恋愛ゲームはAVじゃありません!!

1章

将来の選択

一通りの授業が一巡し、ゲームとしても学生として最初の難関がやってくる。認定試験は在学する為の鍵となっており、多くの先人が退校を言い渡された。ステ振りは体力だけでも学力だけでも退校になり、エロスキルを頑張った人も当然同様だ。

「困った事に試験内容は一緒なのに攻略者たちが一向に内容だけ触れようとしないのよね」


試験だけは各々で頑張れって本当に学生になった気分で懐かしさもありながら恐々とした緊張感が身を包む。



「第1回認定試験は実習だ。今まで学んだ事を発揮してもらう。しかも相手は発狂手前の追い詰められた理数科生達だ」



誰かの息を飲む音が静かに響く。まだ1度も実習を受けたことの無い生徒達に与えられた課題は無理難題に近い。発狂手前の人間なんて1歩間違えてしまえば何が起こるかわからないのに、閉鎖空間で2人きりとなりカウンセリングして快方させろなんて言葉を失う。


「脱落率97%の試験にお前らは何人生き残るのかな?」
厭らしい笑みを浮かべ品定めする様に見渡す教師に慄く生徒達。攻略サイトに書けなかった原因はこれだったのね。攻略するには腹を括るしかない。



生き残らなければ攻略完了ハッピーエンドになれない!!



「認定試験が始まったのか?仁奈」
「ええ。貴方は内容を知っていたの?」
「……3年間過ごしていれば耳にも入る」
「ありがとう。答えてくれて」
「お前なら抜けれるはずだからな」
「簡単に言わないでください」
「簡単じゃない。誰よりも近くに居たからこそわかる」


そうですよね。部屋のアルバムに映らぬ事などない彼なら私より私を知っているものね。最短距離の答えも持っている彼を頼るのはタブー。試すとしたらあの子かな?