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最終章 面倒、だけどいい
9.好き
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「なあ。
さっきの、もう一回言ってくれないか」
さっきの、と一瞬考えて、ぼっと顔が火を噴く。
「……あ、あんなん、一回言ったら十分やん……?」
「はっきり聞こえなかったからもう一度、言ってほしいんだが?」
「うっ」
片手だった手が両手になり、俯いている私の顔を上げさせる。
「僕は麻里恵が好きだ。
愛している」
眩しそうに目を細め、彼は私の返事を待っている。
どうしてこの人はこうやって、私の退路を断ってくるんだろう。
「わ、私も、く、……侑が、好き」
「可愛い、麻里恵」
ゆっくりと顔が近づいてきて唇が重なる。
ちろりと舌先で唇を舐められ、自然と口を開いていた。
くちゅり、くちゅりと淫靡な水音が、爽やかな朝日が降り注ぐ部屋の中に響く。
「……」
唇が離れてしばらく、見つめあう。
楠木さん――侑の顔が近づいてきて、私の耳もとで囁いた。
「……いますぐ、抱きたい」
「はぁっ!?
なん言いよん!?
さっさと会社行け、バカ!」
仕事云々はおいておいても、いまはまだ朝なのだ、朝!
朝からあんな、官能的なキスをしてしまったのだって恥ずかしすぎるっていうのに!
「昼までに行けば問題ないだろ」
「問題ありだ!
大ありだ!」
押し倒されてバタバタと暴れる。
振りあげた足がちょうどいいところにクリーンヒットしたらしく。
「……!
……!
……!!!!!!!」
……楠木さんは股間を押さえて悶絶した。
自業自得だ、馬鹿者。
「ほんとに休んでいいん……?」
「いい。
どうせ昨日、まともに寝てないんだろ?
僕からの特別休暇だ。
って、有給カウントはするが」
「ひどっ」
ようやく痛みも引き、会社へ向かう楠木さんを玄関まで見送る。
「それに有給は全日消化が推奨されているからな。
たまにはなんの用がなくても休んでいいんだ」
私を抱き寄せた彼の、唇が重なる。
「いってきます。
……今晩を楽しみに仕事してくる」
「……!」
反射的に出た手は、ひらりと軽く避けられた。
「絶対、嫌!」
「そんなこと言うなよ。
じゃ、いってくる」
ひらひらと手を振りながら彼が出ていき、はぁーっとため息が漏れる。
……今晩。
私は彼を、受け入れられるんだろうか。
さっきの、もう一回言ってくれないか」
さっきの、と一瞬考えて、ぼっと顔が火を噴く。
「……あ、あんなん、一回言ったら十分やん……?」
「はっきり聞こえなかったからもう一度、言ってほしいんだが?」
「うっ」
片手だった手が両手になり、俯いている私の顔を上げさせる。
「僕は麻里恵が好きだ。
愛している」
眩しそうに目を細め、彼は私の返事を待っている。
どうしてこの人はこうやって、私の退路を断ってくるんだろう。
「わ、私も、く、……侑が、好き」
「可愛い、麻里恵」
ゆっくりと顔が近づいてきて唇が重なる。
ちろりと舌先で唇を舐められ、自然と口を開いていた。
くちゅり、くちゅりと淫靡な水音が、爽やかな朝日が降り注ぐ部屋の中に響く。
「……」
唇が離れてしばらく、見つめあう。
楠木さん――侑の顔が近づいてきて、私の耳もとで囁いた。
「……いますぐ、抱きたい」
「はぁっ!?
なん言いよん!?
さっさと会社行け、バカ!」
仕事云々はおいておいても、いまはまだ朝なのだ、朝!
朝からあんな、官能的なキスをしてしまったのだって恥ずかしすぎるっていうのに!
「昼までに行けば問題ないだろ」
「問題ありだ!
大ありだ!」
押し倒されてバタバタと暴れる。
振りあげた足がちょうどいいところにクリーンヒットしたらしく。
「……!
……!
……!!!!!!!」
……楠木さんは股間を押さえて悶絶した。
自業自得だ、馬鹿者。
「ほんとに休んでいいん……?」
「いい。
どうせ昨日、まともに寝てないんだろ?
僕からの特別休暇だ。
って、有給カウントはするが」
「ひどっ」
ようやく痛みも引き、会社へ向かう楠木さんを玄関まで見送る。
「それに有給は全日消化が推奨されているからな。
たまにはなんの用がなくても休んでいいんだ」
私を抱き寄せた彼の、唇が重なる。
「いってきます。
……今晩を楽しみに仕事してくる」
「……!」
反射的に出た手は、ひらりと軽く避けられた。
「絶対、嫌!」
「そんなこと言うなよ。
じゃ、いってくる」
ひらひらと手を振りながら彼が出ていき、はぁーっとため息が漏れる。
……今晩。
私は彼を、受け入れられるんだろうか。
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