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第23話
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その日、サーラはいつもより早く目覚めた。不思議だったが何故かサンスクリットが帰ってくる予感がしたのだ。そして、すぐに自分の予感が的中したことを知る。
「サーラ様、ただいま戻りました」
懐かしいサンスクリットの声が扉の向こうから聞こえてきた。
「サンスクリット!」
サーラは扉の方へ走っていくと、勢いよく開けた。目の前に現れたのは、長旅で疲労の色は見えるものの、元気そうなサンスクリットだ。
「おかえりなさい。本当にありがとう」
サーラはサンスクリットを労う。彼は心から嬉しそうな顔をして一礼する。
「先に湯浴みしていらっしゃい。アニーサがもうすぐ来ると思うからそれから朝食にしましょう」
サーラの言葉にサンスクリットは硬い声音で応えた。
「いえ、朝早くに申し訳ないのですが、皆様を賢者の間に集めていただきたいのです。皆様へ既にキアリを通じて連絡させていただきました」
いつになく険しい彼の表情にサーラは悪い予感がした。
「おそらく賢者の間に集まっていただいている頃でしょう」
「分かったわ、わたし達も向かいましょう」
サーラは簡単に身支度を終えると、サンスクリットと共に賢者の間へと急ぐ。
サーラ達が賢者の間に辿り着いた時には、ブレイブ、リアンの2人は揃っていた。彼等も良くない事が起きているのだと察しているのか、口数は少なかった。
「朝早くにお集まりいただき、ありがとうございます。スフェールへの調査で判明したことを共有させていただきたく、皆様をお呼びいたしました」
サンスクリットは丁寧に話し始める。リアンが早くしろと急かすかと思ったが、珍しく黙ったままサンスクリットの話を待っていた。
「結論から申しますと、シュトルヴァ領は狙われています。それも大国サビアに」
サーラは息をのんだ。この大陸一の領土を誇り、唯一星蜜が採れる国。星蜜は加工の仕方によって、様々な用途に使えるため、汎用性が高く各国が欲しがっている天然資源だ。星蜜が採れるのはサビアしかない為、星蜜の輸出でかなり儲かっていた。
スフェールの鉱脈と違い、星蜜は誰でも採れるので貴重な資源を狙ってサビアを侵攻しようとした国々は多かった。サビアは襲ってくる国を返り討ちにし、傘下に収めることで領土を広げていった国である。
武力もあり、財源もある。小さな少数民族が住むシュトルヴァ領は一瞬で飲み込まれるだろう。
「サビアはスフェールに同盟を持ちかけているようです。互いの国に互いの兵を置くという条件を添えて」
「そうか、スフェールにサビア軍を置くことでこちらに侵攻しやすくしてるのか」
サンスクリットの言葉にブレイブは反応する。
「だからスフェールと同盟関係を結んでおこうってことね。でも、スフェールからしたらオレらシュトルヴァ領との仲を悪くしたくないはずじゃねぇの?」
お姫さんをわざわざ寄越すんだから、とリアンは尋ねた。
「スフェールはサビアとは同盟を結ばないようです」
「お前の様子だとスフェールは同盟を結ばないが、俺達の味方にもならないってことか」
ブレイブの言葉にサーラは苦虫を噛み潰したようだった。父は末娘であるサーラとシュトルツ族を見捨てようとしている。
「俺達の味方にならずにサビアが自国を通りすぎても何も言わない、傍観してるだけって、この争いが終わったらスフェールとシュトルツ族との関係は今より悪化するだろ? スフェールのおっさんは分かってやってんのか?」
リアンの指摘は最もだった。しかし、父が何も考えずに黙認する立場を選んだわけではないだろう。
サンスクリットは淡々と言い放った。
「スフェール王はシュトルツ族がサビアに勝てるとは思っていないからです」
彼の言葉にブレイブは視線を落とし、リアンは激怒した。
「あの野郎! オレらシュトルツ族を何だと思ってやがる!」
あいつらが宝玉を売りさばいて稼げているのは、シュトルツ族の鉱夫達がいるからだとリアンは叫ぶ。リアンの気持ちが分かるサーラは何も言えずにただ見守るしかなかった。
