チートが無いのに聖女様~なぜだか囲まれてます~

深郷由希菜

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お買い物とか準備とか

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まず最初に来たのは、建物の外観から既に平民の私には敷居の高そうな服屋。

白く汚れのない外壁、窓ガラスも黒枠でふち取られたおしゃれというかクラシックな感じに一つの窓を6個の正四角形に区切ってあるものが並んで。

ここ、向こうの世界にありそうな感じがする・・・。

そこへ平然と入って行く勇者と、続いて入ろうとして私を手招きしてくるファルゴットさん。

連れられて入ると、ゴージャスなのにシックな、壁と同じ色を基調とした明るい店内。

上から吊られているのはシャンデリアのようなもの。でも電気が通ってるわけじゃないから、また違うんだろう。

・・・後で教えてもらったところによると、それぞれの属性に適性のある石に魔力を溜めておくと明かりになったりランタンの燃料になったりするらしい。

なるほど。

ちなみに、属性は火・水・風・土・雷・光・闇・空間の8個。

勇者は主に光・風・雷。

ファルゴットさんは火・水・土。

私は光しかわかってないけど、魔力の大きさから言ってせいぜいがあと1つくらいだろうとは言われている。

でしょうね、というか大きさうんぬんだけ言ってきた勇者はいつか殴りたいわ。

とか考えている間に、私は店員によって着せ替え人形のようになりながらもああでもないこうでもないと服を吟味されている。

そしてできあがったのは、私の人生で一番豪華な、それでいて平民でも着こなせる程度の装飾のされたとても着心地いい洋服を着た女の子だった。

聖女ってよく見ていた話だと教会とかから選出されたりするものだけれど、今回の私は平民の、教会とか関係ない人間だから格式ばったものはしないらしい。

ただし、この世界では十字架を付けるのが聖女みたいで、胸元からネックレスを下げているのは仕方ないけれど。

オレンジ色の半袖ワンピースみたいな形の服に白い襟(つけ襟?)があって、普段はおとなしいスカートだけどくるりと1回転すればふわりと、まるでドレスみたいに広がるのはテンション上がった。

店員によれば長袖にすることも可能らしく、白いレースのついた袖口の裏面にはボタンがついていて、半袖状態にするときはオシャレにもなるとか。

そしてそのボタンを付ける部分の相方はそのままアームカバーとしても使えるように両側をゴムで伸縮性を持たせた状態になっていて、ボタンを掛ける穴が別途2か所分取り付けられている感じ。

もちろん、アームカバーにするときは折り込んでしまえばわからない。という話だった。

「おや、髪留めもセットで?」

「だめ?」

「いや、そういう意味ではないのです。かわいらしい形状のものだなと思ったので」

もっとかわいくなると勧められた髪留めの中で、なんだか私に買ってほしそうな気がしたものを手に取った。

それは真珠みたいに白くて丸い、サイズ違いの小さな球体が中央に2つある黄緑色の幅広くちょうちょ結びになっているリボンのバレッタ。

ちなみにワンピースの後ろ、スカート部分のすぐ上の部分にもワンピースと同じ色のとても大きなリボンがちょうちょ結びになっている。

蝶モチーフなのかな?

結局丸ごとお買い上げしていたけれど、結構高かったんじゃないかな?
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