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第6章 すれ違いの生活
3.おやすみのちゅーくらい、するからっ
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今日は清人の迎えは当然ないし、回してくれるタクシーもない。
ずっと本部に詰めっぱなしで、そんな時間はないのだと笑っていた。
「……で。
もちろん、連絡もないよね」
LINEには清人からのメッセージはない。
いつものタクシー会社に連絡し、馴染みのドライバーにきてもらって家に帰った。
クッションを抱いてソファーに後ろ向きに座り、ガレージを見つめる。
すぐ横には携帯。
いつ、清人から連絡が入ってもいいように。
――チロリロリン!
携帯が通知音を立て、飛びつく。
【ごめん!
食事して帰ることになって、いま華月庵。
遅くなるから先に寝てていいよ】
清人なりの気遣いだってわかっている。
今日の会議はR.Mountainおよび清人の、今後の身の振り方についてが主な議題だと聞いていた。
それじゃなくても不安なのに、先に寝るなんてできるはずがない。
「早く帰ってきてよ、清人……」
クッションを抱いて小さく丸くなる。
こんなとき、家にひとりっきりなのはさらに不安になった。
ペットでもいれば気が紛れるんだろうか。
今度、清人に提案してみようかな……。
どれくらいそうしていたのかわからない。
不意にパッとガレージに灯りがともり、顔を上げる。
「ただいまー。
涼鳴、まだ起きてるの……?」
「清人!」
パタパタとスリッパの音を立てて清人に駆け寄り、抱きつく。
それくらい、不安だったから。
でも清人からはいつかの香水のにおいがした。
「先に寝てていいって言ったのに」
「だって」
困り顔でもちゅっとキスをもらえば、少しだけ気持ちは落ち着く。
「会議!
会議はどうなったの!?」
待ちきれなくて問う私を、清人はソファーに連れていって座らせてくれた。
「涼鳴には悪いお知らせ、かな?」
「えっ」
悪いお知らせって、会社を取り上げられちゃうとか?
最悪、潰されるとか?
そんなのダメだよ、清人は本当にあの会社が好きなのに。
「しばらく、涼鳴の送り迎えができなくなりました」
「……は?」
想像していたより、ずっと軽い内容で拍子抜けした。
よっぽど私が間抜け顔していたのか、清人はくすくす笑っている。
「しばらく本部勤務が決まったんだ。
だから、涼鳴の送り迎えができない」
「あ、そーゆー」
これは思っていたよりもずっと軽い結果……なのかな。
でも前に、愛子さんは〝正しい選択〟とか言っていた。
あれってやっぱり、R.Mountainを捨てて本部に入れってことじゃ。
じゃあこれはその序章でこのあとはなし崩しにそのまま本部勤務、R.Mountainはいつのまにかなくなって、清人は本部の社長になって私と別れて愛子さんと結婚……?
そこまで考えて薄ら寒くなった。
「涼鳴?」
黙ってしまった私の顔を、清人が怪訝そうに覗き込む。
「あの、その、えっと」
「うん、そうだね。
きっと、涼鳴の想像しているとおりだよ」
こういうときは清人のエスパー能力に感謝だ。
「でも僕は柴山専務の思い通りにはならない。
R.Mountainはひいじいちゃんから受け継いだ、大事なAAの魂だ。
それをないがしろにする奴は身内でも許さない。
それに」
言葉を切った清人が、じっとレンズの奥から私を見つめる。
「涼鳴と別れて、しかもあの愛子と結婚とかありえない。
だいたい、前世から待ってようやく涼鳴と結婚できたんだよ?
