78 / 80
最終章 あなただけしか見えない
9-6
しおりを挟む
私はいま、零士さんの会社で自分のブランドの服を作っている。
「プレスの反応、好評でした! 単独特集を組みたいと、取材の申し込みも入っています」
「本当ですか!?」
打ち合わせで報告を受け、興奮した。
つい先日、ブランドの発表会を行った。
当日の手応えはよかったが、実際の反応は気になっていたので、この報告は嬉しい。
「この調子でどんどんいきましょう、どんどん」
彼女の調子がいいのは、そういう仕様なのらしい。
だんだん、慣れてきた。
「では、よろしくお願いしますー」
打ち合わせを終え、会社を出る。
今日は零士さんが帰ってくる日だから、夕食作りたいなー。
零士さんは仕事の整理をし、前よりも家にいる頻度がずっと増えた。
もともと、株やなんかと不動産収入だけで働かないでも十分やっていける。
会社経営は彼の趣味みたいなものなのだ。
「ただいま」
「おかえりなさいませ」
帰ってきた零士さんの唇が重なる。
「今日は私が作ったんですよ」
「それは楽しみだ」
ソファーでしばらく私とのキスを堪能したあと、零士さんは着替えに行った。
その間に夕食の準備を済ませてしまう。
「美味しそうだな」
本当に嬉しそうに零士さんが食卓に着く。
「俺、牛肉とマグロが好物だと思っていたんだけどさ」
零士さんは今日も美味しそうに私の作った料理を食べている。
それだけで私も嬉しくなっちゃう。
「一番好きなのは清華が作った料理だな」
満面の笑みで彼は、フォークに巻いたパスタをぱくりと口に入れた。
「そう言ってくださるなんて、光栄です」
「毎日でも食べたいけど、そうなると清華が大変だよな。
でも悩む……」
真剣に零士さんは悩んでいてちょっとおかしい。
でも、そんなに喜んでくれるのなら、これからは頻度を増やしてもいいかな。
食事のあとは少しイチャイチャして、零士さんは書斎へ、私も作業部屋へ行く。
「次はどんな服を作ろうかな?」
私のブランドは現在、ウィメンズだけだが、ベビーや子供服に手を出してもいいと思う。
最近、……そんな気がするんだよね。
そろそろいい頃だし明日、検査薬を買ってみようかな。
そうだったら零士さん、喜んでくれるよね。
ちょっと明日が楽しみだ。
【終】
番外編2本あります。
「プレスの反応、好評でした! 単独特集を組みたいと、取材の申し込みも入っています」
「本当ですか!?」
打ち合わせで報告を受け、興奮した。
つい先日、ブランドの発表会を行った。
当日の手応えはよかったが、実際の反応は気になっていたので、この報告は嬉しい。
「この調子でどんどんいきましょう、どんどん」
彼女の調子がいいのは、そういう仕様なのらしい。
だんだん、慣れてきた。
「では、よろしくお願いしますー」
打ち合わせを終え、会社を出る。
今日は零士さんが帰ってくる日だから、夕食作りたいなー。
零士さんは仕事の整理をし、前よりも家にいる頻度がずっと増えた。
もともと、株やなんかと不動産収入だけで働かないでも十分やっていける。
会社経営は彼の趣味みたいなものなのだ。
「ただいま」
「おかえりなさいませ」
帰ってきた零士さんの唇が重なる。
「今日は私が作ったんですよ」
「それは楽しみだ」
ソファーでしばらく私とのキスを堪能したあと、零士さんは着替えに行った。
その間に夕食の準備を済ませてしまう。
「美味しそうだな」
本当に嬉しそうに零士さんが食卓に着く。
「俺、牛肉とマグロが好物だと思っていたんだけどさ」
零士さんは今日も美味しそうに私の作った料理を食べている。
それだけで私も嬉しくなっちゃう。
「一番好きなのは清華が作った料理だな」
満面の笑みで彼は、フォークに巻いたパスタをぱくりと口に入れた。
「そう言ってくださるなんて、光栄です」
「毎日でも食べたいけど、そうなると清華が大変だよな。
でも悩む……」
真剣に零士さんは悩んでいてちょっとおかしい。
でも、そんなに喜んでくれるのなら、これからは頻度を増やしてもいいかな。
食事のあとは少しイチャイチャして、零士さんは書斎へ、私も作業部屋へ行く。
「次はどんな服を作ろうかな?」
私のブランドは現在、ウィメンズだけだが、ベビーや子供服に手を出してもいいと思う。
最近、……そんな気がするんだよね。
そろそろいい頃だし明日、検査薬を買ってみようかな。
そうだったら零士さん、喜んでくれるよね。
ちょっと明日が楽しみだ。
【終】
番外編2本あります。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
301
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる