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1章
5 特産品 5
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大河から現れた怪獣が上陸する。
ずんぐりした二足歩行の竜。尾と首は長く、全身に黄色い線がじぐざぐに走っている。
上陸するや、怪獣は全身から電撃を放った!
稲妻が怪獣の周囲を焼き、地面から煙があがる。
怪獣はそのまま真っすぐガイ達の方へ歩いてきた。
進路上にはカサカ村があるが、お構いなく!
「クソッ、こうなったら‥‥!」
ガイはイムを肩に乗せたまま走り、Bダガーハウンドへ再び乗り込んだ。
足元で逃げ惑う村人や難民達を飛び越えて走る。
村の横手へ回り込み、そして離れようと。怪獣を人のいない所へ誘導しようと。
目論見は上手く行った。怪獣は犬頭の人造巨人を追ってきたのだ。
しかし予想してないハプニングもまた一つ——
「このまま行けば山の方ね。そこで迎え撃つの?」
操縦席の後ろからかかる声。
驚きながら振り向くガイは、座席の後ろで屈んでいるミオンと目が合う。
「なんで乗ってるの!?」
「魔王軍が出て来たから、邪魔にならない所に隠れるべきかと思って。でも降りそびれてしまったわね」
ミオンも少々困惑しているようだ。
(マジかよ‥‥)
困りはしたが、安全を心がけたミオンに文句も言い難い。やむなくガイは気持ちを切り替え、勝って生き残ろうと決意した。
まずは敵のデータをモニターに出す。
>
サンダーブロント
ファイティングアビリティ:150
ウェポンズアビリティ:110
スピードアビリティ:90
パワーアビリティ:130
アーマードアビリティ:140
>
「接近戦じゃ勝てないな‥‥」
苦々しく呟くガイ。
Bダガーハウンドは陸地での移動速度に優れる反面、戦闘力そのものは低めだ。射程も長くはない。
相手を引き離して山裾の岩場まで逃げて来たものの、迎え撃っても潰されるだけだろう。
というわけでガイはまたイムに頼んだ。
「すまねぇ。今度も強化装甲を出してくれないか?」
「?」
「ほら、あれ。渦から花びらがパーッと出てきてケイオス・ウォリアーの鎧になるヤツ」
「!」
ガイの必死の説明が通じたらしく、イムがふわりと宙に浮き、翅を輝かせた。
ダガーハウンドの前方に虹色の渦が生じ、そこから薄紫の花吹雪が吹き付けた。
犬頭の機体は緑と紫の追加装甲をその身に纏う。
頭には月桂樹の冠がごとく輪を被り、胸部装甲にはベラドンナの花のような模様が彫られていた。
>
パンドラハウンド
ファイティングアビリティ:130
ウェポンズアビリティ:130
スピードアビリティ:140
パワーアビリティ:120
アーマードアビリティ:120
>
(近接か遠隔か、得意レンジの分かり難い機体だな。武器は‥‥)
自機のデータを確認するガイ。
そこである事に気づき、敵のデータを再確認した。
そしてガイは、さらに機体を走らせる!
「ガイ? 山の中へはいっちゃうわよ?」
ミオンは疑問に思ったようだが、ガイは木立の間へ機体を走らせた。
追ってきた怪獣サンダーブロントは山に踏み込んだ所で難儀し出した。
巨体と重量のせいで、山中では移動だけで手間取るのだ。
そしてその巨体を、不可視の衝撃波が激しく撃った!
森を見下ろす岩場まで既に登っていたパンドラハウンド‥‥その腰部両サイドにある超音波砲からの攻撃である。
怒りに吠え、怪獣は電撃を周囲に放った。
だが届かない。自己の周りをくまなく攻撃する放電は、どちらかというと近距離の武器なのだ。
やむなく怪獣は邪魔な木を蹴り倒しながら前進する。
しかしハウンドは俊敏に走った。岩場や段差もなんのその、時に四足歩行で走りながら急斜面も一気に駆け上る。この機体は地上であればどんな地形でも走る事ができた。
そうしながら攻撃は止まない。
腰部の超音波砲は可動範囲が広く、手足とは独立して動き、高速移動しながらの攻撃を可能としていた。
移動と遠距離攻撃の両立‥‥それこそがこの機体の特徴だったのだ。
データを確認したガイはそれを知り、敵がパワーはあるが近距離でしか戦えない事を知り、敵の射程内に踏み込まない戦法をとったのである。
崖にへばりつきながら怪獣が腕を振り回す。金色に光りながら放電する拳が一撃当たれば形勢はひっくり返るだろう。
だが拳は崖を打つのみ。
常に足を止めないハウンドは、その時には下の川岸まで跳び下りていたのだ。
「デッドハウリング!」
「がおー!」
ガイが叫びイムも続く。
ガイの全身が異界流の輝きを薄っすらと帯び、機体が口を開け、そこからも超音波が放たれた。三重の破壊音波が怪獣の体表で収束する。
怪獣が身を捩り、咆哮し‥‥その表皮が爆ぜ割れた!
断末魔をあげて崖から落ちるサンダーブロント。崩れた土砂がその体を打ちのめす。地面に叩きつけられ、怪獣は二度と動かなくなった。
ふう、と一息ついてガイは汗を拭う。
肩のイムへ目を向け、ふっと笑いかけた。
「ありがとさん。いつもホント助かる」
照れくさそうに笑い、両掌を頬にあてるイム。
「凄い‥‥」
そんな二人を、そして倒された怪獣を見て、ミオンは呆然と呟いた。
ずんぐりした二足歩行の竜。尾と首は長く、全身に黄色い線がじぐざぐに走っている。
上陸するや、怪獣は全身から電撃を放った!