来世でも一緒にいたいくらいなのに、別れるなんてありえないよ」
清人の顔が近付いてきて、唇が触れて離れる。
「う、うん。
そう、だね」
前は前世から好きだったんだー、とか言われたら、なに馬鹿なことを笑っていた。
でもいまは、もしかして本当にそうなんじゃないかって思う。
だって――それくらい、清人が好きだから。
「だから涼鳴は僕を信じて待ってて」
「わかった。
清人を信じて待ってる」
ぎゅーっと抱き締められた腕の中は暖かい。
知らない香水のにおいがするのはムカつくけど。
「でも無理はしないで。
私にできることだったらなんでもするから」
「じゃあ、毎日、おやすみのちゅーしてくれる?」
「えっ、あっ」
なんでも、とは言ったけど。
でもこれは……。
「なーんて冗談だよ。
涼鳴が僕の傍にいてくれるってだけで十分だから」
清人は笑っているけど、どこまで本気だったんだろう。
……ううん、たとえ本当に冗談だったとしても。
「するよ、おやすみのちゅー。
おはようのちゅーもいってらっしゃいのちゅーも、おかえりのちゅーもするから」
「涼鳴?」
「だから、だからっ」
「……うん、そうだね」
ゆっくりと、清人の手が私の背中をぽん、ぽん、と叩く。
出てきそうな涙は唇を噛みしめて耐えた。
「涼鳴がそんなにキスしてくれたら、僕は凄く頑張れそうだ」
「キスくらい、いくらでもするからっ」
「うん、ありがとう」
清人の声はどこまでも優しい。
神様どうか、この人に酷い試練を与えないで――。
……おはようもおやすみも、いってらっしゃいもおかえりのちゅーもするって約束した。
なのに。
「ん……」
目を開けたらすでに、隣には清人はいない。
「清人……?」
行ったリビングにももう姿はないし、ガラス越しに見えるガレージにも黒のセダンの姿はない。
「また起こしてくれなかったんだ……」
もう一週間、清人と会っていない。
清人は私が起きるよりも早く仕事へ行き、私が寝るよりも遅く帰ってくる。
最初の頃は清人が帰ってくるまで起きていようと頑張ったけど、結局寝落ちてしまって。
リビングのソファーからベッドに運んでもらうなんて、疲れている彼の手を煩わせてしまい、諦めた。
せめて朝は清人が起きる時間にあわせて起きようと思うのだけれど、彼は私が寝ている間に目覚ましを解除してしまう。
何度かLINEで抗議したものの。
【涼鳴に無理、してほしくないから】
そんなことを言われればそれ以上なにも言えなかった。
「朝食、作んなくていいって言ってるのに……」
キッチンには温めればいいように朝食が準備してある。
魔法瓶にはわざわざ入れた紅茶が。
「……いただきます」
ひとりっきりの朝食は味気ない。
「朝食くらい、一緒に食べたいよ……」
はぁーっ、とついたため息は、爽やかな朝には似合わないくらい、暗い。
いつもの時間になると、ハイヤーが私を迎えに来る。
運転手は女性で、私専属だ。
自分が送り迎えできないからと、清人は自身でドライバーを決めてきた。
女性なのはその方が私が緊張しなくていいだろうっていう配慮だ。
そういうところが嬉しい。
「おはようございます」
仕事に行けば、いつもどおり仕事をこなす。
少し整理したとはいえ、それでもまだ鬼のように仕事を抱えているいま、休むなんて許されない。
清人に会えないだけで、毎日は淡々と過ぎていく。
恐ろしいくらい、平穏に。
ずっと本部に詰めっぱなしで、そんな時間はないのだと笑っていた。
「……で。
もちろん、連絡もないよね」
LINEには清人からのメッセージはない。
いつものタクシー会社に連絡し、馴染みのドライバーにきてもらって家に帰った。
クッションを抱いてソファーに後ろ向きに座り、ガレージを見つめる。
すぐ横には携帯。
いつ、清人から連絡が入ってもいいように。
――チロリロリン!
携帯が通知音を立て、飛びつく。
【ごめん!
食事して帰ることになって、いま華月庵。
遅くなるから先に寝てていいよ】
清人なりの気遣いだってわかっている。
今日の会議はR.Mountainおよび清人の、今後の身の振り方についてが主な議題だと聞いていた。
それじゃなくても不安なのに、先に寝るなんてできるはずがない。
「早く帰ってきてよ、清人……」
クッションを抱いて小さく丸くなる。
こんなとき、家にひとりっきりなのはさらに不安になった。
ペットでもいれば気が紛れるんだろうか。
今度、清人に提案してみようかな……。
どれくらいそうしていたのかわからない。
不意にパッとガレージに灯りがともり、顔を上げる。
「ただいまー。
涼鳴、まだ起きてるの……?」
「清人!」
パタパタとスリッパの音を立てて清人に駆け寄り、抱きつく。
それくらい、不安だったから。
でも清人からはいつかの香水のにおいがした。
「先に寝てていいって言ったのに」
「だって」
困り顔でもちゅっとキスをもらえば、少しだけ気持ちは落ち着く。
「会議!
会議はどうなったの!?」
待ちきれなくて問う私を、清人はソファーに連れていって座らせてくれた。
「涼鳴には悪いお知らせ、かな?」
「えっ」
悪いお知らせって、会社を取り上げられちゃうとか?
最悪、潰されるとか?
