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第10話 私の帰る場所
6.宣誓書
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「は?」
「は?」
いいアイディアが思いついた、とばかりににっこりと笑う侑岐に、朋香も尚一郎も、間抜けにも同じ一音を発してまじまじと侑岐の顔を見ていた。
「仮面夫婦でかまわないわ。
尚一郎は引き続き、朋香と生活すればいい。
私だって、メグと離れるなんて嫌だし」
「できるわけないだろ、そんなこと!」
「あらどうして?
表面上、私たちが夫婦になれば、達之助おじいさまは朋香に手を出すこともないでしょうし、うちの両親も安心する。
すべてが丸く収まるわ」
侑岐の云う通りかもしれない。
表面上、尚一郎と侑岐が結婚してしまえば、達之助も満足だろう。
確かに、いいアイディアだとは思う。
けれど。
……けれど。
嘘でも、侑岐の隣で夫の顔をして、笑っている尚一郎を想像すると、胸が苦しくなった。
「僕の妻は仮面だろうがなんだろうが、朋香ただひとりだ!
なにがあろうと朋香以外の女性を、妻に迎える気なんてない!」
ぎゅっと手を握られて見上げると、レンズ越しに目のあった尚一郎が頷いた。
握り返して俯いてしまう。
嬉しくて、顔がにやけてしまいそうだ。
「へー、万理奈(まりな)の件で懲りてないの?」
「それは……」
万理奈、その名前が出た途端にさっきまでの勢いはなくなり、尚一郎は俯き、黙ってしまった。
気になる、が、聞けそうにない雰囲気。
推測するに今日、侑岐が云っていた女性のことじゃないだろうか。
「朋香も彼女のように不幸にする気?」
「……朋香は絶対に僕が守る。
今度こそ、絶対に」
朋香の手を掴む尚一郎の手に、痛いくらい力が入る。
思い詰めたような硬い表情に、思わず朋香はその手を握り返していた。
「絶対に僕は朋香を不幸にしない。
守ってみせる」
顔を上げた尚一郎の目は、揺るがない決意で満ちていた。
その目に、侑岐が嬉しそうに唇を僅かにほころばせる。
「約束、してよ?
絶対に朋香を不幸にしないって」
「神に、誓う」
尚一郎の強い言葉に、侑岐は満足げに頷いた。
「わかった。
じゃあ、例の書類をちょうだい」
尚一郎は頷くと懐から封筒を出し、その中の紙を侑岐の目の前に置いた。
「ペンは必要かい?」
「持ってるからいいわ」
さらさらとサインして侑岐から返された書類を、尚一郎はなぜか、朋香に手渡した。
「尚一郎さん?」
「朋香が確認して」
渡された書類を読むと、内容は婚約破棄についてだった。
「これで僕と侑岐は正式に、婚約を破棄した。
前は口約束だったから、つっこまれるとなんとも云えなかったけど。
これは弁護士に作らせた、正式な書類だからね。
CEOも文句は云えない」
「……はい」
「そしてこれ」
新たに手渡された書類を読む。
そこには、朋香以外の人間とは絶対に結婚しないこと、朋香との結婚を認めてもらえれば、相続の一切を放棄すると書いてあった。
「……ダメ、ですよ。
……こんな」
「僕の妻は生涯、朋香ひとりだけだって、僕なりの宣誓だよ」
目の前で開けられた指環ケースには、さっき、侑岐の指に嵌まっていた指環が入っていた。
「ごめんなさい、朋香。
私が勝手に持ち出したの」
しおらしくしょげてしまった侑岐が意外だった。
そんなところがあるなんて。
さっきのやり取りからしても、思っているよりもずっといい人なのかもしれない。
「待たせてごめん。
ちゃんとした婚約指環だよ。
じゃあ、改めて。
……僕と結婚して欲しい」
じっと、碧い瞳がレンズの向こうから自分を見つめている。
きっぱり侑岐の目の前で、自分の妻は朋香だと云い切ってくれればそれでいいと思っていた。
朋香だけを愛してるとキスしてくれて、機嫌を取るのになにか買ってくれれば、もうそれで十分だった。
なのに。
「もしかして朋香は貧乏な僕は嫌いかい?」
