玉響から久遠へ

朝比奈和花

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after story 3

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side 京弥



「京ちゃん、今日大学に用事あったの?」

大学に足を踏み入れてすぐに予め連絡を入れておいた海と陸と合流する。

「ん~?ちょっとね?
いいことありそうだから出てきたの。」

「そのいいことは碓氷さん絡みなんだろうな。

俺たち教授にこれ提出したら事務所に行くけど京も来るか?」

「そうだね、ぼ「青砥くん!久しぶり!

全然大学来ないから皆なんかあったのか心配してたんだよ~?

それでさ!せっかくだし青砥くん遊びに行こうよ!

もちろん、梅北くんと南條くんも!」」

誰だっけ?この子。
幼馴染のふたりと僕を雇っているあの人と大事な大事な縞さん以外もう覚えていない。

なんだか女子を数人引き連れてこちらに来たその知らない子に腕に絡みつかれてとても不愉快。

「……ごめんね~?

これから僕、海と陸と用事済ませなきゃいけないの。

……それにかわいい恋人を待たせてるんだぁ。」

僕の恋人いる発言に周りがざわ、と騒がしくなった気がしたけれど声を掛けてきた女の子は怯まず執拗に誘ってくる。

え、なんだろうこの子。
縞さんより自分を優先させろって言ってるの?

その女の子に手が伸びかけたとき

「俺たちに話しかけんなって言ってんだろ。

行くぞ、海、京。」

陸が話をぶっつり切って僕たちを連れ出した。

大学を歩けばあちこちから声がかかるため早々に事務所に移動した。

なんかわからないけれど昔から愛想よく見られるんだよね……。
海も面倒がって横でにこにこするだけだからいつもこういうときは陸が必要になる。





「……気になってたんだけど京、なんで今日ずっと携帯見てんの?

なんかあんのか?」

「縞さんが、巣づくり始めたの。
……かわいー。」

毎日、用意したご飯には医師に処方させた発情促進剤を混ぜていた。  
縞さんの味覚が鈍っていることをいいことにね。


別に縞さんはもう僕の運命だから手放すつもりはない。
でも縞さんを僕に縛りつける鎖は多ければ多いほどいいと思うんだ。



僕から離れられないくせに味覚が戻ったら仕事に戻ろうとしているしね。

僕に養われるだけなのは嫌だって言って。

無防備な縞さんを仕事に復帰させるほど僕はできた人間じゃないんだよねぇ。


まぁつがいになれたら仕事に復帰させてもいいけど盗聴機とかGPSはマストだなぁ。
易々と復帰はさせてあげられない。

つがいにならなきゃすべてが始まらないからずっと様子を見てきた。

そして今日の朝。
縞さんとお風呂に入って上がったとき僕のシャツを着たがったからこれは発情期が来るかな、と淡い期待を込めてわざと外に出た。


その際に縞さんの部屋にあるクローゼットに置いていた僕の服はほぼ無くし、縞さんが移動できる範囲の色んな部屋に隠した。


「……巣づくりってつがいのいるΩがする行為じゃなかった?」

「縞さんは5年以上発情期が来てないから発情したら多分1週間以上続くだろうって医者から言われるほど強烈らしいの。

そんな強烈な発情を目前にした縞さんが縋りつけるαは僕しかいないでしょ?

そのために誰とも接触させてないんだから。

だからこの縞さんはいま僕を誘おうと必死なの。
巣づくりしちゃうほど。

かわいいよねぇ。

あ、いくら海と陸でもこのかわいい縞さんは見せないからね!」

ふたりはタイプじゃないから。と言うが、こんなかわいいんだ、信用できない。

周りが平凡だとか地味だとか言おうとも縞さんの魅力は僕だけが知っていればいい。

さ、そろそろ帰ろうかな。
かわいいかわいい縞さんが待ってるから!


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