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2章
23 皇女の帰還 6
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――ケイト帝国首都・ヨンアン――
かつて大陸三大国の首都だった都を囲む、巨大で長大な防壁。そこに設けられた巨大で堅固な門。
文化と権力を永遠に守るその門の前は、今、地獄となっていた。
攻める敵によって。守ろうとする兵士達にとって。
押し寄せる敵からの砲撃を食らい、防衛部隊のケイオス・ウォリアーの肩が爆発。腕が地面に転がった。
「だ、駄目だ! やられる!」
「撤退しろ! 急げ!」
悲鳴をあげる操縦者に隣にいる機体の兵士が叫ぶ。大門の脇の小門に破損した機体が逃げ込み、その背中を味方機が守ろうとした。
だがその味方機も半壊しており、簡易修理でなんとか動かしている有様だ。
そもそも無傷の機体など防衛側には無い。全損する前になんとか都へ逃げ込み、動くようにしては再出撃する――そんな無茶を続けてなんとか都を守っていた。
それも限界が近い。撃墜されて動かなくなった機体が、数えるのも面倒なほど防壁の周りに倒れているのだ。
『ヒャッハー! 燃えろ燃えろー!』
魔王軍残党の機体から通信機越しに愉悦の叫びが届いた。かつてケイト帝国を崩壊させた憎き侵略者どもは、人類の決死の攻撃で壊滅した筈なのに……生き残りどもがまたこうして攻めて来たのである。
最も普及している量産型の巨人戦士機・Bソードアーミーの操縦席で兵士が歯軋りした。
「クソッ、天下の央たるケイトが……途絶えてたまるか!」
ケイト本国・都の周辺にある村から上京し、兵士となって幾年。妻も子も友人もいる彼にとって首都は人生そのものだ。退路は無い。敵を退けて生き延びる以外の選択肢は無いのである。
修理を終えた味方機の一つが小門から出て来た。虫頭の重装甲砲撃機・Bカノンピルバグだ。
「戻ったぞ! 大丈夫か」
「ああ、まだやれる」
互いに名も知らぬ一兵士同士が肩を並べ、敵へ必死の反撃を撃ち込む。
だが敵軍からの砲撃も激しい。下級の魔物兵の不快な声がまた通信機から響いた。
『ヒャッハー! 今日は祭りだ血祭だー!』
「おのれ……!」
怒りを込めた矢と砲弾が敵機に命中。爆発!
『ギャース!』
「どうだ!」
吹き飛ぶ敵量産機を見て、兵士は高揚して叫んだ。
だがしかし。
直後、巨大な熱の奔流が地面に突き刺さる!
悲鳴とともに味方のカノンピルバグが爆発した。兵士のソードアーミーも衝撃で地面を転がる。
「く、くそう……」
泣きそうな声を漏らしてモニターを見る兵士。
そこに映っているのは、並みのケイオス・ウォリアーより頭一つ以上大きな、身長20メートルを超える光り輝く怪獣。
結晶のような鱗の二足歩行竜だった。
魔王軍残党だけにここまで追い込まれたりはしない。いくら崩壊前に遠く及ばないとはいえ、ケイトの首都を守る軍が蹴散らされたりはしない。
だがこの奇怪な魔竜はケタ違いだった。魔王軍残党とともに現れたのだから奴らの兵器なのだろうが、パワー・タフネス・破壊力……怪物という言葉はこの魔竜のためにあったのだ。
だがその魔竜を金属球が打ちのめす!
牛頭の白銀級機・Sメテオミノタウロスが魔竜に挑んだのだ。他にも数機のお供を連れて。
兵士は希望と……そして悔しさを籠めて彼らを見る。彼らは異国から来たレジスタンス【リバーサル】のリーダーとその側近。壊滅したケイト軍に代わり今の帝国を守ってくれる守護者なのだ。
魔竜が全身から何度も熱線を放つ。それを食らって【リバーサル】の精鋭達も一機、また一機と倒れていった。
だが彼らの攻撃も魔竜の体を穿ち、次第に削り……ミノタウロス型リーダー機の鎖鉄球が頭を砕いた。
「やった! 撃破だ!」
歓声の中、魔竜の巨体が倒れる。
「か、勝った……」
放心気味の声を漏らす兵士。
(どうしても彼らに頼らなければならないんだな……)
半数になりながらも勝利した【リバーサル】の精鋭を見て、彼の中に残念な気持ちはわいたが、安堵があるのも本当だった。
しかし……魔王軍残党どもは引き上げない。
大地が揺れ、裂け、巨大な咆哮が響き……土中から再び魔竜が姿を現す!
「もう一匹いるだと!?」
「そ、そんな……」
味方の軍から絶望の声が漏れた。
兵士は思い出した。旧ケイト帝国圏内の各地で、巨大な魔竜が人里や流通路に甚大な被害を与えている事を。
この怪物が一匹では無い事を、わかっていなければならなかったのだ。
だが兵士の手は動いてくれなかった。そこに伝えるべき闘志がもはや無かった。
湧き上がる思いはただ一つ。
(もう駄目だ……)
意思をなくした兵士の目は、迫る侵略者どもとその後ろで吠える魔竜を映してはいた。
敵の哄笑や咆哮が通信機ごしに聞こえてはいた。
『まだだ! まだ終わってねぇ!』
そう叫ぶ【リバーサル】リーダーの声も。
それらが彼の闘志を蘇らせる事は無かったが。
しかし絶望の淵の中、凛と響く女の声が一つ!
『ブレイズプラズマーー!!』
モニターの戦場MAPに新たな機影が映っている事に気付いた時、戦場を幾条もの熱線が走った。
熱線は魔王軍残党の機体を次々と打つ!
「な、なんだあの機体!?」
うろたえる味方の声。
兵士は見た。
新たに現れた機体は二足歩行のテントウムシのような重装甲機である事。
その隣にはもう一機、胸に獅子の顔をもつ有翼の戦士機がいる事を。
『ガイ! 今だ』
凛と響く女の声。そして続く、無機質に何かを読み上げる声。
『レイニーウェザー。サンダークラウド』
【レイニーウェザー】大気領域第4レベルの呪文。暗雲を召喚し、雨を降らせる。
【サンダークラウド】大気領域6レベルの攻撃呪文。雷雲が頭上に生じ、そこからの落雷が範囲内の敵を一掃する。
そして力強く響く青少年の声!
『合成発動……サンダーストーム!!』
雷鳴が轟いた! 天を見上げれば黒雲が立ち込めていた。
雨が降る。突然に、大量の雨が。
そして雷が鳴った。幾条もの雷が降り注ぎ、雨の中を荒れ狂う!
雷は雲の下にいた魔王軍残党の機体を撃ち抜いた。あちこちで起こる激しい爆発。そして水浸しになった地面を伝わり、雷を受けなかった機体を下から焼いた。
天にも地にも逃げ場無し。黒雲の下にあるのは暴風と雷雨、そして爆発、絶命する者達の断末魔!
兵士は知った。
眼前で焼き払われる敵に比べれば、先刻までの己の絶望など、温い陽だまりの中も同然だったのだと。
実際にはほんの数分の事だったろう。雷雨が止んだ。
濡れた大地の上に煙をあげる無数の残骸。その中に動くのは魔竜のみ。
だが全身が砕け、もはや吠える事さえできない。弱々しくかろうじて緩慢に動くだけだ。
次の瞬間、その頭部が熱線によって砕き散らされた。
2機のケイオス・ウォリアーが煙の立ち昇る大地を歩いて来る。背後にはゾウムシ型の運搬機が一機。
「なんなんだ、あれは……」
己らの救世主を呆けながら見る兵士の口から漏れたのは、およそ感謝や喜びとは程遠い言葉だった。
ゾウムシの運搬機から通信が響き渡る。
『ケイト帝国の第一皇女シャンリー=ダーが、今帰還しました。開門なさい』
かつて大陸三大国の首都だった都を囲む、巨大で長大な防壁。そこに設けられた巨大で堅固な門。
文化と権力を永遠に守るその門の前は、今、地獄となっていた。
攻める敵によって。守ろうとする兵士達にとって。
押し寄せる敵からの砲撃を食らい、防衛部隊のケイオス・ウォリアーの肩が爆発。腕が地面に転がった。
「だ、駄目だ! やられる!」
「撤退しろ! 急げ!」
悲鳴をあげる操縦者に隣にいる機体の兵士が叫ぶ。大門の脇の小門に破損した機体が逃げ込み、その背中を味方機が守ろうとした。
だがその味方機も半壊しており、簡易修理でなんとか動かしている有様だ。
そもそも無傷の機体など防衛側には無い。全損する前になんとか都へ逃げ込み、動くようにしては再出撃する――そんな無茶を続けてなんとか都を守っていた。
それも限界が近い。撃墜されて動かなくなった機体が、数えるのも面倒なほど防壁の周りに倒れているのだ。
『ヒャッハー! 燃えろ燃えろー!』
魔王軍残党の機体から通信機越しに愉悦の叫びが届いた。かつてケイト帝国を崩壊させた憎き侵略者どもは、人類の決死の攻撃で壊滅した筈なのに……生き残りどもがまたこうして攻めて来たのである。
最も普及している量産型の巨人戦士機・Bソードアーミーの操縦席で兵士が歯軋りした。
「クソッ、天下の央たるケイトが……途絶えてたまるか!」
ケイト本国・都の周辺にある村から上京し、兵士となって幾年。妻も子も友人もいる彼にとって首都は人生そのものだ。退路は無い。敵を退けて生き延びる以外の選択肢は無いのである。
修理を終えた味方機の一つが小門から出て来た。虫頭の重装甲砲撃機・Bカノンピルバグだ。
「戻ったぞ! 大丈夫か」
「ああ、まだやれる」
互いに名も知らぬ一兵士同士が肩を並べ、敵へ必死の反撃を撃ち込む。
だが敵軍からの砲撃も激しい。下級の魔物兵の不快な声がまた通信機から響いた。
『ヒャッハー! 今日は祭りだ血祭だー!』
「おのれ……!」
怒りを込めた矢と砲弾が敵機に命中。爆発!
『ギャース!』
「どうだ!」
吹き飛ぶ敵量産機を見て、兵士は高揚して叫んだ。
だがしかし。
直後、巨大な熱の奔流が地面に突き刺さる!
悲鳴とともに味方のカノンピルバグが爆発した。兵士のソードアーミーも衝撃で地面を転がる。
「く、くそう……」
泣きそうな声を漏らしてモニターを見る兵士。
そこに映っているのは、並みのケイオス・ウォリアーより頭一つ以上大きな、身長20メートルを超える光り輝く怪獣。
結晶のような鱗の二足歩行竜だった。
魔王軍残党だけにここまで追い込まれたりはしない。いくら崩壊前に遠く及ばないとはいえ、ケイトの首都を守る軍が蹴散らされたりはしない。
だがこの奇怪な魔竜はケタ違いだった。魔王軍残党とともに現れたのだから奴らの兵器なのだろうが、パワー・タフネス・破壊力……怪物という言葉はこの魔竜のためにあったのだ。
だがその魔竜を金属球が打ちのめす!