不安そうな尚一郎にふるふると首を横に振ると、にっこりと眼鏡の奥の目が笑う。
「よかった」
嬉しそうな尚一郎に泣きたくなる。
そんなに、尚一郎から愛されるなんて知らなかった。
だからなおさら。
「ダメですよ、こんな。
私にはそんな価値ないから……」
とうとう朋香の目から涙がこぼれ落ち、尚一郎は困った顔でその腕の中に朋香を抱きしめた。
「僕にとって、朋香はそれだけ大事な存在なんだ。
朋香を守るためだったらなんだってするよ」
「尚一郎さん……」
泣いている朋香と、朋香を愛おしそうに抱きしめる尚一郎を侑岐は黙って見守っている。
ようやく朋香の涙が落ち着いて尚一郎が離れると、苦笑いで口を開いた。
「尚一郎がそこまで決心するっていうなら、身を引くしかないし。
しっかり朋香を幸せにしなさいよ?」
「侑岐に云われなくたって」
尚一郎は朋香の目の前で書類にサインすると、婚約破棄の書類とともに封筒にしまった。
「あとはこれをCEOに渡せばおしまい。
きっと社長はクビになるだろうから、お義父さんの工場で雇ってもらおうか?
あ、アメリカに渡ってしばらく侑岐の世話になって、あっちで起業するのもいいかもね」
「なあに?
そこまで私に頼る気?
あ、朋香のお父さんの、工場のことは心配しなくていいわ。
私がちゃんと、面倒見るから」
ぱちんと侑岐にウィンクされて、驚いてしまう。
「あの、侑岐さんって……」
重広といえば、あの、日本ではロボット開発第一人者の重広工業だろうと察しはつくが、ただの婚約者だとは思えない。
「そういえば、きちんと紹介してなかったね。
侑岐は重広工業の一人娘で、僕が日本に来たときにはすでに、婚約者に決まってた。
それからの付き合いなんだ」
「酷いと思わない?
娘が同性愛者だって認めなくて、無理矢理男と結婚させようとするなんて。
まあ、表向き尚一郎と結婚するって云っておけば両親はなにも云わないし、都合がよかったの」
パチンと侑岐にウィンクされると、頬が熱くなった。
きっと侑岐は、女性からだってモテモテに違いない。
「不思議と尚一郎だと、腕を組んで歩いても、キスだってしたって嫌悪感はなかったし。
それに、押部家とは古い付き合いだから、……達之助おじいさまの性格も知ってた。
だから、尚一郎からしても都合がよかった」
ふっ、目を伏せて暗い表情をした侑岐に心がざわつく。
尚一郎が黙って、まるで話すなとでもいうかのように小さく首を振った。
「この話はやめにしましょう?
ねえ朋香、このアプリ、知ってる?」
急に話を変えてきた侑岐に違和感を覚えた。
尚一郎はほっと表情を緩ませている。
なにか聞かれてまずいことでもあるのだろうか。
しかしそれは、自分が知らなきゃいけないことのような気がする。
「このアプリ、私がアメリカで経営している会社で運営してるの」
「えっ、これって侑岐さんの会社なんですか!?
私も、料理とか参考にしてました!」
侑岐に見せられた携帯のアプリに一気に朋香のテンションが上がり、なんの話をしていたのかなんて吹っ飛んでいた。
なぜならそのアプリは最近、若い女性の間で人気のSNSアプリだったからだ。
料理やハンドメイド、DIYなどのレシピや完成画像を公開するアプリ。
手軽にレシピが検索できる上に、公開すればいいねがついて評価される。
もちろん、朋香も利用していた。
「まあこれは副業に近いけどねー。
そうだ、私のところにくる気なら、朋香、働いてみる?」
「いいんですか!?」
「いつの間に君たちはそんなに仲良くなったんだい?」
盛り上がる朋香と侑岐に、尚一郎は呆れ気味に笑っている。
そんなことすら嬉しくて、これから尚一郎と幸せになるのだと、このときの朋香は少しも疑ってなかった。
「は?」
いいアイディアが思いついた、とばかりににっこりと笑う侑岐に、朋香も尚一郎も、間抜けにも同じ一音を発してまじまじと侑岐の顔を見ていた。
「仮面夫婦でかまわないわ。
尚一郎は引き続き、朋香と生活すればいい。
私だって、メグと離れるなんて嫌だし」
「できるわけないだろ、そんなこと!」
「あらどうして?
