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キモいねこれは
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「なんだこりゃ?」
眼前に広がるおかしな光景に、まずはアージュが素っ頓狂な声を上げた。
道中で何体かの脊髄草を退け、山岳地帯に歩を進めてきたアージュ達の目の前には、フントが目撃したという蟻塚のような不細工な塔が立っている。
それは泥と藁をこねくり回して山に仕立てたようで、高さは十メートルほどはあろうか。
「なんだこれは?」
アージュの驚きを追うようにフントも驚きを続けた。
なぜならば以前とは異なり、塔の周辺に奇妙な畑のような光景が広がっているからである。
それは見た目こそキュルビスでよく見られるかぼちゃ畑なのだが、目撃者に与える印象はそれとは決定的に違う。
なぜならば、その実は形こそカボチャだが、その色はどす黒く濁った赤であるからだ。
また、葉の色は静脈を思わせる赤紫の葉脈が通った、黒とも緑とも言えない色なのだ。
さらには、そのカボチャを頭の位置に乗せたような人型の奇妙な連中が、畑の中で農作業らしきことを行っているのだ。
そのグロテスクながらもコミカルな光景に、フントとベルもどう反応していいのかわからず、表情をひきつらせている。
「なあフントにーちゃん、ここは前からこうだったのか?」
アージュの確認にフントは首を左右に振ってそれを否定する。
「いや、こんな気持ち悪いもんは初めて見た」
一方でベルは農作業を行っている連中に注目している。
「あれは南瓜死肉かな?」
「そういやそんなのを聞いたことがあるな」
かつてクラウスの故郷であるワーランの街が、かぼちゃ頭の大軍に襲われたことがあるとアージュとクラウスは師匠たちから学んでいた。
そいつらは一体一体の攻撃力は大したことはないが、倒すとこぶし大の小さなかぼちゃのようなものをその場に残す。
このかぼちゃが厄介なのである。
それらは踏まれるとぐちゃりと潰れ、踏んだ者の足を取り滑らせてしまう。
こうしてバランスを崩した者を狙って、次々と湧きだし襲いかかってくるパンプキンゾンビどもは脅威であった。
「うーん、単純に切り飛ばしても残骸がうっとおしくなりそうだな、さてどーすっか」
そこでアージュは、ワーランの街がパンプキンゾンビに襲われたときに、魔王の炎呪文と、魔王副官の送還呪文がゾンビ相手に猛威を振るったと学んだことを思い出した。
「俺に送還呪文はないしな。仕方がねえ、裏技を使うか」
そうぶつぶつ言いながらアージュはランドセルから竜爪を取り出した。
「大地竜の爪・守護の大剣」
コマンドを大声で叫ぶと、竜爪はアージュの身長もあろうかという黄金の大剣に変化していく。
「それじゃフント、ベル、ちょっと耳をふさいでいろ」
アージュからの指示に、慌ててフントとベルは反射的に耳をふさぐ。
するとアージュはフントとベルに聞こえないように、再び何かを叫んだ。
二人は耳をふさいだまま、驚きの声を上げた。
「うお!」
「うわ!」
なぜなら、イージスブレードが突然その刃に紅蓮の炎をまとったからだ。
するとアージュが片手で耳のあたりを指差し、手を放していいぞというジェスチャーを伝えてきた。
まずはベルがアージュに向かって叫んだ。
「ねえアージュ! 何なのその炎は!」
するとアージュは不機嫌そうに答えた。
「大したことはねえ。ちょっとした裏技を使っただけだ」
あの表情にこれ以上質問するとやばいと察したフントは、自らの疑問は放置することにした。
「それじゃあ行ってくらあ。フントにーちゃんはベルを守ってやってくれ。ベルはよーく見ておけよ」
アージュはフントにそう指示を出すと、炎をまとった両手剣とともに、目の前に広がる畑へと突っ込んでいく。
「まて、アージュ!」
さすがのアージュでも、一人であの数を相手にするのは無理だろうと、フントは慌てて後を追おうとしたが、その尻尾を背後からベルに掴まれてしまう。
「だめだよフントは僕を守ってくれなきゃ。それにアージュが戦う姿を僕も見てみたいしさ」
「しかしさすがに一人じゃ」
フントはベルに振り返ると尻尾を離すように言葉を続けようとする。
しかしそれはベルの小さな悲鳴に遮られた。
「ひっ!」
「どうしたベル!」
フントの背後を引きつった表情で凝視しながらおびえているベルにつられるかのように、フントは改めてアージュの方に振り向いた。
「うわ」
フントとベルの目の前では、先程までは気色悪い畑だった場所が、紅蓮の炎に包まれ燃やしつくされようとしていた。
「うわっはっはっは!」
炎の中心ではアージュが炎の大剣を見境なしに振りまわし、彼に襲いかかろうとするパンプキンゾンビを、畑のかぼちゃごと両断していく。
赤熱する剣によって叩き割られたかぼちゃ共は、切断された部分から炎に包まれ灰と化していく。
手当たり次第にパンプキンゾンビを切り燃やしながら、アージュは高笑いをしている。
「表面を対炎処理しただけじゃあだめだよなあ。切断されちまったら中から燃えちまうもんなあ」
以前スピナルグラスはツァーグの炎魔法に抵抗して見せた。
ならばパンプキンゾンビにも同様の抵抗能力が付与されていてもおかしくない。
しかしそれらは多分表層だけであろう。
内部までは抵抗を持たないはずだ。
紅蓮に燃える畑に満足すると、次はこいつとばかりにアージュは塔へと向かっていく。
すると塔から妙に不快感を感じさせる声が響いた。
「アタシの畑になんてことしてくれてんのよもう!」
それは「だみ声」と「金切り声」と「猫なで声」を足して三で割らないでそのまんまという響きを伴っている。
「親玉登場か?」
アージュはにやりと笑うと、声の主に構わず剣を塔の根元に撃ちこんだ。
岩が砕けるような轟音とともに塔の根元は大きく破壊され、炎により塔は強引に焼かれていく。
「ちょっとやめなさいよそこのガキ!」
慌てふためく声に対し、アージュは二撃目を塔に加えながら返事をしてやる。
「やめろと言われてやめる阿呆がどこにいる! ところでお前は何もんだ!」
「ここの主よ!もういいわ!あなたから殺してあげる!」
声の主はそう宣言すると、アージュ達の前に姿を現したのである。
◇
さてこちらはナイとクラウスを率いるリスペルが先導をしている先遣隊一行。
彼らは事前にフントから得ていた蟻塚のような塔に向かってその歩を用心深く進めていた。
リスペルたち三人は、先遣隊のさらに斥候のように本体よりも数十メートル先を、魔導馬にて音なく進んでいく。
そこにシュルトが束ねるボーデン傭兵隊が続き、彼らの背後を守るようにキュルビスの民兵がそれを追って行く。
すると斥候である三人のうち、ナイとリスペルがシュルト達の元に用心深く戻ってきた。
まずはナイがシュルト隊の先頭を務める傭兵にこう伝えた。
「塔らしきものを見つけたわ」
続けてリスペルが詳細を伝えるべくシュルトの元に向かう。
「どうした隊長補佐殿?」
「奇妙な畑を見つけました。僕たち三人では広すぎて手に負えないので、シュルト隊も調査に向かってくださいませんか?」
「奇妙な畑だと?」
シュルトがこう繰り返すとリスペルは続けた。
「はい。見た目はかぼちゃ畑なのですが、その色合いと農夫どもの姿が異常なのです」
「異常とは?」
「見ていただいた方が早いと思います」
「わかった、隊を進めよう。周辺の注意を怠るなよ」
シュルトはそう指示を出すと、ゆっくりと先遣隊を進めていく。
その間にリスペルは後を追うキュルビスの民兵たちにのところにも顔を出し、本隊への伝令指示を出しておく。
ちなみに本隊の隊長は風俗組合の支配人代理であるツァーグ自らが務めている。
リスペルの指示にうなずいた民兵の一人は、本隊へと早馬にて伝令に引き返していった。
先遣隊はゆっくりと歩を進め、なだらかな丘を登っていく。
そうして丘を登り切ったとき、彼らの目の前にも奇妙な光景が広がった。
それはどす赤いかぼちゃと赤紫と黒緑が交差する葉で構成されるおぞましげな畑を思わせる。
そこで働く農夫どもは頭の代わりにかぼちゃをそこに乗せている。
「なんだあこりゃあ?」
