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3.犬耳の奴隷少女
16.最初の刺客
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翌朝早くに、俺たちは大家さんに挨拶をし、町を出た。
「そうなのか、もうここを立つのか」
「ええ」
名残惜しそうにした大家さんだったが、ふとその顔が険しくなる。
「もしかして、お前さんたち、誰かに追われているのか?」
「え?」
大家さんの思わぬ言葉に思わず聞きかえすと、大家さんはポリポリと頭をかく。
「いや、昨日か一昨日だったかな、妙な奴がこの辺りを歩いていてな」
「妙な奴?」
「ああ。全身黒いローブに身を包んだ怪しげな男が『このあたりで勇者の噂を聞かなかったか』『黄金色の妙な獣を連れてるやつは居なかったか』と聞いて回ってたんだ」
「何?」
誰かが俺たちの事を探し回ってる?
一体誰が――
考え込んでいると、大家さんはポンと肩を叩いた。
「俺はそんな妙な獣は見たことが無いと言っておいたが、あんたの連れてるそいつは目立つ。狙われてんなら早いうちにここを発った方がいい」
「そう……ですね。ありがとうございます」
大家さんと別れた後、モモが心配そうに俺を見上げる。
「ご主人……」
俺はモモの頭を撫でた。
「大丈夫だ」
トゥリンは視線を落とす。
「もしかして、魔王の手先かもしれないな」
ごくり、唾を飲み込む。
エルフの村にも魔王一味に操られていたらしいドラゴンが襲ってきていたし、ありえる話だ。
「とりあえず、急ごう」
南の大国に続く大街道ではなく、旧街道と呼ばれる寂れた山道を目指して歩く。
「こっちだ」
落ち葉を踏みしめ、陽の当たらない暗い山道に入っていく。
日向はまだ暖かかったが、日陰はひんやりとしていて、山道に入った途端ゾクリと寒気が襲う。
「熊よけの鈴は付けた?」
トゥリンがカゴを振って鈴をチリンチリンと揺らす。
「でも前回付けてたけどグリズリーに会ったし、あんまり意味無いんじゃないか?」
俺が言うと、トゥリンは頬を膨らませてむくれる。
「そんなことは無い。前回はたまたまだ。普段なら鈴を鳴らしていれば熊に出くわすことは無いはずだ!」
力説するトゥリン。
トゥリンの言う通り、鈴を付けたまましばらく山道を歩く。
「ギャース!」
と、目の前に現れたのは足の生えた人間程の大きさの巨大な蛾。
「うわ、気持ち悪い」
「不味そうです!」
「わぉーん」
「チッ、モスマンか」
トゥリンが舌打ちする。
どうやらこの気持ち悪いのはモスマンという名前らしい。
「アイス!!」
氷魔法を唱えるトゥリン。
ピキピキと音を立てて凍っていくモスマン。俺はほっと息を吐いた。
「ギャース!!」
だが往生際の悪いモスマンは、凍る直前バタバタともがきながら鱗粉《りんぷん》を出した。
「まずい、あれを吸うな!!」
トゥリンに言われ慌てて口と鼻を覆うも、時すでに遅し、俺はわずかだが鱗粉《りんぷん》を吸い込んでしまった。
「はっくしゅん!」
吸い込んだ瞬間に襲う猛烈なくしゃみと目のかゆみ、鼻水。ヤバい。吸い込むな と言われていたのに吸い込んでしまった。
「トゥリン、これは吸い込んだらまずいのか? 毒か? 幻覚でも見るのか?」
「いや、ただ目や鼻が物凄く痒くなってクシャミが止まらなくなるだけだ」
しれっと言うトゥリン。それ、一番嫌なんだが。
「クソ、花粉症になったみたいだ」
「クシュッ、ブシュッ」
見ると、サブローさんまでクシャミをしている。たらり。真っ黒な鼻から鼻水が垂れる。
「モモは平気なのか?」
「ボクは一番後ろを歩いてて少し離れてたから」
モモは平気そうな顔でカチカチに凍りついたモスマンを見ている。
「とりあえず、先に進もう」
トゥリンが鼻水をすすりながら促した。
◇◆◇
気を取り直して山道を歩くこと数時間
やがて日が高くなって来て、山道に入った時よりも気温もだいぶ上がってきた。
ぐー、とモモのお腹が鳴る。
「そろそろ昼飯の時間じゃないか?」
俺はトゥリンに尋ねた。
「ああ」
だがトゥリンは曖昧に返事をするとキョロキョロと辺りを見回している。
サブローさんもピタリと足を止め、耳をピクピクと左右に動かしている。
「どうした?」
「誰かいるんです?」
モモも険しい顔をする。
風が吹く。木の葉がざぁっと揺れた。
「フフフフフフ」
空に怪しい声がこだまする。
「誰だ!!」
声のした方に視線をやると、木の葉の間から、不気味な黒いローブの男が現れた。
「お前は!?」
サブローさんも歯をむきだしにして低い唸り声を上げる。
「黒いローブ……まさか、町で私たちの事を尋ねていたというのは」
クックック、と男が低い声を漏らす。
「そうだ。探したぞ、伝説の勇者」
やはりそうか。
風で不気味に揺れる黒いローブ。フードを目深に被っているため、その表情は見えない。
「勇者?」
モモがトゥリンに尋ねる。
「シバタの事だ」
「ご主人を探してどうする気です!」
フッ、とローブの男の口元が緩む。
「……殺す!」
「なっ!!」
トゥリンが弓矢を構える。
「させるかぁ!」
ヒュン!
空を切り裂き飛んだ矢は、黒いローブの男に命中する。が――
パサリ。
男の身にまとっていたローブが地面に落ちるものの、男の姿はどこにもない。
「あいつ、どこにいった!?」
モモが鼻をヒクヒクさせる。
「ここにいるさ」
目の前に現れたのは黒い霧。
「まさかあいつ、実態が無いのか!?」
「何っ!?」
「ククククク。我が力はまだ復活途中。今日は代わりにこいつにお前らの相手をしてもらおう」
そう言って、黒い霧は消えた。そして現れたのは――
グルルルル……
現れたのは、見覚えのある三ツ目の熊。
黒い霧に操られているのか、その目は赤く充血し、涎をボタボタこぼしている。
「なんだテルティウス・グリズリーか」
流石に見るのは三回目なので少しは冷静に身構える。
「ふふふ、よく知ってるな。鋭い爪と牙を持つこいつは『森の王者』とも呼ばれる凶暴な獣よ。いかに勇者と言えど」
「サブローさん」
俺は黒い霧の言葉を遮り言った。
「ワン」
「サブローさん、炎」
俺が命令《コマンド》を出すとサブローさんは大きく息を吸い込むと、真っ赤な炎を吹いた。
「何っ!?」
ゴオオオオオオオ!!
竜をも焼き尽くす高温の炎がグリズリーを襲う。
「グオオオオ」
たちまち丸焦げになるグリズリー。
実は前にドラゴンを倒してから、ひっそりと炎《ファイア》をどうにかしてお座りや待てのように命令《コマンド》化できないか訓練を続けていたのだ。
「オラッ!」
仕上げに、俺は黒焦げになったグリズリーの第三の目にサブローさんのウ〇チシャベルを突き立てた。
ガキッ。
目玉ではない何かに当たる感触。
見ると、黒い水晶玉だ。
あの時の、ドラゴンの体に入っていたものと同じ。
「まさか」
砕け散る黒水晶。そこから黒い霧が吹き出し空へと向かっていく。
「ふふ、少しはやるようだな。だがそいつは魔族の中でも下っ端。これからはさらに強力な魔物がお前を襲うことだろう! ふははは……ハハハハハハハ!!」
響き渡る声。
「我が名は魔王軍四天王が一人ゾーラ。覚えておけ」
「四天王……」
水魔法で木に燃え移った火を消していたトゥリンが声を上げる。
「つよそうですね」
尻尾を下げしゅんとなるモモ。
「ああ」
魔王軍四天王。一体どんな奴らなんだ?
◇◆◇
四天王の一人に遭遇してからしばらく歩いていると、急に道が開けた。
「村だ!」
モモが飛び跳ねる。
「イクベの村ですか!?」
ブンブンと尻尾を振るモモ。
目の前に広がる緑色に広がる畑と、崖沿いの洞窟に穴を掘って作った家。
「ああ、たぶん」
「良かった、日が暮れる前に村に着きそうだ」
オレンジ色の光を落とし始めた太陽。トゥリンはため息をつく。
「しかし、宿屋なんかあるのかな」
シロツメクサが一面に生えた田舎道を歩きながら村へと向かっていると、農民風の服を着た第一村人を発見した。
「お、丁度いいところに」
俺は村人に駆け寄った。
が、何だか様子がおかしい。まず身長が小さい。130cmくらいだろうか。それから帽子で覆われた頭は大きいし、手足の様子も何か変だ。
「ん? まさかコボルトか?」
トゥリンが顔を引きつらせる。
「コボルト?」
「あのーすみませんっ!」
モモが声をかけると、村人はビクッと身を震わせ振り返った。
「は、はい?」
俺は振り返った村人を見て息を飲んだ。
……こ、これがコボルト??
確かに犬の顔だ。大きな丸い瞳に、毛色は薄茶色《フォーン》で黒い垂れ耳。
そして潰れた鼻にゲンコツみたいに皺の寄った特徴的な顔。
「フガッフガッ」
鼻を鳴らすコボルト。
「パグだ……」
俺は思わず呟いた。
振り返った村人の顔は、パグそっくりだった。
--------------------------
◇柴田のわんわんメモ🐾
◼パグ
鼻が低く、ギュッと真ん中に寄ったシワの多い顔に、垂れ耳が特徴。毛色はフォーン(薄茶色)かブラックが多い。チベットの僧院で飼育されていたものが交配の結果小型化し、その後中国に入り飼われるようになった。人気犬種16位。
「そうなのか、もうここを立つのか」
「ええ」
名残惜しそうにした大家さんだったが、ふとその顔が険しくなる。
「もしかして、お前さんたち、誰かに追われているのか?」
「え?」
大家さんの思わぬ言葉に思わず聞きかえすと、大家さんはポリポリと頭をかく。
「いや、昨日か一昨日だったかな、妙な奴がこの辺りを歩いていてな」
「妙な奴?」
「ああ。全身黒いローブに身を包んだ怪しげな男が『このあたりで勇者の噂を聞かなかったか』『黄金色の妙な獣を連れてるやつは居なかったか』と聞いて回ってたんだ」
「何?」
誰かが俺たちの事を探し回ってる?
一体誰が――
考え込んでいると、大家さんはポンと肩を叩いた。
「俺はそんな妙な獣は見たことが無いと言っておいたが、あんたの連れてるそいつは目立つ。狙われてんなら早いうちにここを発った方がいい」
「そう……ですね。ありがとうございます」
大家さんと別れた後、モモが心配そうに俺を見上げる。
「ご主人……」
俺はモモの頭を撫でた。
「大丈夫だ」
トゥリンは視線を落とす。
「もしかして、魔王の手先かもしれないな」
ごくり、唾を飲み込む。
エルフの村にも魔王一味に操られていたらしいドラゴンが襲ってきていたし、ありえる話だ。
「とりあえず、急ごう」
南の大国に続く大街道ではなく、旧街道と呼ばれる寂れた山道を目指して歩く。
「こっちだ」
落ち葉を踏みしめ、陽の当たらない暗い山道に入っていく。
日向はまだ暖かかったが、日陰はひんやりとしていて、山道に入った途端ゾクリと寒気が襲う。
「熊よけの鈴は付けた?」
トゥリンがカゴを振って鈴をチリンチリンと揺らす。
「でも前回付けてたけどグリズリーに会ったし、あんまり意味無いんじゃないか?」
俺が言うと、トゥリンは頬を膨らませてむくれる。
「そんなことは無い。前回はたまたまだ。普段なら鈴を鳴らしていれば熊に出くわすことは無いはずだ!」
力説するトゥリン。
トゥリンの言う通り、鈴を付けたまましばらく山道を歩く。
「ギャース!」
と、目の前に現れたのは足の生えた人間程の大きさの巨大な蛾。
「うわ、気持ち悪い」
「不味そうです!」
「わぉーん」
「チッ、モスマンか」
トゥリンが舌打ちする。
どうやらこの気持ち悪いのはモスマンという名前らしい。
「アイス!!」
氷魔法を唱えるトゥリン。
ピキピキと音を立てて凍っていくモスマン。俺はほっと息を吐いた。
「ギャース!!」
だが往生際の悪いモスマンは、凍る直前バタバタともがきながら鱗粉《りんぷん》を出した。
「まずい、あれを吸うな!!」
トゥリンに言われ慌てて口と鼻を覆うも、時すでに遅し、俺はわずかだが鱗粉《りんぷん》を吸い込んでしまった。
「はっくしゅん!」
吸い込んだ瞬間に襲う猛烈なくしゃみと目のかゆみ、鼻水。ヤバい。吸い込むな と言われていたのに吸い込んでしまった。
「トゥリン、これは吸い込んだらまずいのか? 毒か? 幻覚でも見るのか?」
「いや、ただ目や鼻が物凄く痒くなってクシャミが止まらなくなるだけだ」
しれっと言うトゥリン。それ、一番嫌なんだが。
「クソ、花粉症になったみたいだ」
「クシュッ、ブシュッ」
見ると、サブローさんまでクシャミをしている。たらり。真っ黒な鼻から鼻水が垂れる。
「モモは平気なのか?」
「ボクは一番後ろを歩いてて少し離れてたから」
モモは平気そうな顔でカチカチに凍りついたモスマンを見ている。
「とりあえず、先に進もう」
トゥリンが鼻水をすすりながら促した。
◇◆◇
気を取り直して山道を歩くこと数時間
やがて日が高くなって来て、山道に入った時よりも気温もだいぶ上がってきた。
ぐー、とモモのお腹が鳴る。
「そろそろ昼飯の時間じゃないか?」
俺はトゥリンに尋ねた。
「ああ」
だがトゥリンは曖昧に返事をするとキョロキョロと辺りを見回している。
サブローさんもピタリと足を止め、耳をピクピクと左右に動かしている。
「どうした?」
「誰かいるんです?」
モモも険しい顔をする。
風が吹く。木の葉がざぁっと揺れた。
「フフフフフフ」
空に怪しい声がこだまする。
「誰だ!!」
声のした方に視線をやると、木の葉の間から、不気味な黒いローブの男が現れた。
「お前は!?」
サブローさんも歯をむきだしにして低い唸り声を上げる。
「黒いローブ……まさか、町で私たちの事を尋ねていたというのは」
クックック、と男が低い声を漏らす。
「そうだ。探したぞ、伝説の勇者」
やはりそうか。
風で不気味に揺れる黒いローブ。フードを目深に被っているため、その表情は見えない。
「勇者?」
モモがトゥリンに尋ねる。
「シバタの事だ」
「ご主人を探してどうする気です!」
フッ、とローブの男の口元が緩む。
「……殺す!」
「なっ!!」
トゥリンが弓矢を構える。
「させるかぁ!」
ヒュン!
空を切り裂き飛んだ矢は、黒いローブの男に命中する。が――
パサリ。
男の身にまとっていたローブが地面に落ちるものの、男の姿はどこにもない。
「あいつ、どこにいった!?」
モモが鼻をヒクヒクさせる。
「ここにいるさ」
目の前に現れたのは黒い霧。
「まさかあいつ、実態が無いのか!?」
「何っ!?」
「ククククク。我が力はまだ復活途中。今日は代わりにこいつにお前らの相手をしてもらおう」
そう言って、黒い霧は消えた。そして現れたのは――
グルルルル……
現れたのは、見覚えのある三ツ目の熊。
黒い霧に操られているのか、その目は赤く充血し、涎をボタボタこぼしている。
「なんだテルティウス・グリズリーか」
流石に見るのは三回目なので少しは冷静に身構える。
「ふふふ、よく知ってるな。鋭い爪と牙を持つこいつは『森の王者』とも呼ばれる凶暴な獣よ。いかに勇者と言えど」
「サブローさん」
俺は黒い霧の言葉を遮り言った。
「ワン」
「サブローさん、炎」
俺が命令《コマンド》を出すとサブローさんは大きく息を吸い込むと、真っ赤な炎を吹いた。
「何っ!?」
ゴオオオオオオオ!!
竜をも焼き尽くす高温の炎がグリズリーを襲う。
「グオオオオ」
たちまち丸焦げになるグリズリー。
実は前にドラゴンを倒してから、ひっそりと炎《ファイア》をどうにかしてお座りや待てのように命令《コマンド》化できないか訓練を続けていたのだ。
「オラッ!」
仕上げに、俺は黒焦げになったグリズリーの第三の目にサブローさんのウ〇チシャベルを突き立てた。
ガキッ。
目玉ではない何かに当たる感触。
見ると、黒い水晶玉だ。
あの時の、ドラゴンの体に入っていたものと同じ。
「まさか」
砕け散る黒水晶。そこから黒い霧が吹き出し空へと向かっていく。
「ふふ、少しはやるようだな。だがそいつは魔族の中でも下っ端。これからはさらに強力な魔物がお前を襲うことだろう! ふははは……ハハハハハハハ!!」
響き渡る声。
「我が名は魔王軍四天王が一人ゾーラ。覚えておけ」
「四天王……」
水魔法で木に燃え移った火を消していたトゥリンが声を上げる。
「つよそうですね」
尻尾を下げしゅんとなるモモ。
「ああ」
魔王軍四天王。一体どんな奴らなんだ?
◇◆◇
四天王の一人に遭遇してからしばらく歩いていると、急に道が開けた。
「村だ!」
モモが飛び跳ねる。
「イクベの村ですか!?」
ブンブンと尻尾を振るモモ。
目の前に広がる緑色に広がる畑と、崖沿いの洞窟に穴を掘って作った家。
「ああ、たぶん」
「良かった、日が暮れる前に村に着きそうだ」
オレンジ色の光を落とし始めた太陽。トゥリンはため息をつく。
「しかし、宿屋なんかあるのかな」
シロツメクサが一面に生えた田舎道を歩きながら村へと向かっていると、農民風の服を着た第一村人を発見した。
「お、丁度いいところに」
俺は村人に駆け寄った。
が、何だか様子がおかしい。まず身長が小さい。130cmくらいだろうか。それから帽子で覆われた頭は大きいし、手足の様子も何か変だ。
「ん? まさかコボルトか?」
トゥリンが顔を引きつらせる。
「コボルト?」
「あのーすみませんっ!」
モモが声をかけると、村人はビクッと身を震わせ振り返った。
「は、はい?」
俺は振り返った村人を見て息を飲んだ。
……こ、これがコボルト??
確かに犬の顔だ。大きな丸い瞳に、毛色は薄茶色《フォーン》で黒い垂れ耳。
そして潰れた鼻にゲンコツみたいに皺の寄った特徴的な顔。
「フガッフガッ」
鼻を鳴らすコボルト。
「パグだ……」
俺は思わず呟いた。
振り返った村人の顔は、パグそっくりだった。
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◇柴田のわんわんメモ🐾
◼パグ
鼻が低く、ギュッと真ん中に寄ったシワの多い顔に、垂れ耳が特徴。毛色はフォーン(薄茶色)かブラックが多い。チベットの僧院で飼育されていたものが交配の結果小型化し、その後中国に入り飼われるようになった。人気犬種16位。
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