59 / 145
眞澄ルート 1章
恋に気づく瞬間 7
しおりを挟む
手を繋いで夜道を歩く。眞澄くんは私のスピードに合わせてくれている。
「ごめんね、変なことしちゃって。部屋に行けば済んだのに……」
「いや、却って助かった」
散歩に出ることで眞澄くんが助かったのなら良かったけど、何か困ったことが起こったのかと疑問に思う。
「何かあったの? 大島先生が来た? ちゃんと封をしたはずだったのに……」
「そうじゃなくてさ……」
言い淀む眞澄くんが心配で上目遣いに見るけれど、彼は視線を逸らして伏し目がちになる。睫毛が長い。
眞澄くんは頭を掻きむしるような仕草をして小さくため息をつくと、観念したように口を開いた。
「……みさきを部屋に入れたら、俺が……何するかわかんねーだろ!」
低声だけどぶっきらぼうに言い放たれて、ややあってから理解した。映画館のときみたいなことになるということだ。思い出して、頬が紅潮してしまう。
「……良い、よ」
左胸が抉られるような痛みを感じる。声帯もひきつっているみたいな感じがして上手く声が出ないのに、ひとりでに言葉が紡がれた。
「眞澄くんなら」
精悍な印象を受ける整った顔を真っ直ぐ見ることができない。眞澄くんが今どんな表情をしているのか知りたいけれど、怖くもあった。繋いだ手の指先に自然に力が入ってしまう。
「何され……」
言い終わるより早く、唇を眞澄くんの唇で塞がれた。驚きで身体が硬くなってしまう。
彼は私の肩に手を置き、長い腕を伸ばして物理的な距離を作る。そしてうな垂れた。
「……勘弁してくれ。それ以上聞いたら、ここで襲いかかる自信がある」
顔を上げると、街灯が照らしたのは照れくさそうにした眞澄くんだった。
身体が勝手に動いていた。短いキスを私からする。
「あ……あれ?」
黒曜石のような瞳が呆然と見開かれている。
「眞澄くん……?」
動かない眞澄くんの目の前で掌を左右に振ってみた。反応がない。
「ま、眞澄くん?」
「……反則だろ」
そう呟きながら頭を抱えて屈んだ眞澄くん。心配になって、私もしゃがんで精悍な面を覗いてみる。
目が合うと眞澄くんは困ったように破顔した。
「声が、聞きたかったの」
「知ってる」
差し出された大きくて少し冷たい手を握ると、小さく笑い合ってふたり同時に立ち上がる。
「私、ね……」
私の世界を壊してしまう言の葉。だけど止められなかった。
「好きなの」
適度に鍛えられた胸板に引き寄せられる。痛いくらい強く腕の中に押し込められた。だけど嬉しいと思う。おずおずと広い背中に手を回す。
「眞澄くんが好き」
「好きだよ。みさき」
耳朶に触れる蕩けるほど甘美な囁きに、全て預けたくなる。適度に鍛えられた胸板に顔を埋めると吐息がこぼれた。だけどこんなに力を込めていたら昼間に切られた辺りが痛まないか、ふと気になってしまった。
「もう痛くない?」
顔を上げると眞澄くんは柔らかく目を細めた。
「それどころじゃなくなった」
そっと唇が触れ合う。一度鼻の頭が触れ合う距離になって見つめ合った。漆黒の双眸に吸い込まれてしまう錯覚に陥る。
再び口唇が重なった。優しいキスに安心する。呼吸の続く限り触れあっていた。
「やっぱ、我慢できない」
そう呟いた眞澄くんは私の唇を舐めた。下唇を吸われて自然に隙間ができた。そこへ眞澄くんの舌が割り込んできて私の歯列をなぞる。
「んっ……」
痛いくらい抱きしめられていたけれど、そうしてもらわないと腰が砕けて立っていられなかった。
眞澄くんの舌がゆっくり私の口の中でうごめいている。
「ふ、ンん……っ」
ぞくぞくして、ぞわぞわする。鼻にかかった声がひとりでにこぼれてしまう。
「みさき……」
眞澄くんの黒曜石のような瞳が、少し潤んでいるように見えた。
「声、かわいすぎてヤバイ。もっと聞かせて」
もう一度、深くつながるキスをした。
いつもと変わらないベッドで、いつもの寝間着を着て目覚める。
昨夜のことを思い出すと自然に顔がにやけてしまう。だけど次の瞬間、夢だったらどうしようと不安になった。
制服に着替えて部屋を出る。階段を降りたところで眞澄くんとばったり会った。
「おはよう」
今までわりと平気だったのに、今日はまだ顔も洗っていない姿を見られてちょっと恥ずかしい。髪を頬へ引っ張って少しでも隠そうと努力した。
「おはよ。珍しくひとりで起きたな」
頭を優しくひと撫でされる。何だかいつもと違う雰囲気が漂った。
目が合うとお互い照れ笑いしてしまって、昨夜のことは現実だと改めて感じる。
「今夜は無理だけど、また抜け出そうぜ」
耳元で密やかに告げられた。耳たぶも心もくすぐったい。
もう淳くんから今夜、大島先生が雪村さんのところへ案内してくれるという話を聞いたみたいだ。
にやけていないか心配なので、先に洗面所で顔を洗うことにした。
いつもの通り学校へ行った。大島先生も今日はおとなしく教育実習生として過ごすみたい。
2時間目の生物の授業が始まってすぐ、どうも周りの女の子たちがそわそわしていると感じたの。みんなグラウンドを見ている。私も窓の外へ視線を向けると、3年生が運動会の練習をしていた。
眞澄くんと淳くんがいる。男子は棒倒しをするみたいだ。女子の先輩たちが黄色い声援を送っている。
勝負は呆気なくついた。ラグビー部と思われる身体の大きな男子数人が棒を守る相手チームの男子達を凪ぎ払い、眞澄くんと淳くんが見事な連携プレーでふたりとも素早く棒の上に登って倒す。
かっこいいと見とれてしまった。今までより眞澄くんがキラキラ光って見える。
グラウンドでも歓声が上がっている。練習でこれなのだから、ギャラリーの増える本番はたいへんなことになりそうだ。
満面の笑みの眞澄くんの隣で、穏やかに微笑む淳くんの横顔が目に入る。
淳くんだけじゃなく、みんなにちゃんと伝えないといけないと思った。みんな大好きだけど、それとは違う好きを見つけてしまったから。
きっと今まで通りではいられない。悲しいけれど、受け入れなくては。
私が出した答えだ。
「ごめんね、変なことしちゃって。部屋に行けば済んだのに……」
「いや、却って助かった」
散歩に出ることで眞澄くんが助かったのなら良かったけど、何か困ったことが起こったのかと疑問に思う。
「何かあったの? 大島先生が来た? ちゃんと封をしたはずだったのに……」
「そうじゃなくてさ……」
言い淀む眞澄くんが心配で上目遣いに見るけれど、彼は視線を逸らして伏し目がちになる。睫毛が長い。
眞澄くんは頭を掻きむしるような仕草をして小さくため息をつくと、観念したように口を開いた。
「……みさきを部屋に入れたら、俺が……何するかわかんねーだろ!」
低声だけどぶっきらぼうに言い放たれて、ややあってから理解した。映画館のときみたいなことになるということだ。思い出して、頬が紅潮してしまう。
「……良い、よ」
左胸が抉られるような痛みを感じる。声帯もひきつっているみたいな感じがして上手く声が出ないのに、ひとりでに言葉が紡がれた。
「眞澄くんなら」
精悍な印象を受ける整った顔を真っ直ぐ見ることができない。眞澄くんが今どんな表情をしているのか知りたいけれど、怖くもあった。繋いだ手の指先に自然に力が入ってしまう。
「何され……」
言い終わるより早く、唇を眞澄くんの唇で塞がれた。驚きで身体が硬くなってしまう。
彼は私の肩に手を置き、長い腕を伸ばして物理的な距離を作る。そしてうな垂れた。
「……勘弁してくれ。それ以上聞いたら、ここで襲いかかる自信がある」
顔を上げると、街灯が照らしたのは照れくさそうにした眞澄くんだった。
身体が勝手に動いていた。短いキスを私からする。
「あ……あれ?」
黒曜石のような瞳が呆然と見開かれている。
「眞澄くん……?」
動かない眞澄くんの目の前で掌を左右に振ってみた。反応がない。
「ま、眞澄くん?」
「……反則だろ」
そう呟きながら頭を抱えて屈んだ眞澄くん。心配になって、私もしゃがんで精悍な面を覗いてみる。
