気まぐれ店主ののんびり?生活

朝比奈和花

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第1章

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鞄に入っていたまっしろではないシャツと程よいズボンに着替える。

簡単に鮭のおにぎりと冷蔵庫に残っていた味噌汁で朝食を済ませて……。

「まずは、っと」

手紙に同封されていたタグを首から下げる。
身分証の代わりのこれを庶民は首から下げるのだそうだ。
しかるべき機関でしか見ることができないうえに偽装ができないから、犯罪に使うこともできず、基本的に盗まれることもないそう。
ただし落とすと再発行にはお金がかかるらしいからなくさないようにしないと。




ステータスの確認はギルドか教会で、か。
木箱に入っていたこの世界の基本的なことが書かれていた手帳を片手に家を出る。

神様はカフェを営めるように商業ギルドに加入しておいたと手紙に書いてあったから、商業ギルドに行って確認しよう。

ギルドや銀行は王城の方だから小道を抜けて左か。




商業ギルドに入ると、いくつかのカウンターに奥には商談室などが備えられていた。
大きい商会や儲かっているお店だと商業ギルドの中に個室を持っているらしい。

俺には関係なさそうだ。

「すみません、ステータス確認をお願いしたいのですけれど。」

「承りました。
タグはお持ちですね?」

「はい。」

ステータス確認のための部屋は平べったい水晶がひとつ置かれているだけだった。

「確認が終わりましたら、お知らせください。」

「はい。」

ギルド員が出ていき、鍵をかけられる。
個人情報だから職員でも見ることはできない。
水晶の上にタグを置くとポゥ、と水晶に文字が浮かび上がる。





ユーリ=トウカ(27)

種族:人族(♂)

属性:光、闇、地

スキル:料理Lv.10(Max)
    商売Lv.2

固有スキル:鑑定
      アイテムボックス(媒介:鞄)

備考:神の介入





固有スキルは別として、スキルは努力次第で増やすこともできるそうだからできることを増やしていけたらいいな。
扉についていたベルを鳴らせば、鍵が開いてお礼を言ってギルドを出た。





商業ギルド近くにあった銀行では日本でいうATMのようなものにタグをかざせば、残高が表示された。

「ん!?」

300,000,000イェンが入っていた。
1イェンが日本円の1円と同じだから3億円!?

日本では300万円ほどの残高だったはずなのだが……。

衣食住のうち衣と住はもう揃っているから……慎ましく暮らせばきっと働かずとも暮らすことはできるだろう。

立地は悪いけれど、あの場所で夢だったカフェを開こう。
利益よりも誰かにとってホッとする隠れ家みたいなカフェを。



そうと決めれば行動は早かった。
市場によって鑑定を駆使しながら、食材を買い込んだ。




「よし、やるか。」

昨日の市場調査ではここの国は主食はパンやパスタだったし、市場では白米は見なかったからごはんものは食べるには敷居が高いはずだ。

ひき肉は売っていなかったから、買ってきた牛肉を包丁で細かくしてひき肉にする。
ちょっと大きめにした方が食べた感じが出るだろう。

小さなフライパンで砂糖、塩、黒胡椒、にんにくで味を整えながらトマトソースを作っておく。
そして煮詰めている間に玉ねぎ、人参、セロリをみじん切りにしてバターでしんなりするまで炒めて一旦お皿に。
このフライパンにひき肉にした牛肉を入れて焦げ目がつくまで焼く。
このときあまり動かさないのがポイントだ。

両面にしっかり焦げ目がついたら野菜を戻して赤ワインを少し入れてよく混ぜる。
煮立ち始めたら、トマトソースを入れて、煮詰めて完成だ。

ここから1~2時間おいて味をなじませておこう。

この調子ならお昼ごはんの時間には出すことができるだろう。

初日だし10食くらい売れてほしいと思いつつ、余れば日を分けて自分が食べればいいかと割り切った。



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