表面上、私たちが夫婦になれば、達之助おじいさまは朋香に手を出すこともないでしょうし、うちの両親も安心する。
すべてが丸く収まるわ」
侑岐の云う通りかもしれない。
表面上、尚一郎と侑岐が結婚してしまえば、達之助も満足だろう。
確かに、いいアイディアだとは思う。
けれど。
……けれど。
嘘でも、侑岐の隣で夫の顔をして、笑っている尚一郎を想像すると、胸が苦しくなった。
「僕の妻は仮面だろうがなんだろうが、朋香ただひとりだ!
なにがあろうと朋香以外の女性を、妻に迎える気なんてない!」
ぎゅっと手を握られて見上げると、レンズ越しに目のあった尚一郎が頷いた。
握り返して俯いてしまう。
嬉しくて、顔がにやけてしまいそうだ。
「へー、万理奈(まりな)の件で懲りてないの?」
「それは……」
万理奈、その名前が出た途端にさっきまでの勢いはなくなり、尚一郎は俯き、黙ってしまった。
気になる、が、聞けそうにない雰囲気。
推測するに今日、侑岐が云っていた女性のことじゃないだろうか。
「朋香も彼女のように不幸にする気?」
「……朋香は絶対に僕が守る。
今度こそ、絶対に」
朋香の手を掴む尚一郎の手に、痛いくらい力が入る。
思い詰めたような硬い表情に、思わず朋香はその手を握り返していた。
「絶対に僕は朋香を不幸にしない。
守ってみせる」
顔を上げた尚一郎の目は、揺るがない決意で満ちていた。
その目に、侑岐が嬉しそうに唇を僅かにほころばせる。
「約束、してよ?
絶対に朋香を不幸にしないって」
「神に、誓う」
尚一郎の強い言葉に、侑岐は満足げに頷いた。
「わかった。
じゃあ、例の書類をちょうだい」
尚一郎は頷くと懐から封筒を出し、その中の紙を侑岐の目の前に置いた。
「ペンは必要かい?」
「持ってるからいいわ」
さらさらとサインして侑岐から返された書類を、尚一郎はなぜか、朋香に手渡した。
「尚一郎さん?」
「朋香が確認して」
渡された書類を読むと、内容は婚約破棄についてだった。
「これで僕と侑岐は正式に、婚約を破棄した。
前は口約束だったから、つっこまれるとなんとも云えなかったけど。
これは弁護士に作らせた、正式な書類だからね。
CEOも文句は云えない」
「……はい」
「そしてこれ」
新たに手渡された書類を読む。
そこには、朋香以外の人間とは絶対に結婚しないこと、朋香との結婚を認めてもらえれば、相続の一切を放棄すると書いてあった。
「……ダメ、ですよ。
……こんな」
「僕の妻は生涯、朋香ひとりだけだって、僕なりの宣誓だよ」
目の前で開けられた指環ケースには、さっき、侑岐の指に嵌まっていた指環が入っていた。
「ごめんなさい、朋香。
私が勝手に持ち出したの」
しおらしくしょげてしまった侑岐が意外だった。
そんなところがあるなんて。
さっきのやり取りからしても、思っているよりもずっといい人なのかもしれない。
「待たせてごめん。
ちゃんとした婚約指環だよ。
じゃあ、改めて。
……僕と結婚して欲しい」
じっと、碧い瞳がレンズの向こうから自分を見つめている。
きっぱり侑岐の目の前で、自分の妻は朋香だと云い切ってくれればそれでいいと思っていた。
朋香だけを愛してるとキスしてくれて、機嫌を取るのになにか買ってくれれば、もうそれで十分だった。
なのに。
「もしかして朋香は貧乏な僕は嫌いかい?」
不安そうな尚一郎にふるふると首を横に振ると、にっこりと眼鏡の奥の目が笑う。
「よかった」
嬉しそうな尚一郎に泣きたくなる。
そんなに、尚一郎から愛されるなんて知らなかった。
だからなおさら。
「ダメですよ、こんな。
