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第一章
第3話
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「ごめんね、リヒト。私がもっと注意していれば……」
「い、いえ」
あれから何分経ったのかは分からないが、彼にはまだ症状は出ていない。間に合うかもしれない。
「貴方には申し訳ないのだけど、今から水を吐くまで飲んで欲しいの。さっき食べたクッキーには、トリカブトという毒が入っていて放置すれば死んでしまう。だから胃の中を洗い出すのよ。苦しいけど貴方を必ず助けるわ」
私は不安そうに見上げる彼を抱き締める。
「僕はバーバラ様を信じます」
ここは愛憎渦巻く王宮だ。他人からもらった食べ物を毒見もなしに食べてはいけないのに。
水瓶を持って来た女中から器を受け取り、水を注ぐ。リヒトに渡すと、彼は一口でそれを飲んだ。
水を注いでは飲むを繰り返していくうち、彼のお腹ははち切れそうなほどに膨らんでいた。嚥下するのすら気持ちが悪いのだろう、涙を浮かべながら水を飲んでいる。
幼い頃から父に毒物の耐性を付けさせられたバーバラには、匂いと味覚で何の毒か当てる事が出来る。国王の正室にして自らの家を大きくしようとする父は、バーバラに幼少期から少量ずつ毒物を摂取させることで、王宮内での暗殺に備えていた。娘を政略結婚の道具として見ている父と娘の仲は冷え切っていた。
今ではその知識がこうやって役に立つとは、バーバラも思っていなかっただろう。
リヒトが口を押さえた。私は何も入っていない瓶を持ってきて吐かせた。どうやら胃の内容物は全て出たようだった。医者に薬を処方してもらい、リヒトは様子見することになった。
「ごめんなさい、バーバラ様。迷惑をかけてしまって……」
私はしゃがんで彼の顔を覗き込んだ。
「迷惑なものですか。貴方は何も悪くない、私の方こそ苦しい思いをさせてごめんなさい」
彼を抱き締めると小さな手を背中に回してくれた。体が小刻みに震えている。怖いのだろうか、まだ苦しいのだろうか。このまま一人には出来ないと思い、今日は私の部屋に泊まるよう言う。
「何かあったら私が助けるから」
不安にさせまいと言うと、リヒトは丸い瞳に雫を浮かべた。
◆ ◆ ◆
「カトレア様、報告がございます」
「えぇ、どうぞ」
ルシオの第二夫人であるカトレアは、着飾る事が好きだ。部屋の内装も彼女の性格を表すように豪奢なものになっている。
静かに入ってきた女中を招くと、カトレアは笑みを浮かべながら問う。
「で、どうなりましたの? うまくいったかしら」
楽しげな主の声に女中は冷静に首を横に振る。
「王太子殿下と王妃殿下も口にされましたが、毒入りだと気付いた王妃殿下により、適切な処置が行われ大事には至らなかったようです」
淡々と報告する女中とは対照的にカトレアは顔を歪めていく。
「あわよくば二人とも消えて欲しかったのに……なかなかうまくいきませんわね。バーバラが毒に敏感だとは計算外ですわ。殺し屋を雇って寝首をかくか……そうすると、足がつきやすくなるから避けたいところ。やはりここは、焦らずにバーバラでさえも葬れる毒を盛る方が良いですわね」
一人で呟くカトレアは、いつも浮かべる優しい笑みとは対照的なおぞましい笑みを作っていた。
◆ ◆ ◆
リヒトは体調が回復するまで私の部屋に泊まらせた。
「はい、リヒト。あ~ん」
林檎をうさぎの形に切った一つをリヒトの口に持っていく。恥ずかしそうに彼は顔を赤くして逸らす。
「バーバラ様、もう自分で食べられますから……」
「あらそう? 遠慮しなくて良いのよ」
「え、遠慮は……」
扉のノックする音で私とリヒトの楽しいひと時が終わった。扉越しに女中が「国王陛下がお呼びです。王妃殿下、王太子殿下」と声をかける。くそ、あいつのせいでリヒトきゅんの可愛い照れ顔を拝めないじゃないか。毒親め!
