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灼熱の荒野の章
ブリングアップウィドウズ
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アリアウェットとシルフェは、女性たちを拘束していた五芒星と馬たちを眠らさせていた安眠を解き、彼女たちの身を自由にし、彼女たちの馬をやさしく起こしてやる。
彼女たちを襲った総勢九名は、全員が女性だった。
年のころは二十代から四十代くらいまで様々に見える。
共通しているのは、皆が同じ冒険者の装備を身に着けていること。
しきりに頭を下げる彼女たちをシルフェに任せると、アリアウェットは彼女たちが後ろに控えさせていた馬車に向かった。
なぜならアリアはそこからもう一つ、儚い生命を感じ取ったから。
馬車の中では一人の女性が死にかけていた。
彼女は典型的な「魔力枯渇」の症状を見せている。
アリアウェットは既に他の女性達から聞いていた。
この女性は、仲間のために水を作り続けていたのだと。
「頑張ったのね」
アリアウェットは女性の精神がパンクしないように用心深く魔力移動を唱え、アリアの魔力で彼女の精神をやさしく満たしてやる。
続けて治癒で彼女の体力も回復させた。
「あ」
女魔術師は目を覚ました。
「あ、ああ……」
女魔術師は自らに何を施されたかを瞬時に理解した。
だから泣く、たださめざめと泣く。
なぜなら信じられない優しさに接したから。
アリアウェットはそんな彼女をやさしく抱きしめてやった。
ひと通り泣き疲れ、落ち着いた女魔術師を彼女の仲間のところに案内すると、すでにガルとシルフェが、ディアン謹製の柑橘酢漬け肉の豆クレープと冷たい豆乳を女性達に配っていた。
全員に料理が行き渡り、皆が食べ始めたところで、シルフェがリーダーの女性に尋ねた。
「美味しい?」
するとリーダーだけでなく、皆が無言で頷いた。
ひと通り皆が食べ終わったところで、満を持したかのようにディアンが馬車から登場する。
三角巾と割烹着という装いでだ。
彼は女性たちそれぞれが持つデザート用の器に、彼が抱えるボウルの中身をお玉で盛り付けていく。
「ほれ、食ってみろ」
ディアンは努めて無表情のまま、ぶっきらぼうに女性たちに指示を出した。
「え、何これ?冷たくてとろとろで美味しいわ!」
すぐさまスプーンでそれを口に運んだアリアウェットはその触感に驚いた。
「兄様、ぷるぷるして美味しいです!」
シルフェのその口当たりの優しさに感激している。
女達も全員が驚いた表情を見せている。
囚われの際に、既にこの味に虜になってしまったリーダーを除いてだが。
「これは豆乳の甘味豆腐だ。エリシャの棺桶の中に凝固草と甘香草が入っていたから、砂糖菓子と一緒に豆乳で煮溶かした後、裏ごしして口当たりを滑らかにしてから冷やしたのだ。どうだ貴様ら驚け」
ディアンの説明を理解したものは、この場所には一人もいなかった。
皆、おいしさに唖然としているだけ。
そんな皆の表情にディアンは拍子抜けしたような表情を浮かべると、そこをガルがフォローした。
「兄さん、説明はよくわからないけれど、これ、最高に美味いっす!」
他の者達も堰を切ったようにそれに続いた。
美味しいです。
こんなの生まれて初めてです。
すごいです。
感激しましたなどと、全員がそのデサートを絶賛した。
皆の誉め言葉に機嫌を直したディアンは、アリアウェットに、さっき馬車の中でこしらえた指輪を渡してやれと促した。
するとアリアウェットは笑顔で女魔術師に向かい合った。
「これは水珠の指輪よ。これで仲間に水を作ってもらってね。あなたは死んじゃ駄目よ」
何を言われているのかわからないといった表情の女魔術師に向かって、ディアンはリーダーの女性に目をやりながら説明を続けた。
「こいつがお前らにその指輪をくれてやるんだとよ。九人もいれば順番で指輪を使う分には体力の負担もそれほど無いだろう。あんまり女魔術師だけを酷使してやるな」
続けてガルが乾燥豆の麻袋を二袋馬車から担いで持ってきた。
それを指さし、ディアンは女性たちに続ける。
「水さえ確保できれば問題ないだろう。とりあえずこいつでお前らも馬も食いつなげ」
リーダーはあっけにとられていた。
彼らを殺そうとした自分たちに、なぜ彼らはこんなに良くしてくれるのだろうか。
「ありがとう。感謝してもしきれない。だが、あなた方を襲った我々に、なぜここまで親切にしてくれるのだ?」
