1 / 36
第1章 私と極悪上司
1.最悪の出会い
しおりを挟む
鏡を見て、今日の自分をチェックする。
「よしっ!」
長い髪はゆるいお団子にして、当たり障りのないトップスにタイトスカート、なんて私は一人前にOLの顔をしてた。
昨日の入社式はリクルートスーツだったけれど、本格的に仕事がはじまる今日からは私服でいいらしい。
「頑張るぞー」
――とか、意気揚々と出社したのが六時間ほど前。
すでに、挫けそうになっています……。
そもそもが、出だしからなんとなくイヤな気はしていた。
「本日よりお世話になります、星谷桐子です。
なにかとご迷惑をおかけするかと思いますが、よろしくお願いします!」
朝礼で課長に紹介されて勢いよくあたまを下げる。
拍手が起きて顔を上げたら、眼鏡の男の人と目があった。
しかも彼はなぜか、私を睨んでいる。
……え。
私、なんかした……?
考えたけれどなにも思いつかなかった。
朝礼が終わり、下野課長が私の直属の上司になる人を紹介してくれたが、固まった。
だってさっきの、私を睨んでいた男だったから。
「彼が星谷くんの上司で仕事を教えてくれる、京塚主任だよ」
「……ども」
課長から紹介され、男が小さく頷く。
……私に会社員生活、終わったな。
瞬時に、そう悟った。
だって相手はツンツンあたまで目付き悪いし。
しかもその人相を悪さを強調するみたいな太めの黒縁眼鏡をかけているし。
さらになんか、ちかよんなオーラが出てるんだよ?
そんな人が私の、教育係?
いやいや、人選間違ってるって。
こちらの、温和なおじさんっぽい下野課長とチェンジできませんか?
……なーんて入社したての私が言えるはずもなく。
「ほ、星谷です。
よろしくお願いします……」
結局、引きつった笑顔を彼に向けた。
「じゃあ、早速はじめるけど……」
「あ、はい!」
慌てて、メモ帳を開く。
京塚主任は私のパソコンを操作して、画面を開いた。
「よしっ!」
長い髪はゆるいお団子にして、当たり障りのないトップスにタイトスカート、なんて私は一人前にOLの顔をしてた。
昨日の入社式はリクルートスーツだったけれど、本格的に仕事がはじまる今日からは私服でいいらしい。
「頑張るぞー」
――とか、意気揚々と出社したのが六時間ほど前。
すでに、挫けそうになっています……。
そもそもが、出だしからなんとなくイヤな気はしていた。
「本日よりお世話になります、星谷桐子です。
なにかとご迷惑をおかけするかと思いますが、よろしくお願いします!」
朝礼で課長に紹介されて勢いよくあたまを下げる。
拍手が起きて顔を上げたら、眼鏡の男の人と目があった。
しかも彼はなぜか、私を睨んでいる。
……え。
私、なんかした……?
考えたけれどなにも思いつかなかった。
朝礼が終わり、下野課長が私の直属の上司になる人を紹介してくれたが、固まった。
だってさっきの、私を睨んでいた男だったから。
「彼が星谷くんの上司で仕事を教えてくれる、京塚主任だよ」
「……ども」
課長から紹介され、男が小さく頷く。
……私に会社員生活、終わったな。
瞬時に、そう悟った。
だって相手はツンツンあたまで目付き悪いし。
しかもその人相を悪さを強調するみたいな太めの黒縁眼鏡をかけているし。
さらになんか、ちかよんなオーラが出てるんだよ?
そんな人が私の、教育係?
いやいや、人選間違ってるって。
こちらの、温和なおじさんっぽい下野課長とチェンジできませんか?
……なーんて入社したての私が言えるはずもなく。
「ほ、星谷です。
よろしくお願いします……」
結局、引きつった笑顔を彼に向けた。
「じゃあ、早速はじめるけど……」
「あ、はい!」
慌てて、メモ帳を開く。
京塚主任は私のパソコンを操作して、画面を開いた。
2
あなたにおすすめの小説
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
*全28話完結
*辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
*他誌にも掲載中です。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
私の婚活事情〜副社長の策に嵌まるまで〜
みかん桜
恋愛
身長172センチ。
高身長であること以外ごく普通のアラサーOL、佐伯花音。
婚活アプリに登録し、積極的に動いているのに中々上手く行かない。
「名前からしてもっと可愛らしい人かと……」ってどういうこと?
そんな男、こっちから願い下げ!
——でもだからって、イケメンで仕事もできる副社長……こんなハイスペ男子も求めてないっ!
って思ってたんだけどな。気が付いた時には既に副社長の手の内にいた。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
契約結婚のはずなのに、冷徹なはずのエリート上司が甘く迫ってくるんですが!? ~結婚願望ゼロの私が、なぜか愛されすぎて逃げられません~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「俺と結婚しろ」
突然のプロポーズ――いや、契約結婚の提案だった。
冷静沈着で完璧主義、社内でも一目置かれるエリート課長・九条玲司。そんな彼と私は、ただの上司と部下。恋愛感情なんて一切ない……はずだった。
仕事一筋で恋愛に興味なし。過去の傷から、結婚なんて煩わしいものだと決めつけていた私。なのに、九条課長が提示した「条件」に耳を傾けるうちに、その提案が単なる取引とは思えなくなっていく。
「お前を、誰にも渡すつもりはない」
冷たい声で言われたその言葉が、胸をざわつかせる。
これは合理的な選択? それとも、避けられない運命の始まり?
割り切ったはずの契約は、次第に二人の境界線を曖昧にし、心を絡め取っていく――。
不器用なエリート上司と、恋を信じられない女。
これは、"ありえないはずの結婚"から始まる、予測不能なラブストーリー。
密会~合コン相手はドS社長~
日下奈緒
恋愛
デザイナーとして働く冬佳は、社長である綾斗にこっぴどくしばかれる毎日。そんな中、合コンに行った冬佳の前の席に座ったのは、誰でもない綾斗。誰かどうにかして。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる