1 / 1
始まり
しおりを挟む
遠い昔の話だが海と空と大地はひとつだった。
海を泳げば空へ行き、空を飛べば大地を蹴ることが出来た。
暫くして大地に生まれた生き物たちを守るために大地は空と海を自分から離した、海も空も反対はしなかった。
大地は深い愛を持って生き物たちを愛したが、その愛が聞こえず届くこともなかった。
パタン
「しっかしまぁなんだ、大地とやらは哀れだねぇ」
図書館なかの陽の当たる椅子に座った男は古くくたびれた本を閉じて呟いた。
男の周りには血の海ができている。
「ちょっとバルカナやりすぎよ、残しとけって言われたじゃない」
男の方に歩いてくる女がそういった、女はこの場所には合わない淡いピンク色のミニドレスを纏い銀色の髪をハーフアップでまとめていたが片手には若い男の首を持っていた。
「ハハッ悪いねつい盛りあがってしまったよ」
悪びれることも無く男は笑った、女は深いため息をついたあと男に指示をし図書館の片付けだと爆弾をいくつか配置して図書館を消した。
これがつい2日前この街で起こった悲劇だ。
爆破音を聞き付けて街の人が図書館の方へ行くと図書館は跡形もなく消えていた。
犯人を探そうにも既に姿はなく愛する人をなくした人々の悲しみがこだまして響いていた。
文学の街リレタには世界の全てが本になり図書館に揃っていた、禁止書籍の倉庫や武器の設計図、麻薬の辞典などありとあらゆるものがリレタに集まる。
その図書館が爆破されたとなれば警察や陸軍、別種族のもの達まで騒ぎたっていた。
僕は図書館があった跡地で座り込んでいた。
「おい、ヲルどうすんだ」
話しかけてきたのは同い年の少年でいつも僕を気にかけてくれる。
「タクト、、、どうするもこうするも無理だよ、母様も父様も死んだんだ」
爆破に巻き込まれた父と母を想い僕はまだたちなおれないでいた。
「、、、旅に出ないか」
タクトがぼそりと呟いた言葉に耳を疑った
「何言ってるんだよ、、、むりにきまつてるじゃんか
そもそも僕らはまだ子供なんだ」
震える声で話したが伝わったようで、でもタクトは真剣な眼差しでこちらを見ていた
「嘘じゃねぇさ、何かが起こる気がするんだ」
タクトの予感は外れたことが無い、そしてタクトの提案はその違和感を打開する1番の得策なのだ。
「だからって、僕は」
言いかけた言葉を被せるようにタクトは続けた
「俺は夢がある、笑われたって構いやしないが空へ行きたい。
だからいずれ俺はこの街を出る」
真剣に前を見て話すタクトは悲しい目をしていた。
それからしばらく勧誘は続いた、
結論からゆうと負けた、あいつの熱意が凄すぎた、だからちょっとうなずいたんだ、、頷いただけだったんだ、、、
「だからヲル、俺は親友を連れていきたい、いや連れていく」
「えっ!?うわぁ!!」
ヒョイっと僕を持ち上げるとタクトは笑って「誘拐だ」といった。
こうして僕とタクトの冒険は始まった。
━━━━━━━━━━━━━━━
ヲル
図書館の司書をしていた夫婦の息子
今回の爆発で両親を亡くす
生まれはこの街ではないが物心ついた時からリレタに住んでいる。
この度「誘拐」された
タクト
ヲルを誘拐した本人
空に強い憧れを抱いている
本人曰く「ヲルは元々連れていくつもりだった」
ヲルよりも遥かにガタイがいい
バルカナ
体格のいい男
謎の女
海を泳げば空へ行き、空を飛べば大地を蹴ることが出来た。
暫くして大地に生まれた生き物たちを守るために大地は空と海を自分から離した、海も空も反対はしなかった。
大地は深い愛を持って生き物たちを愛したが、その愛が聞こえず届くこともなかった。
パタン
「しっかしまぁなんだ、大地とやらは哀れだねぇ」
図書館なかの陽の当たる椅子に座った男は古くくたびれた本を閉じて呟いた。
男の周りには血の海ができている。
「ちょっとバルカナやりすぎよ、残しとけって言われたじゃない」
男の方に歩いてくる女がそういった、女はこの場所には合わない淡いピンク色のミニドレスを纏い銀色の髪をハーフアップでまとめていたが片手には若い男の首を持っていた。
「ハハッ悪いねつい盛りあがってしまったよ」
悪びれることも無く男は笑った、女は深いため息をついたあと男に指示をし図書館の片付けだと爆弾をいくつか配置して図書館を消した。
これがつい2日前この街で起こった悲劇だ。
爆破音を聞き付けて街の人が図書館の方へ行くと図書館は跡形もなく消えていた。
犯人を探そうにも既に姿はなく愛する人をなくした人々の悲しみがこだまして響いていた。
文学の街リレタには世界の全てが本になり図書館に揃っていた、禁止書籍の倉庫や武器の設計図、麻薬の辞典などありとあらゆるものがリレタに集まる。
その図書館が爆破されたとなれば警察や陸軍、別種族のもの達まで騒ぎたっていた。
僕は図書館があった跡地で座り込んでいた。
「おい、ヲルどうすんだ」
話しかけてきたのは同い年の少年でいつも僕を気にかけてくれる。
「タクト、、、どうするもこうするも無理だよ、母様も父様も死んだんだ」
爆破に巻き込まれた父と母を想い僕はまだたちなおれないでいた。
「、、、旅に出ないか」
タクトがぼそりと呟いた言葉に耳を疑った
「何言ってるんだよ、、、むりにきまつてるじゃんか
そもそも僕らはまだ子供なんだ」
震える声で話したが伝わったようで、でもタクトは真剣な眼差しでこちらを見ていた
「嘘じゃねぇさ、何かが起こる気がするんだ」
タクトの予感は外れたことが無い、そしてタクトの提案はその違和感を打開する1番の得策なのだ。
「だからって、僕は」
言いかけた言葉を被せるようにタクトは続けた
「俺は夢がある、笑われたって構いやしないが空へ行きたい。
だからいずれ俺はこの街を出る」
真剣に前を見て話すタクトは悲しい目をしていた。
それからしばらく勧誘は続いた、
結論からゆうと負けた、あいつの熱意が凄すぎた、だからちょっとうなずいたんだ、、頷いただけだったんだ、、、
「だからヲル、俺は親友を連れていきたい、いや連れていく」
「えっ!?うわぁ!!」
ヒョイっと僕を持ち上げるとタクトは笑って「誘拐だ」といった。
こうして僕とタクトの冒険は始まった。
━━━━━━━━━━━━━━━
ヲル
図書館の司書をしていた夫婦の息子
今回の爆発で両親を亡くす
生まれはこの街ではないが物心ついた時からリレタに住んでいる。
この度「誘拐」された
タクト
ヲルを誘拐した本人
空に強い憧れを抱いている
本人曰く「ヲルは元々連れていくつもりだった」
ヲルよりも遥かにガタイがいい
バルカナ
体格のいい男
謎の女
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした
猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。
聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。
思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。
彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。
それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。
けれども、なにかが胸の内に燻っている。
聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。
※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
「聖女はもう用済み」と言って私を追放した国は、今や崩壊寸前です。私が戻れば危機を救えるようですが、私はもう、二度と国には戻りません【完結】
小平ニコ
ファンタジー
聖女として、ずっと国の平和を守ってきたラスティーナ。だがある日、婚約者であるウルナイト王子に、「聖女とか、そういうのもういいんで、国から出てってもらえます?」と言われ、国を追放される。
これからは、ウルナイト王子が召喚術で呼び出した『魔獣』が国の守護をするので、ラスティーナはもう用済みとのことらしい。王も、重臣たちも、国民すらも、嘲りの笑みを浮かべるばかりで、誰もラスティーナを庇ってはくれなかった。
失意の中、ラスティーナは国を去り、隣国に移り住む。
無慈悲に追放されたことで、しばらくは人間不信気味だったラスティーナだが、優しい人たちと出会い、現在は、平凡ながらも幸せな日々を過ごしていた。
そんなある日のこと。
ラスティーナは新聞の記事で、自分を追放した国が崩壊寸前であることを知る。
『自分が戻れば国を救えるかもしれない』と思うラスティーナだったが、新聞に書いてあった『ある情報』を読んだことで、国を救いたいという気持ちは、一気に無くなってしまう。
そしてラスティーナは、決別の言葉を、ハッキリと口にするのだった……
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
真実の愛のおつりたち
毒島醜女
ファンタジー
ある公国。
不幸な身の上の平民女に恋をした公子は彼女を虐げた公爵令嬢を婚約破棄する。
その騒動は大きな波を起こし、大勢の人間を巻き込んでいった。
真実の愛に踊らされるのは当人だけではない。
そんな群像劇。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる