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第四話 ベルの真偽
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第四話 ベルの真偽
「バラ?あ~確かそうでしたか。。。」
同期の沖野の勢いに負けて買っただけだったので連番かバラはほとんど無意識だったが、当たる確率を少しでも高める目的で沖野の言うままにバラを買っていた。「それで?」現実感のない話をずっと聞いたせいか彰はだんだん考える事が億劫になりつつあった。
「まだ気付きませんか?」
「全ての販売員は、業務効率の為に上位の当選番号を把握してるんだそうです。そやから、連番のくじを持ったお客様からくじを受け取った時には、この中に当たりがあるんだと分かります。だからゆうて、さすがにバラのくじを持ったお客様からくじを受け取ってもこの中に当たりがあるとは誰も分かりません!」
「じゃあ、なんであの販売員は照合機が当たりをカウントする直前で照合機をストップ出来たんですか?」彰は眉間のシワを隠すことなく聞き返した。
「最初から知ってたんですよ。あなたが買ったバラ10枚の9枚目に一等のくじがある事を!だからその直前でストップできた。」横山はどこか遠くを見ながら喋った。
「え?一体どうやって知ってたんですか!?」彰の眉間に新たなシワも追加された。
「その女、タイムリープしてるんですわ。」
「はぁぁぁ!?」ぶっ飛んだ話に、彰は半笑いで反応した。
「3年前私は、90歳になる婆さんをタイムリープさせた。
タイムリープする前、自身のとても不運な人生に嫌気が差して新宿を中心とした連続放火殺人を計画したんですわ。計画を実行に移す前、WHHO世界秩序維持機構の者から私へ依頼があり、私はその婆さんにタイムリープのことを持ち掛けました。」
「はぁ。あの~」彰は開いた口が塞がらなかった。
横山は続けた。
「私は婆さんに、タイムリープして人生やり直すことができると話しました。
その婆さんは、「宝くじ売り場の販売員としてずっと働いてきて何人もの高額当選者を見てきた。心の底から羨ましかった。金の無い生活を一変したい」と言っていましたわ。今回の女はあの時の婆さんだったんですわ。」横山はしみじみと語った。
「….........。もう、そろそろ。話は終わりですかね?私、この後用事があるので帰ります!」
彰はしびれを切らし横山を寄せ付けないように出口へ一直線に向かった。
「好さん!!!ちょっと待ってください!!話を最後まで聞いてください!」横山は座ったままジェスチャーで彰を制止しようとした。
「いえ!もう結構です!!!」彰は横山の方を見向きもしなかった。
「あなたはもう既に時空のベルを鳴らしてしまっています!時空のベルはあなたと私で1回ずつ鳴らさな━━━━」横山は立ち上がって彰を追った!
「チリリン!バタンッっ!!」
「時空法違反してもうたわ….........。また先生に怒られる.........。」横山はおどけたような表情で独り言を言った。
彰は応接室を出た。
応接室に案内してくれた事務員の女性 が5m程先にいた。その女性が彰の方に振り返った途端、彰は固まった!その女性の顔の肌が鉄の素材に変わっていてまるで大仏のような雰囲気だ!彰は固まったまま動けないでいると、大仏の口から蛇の舌のようなものが伸びてきてクネクネと彰の方に近づいてくる!
「うわっっっ!!!」彰はおどろいた顔をし体は後ずさりしていた!
「なんじゃコイツッッ!」
オフィスを出ると、入る時に見たオフィス入口横の宝くじ運営管理委員会と縦書きで書かれた看板が変わっている事に彰は気がついた。
《所究研合総空時立国》
(ん!?んん!?横書き?ん!?なんだ??右から書いてる??国立…時空…総合研究所?)
彰の頭の中は混乱しながらもエレベーターに飛び乗った。
(え?エレベーターこんなだったか?)