私にはそんな価値ないから……」
とうとう朋香の目から涙がこぼれ落ち、尚一郎は困った顔でその腕の中に朋香を抱きしめた。
「僕にとって、朋香はそれだけ大事な存在なんだ。
朋香を守るためだったらなんだってするよ」
「尚一郎さん……」
泣いている朋香と、朋香を愛おしそうに抱きしめる尚一郎を侑岐は黙って見守っている。
ようやく朋香の涙が落ち着いて尚一郎が離れると、苦笑いで口を開いた。
「尚一郎がそこまで決心するっていうなら、身を引くしかないし。
しっかり朋香を幸せにしなさいよ?」
「侑岐に云われなくたって」
尚一郎は朋香の目の前で書類にサインすると、婚約破棄の書類とともに封筒にしまった。
「あとはこれをCEOに渡せばおしまい。
きっと社長はクビになるだろうから、お義父さんの工場で雇ってもらおうか?
あ、アメリカに渡ってしばらく侑岐の世話になって、あっちで起業するのもいいかもね」
「なあに?
そこまで私に頼る気?
あ、朋香のお父さんの、工場のことは心配しなくていいわ。
私がちゃんと、面倒見るから」
ぱちんと侑岐にウィンクされて、驚いてしまう。
「あの、侑岐さんって……」
重広といえば、あの、日本ではロボット開発第一人者の重広工業だろうと察しはつくが、ただの婚約者だとは思えない。
「そういえば、きちんと紹介してなかったね。
侑岐は重広工業の一人娘で、僕が日本に来たときにはすでに、婚約者に決まってた。
それからの付き合いなんだ」
「酷いと思わない?
娘が同性愛者だって認めなくて、無理矢理男と結婚させようとするなんて。
まあ、表向き尚一郎と結婚するって云っておけば両親はなにも云わないし、都合がよかったの」
パチンと侑岐にウィンクされると、頬が熱くなった。
きっと侑岐は、女性からだってモテモテに違いない。
「不思議と尚一郎だと、腕を組んで歩いても、キスだってしたって嫌悪感はなかったし。
それに、押部家とは古い付き合いだから、……達之助おじいさまの性格も知ってた。
だから、尚一郎からしても都合がよかった」
ふっ、目を伏せて暗い表情をした侑岐に心がざわつく。
尚一郎が黙って、まるで話すなとでもいうかのように小さく首を振った。
「この話はやめにしましょう?
ねえ朋香、このアプリ、知ってる?」
急に話を変えてきた侑岐に違和感を覚えた。
尚一郎はほっと表情を緩ませている。
なにか聞かれてまずいことでもあるのだろうか。
しかしそれは、自分が知らなきゃいけないことのような気がする。
「このアプリ、私がアメリカで経営している会社で運営してるの」
「えっ、これって侑岐さんの会社なんですか!?
私も、料理とか参考にしてました!」
侑岐に見せられた携帯のアプリに一気に朋香のテンションが上がり、なんの話をしていたのかなんて吹っ飛んでいた。
なぜならそのアプリは最近、若い女性の間で人気のSNSアプリだったからだ。
料理やハンドメイド、DIYなどのレシピや完成画像を公開するアプリ。
手軽にレシピが検索できる上に、公開すればいいねがついて評価される。
もちろん、朋香も利用していた。
「まあこれは副業に近いけどねー。
そうだ、私のところにくる気なら、朋香、働いてみる?」
「いいんですか!?」
「いつの間に君たちはそんなに仲良くなったんだい?」
盛り上がる朋香と侑岐に、尚一郎は呆れ気味に笑っている。
そんなことすら嬉しくて、これから尚一郎と幸せになるのだと、このときの朋香は少しも疑ってなかった。
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