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とある二人の死神見習いが、百鬼夜行の交通整理員になった話
0000:二人の死神見習い
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ーーここは、霊界空港の死神専用控え室。ーー
「レム、ラム、死神見習いの仕事には慣れたかの?」
「はい、上級死神様‼︎ 数々の生き物の命を狩りまくっています‼︎(超元気なレム)」
「今日は、人間五体とカエル三体を狩ってきました。(落ち着いた雰囲気のラム)」
「そうか、そうか。これからが楽しみじゃのう。……そんな二人に良い話がある。二人にだけのお得な昇級試験じゃ。」
「「ーーーーっ‼︎」」
「今から告げるミッションをクリア出来たら、死神見習いから中級死神まで飛び級できるぞい。……どうじゃ、やってみるかね?」
「レム、なにか嫌な予感がするからことわ……。」
「やります! やらせてください‼︎」
「ーーーーっ‼︎(レムーー⁉︎ 心の中で絶叫するラム)」
「ふぉっふぉっふぉっ、威勢がいいのう。……よかろう。これから、レム及びラムの昇級試験内容を言い渡す。……人間界にいるパトリック・サイフォンという男の命を狩ってくること。……二人とも、良いな?」
「了解です、上級死神様‼︎(超元気レム)」
「……了解です。(渋々ラム)」
ーー余談だが『パトリック・サイフォン』とはトルネード王国で何故か指名手配されている第二王子のことだぞ‼︎ーー
「楽しみじゃのう。……(小声で)ちなみに、パトリック・サイフォンに存在を気づかれてミッションに失敗したら、二人はクビじゃ。……こころしてかかるようにな。」
「「…………? 了解です‼︎」」
ーー上級死神はステップを踏みながら去って行った。ーー
◇ ◇ ◇
皆さんこんにちは! 私はレム、死神見習いです‼︎
そんでもって、私の横にいるのは、バディを組んでる同じ死神見習いのラム。とってもクールでイケメンなんだよ‼︎
私とラムは、上級死神様からいただいたミッションに取り掛かる為に、ひとまず人間界のトルネード王国っていう国と、アデル皇国っていう国との間に降り立ったの。
「……レム、離れたら危険だから、手を繋いでおこう。」
「うん、ありがとう、ラム‼︎」
ーー二人は仲良く手を繋いだ‼︎ーー
なんでも、ここには、今回のターゲット『パトリック・サイフォン』という男が生息しているらしい。……よーーし、早く見つけてシュパパッと狩っちゃって、ミッションクリアしちゃうぞー‼︎
ーーと、そこへ、一人の青年がひょこっと出てきた‼︎ーー
「レム……‼︎」
「…………‼︎(ラムと顔を見合わせるレム)」
おひょーー‼︎ 飛んで火に入る夏の虫とはこのことですなー‼︎ 私とラムは、静かに鎌を取り出して、こちらに向かってやってくる男を待ってあげたのだった!
私たち死神は、人間界で暮らしている生物には、見えないようになっている。なんでかって? ……それは、私にもよくはわからないんだけどね、多分、鎌を振り上げてる私たちが見えてしまったら、みんな逃げちゃうでしょ? 死神は、物理的に鎌を生物に当てなきゃ命を狩れないから、いろいろな進化とともに、対象にしている生物からは見えないようになった説を私は推している‼︎
ザクザクザク。(男の足音)
そうこうしているうちに、ターゲット『パトリック・サイフォン』がすぐ目の前までやってきた。 よっしゃーー‼︎ 今日は奮発して晩御飯はスキヤキだぞ‼︎
そう、……このときの私たちは、知りもしなかった。
パトリック・サイフォンという人間の能力を。
『……ねえ、そんなに大きな鎌持って、何してるの?』
「「ーーーーっ⁉︎」」
えっ? も、もしかして、私たち、見られてる⁉︎ そ、そんな馬鹿な。ありえない。……私は気にせず、自身の鎌をパトリック・サイフォンに向かって振り上げた‼︎
…………カキンッ‼︎(鎌が弾かれた音)
「「ーーーーっ⁉︎」」
『ダメだよ、そんな物騒なもの振り回しちゃ。警察にしょっぴくぞ、コラ。(ちょっとお怒り殿下)』
「「ーーーーっ⁉︎(ええええええ⁉︎)」」
……見えてる。……パトリック・サイフォン、……意外に侮れないわね。私は遠くに見える自身の鎌を眺めて、現実逃避した。(もうどうにでもなーれー。)
「(小声で)レム、しっかりして‼︎(大焦りラム)」
『ああ、君の分も物騒だね。(瞳孔ピカッ)』
ーーラムの鎌は、何処かへ向かって消えていった‼︎ーー
ええええええ⁉︎ どういうことなの⁉︎ ラムは、見習いの中では、抜群の実力者なのに、……いつの間にか、鎌も、ラムのやる気も、何処かへ行ってしまったわ‼︎
「「…………。(滝のような汗)」」
『………………。(じいいいっと二人を見る殿下)』
むむむむう。……かくなる上は、どうにかここから逃げて、一旦、体勢を整えるわよ‼︎
『……ねえ、簡単に逃げられると思っているの?』
「「ーーーーっ⁉︎」」
『………………。(ニヤリと笑う魔王殿下)』
そのときの、パトリック・サイフォンの表情は、忘れたくても忘れられない。まるで、悪魔、いや、魔王、もうひと超え……大魔王様のような笑顔に、私は見えた。