思わずこう口に出したシュルトの元に突然不快な声が響いた。
「侵入者許すまじ!」
同時にシュルトを中心に大爆発が起きた。
眼前に広がるおかしな光景に、まずはアージュが素っ頓狂な声を上げた。
道中で何体かの脊髄草を退け、山岳地帯に歩を進めてきたアージュ達の目の前には、フントが目撃したという蟻塚のような不細工な塔が立っている。
それは泥と藁をこねくり回して山に仕立てたようで、高さは十メートルほどはあろうか。
「なんだこれは?」
アージュの驚きを追うようにフントも驚きを続けた。
なぜならば以前とは異なり、塔の周辺に奇妙な畑のような光景が広がっているからである。
それは見た目こそキュルビスでよく見られるかぼちゃ畑なのだが、目撃者に与える印象はそれとは決定的に違う。
なぜならば、その実は形こそカボチャだが、その色はどす黒く濁った赤であるからだ。
また、葉の色は静脈を思わせる赤紫の葉脈が通った、黒とも緑とも言えない色なのだ。
さらには、そのカボチャを頭の位置に乗せたような人型の奇妙な連中が、畑の中で農作業らしきことを行っているのだ。
そのグロテスクながらもコミカルな光景に、フントとベルもどう反応していいのかわからず、表情をひきつらせている。
「なあフントにーちゃん、ここは前からこうだったのか?」
アージュの確認にフントは首を左右に振ってそれを否定する。
「いや、こんな気持ち悪いもんは初めて見た」
一方でベルは農作業を行っている連中に注目している。
「あれは南瓜死肉かな?」
「そういやそんなのを聞いたことがあるな」
かつてクラウスの故郷であるワーランの街が、かぼちゃ頭の大軍に襲われたことがあるとアージュとクラウスは師匠たちから学んでいた。
そいつらは一体一体の攻撃力は大したことはないが、倒すとこぶし大の小さなかぼちゃのようなものをその場に残す。
このかぼちゃが厄介なのである。
それらは踏まれるとぐちゃりと潰れ、踏んだ者の足を取り滑らせてしまう。
こうしてバランスを崩した者を狙って、次々と湧きだし襲いかかってくるパンプキンゾンビどもは脅威であった。
「うーん、単純に切り飛ばしても残骸がうっとおしくなりそうだな、さてどーすっか」
そこでアージュは、ワーランの街がパンプキンゾンビに襲われたときに、魔王の炎呪文と、魔王副官の送還呪文がゾンビ相手に猛威を振るったと学んだことを思い出した。
「俺に送還呪文はないしな。仕方がねえ、裏技を使うか」
そうぶつぶつ言いながらアージュはランドセルから竜爪を取り出した。
「大地竜の爪・守護の大剣」
コマンドを大声で叫ぶと、竜爪はアージュの身長もあろうかという黄金の大剣に変化していく。
「それじゃフント、ベル、ちょっと耳をふさいでいろ」
アージュからの指示に、慌ててフントとベルは反射的に耳をふさぐ。
するとアージュはフントとベルに聞こえないように、再び何かを叫んだ。
二人は耳をふさいだまま、驚きの声を上げた。
「うお!」
「うわ!」
なぜなら、イージスブレードが突然その刃に紅蓮の炎をまとったからだ。
するとアージュが片手で耳のあたりを指差し、手を放していいぞというジェスチャーを伝えてきた。
まずはベルがアージュに向かって叫んだ。
「ねえアージュ! 何なのその炎は!」
するとアージュは不機嫌そうに答えた。
「大したことはねえ。ちょっとした裏技を使っただけだ」
あの表情にこれ以上質問するとやばいと察したフントは、自らの疑問は放置することにした。
「それじゃあ行ってくらあ。フントにーちゃんはベルを守ってやってくれ。ベルはよーく見ておけよ」
アージュはフントにそう指示を出すと、炎をまとった両手剣とともに、目の前に広がる畑へと突っ込んでいく。
「まて、アージュ!」
さすがのアージュでも、一人であの数を相手にするのは無理だろうと、フントは慌てて後を追おうとしたが、その尻尾を背後からベルに掴まれてしまう。
「だめだよフントは僕を守ってくれなきゃ。それにアージュが戦う姿を僕も見てみたいしさ」
「しかしさすがに一人じゃ」
フントはベルに振り返ると尻尾を離すように言葉を続けようとする。
しかしそれはベルの小さな悲鳴に遮られた。
「ひっ!」
「どうしたベル!」
フントの背後を引きつった表情で凝視しながらおびえているベルにつられるかのように、フントは改めてアージュの方に振り向いた。
「うわ」
フントとベルの目の前では、先程までは気色悪い畑だった場所が、紅蓮の炎に包まれ燃やしつくされようとしていた。
「うわっはっはっは!」
炎の中心ではアージュが炎の大剣を見境なしに振りまわし、彼に襲いかかろうとするパンプキンゾンビを、畑のかぼちゃごと両断していく。
赤熱する剣によって叩き割られたかぼちゃ共は、切断された部分から炎に包まれ灰と化していく。
手当たり次第にパンプキンゾンビを切り燃やしながら、アージュは高笑いをしている。
「表面を対炎処理しただけじゃあだめだよなあ。切断されちまったら中から燃えちまうもんなあ」
以前スピナルグラスはツァーグの炎魔法に抵抗して見せた。
ならばパンプキンゾンビにも同様の抵抗能力が付与されていてもおかしくない。
しかしそれらは多分表層だけであろう。
内部までは抵抗を持たないはずだ。
紅蓮に燃える畑に満足すると、次はこいつとばかりにアージュは塔へと向かっていく。
すると塔から妙に不快感を感じさせる声が響いた。
「アタシの畑になんてことしてくれてんのよもう!」
それは「だみ声」と「金切り声」と「猫なで声」を足して三で割らないでそのまんまという響きを伴っている。
「親玉登場か?」
アージュはにやりと笑うと、声の主に構わず剣を塔の根元に撃ちこんだ。
岩が砕けるような轟音とともに塔の根元は大きく破壊され、炎により塔は強引に焼かれていく。
「ちょっとやめなさいよそこのガキ!」
慌てふためく声に対し、アージュは二撃目を塔に加えながら返事をしてやる。
「やめろと言われてやめる阿呆がどこにいる! ところでお前は何もんだ!」
「ここの主よ!もういいわ!あなたから殺してあげる!」
声の主はそう宣言すると、アージュ達の前に姿を現したのである。
◇
さてこちらはナイとクラウスを率いるリスペルが先導をしている先遣隊一行。
彼らは事前にフントから得ていた蟻塚のような塔に向かってその歩を用心深く進めていた。
リスペルたち三人は、先遣隊のさらに斥候のように本体よりも数十メートル先を、魔導馬にて音なく進んでいく。
そこにシュルトが束ねるボーデン傭兵隊が続き、彼らの背後を守るようにキュルビスの民兵がそれを追って行く。
すると斥候である三人のうち、ナイとリスペルがシュルト達の元に用心深く戻ってきた。
まずはナイがシュルト隊の先頭を務める傭兵にこう伝えた。
「塔らしきものを見つけたわ」
続けてリスペルが詳細を伝えるべくシュルトの元に向かう。
「どうした隊長補佐殿?」
「奇妙な畑を見つけました。僕たち三人では広すぎて手に負えないので、シュルト隊も調査に向かってくださいませんか?」
「奇妙な畑だと?」
シュルトがこう繰り返すとリスペルは続けた。
「はい。見た目はかぼちゃ畑なのですが、その色合いと農夫どもの姿が異常なのです」
「異常とは?」
「見ていただいた方が早いと思います」
「わかった、隊を進めよう。周辺の注意を怠るなよ」
シュルトはそう指示を出すと、ゆっくりと先遣隊を進めていく。
その間にリスペルは後を追うキュルビスの民兵たちにのところにも顔を出し、本隊への伝令指示を出しておく。
ちなみに本隊の隊長は風俗組合の支配人代理であるツァーグ自らが務めている。
リスペルの指示にうなずいた民兵の一人は、本隊へと早馬にて伝令に引き返していった。
先遣隊はゆっくりと歩を進め、なだらかな丘を登っていく。
そうして丘を登り切ったとき、彼らの目の前にも奇妙な光景が広がった。
それはどす赤いかぼちゃと赤紫と黒緑が交差する葉で構成されるおぞましげな畑を思わせる。
そこで働く農夫どもは頭の代わりにかぼちゃをそこに乗せている。
「なんだあこりゃあ?」
思わずこう口に出したシュルトの元に突然不快な声が響いた。
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