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after story 3
4*
side 京弥
耳に突っ込んだイヤホン越しに聞こえる縞さんの苦しそうな、艶やかな嬌声。
帰路を急ぎ、僕の指紋でしか開けられないいくつもの鍵を開けていき僕の宝物が閉まってある部屋に近づいた。
宝箱に近づけば近づくほど蠱惑的な……熟れた果実のような匂いが猛然と襲ってくる。
まるで桜の狂い咲きだ。
開けっ放しになっている扉からそっと中を覗くとシーツに包まりこちらに背を向けた縞さんが喘ぎながらちゅぷちゅぷと水音を奏でていた。
ただでさえ匂いに犯されている僕はその姿を眺め続けることなどできずに縞さんに引き寄せられた。
「縞さん……。」
「ん、あ……きょ……やくん
ね、ね、熱い、熱いの……はっ……
たす、たすけて……」
腕をこちらに伸ばしてきた縞さんの身体からシーツが滑り落ち、シャツを直に身につけカーディガンを羽織った縞さんの痩躯が現れた。
下は何も履いておらずゆらゆらと揺れる腰あたりは少しシーツが濡れている。
「……助けてあげるよ、だから縞さんつがいになってくれる…?」
熱に浮かされる縞さんに抱き込まれて耳元で囁くように乞う。
甘い毒をしみ渡らせるように。
「ぅん、うん……!
早く、んんっ……噛んでっ……。」
がぶり。
最後まで聞かず項に噛みついた。
何度も何度も、何度も。
血が滴り落ちれば舐めとり服をひん剥いて身体中に僕の痕を残していく。
「いぅっ……あ"ぁっ……きょうやっ、もっと、もっとっ……んふぅっ、おれをたべてっ」
噛めば噛むほど縞さんの中に突き挿れた指を締めあげられた。
「…っ、縞さんっ、挿れるよっ」
「うんっ、うんっ……あぁっ、あぁぁぁぁ!」
うねりながら僕のペニスを締めあげる縞さんの中は奥へ奥へと誘ってくる。
今、目の前にいる男は僕の、僕だけのΩだ。
マーキングするように匂いをつけてつけられて混ぜて、ひとつにする。
底なし沼のような快楽をふたりで貪り尽くした。
それから2週間もの間、僕たちはまるで獣のように交わりあった。
発情期を終えたはずの縞さんの身体はなお色香を醸し出して僕を誘った。
「いっ、たたっ、あ、ありがとう。」
元々弱っていたところへ発情期が重なり縞さんの身体は指一本動かせない状況だった。
声も掠れて辛そう。
満身創痍とはこのことだ。
様々な液体でびしょびしょのシーツを替えて縞さんの身を清め、水を飲ませる。
「ごめんね……縞さん……こんな、こんな……。」
縞さんの身体中に撒き散らされた血の滲む噛み痕を撫でる。
謝りはするが僕自身は満足している。
「いいんだよ、俺が噛んでって頼んだんだから。
だからそんなしゅんとした顔しないの。
悪いと思っているなら何か…朝ごはんをちょうだい。
記憶が飛んでいるなかでご飯摂っていたからさすがにお腹空いた。」
「まかせて!」
敷き詰めたクッションの中でほわりと微笑む縞さんに急いで簡単な朝ごはんを作った。
ホームベーカリーで作ったもちもちのベーグルサンドと産地直送の無農薬の野菜ジュース。
例え味覚が鈍くても縞さんには美味しくていいものを食べてもらいたいから僕が食材を厳選してご飯を作っている。
いずれはまた縞さんが作った美味しいごはんが食べたい。
できたばかりのホカホカの朝食をトレーに乗せて縞さんのもとへ運んだ。
「京弥くんは料理上手になったんだね。
見ているだけで美味しいのが伝わるよ。」
いただきますと挨拶してからベーグルサンドに手を伸ばした縞さん。
ひとくち口に含んだ瞬間目を見開いて驚愕していた。
「縞さん?何か嫌いなもの入ってた?」
縞さんは嫌いなものなかったはずなのに。
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