チートが無いのに聖女様~なぜだか囲まれてます~

深郷由希菜

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出発、そして

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その後は必要な分の買い物をして、馬車での移動を開始することになったけれど・・・

「敵襲!」

グルル、と獣の声がして、慌てて馬車を降りる私たち。

狼に似た魔物だというブラックウルヴー、そのまんまだね。が5頭、敵意むき出しで私たちを見ていた。

もちろん勇者が近距離、ファルゴットさんは遠距離で攻撃するんだけど、私は一応ヒーラーなので戦闘には向かない。

安全な場所に御者さんと一緒に逃げて、おろおろしている私の出番があまりないので、今度戦闘できるように初級魔法教えてもらおうかな?

と思っていたら、勇者が噛まれて倒れてしまった。

「ルルーナ殿!」

「はーい!」

自らの近くにいないと使えないヒールと、エリアヒールでなんとか回復させようとするけれど、ウルヴズ(複数だと伸ばし棒はいらなくなるみたい)は回復を待ってはくれない。

私たちを庇って、どんどん回復以上に怪我を負っていくファルゴットさん。

それを見ていられなくて、私は叫んだ。

「聖女なのに守れないなんて、聖女にした神様なんかダメ神だーーーーー!!」

天に向かってのそれに反応してキィィ、と音を出して発光し始めたバレッタ。

その光があまりにも眩しくて、目を閉じるしかなくなってしまった。








光が落ち着くと、私が触れていた勇者も、近くにあったあの眩しい頭も、そしてもちろん敵の狼たちもいなくなった。

それどころか、周りは一面の白。

あの服屋よりもさらに白く、足元はまるで雲の上にいるような感じ。

あれ、ひょっとしてここ、前世で見た・・・?

「あ、気づいちゃった感じ?どうもー、初めましてって言うか、俺が一方的に知っちゃってるっつーか?」

笑顔で近づいてくる男は、私の胡散臭そう、という気持ちを表した表情を見ても特に何とも思わないのか、そう言ってきた。

だって茶色のツンツン頭にサングラス、服装は派手すぎてチカチカしそうなくらいの信号カラー(緑じゃなくて青だけど)を使った色彩の暴力が私の目に飛び込んでくる。

上下がセットになっているけれど、どっちも同じドぎつい迷彩柄なので仕方なくその人の顔を見る。

「ま、わかってると思うけど、俺っちさっき君にダメ扱いされた神様なんでシクヨロー」

えっ、そうだと思ったけど、チャラい。なんで神様がコレなの?

「えー、そこまで酷いこと言われたの俺っち初めてすぎてドキがムネムネしちゃうかもしれない?もしかしてこれが恋?」

ハイテンションが鬱陶うっとうしい。あとそれは恋じゃない。断じて恋であるものか。

「あー、バッサリ言われちったー。なじみのありそうな格好で好感度上げる作戦大しっぱーい」

やっちまった☆という感じの神様。私の白けた表情に気づいて、苦笑したと思ったら、服装を変えた。
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