ーー死神見習いレムとラムの運命は如何に⁉︎ーー
「レム、ラム、死神見習いの仕事には慣れたかの?」
「はい、上級死神様‼︎ 数々の生き物の命を狩りまくっています‼︎(超元気なレム)」
「今日は、人間五体とカエル三体を狩ってきました。(落ち着いた雰囲気のラム)」
「そうか、そうか。これからが楽しみじゃのう。……そんな二人に良い話がある。二人にだけのお得な昇級試験じゃ。」
「「ーーーーっ‼︎」」
「今から告げるミッションをクリア出来たら、死神見習いから中級死神まで飛び級できるぞい。……どうじゃ、やってみるかね?」
「レム、なにか嫌な予感がするからことわ……。」
「やります! やらせてください‼︎」
「ーーーーっ‼︎(レムーー⁉︎ 心の中で絶叫するラム)」
「ふぉっふぉっふぉっ、威勢がいいのう。……よかろう。これから、レム及びラムの昇級試験内容を言い渡す。……人間界にいるパトリック・サイフォンという男の命を狩ってくること。……二人とも、良いな?」
「了解です、上級死神様‼︎(超元気レム)」
「……了解です。(渋々ラム)」
ーー余談だが『パトリック・サイフォン』とはトルネード王国で何故か指名手配されている第二王子のことだぞ‼︎ーー
「楽しみじゃのう。……(小声で)ちなみに、パトリック・サイフォンに存在を気づかれてミッションに失敗したら、二人はクビじゃ。……こころしてかかるようにな。」
「「…………? 了解です‼︎」」
ーー上級死神はステップを踏みながら去って行った。ーー
◇ ◇ ◇
皆さんこんにちは! 私はレム、死神見習いです‼︎
そんでもって、私の横にいるのは、バディを組んでる同じ死神見習いのラム。とってもクールでイケメンなんだよ‼︎
私とラムは、上級死神様からいただいたミッションに取り掛かる為に、ひとまず人間界のトルネード王国っていう国と、アデル皇国っていう国との間に降り立ったの。
「……レム、離れたら危険だから、手を繋いでおこう。」
「うん、ありがとう、ラム‼︎」
ーー二人は仲良く手を繋いだ‼︎ーー
なんでも、ここには、今回のターゲット『パトリック・サイフォン』という男が生息しているらしい。……よーーし、早く見つけてシュパパッと狩っちゃって、ミッションクリアしちゃうぞー‼︎
ーーと、そこへ、一人の青年がひょこっと出てきた‼︎ーー
「レム……‼︎」
「…………‼︎(ラムと顔を見合わせるレム)」
おひょーー‼︎ 飛んで火に入る夏の虫とはこのことですなー‼︎ 私とラムは、静かに鎌を取り出して、こちらに向かってやってくる男を待ってあげたのだった!
私たち死神は、人間界で暮らしている生物には、見えないようになっている。なんでかって? ……それは、私にもよくはわからないんだけどね、多分、鎌を振り上げてる私たちが見えてしまったら、みんな逃げちゃうでしょ? 死神は、物理的に鎌を生物に当てなきゃ命を狩れないから、いろいろな進化とともに、対象にしている生物からは見えないようになった説を私は推している‼︎
ザクザクザク。(男の足音)
そうこうしているうちに、ターゲット『パトリック・サイフォン』がすぐ目の前までやってきた。 よっしゃーー‼︎ 今日は奮発して晩御飯はスキヤキだぞ‼︎
そう、……このときの私たちは、知りもしなかった。
パトリック・サイフォンという人間の能力を。
『……ねえ、そんなに大きな鎌持って、何してるの?』
「「ーーーーっ⁉︎」」
えっ? も、もしかして、私たち、見られてる⁉︎ そ、そんな馬鹿な。ありえない。……私は気にせず、自身の鎌をパトリック・サイフォンに向かって振り上げた‼︎
…………カキンッ‼︎(鎌が弾かれた音)
「「ーーーーっ⁉︎」」
『ダメだよ、そんな物騒なもの振り回しちゃ。警察にしょっぴくぞ、コラ。(ちょっとお怒り殿下)』
「「ーーーーっ⁉︎(ええええええ⁉︎)」」
……見えてる。……パトリック・サイフォン、……意外に侮れないわね。私は遠くに見える自身の鎌を眺めて、現実逃避した。(もうどうにでもなーれー。)
「(小声で)レム、しっかりして‼︎(大焦りラム)」
『ああ、君の分も物騒だね。(瞳孔ピカッ)』
ーーラムの鎌は、何処かへ向かって消えていった‼︎ーー
ええええええ⁉︎ どういうことなの⁉︎ ラムは、見習いの中では、抜群の実力者なのに、……いつの間にか、鎌も、ラムのやる気も、何処かへ行ってしまったわ‼︎
「「…………。(滝のような汗)」」
『………………。(じいいいっと二人を見る殿下)』
むむむむう。……かくなる上は、どうにかここから逃げて、一旦、体勢を整えるわよ‼︎
『……ねえ、簡単に逃げられると思っているの?』
「「ーーーーっ⁉︎」」
『………………。(ニヤリと笑う魔王殿下)』
そのときの、パトリック・サイフォンの表情は、忘れたくても忘れられない。まるで、悪魔、いや、魔王、もうひと超え……大魔王様のような笑顔に、私は見えた。
ーー死神見習いレムとラムの運命は如何に⁉︎ーー
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