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ナオ
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しおりを挟むやがて、数十発が打ち込まれた後。。
ナオはようやく警棒を床に投げ捨てた。
息を弾ませながら、床に倒れている奈緒美を満足そうに見下ろす。
「どう?本気で責められた気分は?天にでも昇る感じだったかしら。」
奈緒美はナオの嫌みな問いかけに答える事も出来ず、ただ泣き続けていた。
ナオにジーンズを脱がされ、下半身が露わになっていても、気にする余裕などなかった。
「あらあら。せっかく楽しんでもらえるかと思ったのに、でもいいわ。そのうち私に責められる良さが分かってくるから。さてと。。どれどれ、足の具合はどうかしらね。」
そう言うとナオは足で奈緒美を転がし、仰向けにすると、彼女の右足首を掴んで乱暴に持ち上げた。
「い、嫌っ、痛いっ、やめてお願い。。きゃあああああぁぁぁぁ~っ!痛いっ!痛いっ!痛いいいぃぃぃ~っ!」
ナオは、奈緒美の足首を持ったまま、痛めている彼女の足を無理矢理曲げ伸ばしし始めた。
「あっ、あっ、ああああぁぁぁ~っ!痛い、やめてお願い!いっ、痛いっ!いやっ、助けて!かはっ!くあああぁぁぁ~っ!」
顔を歪めて泣き叫ぶ奈緒美。
ナオは、舌なめずりしながら、執拗に奈緒美の足を揺さぶり続けた。
「どう?楽しいでしょ!何とか言ったらどうなのよ!」
ナオは興奮のあまりトランス状態になってしまっていた。奈緒美の苦しむ姿を見る彼女の目は、異常な程輝いていた。
こんなんじゃない。
奈緒美はいたぶられながら思った。確かに゛加虐の天使゛にいたぶられる為にここに来た。冷酷に責められ、気が狂う様な苦痛を与えられる事を夢見ていた。
しかし。。
時間が経ち、わずかながら冷静さを取り戻した奈緒美は、次第にネット上での゛加虐の天使゛のクールな冷酷さと、ナオの自分本意の狂乱ぶりとにギャップを感じ始めた。
そう。。
あくまで奈緒美の一方的な感情だったかもしれないが、あの恐怖の中にも、冷酷さの中にも、どこか気持ちが通じ合えた様な瞬間があった。
それがナオからは微塵も感じられない。
激しい痛みの中、奈緒美は確信した。
ナオは、この女は、決して゛加虐の天使゛ではないと。
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