そんなリーダーにディアンはそっけなく答えた。
「お前ら、育む未亡人だろ? こんなところまで採取に出張ってきたってのは、それなりの事情があるんだろうな。だけどな、お前ら自分を見失うなよ。最後までともに生きることを考えろ。でないと、お前らが面倒を見ているガキどもが悲しむぞ」
「知っていたのか」
涙ぐむリーダーの頬にディアンはやさしく手を差し伸べてやる。
ここは人が人を殺す場所。
ここは最も慈悲のない荒野。
ここで彼女たちは救われた。
彼女は想い起こす。
シルフェに「お腹が空いているの?」と問われた時のことを。
なぜあの時私は素直にうなずけなかったのだろう。
彼女は身震いする。
私自身が慈悲の心を奪われていたのだ。
この「灼熱の荒野」に。
そして心に繰り返す。
ありがとう、ありがとう、ありがとう。
あなた方は、私に心を取り戻させてくれた。
他の九名も、声を上げて泣いた。
口々にディアンたちへの感謝を紡ぎながら。
女魔術師は重圧から解き放たれたからなのか、アリアウェットに抱きつきながら、一際大きな声で泣いた。
「つらかったの、つらかったの」
と、嗚咽を漏らしながら。
アリアウェットは、女魔術師の背中をなでてやりながら、何度も何度もディアンに頭を下げているリーダーの女性を改めて見つめた。
最初はおっかない表情だったけど、こうしてみると優しそうな人だ。
皆を守ろうという想いが伝わってくる人だ。
アリアウェットは、リーダーの女性に母の面影を見た。
「私はエリーと申します。もし、お許しいただけるのなら、貴殿と貴殿のお連れ様のお名前をお教えくださいませ」
「俺はディアンソン、銀髪はアリアロッド、赤髪はガル、白髪はシルフェだ」
答えながらも、ディアンの視線は何度も頭を下げるエリーの胸元に固定されている。
「うむ、至高である」
ディアンは二つ目の愛すべき微乳を手に入れた。
先生がまた記念撮影をしているね
親衛隊長殿は、小さければお構いなしなのかしら
ディアン様の守備範囲の広さには脱帽ですわ
アリアウェットはディアンの「記念撮影」については、今回は見て見ぬふりをすることにした。
砦の街で孤児院を運営するために、灼熱の荒野の探索を行う女性団体。
「育む未亡人」
それぞれの不幸な経歴から、決して男どもには頼ろうとしなかった女性たち。
その強固な意志が、今日ここで、少しだけ崩れてしまった。
街に戻った彼女達もまた、ワールストームで「ディアンソン」と「アリアロッド」の名声を高めていくことになる。
彼女たちを襲った総勢九名は、全員が女性だった。
年のころは二十代から四十代くらいまで様々に見える。
共通しているのは、皆が同じ冒険者の装備を身に着けていること。
しきりに頭を下げる彼女たちをシルフェに任せると、アリアウェットは彼女たちが後ろに控えさせていた馬車に向かった。
なぜならアリアはそこからもう一つ、儚い生命を感じ取ったから。
馬車の中では一人の女性が死にかけていた。
彼女は典型的な「魔力枯渇」の症状を見せている。
アリアウェットは既に他の女性達から聞いていた。
この女性は、仲間のために水を作り続けていたのだと。
「頑張ったのね」
アリアウェットは女性の精神がパンクしないように用心深く魔力移動を唱え、アリアの魔力で彼女の精神をやさしく満たしてやる。
続けて治癒で彼女の体力も回復させた。
「あ」
女魔術師は目を覚ました。
「あ、ああ……」
女魔術師は自らに何を施されたかを瞬時に理解した。
だから泣く、たださめざめと泣く。
なぜなら信じられない優しさに接したから。
アリアウェットはそんな彼女をやさしく抱きしめてやった。
ひと通り泣き疲れ、落ち着いた女魔術師を彼女の仲間のところに案内すると、すでにガルとシルフェが、ディアン謹製の柑橘酢漬け肉の豆クレープと冷たい豆乳を女性達に配っていた。
全員に料理が行き渡り、皆が食べ始めたところで、シルフェがリーダーの女性に尋ねた。
「美味しい?」
するとリーダーだけでなく、皆が無言で頷いた。
ひと通り皆が食べ終わったところで、満を持したかのようにディアンが馬車から登場する。
三角巾と割烹着という装いでだ。
彼は女性たちそれぞれが持つデザート用の器に、彼が抱えるボウルの中身をお玉で盛り付けていく。
「ほれ、食ってみろ」
ディアンは努めて無表情のまま、ぶっきらぼうに女性たちに指示を出した。
「え、何これ?冷たくてとろとろで美味しいわ!」
すぐさまスプーンでそれを口に運んだアリアウェットはその触感に驚いた。