「恩を仇で返しやがって……!」
リアンの怒りは収まりそうになかった。ブレイブが宥め、ようやく落ち着いてきた所でサンスクリットは話を続けた。
「サーラ様、ただいま戻りました」
懐かしいサンスクリットの声が扉の向こうから聞こえてきた。
「サンスクリット!」
サーラは扉の方へ走っていくと、勢いよく開けた。目の前に現れたのは、長旅で疲労の色は見えるものの、元気そうなサンスクリットだ。
「おかえりなさい。本当にありがとう」
サーラはサンスクリットを労う。彼は心から嬉しそうな顔をして一礼する。
「先に湯浴みしていらっしゃい。アニーサがもうすぐ来ると思うからそれから朝食にしましょう」
サーラの言葉にサンスクリットは硬い声音で応えた。
「いえ、朝早くに申し訳ないのですが、皆様を賢者の間に集めていただきたいのです。皆様へ既にキアリを通じて連絡させていただきました」
いつになく険しい彼の表情にサーラは悪い予感がした。
「おそらく賢者の間に集まっていただいている頃でしょう」
「分かったわ、わたし達も向かいましょう」
サーラは簡単に身支度を終えると、サンスクリットと共に賢者の間へと急ぐ。
サーラ達が賢者の間に辿り着いた時には、ブレイブ、リアンの2人は揃っていた。彼等も良くない事が起きているのだと察しているのか、口数は少なかった。
「朝早くにお集まりいただき、ありがとうございます。スフェールへの調査で判明したことを共有させていただきたく、皆様をお呼びいたしました」
サンスクリットは丁寧に話し始める。リアンが早くしろと急かすかと思ったが、珍しく黙ったままサンスクリットの話を待っていた。
「結論から申しますと、シュトルヴァ領は狙われています。それも大国サビアに」
サーラは息をのんだ。この大陸一の領土を誇り、唯一星蜜が採れる国。星蜜は加工の仕方によって、様々な用途に使えるため、汎用性が高く各国が欲しがっている天然資源だ。星蜜が採れるのはサビアしかない為、星蜜の輸出でかなり儲かっていた。
スフェールの鉱脈と違い、星蜜は誰でも採れるので貴重な資源を狙ってサビアを侵攻しようとした国々は多かった。サビアは襲ってくる国を返り討ちにし、傘下に収めることで領土を広げていった国である。
武力もあり、財源もある。小さな少数民族が住むシュトルヴァ領は一瞬で飲み込まれるだろう。
「サビアはスフェールに同盟を持ちかけているようです。互いの国に互いの兵を置くという条件を添えて」
「そうか、スフェールにサビア軍を置くことでこちらに侵攻しやすくしてるのか」
サンスクリットの言葉にブレイブは反応する。
「だからスフェールと同盟関係を結んでおこうってことね。でも、スフェールからしたらオレらシュトルヴァ領との仲を悪くしたくないはずじゃねぇの?」
お姫さんをわざわざ寄越すんだから、とリアンは尋ねた。
「スフェールはサビアとは同盟を結ばないようです」
「お前の様子だとスフェールは同盟を結ばないが、俺達の味方にもならないってことか」
ブレイブの言葉にサーラは苦虫を噛み潰したようだった。父は末娘であるサーラとシュトルツ族を見捨てようとしている。
「俺達の味方にならずにサビアが自国を通りすぎても何も言わない、傍観してるだけって、この争いが終わったらスフェールとシュトルツ族との関係は今より悪化するだろ? スフェールのおっさんは分かってやってんのか?」
リアンの指摘は最もだった。しかし、父が何も考えずに黙認する立場を選んだわけではないだろう。
サンスクリットは淡々と言い放った。
「スフェール王はシュトルツ族がサビアに勝てるとは思っていないからです」
彼の言葉にブレイブは視線を落とし、リアンは激怒した。
「あの野郎! オレらシュトルツ族を何だと思ってやがる!」
あいつらが宝玉を売りさばいて稼げているのは、シュトルツ族の鉱夫達がいるからだとリアンは叫ぶ。リアンの気持ちが分かるサーラは何も言えずにただ見守るしかなかった。
「恩を仇で返しやがって……!」
リアンの怒りは収まりそうになかった。ブレイブが宥め、ようやく落ち着いてきた所でサンスクリットは話を続けた。
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