瞳の奥の漁火～女をいたぶる狂気の女～

再会

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～半年後～

１２月、街がすっかりクリスマスに染まった冬のある日、美菜は、お台場のレストランでコーヒーを飲んでいた。

海に面したオープンカフェの席だが、風もなく穏やかな天気のお陰で、寒さはほとんど感じない。
ランチタイムは一段落していたが、店内はそこそこ混み合っている。

美菜は、目の前のレインボーブリッジを眺めながら軽く背筋を伸ばした。


今年ももうすぐ終わる。美菜にとって、一生忘れる事のできない１年が。。
今、こうして穏やかな気持ちで年末を迎えているのが、自分でも不思議な位であった。

そう。。
今だからこそ、冷静に自分を見つめられる。
今日、ここにいるのはそのためだ。

「いらっしゃいませ！」

店員の声に反応して、美菜が入口の方を見ると、黒いコートを着た若い女が入ってくるところだった。

その女は店員に微笑みかけた後、店内を見渡していたが、やがてこちらに向かってゆっくりと歩きだした。

その女に気づいた店内の男達は、一斉に彼女に視線を送った。
カップルで来ている男達でさえ、一瞬釘付けになっている。
いや、よく見ると相手の女の子達までがその女に見とれている。

それ程、その女の美しさは際だっていた。

誰もが、振り向かずにはいられない強烈なオーラ。。

彼女は美菜のテーブルまで来ると、軽く会釈をして席に着いた。

「お久しぶりです。」

女は静かに美菜に話しかけた。

美菜は、少し懐かしさを感じながら、彼女に答えた。

「元気だった？摩耶さん。」