よく見ると映画タイタニックで見たことのある昔の洋風エレベーターに変化していた。
「1階!1階!.........。ん!?んん!?」
《壱、弐、参、肆⋯》
「えっ?ボタン、昔の漢数字になってる?なんで?…。あー!もうっ!」
彰は「壱」を押して一階を目指した。
一階らしきフロアに着くと、そのフロアの変化に彰は目をぱちくりさせた。
「畳?床が畳に変わってる。たしかタイルだったはず…。ビルの一階なのに畳?」
彰は不自然と思いながも畳を靴で歩くのはバチが当たりそうな気がして靴を脱いだ。
総合受付へ恵実に似た女性がいたのを思い出した彰は、受付へ歩みを進めた。畳のど真ん中にその受付はあった。
(あ。さっきの恵実に似た女性だ。後ろ向いてるから驚かして反応を見てみよう。驚き方で素が分かるはず.....。)
「わっっ!!!たしは好と言い━━━」
「ツツツツッ!!」
その女性はカツラを被った猿だった!するとその猿の体が段々と大きくなっていく!!!みるみるうちに猿の頭が天井まで達して天井を壊しだした!
「ガッッガガッッ!!ドーン!ゴファッ!」
「なんっじゃこりゃっ!!危ねっ!」
大猿は敵意剥き出しで彰の方へ向かってきた!
「こっちへ来るなっ!おぉーい!」彰は出口の方へ逃げながら叫んだ。
彰の言葉は大猿の耳に全く届かず天井や床を壊しながら彰を追っかけた!
「オォオォオ!!!ウウゥゥアアォオ!!!!!!ガラガラドガーン!!!」
「うわぁぁー!!!!なんだよコレッッー!!」
そう言いながら彰はビルの出口を出た━━━。
「ハァハァ!、ハァハァ…ハァハァ。ング!ハァ-。」
ビルの出口を出たはずなのに、なぜか部屋の中にいる事に気付いた彰は顔を上げた。
「だから話を最後まで聞きなさいと言ったでしょ、好さん。」
横山だった。
横山は足を組んでソファに腰掛けていた。あたりを見回すとさっきまで横山と話をしていた部屋にワープしていたのだ。
「ルールを守らないから時空が歪んだんですわ。部屋から出た後、見るもの全ておかしなものばっかだったでしょう?」
「ハァハァ…。」彰はだんだん息が整ってきた。
「好さん、私の話、ちゃんと聞いてくれはりますか?」
「ハァ…。…。分かったよ。」
「バラ?あ~確かそうでしたか。。。」
同期の沖野の勢いに負けて買っただけだったので連番かバラはほとんど無意識だったが、当たる確率を少しでも高める目的で沖野の言うままにバラを買っていた。「それで?」現実感のない話をずっと聞いたせいか彰はだんだん考える事が億劫になりつつあった。
「まだ気付きませんか?」
「全ての販売員は、業務効率の為に上位の当選番号を把握してるんだそうです。そやから、連番のくじを持ったお客様からくじを受け取った時には、この中に当たりがあるんだと分かります。だからゆうて、さすがにバラのくじを持ったお客様からくじを受け取ってもこの中に当たりがあるとは誰も分かりません!」
「じゃあ、なんであの販売員は照合機が当たりをカウントする直前で照合機をストップ出来たんですか?」彰は眉間のシワを隠すことなく聞き返した。
「最初から知ってたんですよ。あなたが買ったバラ10枚の9枚目に一等のくじがある事を!だからその直前でストップできた。」横山はどこか遠くを見ながら喋った。
「え?一体どうやって知ってたんですか!?」彰の眉間に新たなシワも追加された。
「その女、タイムリープしてるんですわ。」
「はぁぁぁ!?」ぶっ飛んだ話に、彰は半笑いで反応した。
「3年前私は、90歳になる婆さんをタイムリープさせた。
タイムリープする前、自身のとても不運な人生に嫌気が差して新宿を中心とした連続放火殺人を計画したんですわ。計画を実行に移す前、WHHO世界秩序維持機構の者から私へ依頼があり、私はその婆さんにタイムリープのことを持ち掛けました。」
「はぁ。あの~」彰は開いた口が塞がらなかった。
横山は続けた。
「私は婆さんに、タイムリープして人生やり直すことができると話しました。
その婆さんは、「宝くじ売り場の販売員としてずっと働いてきて何人もの高額当選者を見てきた。心の底から羨ましかった。金の無い生活を一変したい」と言っていましたわ。今回の女はあの時の婆さんだったんですわ。」横山はしみじみと語った。
「….........。もう、そろそろ。話は終わりですかね?私、この後用事があるので帰ります!」
彰はしびれを切らし横山を寄せ付けないように出口へ一直線に向かった。
「好さん!!!ちょっと待ってください!!話を最後まで聞いてください!」横山は座ったままジェスチャーで彰を制止しようとした。
「いえ!もう結構です!!!」彰は横山の方を見向きもしなかった。
「あなたはもう既に時空のベルを鳴らしてしまっています!時空のベルはあなたと私で1回ずつ鳴らさな━━━━」横山は立ち上がって彰を追った!
「チリリン!バタンッっ!!」
「時空法違反してもうたわ….........。また先生に怒られる.........。」横山はおどけたような表情で独り言を言った。
彰は応接室を出た。
応接室に案内してくれた事務員の女性 が5m程先にいた。その女性が彰の方に振り返った途端、彰は固まった!その女性の顔の肌が鉄の素材に変わっていてまるで大仏のような雰囲気だ!彰は固まったまま動けないでいると、大仏の口から蛇の舌のようなものが伸びてきてクネクネと彰の方に近づいてくる!
「うわっっっ!!!」彰はおどろいた顔をし体は後ずさりしていた!
「なんじゃコイツッッ!」
オフィスを出ると、入る時に見たオフィス入口横の宝くじ運営管理委員会と縦書きで書かれた看板が変わっている事に彰は気がついた。
《所究研合総空時立国》
(ん!?んん!?横書き?ん!?なんだ??右から書いてる??国立…時空…総合研究所?)
彰の頭の中は混乱しながらもエレベーターに飛び乗った。
(え?エレベーターこんなだったか?)
よく見ると映画タイタニックで見たことのある昔の洋風エレベーターに変化していた。
「1階!1階!.........。ん!?んん!?」
《壱、弐、参、肆⋯》
「えっ?ボタン、昔の漢数字になってる?なんで?…。あー!もうっ!」
彰は「壱」を押して一階を目指した。
一階らしきフロアに着くと、そのフロアの変化に彰は目をぱちくりさせた。
「畳?床が畳に変わってる。たしかタイルだったはず…。ビルの一階なのに畳?」
彰は不自然と思いながも畳を靴で歩くのはバチが当たりそうな気がして靴を脱いだ。
総合受付へ恵実に似た女性がいたのを思い出した彰は、受付へ歩みを進めた。畳のど真ん中にその受付はあった。
(あ。さっきの恵実に似た女性だ。後ろ向いてるから驚かして反応を見てみよう。驚き方で素が分かるはず.....。)
「わっっ!!!たしは好と言い━━━」
「ツツツツッ!!」
その女性はカツラを被った猿だった!するとその猿の体が段々と大きくなっていく!!!みるみるうちに猿の頭が天井まで達して天井を壊しだした!
「ガッッガガッッ!!ドーン!ゴファッ!」
「なんっじゃこりゃっ!!危ねっ!」
大猿は敵意剥き出しで彰の方へ向かってきた!
「こっちへ来るなっ!おぉーい!」彰は出口の方へ逃げながら叫んだ。
彰の言葉は大猿の耳に全く届かず天井や床を壊しながら彰を追っかけた!
「オォオォオ!!!ウウゥゥアアォオ!!!!!!ガラガラドガーン!!!」
「うわぁぁー!!!!なんだよコレッッー!!」
そう言いながら彰はビルの出口を出た━━━。
「ハァハァ!、ハァハァ…ハァハァ。ング!ハァ-。」
ビルの出口を出たはずなのに、なぜか部屋の中にいる事に気付いた彰は顔を上げた。
「だから話を最後まで聞きなさいと言ったでしょ、好さん。」
横山だった。
横山は足を組んでソファに腰掛けていた。あたりを見回すとさっきまで横山と話をしていた部屋にワープしていたのだ。
「ルールを守らないから時空が歪んだんですわ。部屋から出た後、見るもの全ておかしなものばっかだったでしょう?」
「ハァハァ…。」彰はだんだん息が整ってきた。
「好さん、私の話、ちゃんと聞いてくれはりますか?」
「ハァ…。…。分かったよ。」
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