目が合うと眞澄くんは困ったように破顔した。
「声が、聞きたかったの」
「知ってる」
差し出された大きくて少し冷たい手を握ると、小さく笑い合ってふたり同時に立ち上がる。
「私、ね……」
私の世界を壊してしまう言の葉。だけど止められなかった。
「好きなの」
適度に鍛えられた胸板に引き寄せられる。痛いくらい強く腕の中に押し込められた。だけど嬉しいと思う。おずおずと広い背中に手を回す。
「眞澄くんが好き」
「好きだよ。みさき」
耳朶に触れる蕩けるほど甘美な囁きに、全て預けたくなる。適度に鍛えられた胸板に顔を埋めると吐息がこぼれた。だけどこんなに力を込めていたら昼間に切られた辺りが痛まないか、ふと気になってしまった。
「もう痛くない?」
顔を上げると眞澄くんは柔らかく目を細めた。
「それどころじゃなくなった」
そっと唇が触れ合う。一度鼻の頭が触れ合う距離になって見つめ合った。漆黒の双眸に吸い込まれてしまう錯覚に陥る。
再び口唇が重なった。優しいキスに安心する。呼吸の続く限り触れあっていた。
「やっぱ、我慢できない」
そう呟いた眞澄くんは私の唇を舐めた。下唇を吸われて自然に隙間ができた。そこへ眞澄くんの舌が割り込んできて私の歯列をなぞる。
「んっ……」
痛いくらい抱きしめられていたけれど、そうしてもらわないと腰が砕けて立っていられなかった。
眞澄くんの舌がゆっくり私の口の中でうごめいている。
「ふ、ンん……っ」
ぞくぞくして、ぞわぞわする。鼻にかかった声がひとりでにこぼれてしまう。
「みさき……」
眞澄くんの黒曜石のような瞳が、少し潤んでいるように見えた。
「声、かわいすぎてヤバイ。もっと聞かせて」
もう一度、深くつながるキスをした。
いつもと変わらないベッドで、いつもの寝間着を着て目覚める。
昨夜のことを思い出すと自然に顔がにやけてしまう。だけど次の瞬間、夢だったらどうしようと不安になった。
制服に着替えて部屋を出る。階段を降りたところで眞澄くんとばったり会った。
「おはよう」
今までわりと平気だったのに、今日はまだ顔も洗っていない姿を見られてちょっと恥ずかしい。髪を頬へ引っ張って少しでも隠そうと努力した。
「おはよ。珍しくひとりで起きたな」
頭を優しくひと撫でされる。何だかいつもと違う雰囲気が漂った。
目が合うとお互い照れ笑いしてしまって、昨夜のことは現実だと改めて感じる。
「今夜は無理だけど、また抜け出そうぜ」
耳元で密やかに告げられた。耳たぶも心もくすぐったい。
もう淳くんから今夜、大島先生が雪村さんのところへ案内してくれるという話を聞いたみたいだ。
にやけていないか心配なので、先に洗面所で顔を洗うことにした。
いつもの通り学校へ行った。大島先生も今日はおとなしく教育実習生として過ごすみたい。
2時間目の生物の授業が始まってすぐ、どうも周りの女の子たちがそわそわしていると感じたの。みんなグラウンドを見ている。私も窓の外へ視線を向けると、3年生が運動会の練習をしていた。
眞澄くんと淳くんがいる。男子は棒倒しをするみたいだ。女子の先輩たちが黄色い声援を送っている。
勝負は呆気なくついた。ラグビー部と思われる身体の大きな男子数人が棒を守る相手チームの男子達を凪ぎ払い、眞澄くんと淳くんが見事な連携プレーでふたりとも素早く棒の上に登って倒す。
かっこいいと見とれてしまった。今までより眞澄くんがキラキラ光って見える。
グラウンドでも歓声が上がっている。練習でこれなのだから、ギャラリーの増える本番はたいへんなことになりそうだ。
満面の笑みの眞澄くんの隣で、穏やかに微笑む淳くんの横顔が目に入る。
淳くんだけじゃなく、みんなにちゃんと伝えないといけないと思った。みんな大好きだけど、それとは違う好きを見つけてしまったから。
きっと今まで通りではいられない。悲しいけれど、受け入れなくては。
私が出した答えだ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる