【休載中】25日間の誕生日

華凛

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DAY3

3‐2 タイムループ

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「え……?」

昨日交通事故に遭って死んだはずの幼馴染。
彼が目の前に立っているなんて、どうして信じられようか。

花恋は目を見開いたまま硬直し、目の前にいる男子を凝視する。

「どうしたんだ? まだ寝ぼけてんのか?」


どれだけ観察しても、その声が、仕草が、言葉が、全てが──花恋の知る幼馴染、神薙 晴だった。


晴は固まった花恋を不思議そうに見つめ、肩をぽんぽんと叩いてくる。

「おーい、学校遅刻すんぞ。早く着替えてこい」

花恋の頭は、かつてない現象を目の当たりにし、思考停止どころか目まぐるしく動いていた。

(どういうこと? 昨日も本当は夢だった? ……いや違う。鮮明に覚えてるし、感触もした)

花恋はしばらく思考を巡らせ、前に読んだ小説の内容を思い出した。

(自分以外は同じ行動を繰り返し続ける……私が干渉しないと出来事は変わらない……)



──タイムループ。



それは同じ時間や出来事が繰り返される現象。
今の状況はまさにそれだ。

まさか、と思いつつも花恋は母に尋ねる。

「ねぇお母さん……今日は何月何日?」
「急にどうしたの……七月十八日よ」

今の質問に反応するように晴が身を乗り出す。

「今日は七月十八日だ。俺の──」

晴が何やら言っているが、必要な情報を得た花恋は再び思考に没頭してしまう。無論、晴の話は聞いていない。


(今日がループしているとしたら、晴はまた死ぬ)


身体から体温が奪われる。

またあの喪失感を、自己嫌悪を味わわなければいけないのだろうか。

花恋は小刻みに身体を震わせながらも、前に読んだ小説の終盤の展開を思い出す。

──主人公が行動を変え、未来を変えるのだ。

では同じようにすればいいではないか。
花恋が事故の原因を避け、晴を救うのだ。

(でもそれができなくて、タイムリミットが来てしまったら……?)

タイムループが無限である保証はない。
ある日ぱたりと終わってしまって、彼が救えなかったとしたら?

花恋の頭が恐怖で支配される。

晴を助けることに失敗して、そのまま時が正常に進んでしまえば、花恋は一生強い罪悪感に苛まれ続ける。

(……でも)

挑戦なしでの成功はありえないのだ。
リミットまで挑戦し続けようではないか。

花恋は目の前に立っている幼馴染を正面から見据える。

(私が、助けるから)




運命を、変えるのだ。
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