「兄様、ぷるぷるして美味しいです!」
シルフェのその口当たりの優しさに感激している。
女達も全員が驚いた表情を見せている。
囚われの際に、既にこの味に虜になってしまったリーダーを除いてだが。
「これは豆乳の甘味豆腐だ。エリシャの棺桶の中に凝固草と甘香草が入っていたから、砂糖菓子と一緒に豆乳で煮溶かした後、裏ごしして口当たりを滑らかにしてから冷やしたのだ。どうだ貴様ら驚け」
ディアンの説明を理解したものは、この場所には一人もいなかった。
皆、おいしさに唖然としているだけ。
そんな皆の表情にディアンは拍子抜けしたような表情を浮かべると、そこをガルがフォローした。
「兄さん、説明はよくわからないけれど、これ、最高に美味いっす!」
他の者達も堰を切ったようにそれに続いた。
美味しいです。
こんなの生まれて初めてです。
すごいです。
感激しましたなどと、全員がそのデサートを絶賛した。
皆の誉め言葉に機嫌を直したディアンは、アリアウェットに、さっき馬車の中でこしらえた指輪を渡してやれと促した。
するとアリアウェットは笑顔で女魔術師に向かい合った。
「これは水珠の指輪よ。これで仲間に水を作ってもらってね。あなたは死んじゃ駄目よ」
何を言われているのかわからないといった表情の女魔術師に向かって、ディアンはリーダーの女性に目をやりながら説明を続けた。
「こいつがお前らにその指輪をくれてやるんだとよ。九人もいれば順番で指輪を使う分には体力の負担もそれほど無いだろう。あんまり女魔術師だけを酷使してやるな」
続けてガルが乾燥豆の麻袋を二袋馬車から担いで持ってきた。
それを指さし、ディアンは女性たちに続ける。
「水さえ確保できれば問題ないだろう。とりあえずこいつでお前らも馬も食いつなげ」
リーダーはあっけにとられていた。
彼らを殺そうとした自分たちに、なぜ彼らはこんなに良くしてくれるのだろうか。
「ありがとう。感謝してもしきれない。だが、あなた方を襲った我々に、なぜここまで親切にしてくれるのだ?」
そんなリーダーにディアンはそっけなく答えた。
「お前ら、育む未亡人だろ? こんなところまで採取に出張ってきたってのは、それなりの事情があるんだろうな。だけどな、お前ら自分を見失うなよ。最後までともに生きることを考えろ。でないと、お前らが面倒を見ているガキどもが悲しむぞ」
「知っていたのか」
涙ぐむリーダーの頬にディアンはやさしく手を差し伸べてやる。
ここは人が人を殺す場所。
ここは最も慈悲のない荒野。
ここで彼女たちは救われた。
彼女は想い起こす。
シルフェに「お腹が空いているの?」と問われた時のことを。
なぜあの時私は素直にうなずけなかったのだろう。
彼女は身震いする。
私自身が慈悲の心を奪われていたのだ。
この「灼熱の荒野」に。
そして心に繰り返す。
ありがとう、ありがとう、ありがとう。
あなた方は、私に心を取り戻させてくれた。
他の九名も、声を上げて泣いた。
口々にディアンたちへの感謝を紡ぎながら。
女魔術師は重圧から解き放たれたからなのか、アリアウェットに抱きつきながら、一際大きな声で泣いた。
「つらかったの、つらかったの」
と、嗚咽を漏らしながら。
アリアウェットは、女魔術師の背中をなでてやりながら、何度も何度もディアンに頭を下げているリーダーの女性を改めて見つめた。
最初はおっかない表情だったけど、こうしてみると優しそうな人だ。
皆を守ろうという想いが伝わってくる人だ。
アリアウェットは、リーダーの女性に母の面影を見た。
「私はエリーと申します。もし、お許しいただけるのなら、貴殿と貴殿のお連れ様のお名前をお教えくださいませ」
「俺はディアンソン、銀髪はアリアロッド、赤髪はガル、白髪はシルフェだ」
答えながらも、ディアンの視線は何度も頭を下げるエリーの胸元に固定されている。
「うむ、至高である」
ディアンは二つ目の愛すべき微乳を手に入れた。
先生がまた記念撮影をしているね
親衛隊長殿は、小さければお構いなしなのかしら
ディアン様の守備範囲の広さには脱帽ですわ
アリアウェットはディアンの「記念撮影」については、今回は見て見ぬふりをすることにした。
砦の街で孤児院を運営するために、灼熱の荒野の探索を行う女性団体。
「育む未亡人」
それぞれの不幸な経歴から、決して男どもには頼ろうとしなかった女性たち。
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