。けれど上の役職にはやはり貴族しかなれないようだ。
オルロさんの位を聞いたことがあったけど、はぐらかされてしまった。どことなく品のある雰囲気を持ってる人だから、貴族なんだろうなと思う。
何となくまったりしたところで別れの挨拶をしようとしたとき、けたたましい音が響いてきた。
「ん?」
音がする方に首をひねる。
この教会は大通りから二本くらい中に入った、それほど大きくない通りに面している。石畳で舗装されたその路を、一台の幌馬車がものすごい勢いで駆け抜けて行った。
一瞬だったけれど、御者台に座っている人が中腰になって必死で馬を走らせているのが見えた。
理由は分からないが、嫌な感じが胸の辺りに広がっていく。
嫌な予感というか、どことなく不吉な感じ。
「ずいぶんと急いでましたねえ」
「そう、ですね」
のんびりした口調のオルロさんに答える俺の声は、なぜかちょっとかすれていた。
駄目だ。じっとしてると、この重たいなにかに引きずられる。
「じゃあ、オルロさん。また明日」
「――ええ。また」
軽く挨拶をして立ち去る。
正体の分からない不安が胸に居座っていて落ち着かない。
しばらく散歩することにした。
嫌な予感や考えを振り払うように、あてもなく歩き回る。
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