そんなのダメだよ、清人は本当にあの会社が好きなのに。
「しばらく、涼鳴の送り迎えができなくなりました」
「……は?」
想像していたより、ずっと軽い内容で拍子抜けした。
よっぽど私が間抜け顔していたのか、清人はくすくす笑っている。
「しばらく本部勤務が決まったんだ。
だから、涼鳴の送り迎えができない」
「あ、そーゆー」
これは思っていたよりもずっと軽い結果……なのかな。
でも前に、愛子さんは〝正しい選択〟とか言っていた。
あれってやっぱり、R.Mountainを捨てて本部に入れってことじゃ。
じゃあこれはその序章でこのあとはなし崩しにそのまま本部勤務、R.Mountainはいつのまにかなくなって、清人は本部の社長になって私と別れて愛子さんと結婚……?
そこまで考えて薄ら寒くなった。
「涼鳴?」
黙ってしまった私の顔を、清人が怪訝そうに覗き込む。
「あの、その、えっと」
「うん、そうだね。
きっと、涼鳴の想像しているとおりだよ」
こういうときは清人のエスパー能力に感謝だ。
「でも僕は柴山専務の思い通りにはならない。
R.Mountainはひいじいちゃんから受け継いだ、大事なAAの魂だ。
それをないがしろにする奴は身内でも許さない。
それに」
言葉を切った清人が、じっとレンズの奥から私を見つめる。
「涼鳴と別れて、しかもあの愛子と結婚とかありえない。
だいたい、前世から待ってようやく涼鳴と結婚できたんだよ?
来世でも一緒にいたいくらいなのに、別れるなんてありえないよ」
清人の顔が近付いてきて、唇が触れて離れる。
「う、うん。
そう、だね」
前は前世から好きだったんだー、とか言われたら、なに馬鹿なことを笑っていた。
でもいまは、もしかして本当にそうなんじゃないかって思う。
だって――それくらい、清人が好きだから。
「だから涼鳴は僕を信じて待ってて」
「わかった。
清人を信じて待ってる」
ぎゅーっと抱き締められた腕の中は暖かい。
知らない香水のにおいがするのはムカつくけど。
「でも無理はしないで。
私にできることだったらなんでもするから」
「じゃあ、毎日、おやすみのちゅーしてくれる?」
「えっ、あっ」
なんでも、とは言ったけど。
でもこれは……。
「なーんて冗談だよ。
涼鳴が僕の傍にいてくれるってだけで十分だから」
清人は笑っているけど、どこまで本気だったんだろう。
……ううん、たとえ本当に冗談だったとしても。
「するよ、おやすみのちゅー。
おはようのちゅーもいってらっしゃいのちゅーも、おかえりのちゅーもするから」
「涼鳴?」
「だから、だからっ」
「……うん、そうだね」
ゆっくりと、清人の手が私の背中をぽん、ぽん、と叩く。
出てきそうな涙は唇を噛みしめて耐えた。
「涼鳴がそんなにキスしてくれたら、僕は凄く頑張れそうだ」
「キスくらい、いくらでもするからっ」
「うん、ありがとう」
清人の声はどこまでも優しい。
神様どうか、この人に酷い試練を与えないで――。
……おはようもおやすみも、いってらっしゃいもおかえりのちゅーもするって約束した。
なのに。
「ん……」
目を開けたらすでに、隣には清人はいない。
「清人……?」
行ったリビングにももう姿はないし、ガラス越しに見えるガレージにも黒のセダンの姿はない。
「また起こしてくれなかったんだ……」
もう一週間、清人と会っていない。
清人は私が起きるよりも早く仕事へ行き、私が寝るよりも遅く帰ってくる。
最初の頃は清人が帰ってくるまで起きていようと頑張ったけど、結局寝落ちてしまって。
リビングのソファーからベッドに運んでもらうなんて、疲れている彼の手を煩わせてしまい、諦めた。
せめて朝は清人が起きる時間にあわせて起きようと思うのだけれど、彼は私が寝ている間に目覚ましを解除してしまう。
何度かLINEで抗議したものの。
【涼鳴に無理、してほしくないから】
そんなことを言われればそれ以上なにも言えなかった。
「朝食、作んなくていいって言ってるのに……」
キッチンには温めればいいように朝食が準備してある。
魔法瓶にはわざわざ入れた紅茶が。
「……いただきます」
ひとりっきりの朝食は味気ない。
「朝食くらい、一緒に食べたいよ……」
はぁーっ、とついたため息は、爽やかな朝には似合わないくらい、暗い。
いつもの時間になると、ハイヤーが私を迎えに来る。
運転手は女性で、私専属だ。
自分が送り迎えできないからと、清人は自身でドライバーを決めてきた。
女性なのはその方が私が緊張しなくていいだろうっていう配慮だ。
そういうところが嬉しい。
「おはようございます」
仕事に行けば、いつもどおり仕事をこなす。
少し整理したとはいえ、それでもまだ鬼のように仕事を抱えているいま、休むなんて許されない。
清人に会えないだけで、毎日は淡々と過ぎていく。
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