私はリヒトと共にルシオの元へ向かった。
彼を前にして形式通り挨拶をすると、いつものような冷ややかな声が頭上から振ってくる。
「何かあったようだな」
顔を上げろと、言われた通りにする。今日はルシオの隣に黒髪の男性が立っていた。柘榴のように赤い瞳を持つ彼はとても妖艶で微笑みを浮かべて私達を見ている。彼は、ルシオの幼馴染でありこの国の宰相ギルバート・モントだ。
どうして彼もいるのだろうという私の疑問に、ルシオは答えるわけもないので黙っておくことにした。
「カトレア妃からいただいた菓子を食べたら、トリカブトの毒が入っておりました」
「毒入りならそれを食べたお前らは何故生きている?」
「私には毒の耐性がありますので。王太子殿下は迅速な対応が出来たおかげで大事には至りませんでしたが、王太子殿下への暗殺容疑があります。カトレア妃を調べてください」
ルシオは鼻で笑った。
「毒に耐性があるなど嘘をつくな! お前が入れて王太子に食べさせ、カトレアのせいにしようとしているのだろう!」
絶対、私の事は信用しないってことね――。
「菓子を調べてみてはいかがですか?」
私の言葉にルシオは勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
「カトレアからサンプルを貰ったが、毒など検出されなかったぞ」
そりゃあそうでしょうよ! 本人も素直に毒入りのクッキー渡すわけないじゃん!
調べろっていうのはそういう事じゃなくて……あぁ、説明する気力も湧かない。
「カトレア妃からではなく、私の部屋や周辺も調べてくださいませ。一方の主張だけでは真実は見えてきませんもの」
「どうせお前に決まっている。カトレアに手を出したら正室であっても容赦しないぞ」
ルシオは怒鳴ると部屋を出て行った。いつもキレてばっかりだな、思春期かよ。
う~ん、どうしようかなぁ。厄介だ、なんて考えているとギルバードが近付いてきた。
「恐れ入ります。私めが王妃殿下に進言するのをお許しください」
彼は丁寧に頭を下げると、真っ赤な瞳に私を映す。
「カトレア妃には十分お気をつけくださいませ」
「何か知っているのかしら」
「立場上、詳細をお伝えする事は出来ませんが、王妃殿下のお力になれる事があればいつでもお声掛けください」
ギルバードは含みのある言い方をした。彼は一礼すると部屋を出ていく。
残された私とリヒトは黙ったままだ。カトレアへの対応を考えなくてはいけない。まずは情報収集からだろうか、などと考え込んでいるとドレスの裾を控えめに引っ張られた。
「どうかしたの?」
振り返るとリヒトが何か言いたげに私を見上げている。
「あの、今回の事で気になったことがあるんです」
「言ってごらん」
「お母様の死が不自然なんかじゃないか……って」
「い、いえ」
あれから何分経ったのかは分からないが、彼にはまだ症状は出ていない。間に合うかもしれない。
「貴方には申し訳ないのだけど、今から水を吐くまで飲んで欲しいの。さっき食べたクッキーには、トリカブトという毒が入っていて放置すれば死んでしまう。だから胃の中を洗い出すのよ。苦しいけど貴方を必ず助けるわ」
私は不安そうに見上げる彼を抱き締める。
「僕はバーバラ様を信じます」
ここは愛憎渦巻く王宮だ。他人からもらった食べ物を毒見もなしに食べてはいけないのに。
水瓶を持って来た女中から器を受け取り、水を注ぐ。リヒトに渡すと、彼は一口でそれを飲んだ。
水を注いでは飲むを繰り返していくうち、彼のお腹ははち切れそうなほどに膨らんでいた。嚥下するのすら気持ちが悪いのだろう、涙を浮かべながら水を飲んでいる。
幼い頃から父に毒物の耐性を付けさせられたバーバラには、匂いと味覚で何の毒か当てる事が出来る。国王の正室にして自らの家を大きくしようとする父は、バーバラに幼少期から少量ずつ毒物を摂取させることで、王宮内での暗殺に備えていた。娘を政略結婚の道具として見ている父と娘の仲は冷え切っていた。
今ではその知識がこうやって役に立つとは、バーバラも思っていなかっただろう。
リヒトが口を押さえた。私は何も入っていない瓶を持ってきて吐かせた。どうやら胃の内容物は全て出たようだった。医者に薬を処方してもらい、リヒトは様子見することになった。
「ごめんなさい、バーバラ様。迷惑をかけてしまって……」
私はしゃがんで彼の顔を覗き込んだ。
「迷惑なものですか。貴方は何も悪くない、私の方こそ苦しい思いをさせてごめんなさい」
彼を抱き締めると小さな手を背中に回してくれた。体が小刻みに震えている。怖いのだろうか、まだ苦しいのだろうか。このまま一人には出来ないと思い、今日は私の部屋に泊まるよう言う。
「何かあったら私が助けるから」
不安にさせまいと言うと、リヒトは丸い瞳に雫を浮かべた。
◆ ◆ ◆
「カトレア様、報告がございます」
「えぇ、どうぞ」
ルシオの第二夫人であるカトレアは、着飾る事が好きだ。部屋の内装も彼女の性格を表すように豪奢なものになっている。
静かに入ってきた女中を招くと、カトレアは笑みを浮かべながら問う。
「で、どうなりましたの? うまくいったかしら」
楽しげな主の声に女中は冷静に首を横に振る。
「王太子殿下と王妃殿下も口にされましたが、毒入りだと気付いた王妃殿下により、適切な処置が行われ大事には至らなかったようです」
淡々と報告する女中とは対照的にカトレアは顔を歪めていく。
「あわよくば二人とも消えて欲しかったのに……なかなかうまくいきませんわね。バーバラが毒に敏感だとは計算外ですわ。殺し屋を雇って寝首をかくか……そうすると、足がつきやすくなるから避けたいところ。やはりここは、焦らずにバーバラでさえも葬れる毒を盛る方が良いですわね」
一人で呟くカトレアは、いつも浮かべる優しい笑みとは対照的なおぞましい笑みを作っていた。
◆ ◆ ◆
リヒトは体調が回復するまで私の部屋に泊まらせた。
「はい、リヒト。あ~ん」
林檎をうさぎの形に切った一つをリヒトの口に持っていく。恥ずかしそうに彼は顔を赤くして逸らす。
「バーバラ様、もう自分で食べられますから……」
「あらそう? 遠慮しなくて良いのよ」
「え、遠慮は……」
扉のノックする音で私とリヒトの楽しいひと時が終わった。扉越しに女中が「国王陛下がお呼びです。王妃殿下、王太子殿下」と声をかける。くそ、あいつのせいでリヒトきゅんの可愛い照れ顔を拝めないじゃないか。毒親め!
私はリヒトと共にルシオの元へ向かった。
彼を前にして形式通り挨拶をすると、いつものような冷ややかな声が頭上から振ってくる。
「何かあったようだな」
顔を上げろと、言われた通りにする。今日はルシオの隣に黒髪の男性が立っていた。柘榴のように赤い瞳を持つ彼はとても妖艶で微笑みを浮かべて私達を見ている。彼は、ルシオの幼馴染でありこの国の宰相ギルバート・モントだ。
どうして彼もいるのだろうという私の疑問に、ルシオは答えるわけもないので黙っておくことにした。
「カトレア妃からいただいた菓子を食べたら、トリカブトの毒が入っておりました」
「毒入りならそれを食べたお前らは何故生きている?」
「私には毒の耐性がありますので。王太子殿下は迅速な対応が出来たおかげで大事には至りませんでしたが、王太子殿下への暗殺容疑があります。カトレア妃を調べてください」
ルシオは鼻で笑った。
「毒に耐性があるなど嘘をつくな! お前が入れて王太子に食べさせ、カトレアのせいにしようとしているのだろう!」
絶対、私の事は信用しないってことね――。
「菓子を調べてみてはいかがですか?」
私の言葉にルシオは勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
「カトレアからサンプルを貰ったが、毒など検出されなかったぞ」
そりゃあそうでしょうよ! 本人も素直に毒入りのクッキー渡すわけないじゃん!
調べろっていうのはそういう事じゃなくて……あぁ、説明する気力も湧かない。
「カトレア妃からではなく、私の部屋や周辺も調べてくださいませ。一方の主張だけでは真実は見えてきませんもの」
「どうせお前に決まっている。カトレアに手を出したら正室であっても容赦しないぞ」
ルシオは怒鳴ると部屋を出て行った。いつもキレてばっかりだな、思春期かよ。
う~ん、どうしようかなぁ。厄介だ、なんて考えているとギルバードが近付いてきた。
「恐れ入ります。私めが王妃殿下に進言するのをお許しください」
彼は丁寧に頭を下げると、真っ赤な瞳に私を映す。
「カトレア妃には十分お気をつけくださいませ」
「何か知っているのかしら」
「立場上、詳細をお伝えする事は出来ませんが、王妃殿下のお力になれる事があればいつでもお声掛けください」
ギルバードは含みのある言い方をした。彼は一礼すると部屋を出ていく。
残された私とリヒトは黙ったままだ。カトレアへの対応を考えなくてはいけない。まずは情報収集からだろうか、などと考え込んでいるとドレスの裾を控えめに引っ張られた。
「どうかしたの?」
振り返るとリヒトが何か言いたげに私を見上げている。
「あの、今回の事で気になったことがあるんです」
「言ってごらん」
「お母様の死が不自然なんかじゃないか……って」
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