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第一章 魔王の妻になりました
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「ただいまー」
仕事から帰ってきた部屋に、ニキの姿はない。
「今日もお出掛けですか、っと」
おにぎりをのせていた皿は洗ってあった。
一度帰ってきて寝た形跡はある。
「まあ、いないほうがいいけどさー」
ニキが我が家に転がり込んできて、今日でほぼ一週間。
とりあえずどこか落ち着き先が見つかるまではいていいとは言ったものの、なんの身分保障もないニキになにができるとは思えない。
このまま彼を養っていかなければならないのかと気が重くなる。
しかも当の本人は異世界で夜遊びを満喫しているのか、ここ数日帰ってくるのは私が出勤したあととくれば、怒りしかない。
「面倒なの拾っちゃったなー」
適当に食事を済ませ、お風呂に入ってニキの帰りなど待たずにベッドに潜る。
ひとりだと広々使えて大助かりだ。
布団を引いてリビングで寝ろと言っているのに、ニキはすぐベッドに潜り込んでくる。
明日は土曜で休みだし、ゆっくり寝よう……。
目を開けたらニキの顔が見えた。
「へっ?」
「おはよう」
肘枕で私の顔を見ていたニキが、するりと頬を撫でる。
その顔は酷く愛おしそうだった。
「帰ってたの?」
「うん。
少し仮眠を取ろうと思ったがあまりにも苺が可愛いので、ついつい見惚れていた」
……可愛いとは誰が?
って、私しかいないみたいだが。
言われ慣れない言葉を言われ、照れるとか嬉しいとかよりも素になった。
「ああそう。
今日は休みだしもうちょっと寝る。
お腹空いてるんだったら冷凍庫にピザあるから、あれ焼いて食べて」
そのままもそもそとまた布団に潜り込んだら、後ろからニキに抱き締められた。
「えっ、ちょっと!」
「苺は温かくて柔らかくて、落ち着く……」
声は次第に小さくなっていき、そのうち寝息が聞こえてくる。
帰ってきたのは少し前みたいだし、眠気は限界だったんだろう。
「……ま、いっか」
すーすーと気持ちよさそうな寝息を聞いていたら、私もまた眠くなってくる。
起きたら、いままでどうしていたのか聞いてみよう。
仕事から帰ってきた部屋に、ニキの姿はない。
「今日もお出掛けですか、っと」
おにぎりをのせていた皿は洗ってあった。
一度帰ってきて寝た形跡はある。
「まあ、いないほうがいいけどさー」
ニキが我が家に転がり込んできて、今日でほぼ一週間。
とりあえずどこか落ち着き先が見つかるまではいていいとは言ったものの、なんの身分保障もないニキになにができるとは思えない。
このまま彼を養っていかなければならないのかと気が重くなる。
しかも当の本人は異世界で夜遊びを満喫しているのか、ここ数日帰ってくるのは私が出勤したあととくれば、怒りしかない。
「面倒なの拾っちゃったなー」
適当に食事を済ませ、お風呂に入ってニキの帰りなど待たずにベッドに潜る。
ひとりだと広々使えて大助かりだ。
布団を引いてリビングで寝ろと言っているのに、ニキはすぐベッドに潜り込んでくる。
明日は土曜で休みだし、ゆっくり寝よう……。
目を開けたらニキの顔が見えた。
「へっ?」
「おはよう」
肘枕で私の顔を見ていたニキが、するりと頬を撫でる。
その顔は酷く愛おしそうだった。
「帰ってたの?」
「うん。
少し仮眠を取ろうと思ったがあまりにも苺が可愛いので、ついつい見惚れていた」
……可愛いとは誰が?
って、私しかいないみたいだが。
言われ慣れない言葉を言われ、照れるとか嬉しいとかよりも素になった。
「ああそう。
今日は休みだしもうちょっと寝る。
お腹空いてるんだったら冷凍庫にピザあるから、あれ焼いて食べて」
そのままもそもそとまた布団に潜り込んだら、後ろからニキに抱き締められた。
「えっ、ちょっと!」
「苺は温かくて柔らかくて、落ち着く……」
声は次第に小さくなっていき、そのうち寝息が聞こえてくる。
帰ってきたのは少し前みたいだし、眠気は限界だったんだろう。
「……ま、いっか」
すーすーと気持ちよさそうな寝息を聞いていたら、私もまた眠くなってくる。
起きたら、いままでどうしていたのか聞いてみよう。
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