牛頭の白銀級機・Sメテオミノタウロスが魔竜に挑んだのだ。他にも数機のお供を連れて。
兵士は希望と……そして悔しさを籠めて彼らを見る。彼らは異国から来たレジスタンス【リバーサル】のリーダーとその側近。壊滅したケイト軍に代わり今の帝国を守ってくれる守護者なのだ。
魔竜が全身から何度も熱線を放つ。それを食らって【リバーサル】の精鋭達も一機、また一機と倒れていった。
だが彼らの攻撃も魔竜の体を穿ち、次第に削り……ミノタウロス型リーダー機の鎖鉄球が頭を砕いた。
「やった! 撃破だ!」
歓声の中、魔竜の巨体が倒れる。
「か、勝った……」
放心気味の声を漏らす兵士。
(どうしても彼らに頼らなければならないんだな……)
半数になりながらも勝利した【リバーサル】の精鋭を見て、彼の中に残念な気持ちはわいたが、安堵があるのも本当だった。
しかし……魔王軍残党どもは引き上げない。
大地が揺れ、裂け、巨大な咆哮が響き……土中から再び魔竜が姿を現す!
「もう一匹いるだと!?」
「そ、そんな……」
味方の軍から絶望の声が漏れた。
兵士は思い出した。旧ケイト帝国圏内の各地で、巨大な魔竜が人里や流通路に甚大な被害を与えている事を。
この怪物が一匹では無い事を、わかっていなければならなかったのだ。
だが兵士の手は動いてくれなかった。そこに伝えるべき闘志がもはや無かった。
湧き上がる思いはただ一つ。
(もう駄目だ……)
意思をなくした兵士の目は、迫る侵略者どもとその後ろで吠える魔竜を映してはいた。
敵の哄笑や咆哮が通信機ごしに聞こえてはいた。
『まだだ! まだ終わってねぇ!』
そう叫ぶ【リバーサル】リーダーの声も。
それらが彼の闘志を蘇らせる事は無かったが。
しかし絶望の淵の中、凛と響く女の声が一つ!
『ブレイズプラズマーー!!』
モニターの戦場MAPに新たな機影が映っている事に気付いた時、戦場を幾条もの熱線が走った。
熱線は魔王軍残党の機体を次々と打つ!
「な、なんだあの機体!?」
うろたえる味方の声。
兵士は見た。
新たに現れた機体は二足歩行のテントウムシのような重装甲機である事。
その隣にはもう一機、胸に獅子の顔をもつ有翼の戦士機がいる事を。
『ガイ! 今だ』
凛と響く女の声。そして続く、無機質に何かを読み上げる声。
『レイニーウェザー。サンダークラウド』
【レイニーウェザー】大気領域第4レベルの呪文。暗雲を召喚し、雨を降らせる。
【サンダークラウド】大気領域6レベルの攻撃呪文。雷雲が頭上に生じ、そこからの落雷が範囲内の敵を一掃する。
そして力強く響く青少年の声!
『合成発動……サンダーストーム!!』
雷鳴が轟いた! 天を見上げれば黒雲が立ち込めていた。
雨が降る。突然に、大量の雨が。
そして雷が鳴った。幾条もの雷が降り注ぎ、雨の中を荒れ狂う!
雷は雲の下にいた魔王軍残党の機体を撃ち抜いた。あちこちで起こる激しい爆発。そして水浸しになった地面を伝わり、雷を受けなかった機体を下から焼いた。
天にも地にも逃げ場無し。黒雲の下にあるのは暴風と雷雨、そして爆発、絶命する者達の断末魔!
兵士は知った。
眼前で焼き払われる敵に比べれば、先刻までの己の絶望など、温い陽だまりの中も同然だったのだと。
実際にはほんの数分の事だったろう。雷雨が止んだ。
濡れた大地の上に煙をあげる無数の残骸。その中に動くのは魔竜のみ。
だが全身が砕け、もはや吠える事さえできない。弱々しくかろうじて緩慢に動くだけだ。
次の瞬間、その頭部が熱線によって砕き散らされた。
2機のケイオス・ウォリアーが煙の立ち昇る大地を歩いて来る。背後にはゾウムシ型の運搬機が一機。
「なんなんだ、あれは……」
己らの救世主を呆けながら見る兵士の口から漏れたのは、およそ感謝や喜びとは程遠い言葉だった。
ゾウムシの運搬機から通信が響き渡る。
『ケイト帝国の第一皇女シャンリー=ダーが、今帰還しました。開門なさい』
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