稲妻が怪獣の周囲を焼き、地面から煙があがる。
怪獣はそのまま真っすぐガイ達の方へ歩いてきた。
進路上にはカサカ村があるが、お構いなく!
「クソッ、こうなったら‥‥!」
ガイはイムを肩に乗せたまま走り、Bダガーハウンドへ再び乗り込んだ。
足元で逃げ惑う村人や難民達を飛び越えて走る。
村の横手へ回り込み、そして離れようと。怪獣を人のいない所へ誘導しようと。
目論見は上手く行った。怪獣は犬頭の人造巨人を追ってきたのだ。
しかし予想してないハプニングもまた一つ——
「このまま行けば山の方ね。そこで迎え撃つの?」
操縦席の後ろからかかる声。
驚きながら振り向くガイは、座席の後ろで屈んでいるミオンと目が合う。
「なんで乗ってるの!?」
「魔王軍が出て来たから、邪魔にならない所に隠れるべきかと思って。でも降りそびれてしまったわね」
ミオンも少々困惑しているようだ。
(マジかよ‥‥)
困りはしたが、安全を心がけたミオンに文句も言い難い。やむなくガイは気持ちを切り替え、勝って生き残ろうと決意した。
まずは敵のデータをモニターに出す。
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サンダーブロント
ファイティングアビリティ:150
ウェポンズアビリティ:110
スピードアビリティ:90
パワーアビリティ:130
アーマードアビリティ:140
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「接近戦じゃ勝てないな‥‥」
苦々しく呟くガイ。
Bダガーハウンドは陸地での移動速度に優れる反面、戦闘力そのものは低めだ。射程も長くはない。
相手を引き離して山裾の岩場まで逃げて来たものの、迎え撃っても潰されるだけだろう。
というわけでガイはまたイムに頼んだ。
「すまねぇ。今度も強化装甲を出してくれないか?」
「?」
「ほら、あれ。渦から花びらがパーッと出てきてケイオス・ウォリアーの鎧になるヤツ」
「!」
ガイの必死の説明が通じたらしく、イムがふわりと宙に浮き、翅を輝かせた。
ダガーハウンドの前方に虹色の渦が生じ、そこから薄紫の花吹雪が吹き付けた。
犬頭の機体は緑と紫の追加装甲をその身に纏う。
頭には月桂樹の冠がごとく輪を被り、胸部装甲にはベラドンナの花のような模様が彫られていた。
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パンドラハウンド
ファイティングアビリティ:130
ウェポンズアビリティ:130
スピードアビリティ:140
パワーアビリティ:120
アーマードアビリティ:120
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(近接か遠隔か、得意レンジの分かり難い機体だな。武器は‥‥)
自機のデータを確認するガイ。
そこである事に気づき、敵のデータを再確認した。
そしてガイは、さらに機体を走らせる!
「ガイ? 山の中へはいっちゃうわよ?」
ミオンは疑問に思ったようだが、ガイは木立の間へ機体を走らせた。
追ってきた怪獣サンダーブロントは山に踏み込んだ所で難儀し出した。
巨体と重量のせいで、山中では移動だけで手間取るのだ。
そしてその巨体を、不可視の衝撃波が激しく撃った!
森を見下ろす岩場まで既に登っていたパンドラハウンド‥‥その腰部両サイドにある超音波砲からの攻撃である。
怒りに吠え、怪獣は電撃を周囲に放った。
だが届かない。自己の周りをくまなく攻撃する放電は、どちらかというと近距離の武器なのだ。
やむなく怪獣は邪魔な木を蹴り倒しながら前進する。
しかしハウンドは俊敏に走った。岩場や段差もなんのその、時に四足歩行で走りながら急斜面も一気に駆け上る。この機体は地上であればどんな地形でも走る事ができた。
そうしながら攻撃は止まない。
腰部の超音波砲は可動範囲が広く、手足とは独立して動き、高速移動しながらの攻撃を可能としていた。
移動と遠距離攻撃の両立‥‥それこそがこの機体の特徴だったのだ。
データを確認したガイはそれを知り、敵がパワーはあるが近距離でしか戦えない事を知り、敵の射程内に踏み込まない戦法をとったのである。
崖にへばりつきながら怪獣が腕を振り回す。金色に光りながら放電する拳が一撃当たれば形勢はひっくり返るだろう。
だが拳は崖を打つのみ。
常に足を止めないハウンドは、その時には下の川岸まで跳び下りていたのだ。
「デッドハウリング!」
「がおー!」
ガイが叫びイムも続く。
ガイの全身が異界流の輝きを薄っすらと帯び、機体が口を開け、そこからも超音波が放たれた。三重の破壊音波が怪獣の体表で収束する。
怪獣が身を捩り、咆哮し‥‥その表皮が爆ぜ割れた!
断末魔をあげて崖から落ちるサンダーブロント。崩れた土砂がその体を打ちのめす。地面に叩きつけられ、怪獣は二度と動かなくなった。
ふう、と一息ついてガイは汗を拭う。
肩のイムへ目を向け、ふっと笑いかけた。
「ありがとさん。いつもホント助かる」
照れくさそうに笑い、両掌を頬にあてるイム。
「凄い‥‥」
そんな二人を、そして倒された怪獣を見て、ミオンは呆然と呟いた。
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