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after story 2
1
side 京弥
眠り続ける縞さんの眦をそっと撫でながらバレないように設置したカメラと盗聴機の感度を確認する。
縞さんが起きたらわかるようにね。
ひとしきり準備を終えてから僕は海と陸の事務所に向かった。
「どんな感じ?」
「京、おせぇ。」
事務所には既に海と陸がいて僕を待ってくれていた。
「ごめんごめん。
……あは、いい感じ。」
海が差し出してくれたPCを覗き込めば、そこには1人の男がいた。
「これ何日目?」
「5日目ー。
京ちゃんずっと家にいるんだもん。
これの食事とか管理するの大変なんだよ?」
「5日でこれかー早かったね。」
孤独は人を狂わせる、なんてね。
「彼って碓氷さんの元恋人でしょ?
なんでまた?」
そう、彼は縞さんの元、恋人。
借金で追われていたところを保護してあげた。
「縞さんね、あいつに昔Ωの欠陥品って言われたんだって。
フェロモンなんて感じなかったって。
発情期に迫ったのにだよ?
おかしいよねぇ。
不思議だよねぇ。
でも、当たり前だよねぇ。
だってあいつ
βだもん。」
「……βなんて見りゃわかんじゃねーか。」
「うん、でもあいつは自分のことαって偽って縞さんから色々搾取していたの。
……少しくらいお仕置きしたっていいデショ?」
借金取りに追われていたところを保護してあげて、暗い部屋に閉じ込める。
ごはんは提供してあげるけれど、その間誰にも会わせなかった。
あいつは少しずつ少しずつ狂っていった。
「じゃ、ご褒美あげようかな。」
「……ご褒美、ねぇ。」
暗い部屋の電気をつけてあげる。
「こんにちは。」
変装してご対面。
「お、俺を、ここから……ここから出してくれ!」
「保護してあげていたのにまるで閉じ込めてるみたいな言い方されるなんて……心外だなぁ。」
「ひ、す、すまない……すまなかった!」
「気にしていませんよ。
そうだ、これ、いります?」
差し出したのは飛行機のチケット。
「少しくらい旅行に行ったっていいと思いますよ。
あなたはだいぶ疲れているようだから。」
「あ、あぁ、恩に切るよ……。」
僕たちが用意したのは海外行きの片道切符。
彼は喜んで受け取り、家にパスポートを取りに帰っていった。
借金するほどお金ないのにどうやって帰ってくるんだろ?
まぁ、いいか。
親切にしたら自分に返ってくるってね。
「さ、事務所の引越し準備しよー。」
「ちょうど更新だったから事務所変えるとはいえ、大変だよ~。」
「めんどくせぇ。」
事務所の場所も変えて綺麗さっぱり。
END.
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